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4、国立自然史博物館内
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発生直後 国立自然史博物館 1階ロビー ワシントンDC
耳をつんざく爆音の後、英国陸軍特殊空挺部隊(SAS)所属のレイ・アームストロング少尉は、床に這いつくばって状況の把握に努める。
ケガはない。直前に異変に気づいたからだ。タンゴ(テロリスト)の仕業であることは間違いない。何人いるのか。目的は何か。それを把握しなければならない。
SASにあっても、理久と眞の警護に当たれるのは、選ばれし者だけだ。
つまり、アームストロングは、優秀な、非常に優秀な兵士なのだ。
自分が、テロ発生現場の最中にいる。この状況は、必ず解決の助けになると、アームストロングは冷静に分析していた。そのために、できるだけ「一般人」に紛れ込む。静かに。タンゴに気づかれないように。
エレベーターの近くの柱の影に、眞の忘れたリュックがあった。確か、「父のお土産に買ったパーカーが入っている」といっていた。
ちょうどいい。この黒ずくめのスーツの背広を脱ごう。観光客というには無理がある、黒い背広とはおさらばだ。
すばやくリュックを手にとって、中からパーカーを引っ張り出した。
背広を脱ぎ、NASAのロゴが入った、いつ着るんだと思わずにはいられない、派手な色彩のパーカーを羽織った。これで、スーツのスラックスも、なんとなくカジュアルに見えなくもない。このパーカーを選んだ眞のセンスに感謝した。
そして、後ろに撫で付けていた黒髪を無造作にし、背広をリュックにしまった。
するとそこには、パーカーの下には銃、靴底と足首にはナイフを隠し持ち、格闘技の達人などとは誰も思わない、ワシントンに初めてきた観光客で、童顔で人の良さげな、一見国籍不明の若者がいた。
耳をつんざく爆音の後、英国陸軍特殊空挺部隊(SAS)所属のレイ・アームストロング少尉は、床に這いつくばって状況の把握に努める。
ケガはない。直前に異変に気づいたからだ。タンゴ(テロリスト)の仕業であることは間違いない。何人いるのか。目的は何か。それを把握しなければならない。
SASにあっても、理久と眞の警護に当たれるのは、選ばれし者だけだ。
つまり、アームストロングは、優秀な、非常に優秀な兵士なのだ。
自分が、テロ発生現場の最中にいる。この状況は、必ず解決の助けになると、アームストロングは冷静に分析していた。そのために、できるだけ「一般人」に紛れ込む。静かに。タンゴに気づかれないように。
エレベーターの近くの柱の影に、眞の忘れたリュックがあった。確か、「父のお土産に買ったパーカーが入っている」といっていた。
ちょうどいい。この黒ずくめのスーツの背広を脱ごう。観光客というには無理がある、黒い背広とはおさらばだ。
すばやくリュックを手にとって、中からパーカーを引っ張り出した。
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そして、後ろに撫で付けていた黒髪を無造作にし、背広をリュックにしまった。
するとそこには、パーカーの下には銃、靴底と足首にはナイフを隠し持ち、格闘技の達人などとは誰も思わない、ワシントンに初めてきた観光客で、童顔で人の良さげな、一見国籍不明の若者がいた。
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