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能羅
しおりを挟む能羅
拓本(*)風にしてみるなど。
連綿にしてみてもよかったのだけれど、かな文字は続けて書く際よく起筆や終筆の形が変わるので(省略したり誇張したり)、まずは基本に立ち返るのもいいかと思った。
線としては繋がっていないけれど、気分や筆運びは繋がっている。そんな目に見えない流れを書道的には気脈や筆脈と呼んだりする。
能は、何で省略するとあの形になるのか甚だ疑問な変体がな(私の中で)No.1であったが、字そのものよりも筆の運びに目を向けるようになったらそれとなく納得がいった。
細かい横線はすっ飛ばして月のハネ上がりをぴゃーと書いて、またすっ飛ばして一本にしてしまって最後はそっと抜くみたいな感じだろうか? 最初にあの字の省略系を作った人に聞いてみたいものだ。
羅は、古典を眺めていると圧倒的にらまたはそこまで省略せずに良(現在使われている平仮名らの字源)のが多いが、連綿などで繋げやすいのだろうか。今回はそれぞれの文字を単独にしたらなんとなくおさまりがよかったので羅を採用した。
羅はほぼ草書そのまんまの形で覚えやすかったが、変体がなの方がもう少しデカダンスというのか、少し熟れて落ちんばかりのなんとなく形を保っているような、危うい儚さがある気がした。
*補足
拓本という言葉を初めて聞いた時にはよくわかったようなわからないようなつもりでいたが、魚拓の拓と同じ字を使ってると思えば、なるほど紙を押し当てて墨でポンポンしたのかなと納得がいった。
山梨あたりに拓本作りを体験出来る施設があったはずだなと思って調べたら、大門碑林公園というらしい。公共の場だとは知らなかった。
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