未来から来た彼女！

第二章 春の雨に洗われた太陽

第05話 このちびっ子は誰だ？

俺が家に帰り、疲れ果ててベッドに横たわっていたとき、あることに確信した。

もう俺は本当に、誰にも好きになれないことだ！

かつて、恋愛を期待した自分は、もうつまらなくなった気がした。

「ねえ、もしまだいるなら、どうすればよいかを教えてくれる？」

考えが口から出るとすぐに、俺はほとんど無意識のうちに答えた。

「いや、俺達はこのような問題が起きるはずもない」

今日の姜惜兮キョウシーシーの告白を受け取るのはナンセンスだ。ただ、これは衝動的に下された決定ではなく、俺は誰かに告白すればすぐに合意するタイプじゃない。

ただ、姜惜兮キョウシーシーにはいくつか温涼ウェンスズミに会う前の自分に少し似ていったから。

この気持ちがほんの少しだったとしても、俺は…断れなかった。

俺は他人の気持ちを遊ばせるつもりは一切なかった。というか、こんなことをするわけがない。ただ、頭の中には、狂気の声だけが自分に言い聞かせている――

あなたを好きな人へ優しく、もっと優しくしてください。

そして今、姜惜兮キョウシーシーが現れた。

今回は、俺はお互い知る、探り合うなどすべてスキップして、直接関係を確立した。もう、霧の中に花を見るようなことをやめ、正々堂々と彼女と認め、自然に彼女の手を握る。

これを補償も贖罪とも俺が思うたとえその中では愛がなくでも。

俺は、強制的に姜惜兮キョウシーシーを好きになるように。

たた、時間の問題だ。

俺の時間はまだ長い。

そうでしょう？

そして、曹愛青ソウアオイ三年近く片思いしたにも関わらず、今はもう何の感情も湧いてこなくなった。

涼スズミが俺と曹愛青ソウアオイが一緒にいることを想像したのを思うだけで俺の心が痛みすぎて耐えられない。

これを現実になってほしくなく、そうなることが俺はもっと罪悪感が高く悲しいでしょう。

だから、マドンナを棚に置き、これからも接点がなくなる可能性がある。

...

...

週末の朝、ボクシングジム

姜惜兮キョウシーシーは脇に座って、ボクシングジムで練習している生徒達を不思議そうに見ました。

「女の子はここには退屈と思うけと、午後に会う約束をしていたのに、こんなところに来るとは思わなかった」

俺の手に包帯を巻き、豆粒大の汗が額と頬を滑り落ち、最後に顎から滴り、全身が濡れたように見えた。

先にの肉体訓練を終えたばかりで、全身から肉眼で見える熱の波を発していた。

「いいえ、お兄ちゃんに早く会いたいから」

姜惜兮キョウシーシーはそんな彼を見て、心臓がドキドキし、顔を赤らめて言った。
「それなら、良いタイミングじゃないね！」と俺は一瞬呆然としたが、微笑んで言った。

「何？」

姜惜兮キョウシーシーは不可解で聞いた。

「息子よ、賀天然ガテンネン来いよ！殴ってやる、お前さ今のラブラブ感を見せて、俺がもっと殴るからな！」

周りから爆笑し、姜惜兮キョウシーシーは彼に怒りぽい顔を向けた。

彼は賀天然ガテンネンのクラスメートで隣席に座っていることも知っている。名前が薛勇シュエツヨシったけ？

「怒るなよ、冗談だから。俺が先に行くから、怖いなら目を閉じて」

俺は彼女の頭を軽くたたき、地面から赤いボクシンググローブを拾い上げて着用し、拳をお互い気合を入れし、2、3歩でリングに足を踏み入れました。

「お兄ちゃん、頑張れ！！彼を豚の頭みたいにぶちのめせ！」

姜惜兮キョウシーシーは彼の背中を見て、まるでしっぽのようにリングを駆け下り、拳を上げて彼を応援し始めました。

さっきの彼女の睨みは誰も怖がらせなくむしろ可愛く感じた。そして、今はまるでソフトキャンディーのような応援声が、この戦いを見守っていた周りの男達はもう我慢できずに「ハア…」という声が漏らした。

「クソ！今日はね…お前をホコホコまで殴らなければ、俺はもう薛《シュエ》と名乗らない！」

彼は歯を食いしばって言いました。

「そうよ、今日から君は俺と同じ名字で賀になるからなぁ！」と俺もくだらない話しを言い返した。

ステージ下にいる師兄のカウントダウンに続いて、二人は足を動かし、拳をぶつけてすぐに距離を開け、正式に競技が始まりました。

やはり薛勇シュエツヨシの練習時間は俺よりも長く、少し前まで練習を怠っていたため、出てきた途端に彼に制圧され、反応能力でパンチを避けたが、たまには拳と打つかりし、結構歯まで痛くなった。

中盤までになり、薛勇シュエツヨシの嵐のような攻撃がついに減速した。彼は怒りを発散するだけで、体力を維持することがわからなく、俺はその攻撃を耐え、チャンスを掴み、次々と反撃を開始し、やがて二人は同レベルの対戦するになった。

賀天然ガテンネンの反応が速く、しかも殴られでも耐えられるし、時々彼を殴り返ししでも、薛勇シュエツヨシはまったく気性がありませんでした。

姜惜兮キョウシーシーも、恋人が徐々に勢いを増しているのを見て、とても喜んでいましたが、あえて大声で叫ぶことはできませんでした。

彼が殴られたとき、急いで目を閉じ、何をつぶやいているのかわからなかった。

だが、突然に試合の終わりとなった。

近づいてくる拳の影に直面して、俺はかわしながら少し気を散らしていました。

ボクシングジムの入り口からゆっくりと歩いてくる、見慣れたけれど見知らぬ人が見えたからだから。

｜温涼ウェンスズミだ！

彼女の元の黒髪は今、亜麻色に染められ、スリムな首にバックル付きの黒い革の帯を着けて、ジンズのジャケットを着ています。

肩にスポーツバッグを持って、真っ白な足が日当たりの良い場所に踏み入れると、全身が輝きを放いているように見える。

「ポン！」

薛勇シュエツヨシのパンチが一気に気を取られた俺を打ち、その勢いで俺が二歩後退し、頭の中は混乱に満ちていたが、これは殴られた後の反応ではないことを知っていた。

「うわっ！涼スズミちゃん、やっと来たね！」

ステージの下で、誰かが叫んだ。

薛勇シュエツヨシは殴るのをやめ、俺を見て、数秒間立ち止まった後、手袋を脱いで彼女と話しました。

姜惜兮キョウシーシーはリングに駆け寄り、「兄ちゃん、大丈夫ですか？」と心配そうに聞いた。

「大丈夫」

俺は頭を振って殴られた場所に触れたが、実際には何も感じなかった。

目をコントロールし、誰かを見ないように、二人がリングを離れ、彼は手袋を脱いで姜惜兮キョウシーシーに言いました。

「ちょっと喉が渇いたので、下の階に行って水を買ってきてくれないか？」

「うん、わかった！」

姜惜兮キョウシーシーは返事しながらすぐに走って行った。

彼女の後ろ姿を見て、俺は微笑みながら「心配しないで、ゆっくり行ってください！」と叫ばずにはいられませんでした。

「へぇへぇうん！」

温涼ウェンスズミが皆さんと話しているのをみて、姜惜兮キョウシーシーは彼女の後ろを通り過ぎ、囲まれた彼女の背中を不思議そうにちらりと見た後テンポよく飛び去った。

姜惜兮キョウシーシーが立ち去ったとき、温涼ウェンスズミは彼女が去った方向をちらりと見て、さりげなく尋ねました。

「このちびっこは誰？」

薛勇シュエツヨシは咳をして、「クク、ああ、彼女は後輩だ」とたじろぐように言いました。

「後輩？うちのボクシング部が女子生徒を受けるって父から聞いてないよ」

「いや、生徒じゃなくて家族だけど……」

「家族？」

「あの、それ、天然くんの彼女だ」

「えっ…!?」

温涼ウェンスズミは胸に組んだ手を抜いてゆっくりと左右に振り、周囲の生徒が隙間をあけ、彼が地面に座り拳のベルトをゆっくりとほどいた。

すぐに、彼女は彼に向かって歩いた。