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第一章 ひまわり
第14話 勘違いがない
しおりを挟む昨日ボクシングジムに戻ったとき、温涼の姿がなかったが、演技クラスに授業があるから早く帰らなければとメッセージをもらった。
そして、温師匠が叱った後、薛勇も意地悪できず、おとなしくなっていった。
ボクシングのレッスンが一回に2時間かかり、その代償は翌日の爆発的な筋肉痛であった。
すなわち、俺の日曜日は家で一日中完全に麻痺していました。
まぁ、良いこともあった。
温師匠は俺の反応能力を高く評価し、ボクサーの逸材に適応していると言われ、来週からも授業体験に誘われた。
完璧なオタクの週末になるはずだったが、温涼のイメチェン計画で、あっという間に終わってしまった。
月曜日の朝、港町市高校。
あごにばんそうこうを貼って、俺はわざと頭を下げて教室に入ってきました。
というか、来る途中ですでに何人か、指しながら些細な声を聞こえた。
それは俺の顔のけがのことではなく、あの夜、温涼と手を繋いで、キャンパス内で気まぐれに歩いていったことだった。
今のクラスは噂の中心になるかと思いきや、俺が教室に入ってきてから、誰にからわれることがなかった。
ただ、隣の席にいる葉佳林が例外だった。
「ねえ、涼ちゃんから、お父さんがわざわざ天然くんをボクシングジムへ行くように頼んだって本当?」
「ボクシングの才能があるってマジ?」
彼女は俺が座ってから、すぐに近寄って尋ねて来た。
俺は少し戸惑いながら後ろを振り返ると、すでに学校に戻った温涼が近くのクラスメートと会話をしている。
彼女も俺の目線にきづき、喜んで手を振った。すると、周りの女子も彼を見て、口をふさぎ、笑ったり冗談を言ったりしている様子。
彼女はこういう風に解釈したの?
しかも、皆はそれを信じていった!
俺もしばらく理由を考えたが、確かに、温涼と付き合っているよりは、今のほうが説得力あるようだった。
「うん…まあね…」俺はさり気なく頷いた。
すると、葉佳林はだろうなぁという顔をして、「そう思ったよ!君のようなタイプは直接引っ張り出さないと、おそらく放課後はすぐに家に帰ってしまったでしょう?」と確かめた。
「彼らってさ、彼女は天然くんのことが好きだって、ありえないよね? 目が悪いの?ええと ……そんなつもりじゃなかった……ただ……」
「いや、わかっている、気にしてない……」
俺の丁度いいあいづちで、二人の気まずさを緩和した。
葉佳林は皮肉を込めて微笑んだが、突然鼻がフンフンと動き、そして、俺に近づきにおいを嗅いだ。
「え?どんな匂い?」
「ちょっと……ちょっとだけ香水」
今朝、トイレに立って三分間考えた。
最後に、温涼のアドバイスに従い、手首と耳の後ろに少量の香水をスプレーすることにしました。
いつもなら、葉佳林にからわれるかと思ったが、彼女はその答えを聞いて一瞬呆然としただけでした。
頭を横に振りなんたが不自然に、「似合うね……いい匂い……」と言っただけでした。
「ありがとう……」
二人は黙り込み、賀天然が教科書を取り出して一人で復習しようとしたとき、彼女からささやく声がした。
「あごの傷…」
「ボクシング練習中にうっかり殴られてしまった…」
「あら、それならもっと気をつけないと」
「うん……」
どういうこと?
この雰囲気…ちょっとおかしい…
俺は彼女の今の状態に非常に不慣れでした。
というか、彼女も違和感を気づき、さり気なく聞いた。
「週末のモーメンツに投稿した曲は素敵だね…」
「え?いつ俺のWeChatを持っているの!?」
俺は信じられないほど彼女を見つめた。
「私は生活委員だからクラス全員の連絡先を持っているわ!ただ、いつも潜っているから、別名AKAゴシップの女神と呼ばれている。天然くんのようなマンガ・ゲーム一筋のオタクでは気づけないわ!」
葉佳林もいつもの自分に戻り笑いながら話した。
俺は泣きたかったが、葉佳林が高校1年生の時に生活委員会のメンバーだったことをずっと忘れていた!
つまり、過去二年間で俺のモーメンツの秘密基地は、ずっと彼女に監視されているしょうか?
「というか、せっかく涼ちゃんのWeChatと交換できて、彼女からモーメンツにコメントしているにも関わらず、返事しないで早く寝ってというコメントを見ると、もう、マジで受けた!」
「天然くんって本当に天然だね!」と彼女は話しながら笑っていた。
俺は苦笑いしながら、彼女の言葉に従いました。
「だ、だから、俺は別に何の考えもなかった…」
「そうね、本当に何にも考えていなかったね、ただ、涼ちゃんって何でずっと‘未来’ってコメントしているの?それってとういう意味?」
彼女は両手で鼻の両側にある、ほうれい線を拭いて頷来ながら聞いた。
「ああ、将来彼女はボクシングを習ってくれと言われた夢を見たって話したら、からかわれていた」
俺は迅速に言い返した。こいうことは中二病の自分なら疑わないでしょう。案の定、彼女はそれを聞いて、思わずゲラゲラと笑った。
「中二病の男ってやばい!ハハ、こんなに恥ずかしいことをよくも平気で言えったね」
この話しを見事にそらしたようで、俺も作り笑いをした。
だが、他の人の目には、今日の俺はいつもとちょっと違うようだった。
なぜならば、彼は普段女の子とは全く会話がなかった。なのに、今は葉佳林と話しができるなんで珍しすぎるほどだった。
葉佳林は左右をちらりと見た後、右手を上げて口を覆い、不思議なことに言いました。
「ところで、知っている?今日…」
ジングルベル……
彼女が話しそうなとき、授業開始のベルが鳴り、担任の陳先生は平らな靴を踏んで教室に入ってきました。
後ろには、先生より遥かに背の高い張之凡がいました。
陽気で、イケメンで、昇る太陽のように、彼の姿が現れた途端に、ほとんどの人に注目された。
こういう時限って、恥ずかしがり屋の女子達が、気まぐれなままで彼を見つめることができる。
「新学期一ヶ月が経ち、月間テストの結果が出たよ、クラスのルールに応じて今から席順変更しなさい」
「皆さん、荷物をまとめて、ランドセルを持って先に廊下で待てって、班長の張くんから学籍番号を呼んだ人から教室に入りなさい」(※1)
陳先生が急いで話し終えると、みんなから騒ぎが起こり、生徒たちは嬉しいような悲しいような気持ちで、ランドセルを手に取り廊下に待っていました。
「ああ、君のようなオタクとまた一ヶ月間で、隣席に座らなければいけないなんで、哀れの運命だわ!」
混み合っている廊下の隅ところで、葉佳林は俺に文句を言った。
「いや、それはない、俺は今回のテストでは結構いい点数を取れたけど……」俺は少々つらそうに言い返した。
「いや、それはない!人生の勘違い!前のテストで550点くらいだったし、私も同じだった。まさか夏休み中にこっそり塾とか通っていったの?」
「いいえ……」
「ほらね!」
「あの、先何か言いたかった?」
これを聞いて、葉佳林は用心深く周りをチェックし、「今朝、班長の張くんはわざと涼ちゃんを呼び出したの、女子の間はもう噂が爆発したよ!」
「涼ちゃんが君と手を繋いだことを知って、彼が我慢できなくってさ、先ほど告白したって」
彼女は2秒ほど賀天然をじっと見つめていったが、残念ながら彼が話しを聞いても全く無表情でした。
「え!今の表情は何?驚かないの?」
「ああ、驚いたわ!張之凡は温涼が好きだね!」と俺は淡々と話した。
「違う、彼らはお互いが片思いだよ!温涼のモーメンツにある自撮りにすべて張之凡が映っていることに気づかなかったの?」
「……俺、そんなくだらないこと」
すると、葉佳林 は、「じゃあ、班長は高二の頃、文系を選んだ理由も温涼のためという噂も知らなかったの?」(※2)
俺は頷くと彼女はがっかりした。
「君って、こんなにつまらないの? じゃあ、温涼は君の手を握ったとき、ドキドキもなかったの?」
「俺が誰を好きかって知っているでしょう?」
賀天然が聞き返すと、葉佳林は呆れた。
「俺みたいな中二病のタイプは唯一の良いところがある」。
「何に?」
「それは人生の勘違いについて、他の誰よりもはっきりと見える」
葉佳林 は一瞬、目の前の賀天然が変わったように感じました…
しかし、どこか変わったのかを言えなく…
間もない間、一人背の低い女の子が葉佳林の名前を呼び、二人は手を繋いで数人の女子グループのところに行った。
彼女たちは別の隅ところで、おしゃべりが始まり、今の話しが葉佳林はすぐに忘れてしまった。
一人になった俺は、背中をリラックスし、廊下のガードレールにもたれかかり、頭を上げ最後に静かに息を吐いた。
「 どうしたの?女の子と話しするのは、すごくエネルギーがいるみたいだね?」
俺は振り返ってみると、話しをかけられたのは、誰でもなく温涼だった!
――――
(※1)班長とは、クラスの学級委員のような役割です。生活委員、学習委員、演出がうまい人は芸術委員、スポーツが得意なら体育委員があります。また各科目が得意の場合、先生から科目代表と選べられて、先生の代わりに宿題の回収やテスト問題のチェックなど行う役割もあります。
(※2)中国の教育は高校二年生から文系と理系でクラス分けすることがあります。
文系とは(社内、地理、政治)、理系とは(科学、理科、生物)
基本の数学、国語、英語については、文系も理系もともに勉強します。
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