88 / 121
缶コーヒー
スニーカーを見てから
しおりを挟む
「これ、欲しいな。」
ずっと、手を繋いでいられる、二人の休日。
今日は、大きな靴屋さんでの、デート。
「買わないの?」
新品の靴、独特の匂いが鼻に付くけれど、数分もしないうちに、それも、自然と慣れてくる。
「ん~。でも、お金貯めてるから、買わない。見るだけで、十分だから。こういうの見るだけで、楽しくない?」
笑顔のあいと、家具とかも。なんて言いながら、お店の人に、申し訳なさそうにしながら、二人で、そこを後にした。
「ねぇ。どこ行こうか?腹減った?」
車に乗り込んで、エンジンをかけた。
「少し、お腹空いたかな?」
鳴り出すラジオの音だったけれど、エンジン音と共に、また、消された。
「よっしゃ。降りろ。飯食おうか。」
歩いて行ける距離にあるファミレスへ、僕らは、また、手を繋いで歩き始めた。
「あい、俺、幸せ。だから、離れたくないよ。」
「あいも、幸せ。なら、行かなくていいさ。」
ずっと、笑ってくれるあいが、可愛いくて、どうしようもない。
「でも、今の自分が嫌だし、一人でも頑張りたいんだ。」
強く握った手は、お互い寂しかったのかな。
お店に入り、良い香りと共に、お腹が鳴った。
「何にしようか?」
席に着き、メニュー表を見ながら、考え込む、優柔不断なあいと僕が、いつもいる。
「ハンバーグかな…。んー。でも、パスタも…。」
「おう。全部、食え。」
「え~。無理~。」
頭を撫でたくなるのは、こんなにも愛しいから。
「俺、これ。と、食後に、抹茶パフェ。」
「じゃ、あいは、これにしようかな?デザートに、チョコのやつ。」
急かされるように、選んだあいに、チョコはいらない。とか、太っちゃったね?とか、甘えてみたり。
「いいもーん。」
そんな笑顔に、惚れたんだな。なんて、言えないから、
「太ったあいちゃんを、食べるから。」
こんな風に言うと、ふんふーん。と、鼻歌混じりのご機嫌なあいに、いつものように、エッチ。と付け足すと、違うもーん。と、僕にまで、その笑顔が移ってしまう。
「あっ、来たよ。」
運ばれてきた沢山の料理と、可愛い制服を着たおばさんの笑顔、プライスレス。
「お先にどうぞ。」
遅く頼んだあいの料理の方が、早く出てきた。
「ゆうくんのも来てから、一緒に食べる。」
あまり変わらないのにな。って、笑いながら、煙草に火を点けた。
僕の注文の品も慌てて出てきて、ナイフとフォークを隠して、箸を握った。
いただきます。と、また箸なの?との微笑みに、なんだよ?と言ったら、何も言ってないよ?と笑われた。
「あいって、見てるだけで幸せになれる存在だね。」
「ん?」
二回も同じ言葉は言えないよ。
「アホ。」
目を見つめられて、笑う君の頭を撫でて、食べ終わった箸を投げ捨てて。
「だから、先に食べていい。って言ったのに。」
そんな時間が、とても大切だった。
そんな時を見計らったように、テーブルに置かれた二人のパフェ。
さすがに、これは箸じゃな…。と、浮気者の右手は、スプーンに持ち変えた。
「ほら。」
あいの口に運ばれる、アイスに。
「美味しいね。」
その返事に。
「可愛いな。」
僕は、微笑んでいた。
「あーん。」
食べ終わった僕の口に運ばれる、あいのパフェ。
口を開けた、僕のアホ顔。
恥ずかしいけれど、幸せな気分にさせてくれる人。
「あーん。」
どうしようもないくらい、好きなんだな。
「はい、あーん。」
「ちょ、ちょっと待て。」
次々に押しよせてくる、食後のデザート。
これは、あれだな。
「コーンばかりなのは、何でかな?ねぇ、あいちゃん?」
あいの両頬を握ると、うぅ。と漏れる声。
「だって、お腹いっぱいになるんだもん。」
これは、ほら、昔のブロッコリーの再来だな。
「仕方ないなぁ。」
笑う僕に、微笑む君と、そんな時間が好きだった。
ずっと、手を繋いでいられる、二人の休日。
今日は、大きな靴屋さんでの、デート。
「買わないの?」
新品の靴、独特の匂いが鼻に付くけれど、数分もしないうちに、それも、自然と慣れてくる。
「ん~。でも、お金貯めてるから、買わない。見るだけで、十分だから。こういうの見るだけで、楽しくない?」
笑顔のあいと、家具とかも。なんて言いながら、お店の人に、申し訳なさそうにしながら、二人で、そこを後にした。
「ねぇ。どこ行こうか?腹減った?」
車に乗り込んで、エンジンをかけた。
「少し、お腹空いたかな?」
鳴り出すラジオの音だったけれど、エンジン音と共に、また、消された。
「よっしゃ。降りろ。飯食おうか。」
歩いて行ける距離にあるファミレスへ、僕らは、また、手を繋いで歩き始めた。
「あい、俺、幸せ。だから、離れたくないよ。」
「あいも、幸せ。なら、行かなくていいさ。」
ずっと、笑ってくれるあいが、可愛いくて、どうしようもない。
「でも、今の自分が嫌だし、一人でも頑張りたいんだ。」
強く握った手は、お互い寂しかったのかな。
お店に入り、良い香りと共に、お腹が鳴った。
「何にしようか?」
席に着き、メニュー表を見ながら、考え込む、優柔不断なあいと僕が、いつもいる。
「ハンバーグかな…。んー。でも、パスタも…。」
「おう。全部、食え。」
「え~。無理~。」
頭を撫でたくなるのは、こんなにも愛しいから。
「俺、これ。と、食後に、抹茶パフェ。」
「じゃ、あいは、これにしようかな?デザートに、チョコのやつ。」
急かされるように、選んだあいに、チョコはいらない。とか、太っちゃったね?とか、甘えてみたり。
「いいもーん。」
そんな笑顔に、惚れたんだな。なんて、言えないから、
「太ったあいちゃんを、食べるから。」
こんな風に言うと、ふんふーん。と、鼻歌混じりのご機嫌なあいに、いつものように、エッチ。と付け足すと、違うもーん。と、僕にまで、その笑顔が移ってしまう。
「あっ、来たよ。」
運ばれてきた沢山の料理と、可愛い制服を着たおばさんの笑顔、プライスレス。
「お先にどうぞ。」
遅く頼んだあいの料理の方が、早く出てきた。
「ゆうくんのも来てから、一緒に食べる。」
あまり変わらないのにな。って、笑いながら、煙草に火を点けた。
僕の注文の品も慌てて出てきて、ナイフとフォークを隠して、箸を握った。
いただきます。と、また箸なの?との微笑みに、なんだよ?と言ったら、何も言ってないよ?と笑われた。
「あいって、見てるだけで幸せになれる存在だね。」
「ん?」
二回も同じ言葉は言えないよ。
「アホ。」
目を見つめられて、笑う君の頭を撫でて、食べ終わった箸を投げ捨てて。
「だから、先に食べていい。って言ったのに。」
そんな時間が、とても大切だった。
そんな時を見計らったように、テーブルに置かれた二人のパフェ。
さすがに、これは箸じゃな…。と、浮気者の右手は、スプーンに持ち変えた。
「ほら。」
あいの口に運ばれる、アイスに。
「美味しいね。」
その返事に。
「可愛いな。」
僕は、微笑んでいた。
「あーん。」
食べ終わった僕の口に運ばれる、あいのパフェ。
口を開けた、僕のアホ顔。
恥ずかしいけれど、幸せな気分にさせてくれる人。
「あーん。」
どうしようもないくらい、好きなんだな。
「はい、あーん。」
「ちょ、ちょっと待て。」
次々に押しよせてくる、食後のデザート。
これは、あれだな。
「コーンばかりなのは、何でかな?ねぇ、あいちゃん?」
あいの両頬を握ると、うぅ。と漏れる声。
「だって、お腹いっぱいになるんだもん。」
これは、ほら、昔のブロッコリーの再来だな。
「仕方ないなぁ。」
笑う僕に、微笑む君と、そんな時間が好きだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる