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9章
11 マーキング
しおりを挟むどうしたら良いか分からずに狼狽えるシロウを再びベッドに押し倒し、「もう少しだけ、気持ちがいいことをしよう」と耳元に低く囁く。
ぴっちりと閉じたシロウの股を優しく割り開き、潤滑油のボトルを開けて、中身を手のひらに出すとシロウと自分の股間に塗り広げる。
二つの幹を一緒に掴み、ゆっくりと手を上下に動かした。
卑猥な水音と下半身から齎される直接的な刺激に早くもシロウが声をあげる。
「あっ……、あぁ……」
シロウは漏れ出る声が今更に恥ずかしく、抑えようと両手で口を押さえ、「声が……」という。
しかし、「抑えないで、可愛い声を聞かせて」と言われ、その手を掴まれた。
リアムは掴んだその手を二人のものを掴む自分の手へと導く。
触れたリアムの分身はシロウのそれとは比較にならないほど立派で硬く、脈打っていた。シロウは驚きながらも、おずおずと二つを握る。片手に余るその質量に、自らもう片方の手を添えるとリアムがぐっと腰を突き上げてくる。
幹と幹がぬるぬると擦れて気持ちがいい。だんだんと夢中になって、シロウは気づかないうちに自分も腰を動かして快楽を貪った。
リアムは自分の下で淫らに腰を上下に動かすメイトの痴態を愉しむ。
自分の限界も近かった。シロウの脚の付け根に手をおき、首に顔を埋めて、キスの雨を降らしながら、腰の突き入れを激しくする。
「あっ、あっ、んっ!……、んぁ……、あ、あぁ……!」
シロウの声も激しさが増し、限界が近いことを告げる。
「も……もぅ、……だめ……あぅ……」
ぎゅっと握りしめて、刺激を強めながら、リアムは再び指を花弁に忍ばす。
「あ!?」
一瞬気を取られたものの、陰茎に与えられる刺激に思考が溶かされたシロウは、止まることなく腰をふり、最後の一段に昇りつめる。
「あっ……で、でちゃう……」
メイトが漏らす可愛い声を聞きながら、リアムは前を握る手に力をこめて、自分の腰を激しく突き入れる。
「あっ……あぁーーー……!!」
一際艶やかな嬌声を放ち、硬くしていたペニスから白濁を吐き出し、秘裂に入れた指をぎゅうぎゅうと食い締める。感触を確かめた後、ゆっくりと指を引き抜くと花弁をひくつかせながら、そこからも蜜をこぷりとこぼした。
リアムも自分を追い込み、シロウの腹に自分の精液をぶちまけた。そして、止まらない精をシロウのペニスとその後ろの花弁にもかける。
二人の匂いが絡み合い、溶け合っていく。
これはマーキングだ──シロウがリアムのものであるという。
シロウにはわからないだろう。
しばらく、外に出すつもりはないから、他の狼にもわからない。
自分だけがわかっている、リアムの所有の証。
リアムはメイトとの絆に身も心も満たされていた。
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