5 / 12
ポイント制を導入してみました。
しおりを挟む
ライブは土曜日の夜なので、せっかくならと、ランチにも誘ってくれた。
丁度行きたいと思っていた、お寿司屋さんのランチ。
夜は高いけど、昼は手頃で美味しいお寿司が食べられると評判なのだ。
「美味しい!誘ってくれてありがとうございます、蓮司さん」
「雅ちゃん、お寿司好きって聞いたから。喜んでくれて良かった」
「そうなんです。大好き」
蒼司は一瞬びっくりしたが、すぐにニコリと笑顔になった。
お寿司の事とはいえ、面と向かって大好きは結構クルものがあるな。
雅がお茶を飲みながら、あ、そうだ、と何か思い出したように言った。
「蒼司さん、私、恥ずかしながら恋愛ってよくわかんなくて」
「わかんないって?雅ちゃん彼氏とかいとことあるよね?」
「居たんですけど、言われて付き合ったことしかなくて、結局その人のこと一番には思えなかったかなって。申し訳なかったんですけどね」
「そうなんだ」
「はい。そこで、提案なんですけど・・・」
雅が一旦考え込むように言い淀む。
「何?ゆっくり考えてくれれば良いから。結論は急がないで」
蒼司はやや慌てて雅に言う。
「いえ、そうではなくて、わからないならいっそのこと、数値化してみても良いのかなって思って」
「?数値化?」
「う~んと、ポイント制みたいな?」
ポイント制?雅ちゃん、時々斜め上の事言うことがあるよね。
「あ、ここが良いなぁとか、自分なりに数値化して、ポイントが上がってくれば、好きって事なのかなと思ったのですが、どうでしょう」
どうでしょうって・・・。スーパーじゃないんだから、ポイント2倍デーとかあるのかな?
「そのポイント、何ポイントで恋人なの?」
「・・・それはまだよくわかんないんですが、私なりに真剣に向き合えるかなと」
「なるほど」
まあ、雅ちゃんが自分に向き合おうと考えてくれてるだけでも、一歩進んだと思おう。
「で、今日のデートは?何ポイント?」
蒼司が不意に微笑んで雅をのぞき込んだ。
うっ、好むと好まざる関係なく、顔は抜群に良い。
ちょっと不意をつかれて、ドギマギして赤くなる。
「まだ、ライブがあるからそれ次第!」
雅の反応を見て、お!いつもと違うと蒼司はニンマリした。
こういう積み重ね、大事だな。
ライブは大いに盛り上がり、相当楽しくて、雅の中でのポイントはかなり上がったのだか、何故か恥ずかしくて蒼司には言えなかった。
帰りは遅かったので雅の家まで送ってくれた。
彼女は実家なので、家の前までだったが。
「じゃあね、雅ちゃん。また面白そうなのあったら誘うよ」
「ありがとうございました。遅くまですみません」
「今度は飲みに行こうね」
「そうですね。おススメのところあるので行きましょう」
ごく自然に出た。
蒼司は嬉しそうに笑って、ぜひ、と言って帰ろうとした。
「あ、そうだ」
忘れ物と言って、雅をさりげなくハグする。
「お休み。雅ちゃん」
「お、おやすみなさい」
え?え!と思ってる間に、パッと離れ手を振って去って行った。
う~ん、これはちょっと、兄さんにしてやられたかな。
不覚にもドキドキしてしまったではないか、と雅は、はぁぁ、とため息をついた。
別に嫌いじゃないんだよね、元々。
そう思いながら家に入った。
丁度行きたいと思っていた、お寿司屋さんのランチ。
夜は高いけど、昼は手頃で美味しいお寿司が食べられると評判なのだ。
「美味しい!誘ってくれてありがとうございます、蓮司さん」
「雅ちゃん、お寿司好きって聞いたから。喜んでくれて良かった」
「そうなんです。大好き」
蒼司は一瞬びっくりしたが、すぐにニコリと笑顔になった。
お寿司の事とはいえ、面と向かって大好きは結構クルものがあるな。
雅がお茶を飲みながら、あ、そうだ、と何か思い出したように言った。
「蒼司さん、私、恥ずかしながら恋愛ってよくわかんなくて」
「わかんないって?雅ちゃん彼氏とかいとことあるよね?」
「居たんですけど、言われて付き合ったことしかなくて、結局その人のこと一番には思えなかったかなって。申し訳なかったんですけどね」
「そうなんだ」
「はい。そこで、提案なんですけど・・・」
雅が一旦考え込むように言い淀む。
「何?ゆっくり考えてくれれば良いから。結論は急がないで」
蒼司はやや慌てて雅に言う。
「いえ、そうではなくて、わからないならいっそのこと、数値化してみても良いのかなって思って」
「?数値化?」
「う~んと、ポイント制みたいな?」
ポイント制?雅ちゃん、時々斜め上の事言うことがあるよね。
「あ、ここが良いなぁとか、自分なりに数値化して、ポイントが上がってくれば、好きって事なのかなと思ったのですが、どうでしょう」
どうでしょうって・・・。スーパーじゃないんだから、ポイント2倍デーとかあるのかな?
「そのポイント、何ポイントで恋人なの?」
「・・・それはまだよくわかんないんですが、私なりに真剣に向き合えるかなと」
「なるほど」
まあ、雅ちゃんが自分に向き合おうと考えてくれてるだけでも、一歩進んだと思おう。
「で、今日のデートは?何ポイント?」
蒼司が不意に微笑んで雅をのぞき込んだ。
うっ、好むと好まざる関係なく、顔は抜群に良い。
ちょっと不意をつかれて、ドギマギして赤くなる。
「まだ、ライブがあるからそれ次第!」
雅の反応を見て、お!いつもと違うと蒼司はニンマリした。
こういう積み重ね、大事だな。
ライブは大いに盛り上がり、相当楽しくて、雅の中でのポイントはかなり上がったのだか、何故か恥ずかしくて蒼司には言えなかった。
帰りは遅かったので雅の家まで送ってくれた。
彼女は実家なので、家の前までだったが。
「じゃあね、雅ちゃん。また面白そうなのあったら誘うよ」
「ありがとうございました。遅くまですみません」
「今度は飲みに行こうね」
「そうですね。おススメのところあるので行きましょう」
ごく自然に出た。
蒼司は嬉しそうに笑って、ぜひ、と言って帰ろうとした。
「あ、そうだ」
忘れ物と言って、雅をさりげなくハグする。
「お休み。雅ちゃん」
「お、おやすみなさい」
え?え!と思ってる間に、パッと離れ手を振って去って行った。
う~ん、これはちょっと、兄さんにしてやられたかな。
不覚にもドキドキしてしまったではないか、と雅は、はぁぁ、とため息をついた。
別に嫌いじゃないんだよね、元々。
そう思いながら家に入った。
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
扇 レンナ
恋愛
スパダリ系執着王太子×愛を知らない純情令嬢――婚約破棄から始まる、極上の恋
伯爵令嬢テレジアは小さな頃から両親に《次期公爵閣下の婚約者》という価値しか見出してもらえなかった。
それでもその利用価値に縋っていたテレジアだが、努力も虚しく婚約破棄を突きつけられる。
途方に暮れるテレジアを助けたのは、留学中だったはずの王太子ラインヴァルト。彼は何故かテレジアに「好きだ」と告げて、熱烈に愛してくれる。
その真意が、テレジアにはわからなくて……。
*hotランキング 最高68位ありがとうございます♡
▼掲載先→ベリーズカフェ、エブリスタ、アルファポリス
記憶と魔力を婚約者に奪われた「ないない尽くしの聖女」は、ワケあり王子様のお気に入り~王族とは知らずにそばにいた彼から なぜか溺愛されています
瑞貴◆後悔してる/手違いの妻2巻発売!
恋愛
【第一部完結】
婚約者を邪険に思う王太子が、婚約者の功績も知らずに婚約破棄を告げ、記憶も魔力も全て奪って捨て去って――。
ハイスぺのワケあり王子が、何も知らずに片想いの相手を拾ってきたのに、彼女の正体に気づかずに――。
▲以上、短いあらすじです。以下、長いあらすじ▼
膨大な魔力と光魔法の加護を持つルダイラ王国の公爵家令嬢ジュディット。彼女には、婚約者であるフィリベールと妹のリナがいる。
妹のリナが王太子と父親を唆し、ジュディットは王太子から婚約破棄を告げられた。
しかし、王太子の婚約は、陛下がまとめた縁談である。
ジュディットをそのまま捨てるだけでは都合が悪い。そこで、王族だけに受け継がれる闇魔法でジュディットの記憶と魔力を封印し、捨てることを思いつく――。
山道に捨てられ、自分に関する記憶も、魔力も、お金も、荷物も持たない、【ないない尽くしのジュディット】が出会ったのは、【ワケありな事情を抱えるアンドレ】だ。
ジュディットは持っていたハンカチの刺繍を元に『ジュディ』と名乗りアンドレと新たな生活を始める。
一方のアンドレは、ジュディのことを自分を害する暗殺者だと信じ込み、彼女に冷たい態度を取ってしまう。
だが、何故か最後まで冷たく仕切れない。
ジュディは送り込まれた刺客だと理解したうえでも彼女に惹かれ、不器用なアプローチをかける。
そんなジュディとアンドレの関係に少しづつ変化が見えてきた矢先。
全てを奪ってから捨てた元婚約者の功績に気づき、焦る王太子がジュディットを連れ戻そうと押しかけてきて――。
ワケあり王子が、叶わない恋と諦めていた【幻の聖女】その正体は、まさかのジュディだったのだ!
ジュディは自分を害する刺客ではないと気づいたアンフレッド殿下の溺愛が止まらない――。
「王太子殿下との婚約が白紙になって目の前に現れたんですから……縛り付けてでも僕のものにして逃がしませんよ」
嫉妬心剥き出しの、逆シンデレラストーリー開幕!
本作は、小説家になろう様とカクヨム様にて先行投稿を行っています。
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
怖がり伯爵令嬢は逃げも隠れもしますので構わないでください!
大鳳葵生
恋愛
伯爵令嬢マリー・コースフェルトは設立からわずか十年も満たない学び舎に幼少の頃から通い十五歳で高等部に進学することが決まった。
怖がりのマリーの前に現れたのは、目つきが鋭く長身の公爵家の後継ぎ息子ギルベルト・ハウクル・バルツァー。
目が合ったというだけで怖がりのマリーは走って逃げだしたが、その後すぐにまた今朝は何故逃げ出したのか? と声をかけられる。が、また逃げ出してしまった。
創立からまだ十年も満たない学び舎には高等部に通う生徒は少なく、始まったばかりの高等部生活は、いきなり息苦しいものになる。
一方、自分から逃げ出すマリーのことを珍しいと思ってつい目で追うようになったギルベルトはことあるごとに彼女にちょっかいを出そうとするのであった。
変態婚約者を無事妹に奪わせて婚約破棄されたので気ままな城下町ライフを送っていたらなぜだか王太子に溺愛されることになってしまいました?!
utsugi
恋愛
私、こんなにも婚約者として貴方に尽くしてまいりましたのにひどすぎますわ!(笑)
妹に婚約者を奪われ婚約破棄された令嬢マリアベルは悲しみのあまり(?)生家を抜け出し城下町で庶民として気ままな生活を送ることになった。身分を隠して自由に生きようと思っていたのにひょんなことから光魔法の能力が開花し半強制的に魔法学校に入学させられることに。そのうちなぜか王太子から溺愛されるようになったけれど王太子にはなにやら秘密がありそうで……?!
※適宜内容を修正する場合があります
婚約破棄から始まる恋~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
きさらぎ
恋愛
テンネル侯爵家の嫡男エドガーに真実の愛を見つけたと言われ、ブルーバーグ侯爵家の令嬢フローラは婚約破棄された。フローラにはとても良い結婚条件だったのだが……しかし、これを機に結婚よりも大好きな研究に打ち込もうと思っていたら、ガーデンパーティーで新たな出会いが待っていた。一方、テンネル侯爵家はエドガー達のやらかしが重なり、気づいた時には―。
※『婚約破棄された地味令嬢は、あっという間に王子様に捕獲されました。』(現在は非公開です)をタイトルを変更して改稿をしています。
お気に入り登録・しおり等読んで頂いている皆様申し訳ございません。こちらの方を読んで頂ければと思います。
婚約破棄されたので王子様を憎むけど息子が可愛すぎて何がいけない?
tartan321
恋愛
「君との婚約を破棄する!!!!」
「ええ、どうぞ。そのかわり、私の大切な子供は引き取りますので……」
子供を溺愛する母親令嬢の物語です。明日に完結します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる