時間の神は全てを滅ぼしてしまうのか？

プロローグ ユウの死

第3話「再会」

程なくして、ユウ達は転生の神がいるとされる神殿に赴いた。

「ただいま帰宅しました！ヴィシュヌさん！」

エリアルはそう言いながらドタドタと神殿に入り、奥へと入っていった。


「ほら、あんたも着いてきな！」

「あー。わかったよ。」

ユウもそれに合わせて歩を進める。

それにしてもヴィシュヌ？ヒンドゥー教の最高神の1人ではないか…。何故に転生の神などやっておられるのだ？

ユウほあたまの中でブツブツと呟いていたが、やがて神々しい光に包まれた人物が目の前に現れた。

「これは、新たな転生者じゃな。ようこそ、転生の神殿へ。」

「ヴィシュヌ様。こちらが新たな転生者です！えーっと名前は？」

「ユウだ。それだけ頭に入れて置いてくれればいいです。」

「ふむ。ユウ殿。ここに来たということはお主は転生の試験を受けに来たということで良いな？」

「まあそうですね。新たな人生を歩むための試験ですよね？」

「人生になるか、畜生になるかはお主の頑張り次第じゃがな。」

ユウは驚きを隠せなかった。

「おい。エリアル。そもそも人間に転生するかを決めるのでさえ試験で決めるのか？」

「そうだよ。少なくともここの神殿ではね。他の転生の神殿では違うところもあるけど。今更後戻りは出来ないよ。去ることは即ち神への冒涜に値するから神罰が下るでしょうね。ふふふ。」

「しかし、その試験の内容にもよるが一体どんな内容なのです？」

「教えてやろう。我のアヴァターラ(化身)と戦闘した結果によって変わる。今のお主相手でも相手が務まるように弱体化してあるから安心するがいい。死ぬことは無い。死ぬことは無いが現世では死んだであろう痛みでさえまともに感じるから気をつけるのじゃな。」


「言わせておけば…。それでどんな条件で闘うんです？」

「お主は2人1組の人間チームで戦ってもらう。武器は無しじゃ。知恵と勇気をもって勝つのじゃ。」

「ほう。それで相方は誰ですか？」


「この小娘じゃ。」

ヴィシュヌは指を天高くあげて天空を指したかと思えばいきなり神殿内に落雷が発生。

次の瞬間、土煙と共に現れでたのは…。

「前がよく見えない…。」

「…。」

「！？。」

「お前は…」

「あなたは…」

「マリコ？」「ユウ？」

2人は被るように同時に口を開いた。

「マリコお前！生きていたのか？いや逆か。死んだのか？」

「らしいわ。ユウが死んでから1年後のことらしいけど。」

「えっ…。そんなにズレているのか？俺は3日前に目覚めて謎の建物をさ迷ったりしていたんだが。」

「私達の時間軸とは違う流れみたいね。」

「再会のところ悪いが、早速2人には試験を受けてもらう。覚悟はいいかの？」

ヴィシュヌは2人の会話を遮るように口を挟んだ。

「しかし、まだマリコの覚悟を俺は知らない。」

「大丈夫よ。私、受けるって言ったから呼ばれたの。」

マリコは自信満々に言った。

「そうなのか。お前も…。」

ユウは振り返って言う。

「受けさせてもらうぜ。試験とやら。」