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プロローグ ユウの死
第2話「エリアル」
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見たこともない景色が広がっていたが、ついさっきまで自分の部屋に居たはずだがどうなってんだか、ユウは1歩1歩噛み締めるように歩き出した。
辺りは手付かずの自然があった。空は雲でいくらか覆われ、大地はどこまで続くか分からなかったが、しばらく歩いていると城のような外観の建築物が見えた。
「ここで休憩しよう。」
ユウは歩き疲れたのでその建物に恐る恐る忍び寄った。
「ごめんください。誰かいませんかぁ?」
返事はなかった。
ドアはなかったのでそのまま恐る恐る入った。中はホコリの被った家具ばかりあるのが目についた。
「なんだここは…」
警戒しつつ見渡すも木製の家具と壁が続く、そこそこの広さのある部屋だった。誰もいる気配はしない。
しばらく探索していると階段を見つけた。
「ここ、上ってみるか」
誰もいる気配がないのが流石におかしいと焦りを感じ始めたユウはこの城の主を捜し求めた。
軋む階段をものともせず上に上がっていく。
ミシッ
最後の音が聞こえたその瞬間
「ハロー。どこの誰さんですか?黒髪ボーイさん。」
甲高い癪に障る女の声が聞こえてきた。
その声の聞こえた方向を振り向いた。
真後ろだ。
そこに立っていたのは緑髪の薄い服を着た、オーラを纏っている昆虫のような翅を背中から生やした小さな人間が立っていた。
凡そ人間ではないのは確かだった。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!バケモノぉぉぉぉ!」
ユウは涙を流しながら2階を爆速で一目散に駆け巡った。
「待ってよー。怪しい者じゃないです!」
「何をーーーー。」
そうしているうちに、脆弱な部分の床を踏み込んでしまった!
ガラガラッガタッ!
床が抜けて1階にユウは落ちてしまった…。
しばらくして
「あれ…俺何してたんだっけ…」
「気がついた?」
「ってお前…助けてくれたのか?」
「おマヌケさん。床が抜けて2階から落ちたから私がずっと意識回復するまで見てたんだよ。」
「それはすまなかった。あっありがとう…どれくらい時間が経った?」
「んー。3日くらい?」
「丸3日も寝ていたのか?」
「そうだよ。ずっと意識が飛んでたよ。私を見たくらいでビビり散らかして、情けない!」
「…。それはそうとお前は何者だ?」
「私はエリアル。転生の神に仕えている天使よ。新たな転生者が来たことを告げる鐘が鳴っていたから探してたの。あなたがそうよね?初めての転生者の特徴として大体ここに来ることと虹彩が黄色ではない…。あなたはどちらにも当てはまる。」
「転生者?何を言ってる。俺は死んだのか?」
「少なくともここは天界だから現世とは異なる世界。あなたは現世から見れば死後の世界にいるのよ。そして新たな道を授かるのよ。」
「マリコがいないし、自宅からいきなり放り出されたし、俺も病気は末期だったから俺が死んでいたとして不思議ではないが、それにしてもここが天界だとは信じ難いな。」
「不思議と冷静ね。あなたは…」
「死んだ実感なんてないからな。こうしてピンピンしてるがこの身体は偽物か?それとも精神世界的な何かか?まあ、ここに来る前の状態を考慮するならとても自分の身体とは思えないほど元気だが。」
「その身体はあなたのものよ。とだけ言っておくわ。」
「どういう意味だ?」
「そのうち分かるわ。」
「お茶を濁すつもりか。まあいい。それよりこの建物はなんだ?」
「ここは転生してきたものと私達天界のものにしか見えない特殊な空間よ。今はそのことだけ知っていればいいわ。」
「わかったよ。それでこれからどうすればいい?転生者と言っていたが、新たな人生を歩む準備をすると言うのか?」
「簡単に言うとそうだね。ある程度転生先を決めることができるんだけどその為には試験にクリアしないといけない。」
「試験?天界にもあるのかよ。勘弁してくれ。」
「まあ、黒髪ボーイさん。まずは転生の神様のところまで行こうよ。」
「その神のところまで行けば受験できるんだな?」
「そうよ。」
「なら早速行くか」
「そうこなくっちゃ。」
2人は建物を抜け出し、エリアルの指示に従ってユウは歩み始めた。
辺りは手付かずの自然があった。空は雲でいくらか覆われ、大地はどこまで続くか分からなかったが、しばらく歩いていると城のような外観の建築物が見えた。
「ここで休憩しよう。」
ユウは歩き疲れたのでその建物に恐る恐る忍び寄った。
「ごめんください。誰かいませんかぁ?」
返事はなかった。
ドアはなかったのでそのまま恐る恐る入った。中はホコリの被った家具ばかりあるのが目についた。
「なんだここは…」
警戒しつつ見渡すも木製の家具と壁が続く、そこそこの広さのある部屋だった。誰もいる気配はしない。
しばらく探索していると階段を見つけた。
「ここ、上ってみるか」
誰もいる気配がないのが流石におかしいと焦りを感じ始めたユウはこの城の主を捜し求めた。
軋む階段をものともせず上に上がっていく。
ミシッ
最後の音が聞こえたその瞬間
「ハロー。どこの誰さんですか?黒髪ボーイさん。」
甲高い癪に障る女の声が聞こえてきた。
その声の聞こえた方向を振り向いた。
真後ろだ。
そこに立っていたのは緑髪の薄い服を着た、オーラを纏っている昆虫のような翅を背中から生やした小さな人間が立っていた。
凡そ人間ではないのは確かだった。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!バケモノぉぉぉぉ!」
ユウは涙を流しながら2階を爆速で一目散に駆け巡った。
「待ってよー。怪しい者じゃないです!」
「何をーーーー。」
そうしているうちに、脆弱な部分の床を踏み込んでしまった!
ガラガラッガタッ!
床が抜けて1階にユウは落ちてしまった…。
しばらくして
「あれ…俺何してたんだっけ…」
「気がついた?」
「ってお前…助けてくれたのか?」
「おマヌケさん。床が抜けて2階から落ちたから私がずっと意識回復するまで見てたんだよ。」
「それはすまなかった。あっありがとう…どれくらい時間が経った?」
「んー。3日くらい?」
「丸3日も寝ていたのか?」
「そうだよ。ずっと意識が飛んでたよ。私を見たくらいでビビり散らかして、情けない!」
「…。それはそうとお前は何者だ?」
「私はエリアル。転生の神に仕えている天使よ。新たな転生者が来たことを告げる鐘が鳴っていたから探してたの。あなたがそうよね?初めての転生者の特徴として大体ここに来ることと虹彩が黄色ではない…。あなたはどちらにも当てはまる。」
「転生者?何を言ってる。俺は死んだのか?」
「少なくともここは天界だから現世とは異なる世界。あなたは現世から見れば死後の世界にいるのよ。そして新たな道を授かるのよ。」
「マリコがいないし、自宅からいきなり放り出されたし、俺も病気は末期だったから俺が死んでいたとして不思議ではないが、それにしてもここが天界だとは信じ難いな。」
「不思議と冷静ね。あなたは…」
「死んだ実感なんてないからな。こうしてピンピンしてるがこの身体は偽物か?それとも精神世界的な何かか?まあ、ここに来る前の状態を考慮するならとても自分の身体とは思えないほど元気だが。」
「その身体はあなたのものよ。とだけ言っておくわ。」
「どういう意味だ?」
「そのうち分かるわ。」
「お茶を濁すつもりか。まあいい。それよりこの建物はなんだ?」
「ここは転生してきたものと私達天界のものにしか見えない特殊な空間よ。今はそのことだけ知っていればいいわ。」
「わかったよ。それでこれからどうすればいい?転生者と言っていたが、新たな人生を歩む準備をすると言うのか?」
「簡単に言うとそうだね。ある程度転生先を決めることができるんだけどその為には試験にクリアしないといけない。」
「試験?天界にもあるのかよ。勘弁してくれ。」
「まあ、黒髪ボーイさん。まずは転生の神様のところまで行こうよ。」
「その神のところまで行けば受験できるんだな?」
「そうよ。」
「なら早速行くか」
「そうこなくっちゃ。」
2人は建物を抜け出し、エリアルの指示に従ってユウは歩み始めた。
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