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第1章・大阪百鬼会の若い衆 編
011:圧力
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011:圧力
俺は小野の運転する車で仮眠をとっている。
朝から半グレ連中に絡まれたり、会長や菅原親分と緊張しながら喋ったり、兄貴と一緒に大和組の事務所まで乗り込んだりとギュッと詰まったスケジュールだ。
そして何よりも、これから兄貴に頼まれて倉吉組の事務所に圧力をかけにいく。その為に、大阪から奈良に向かっている和馬たちを待つ。
「オヤジさん。兄貴たちが、そろそろ到着するみたいなので出発してもよろしいですか?」
「ん? あぁ頼むよ………それにしても今日のスケジュールは、色々と詰まってんな」
「えぇ確かにそうですね。これもオヤジさんが、百鬼会の中で戦力として信頼されているからじゃ無いですか」
「おぉそんな風に思ってくれてるなら嬉しいな。それじゃあ倉吉組にもビシッと筋を通しにいくとするか」
小野の言った通りに戦力として見られているのなら、それに応える為に全力で頑張ろうと思っている。
その為にもまずは、倉吉組のところに行ってビシッと百鬼会の意向を伝えに行こうと考える。
小野も俺がやる気になっているのを見て、自分も気合を入れようとコーヒーをゴクッと飲んで、倉吉組の近くまで運転するのである。
そして事務所近くまで来たところで、車を止めて和馬たちが来るのを待っていると、数分後に和馬の乗っている車と合流した。
「わざわざご苦労だったな。今から倉吉組に、ビシッと筋を通しにいくから気合を入れろよ!!」
「はいっ!! それでオヤジ。倉吉組には、どんな風に圧力をかけるんですか?」
「どんな風にだと? そんなの決まってんだろうがよ。百鬼会の傘下に入れ、それが出来ないなら潰すって言ってやるんだよ!!」
「ストレートに言って良いんすね!! それならオヤジの得意分野じゃないっすか!!」
「なんだと? 俺を暴れん坊のチンピラみたいに言うんじゃねぇよ!!」
合流したところで兄貴からの作戦を、和馬に伝えて華龍會の得意分野だと笑いながら事務所に向かう。
「おいっ!! テメェらは誰だ!! ゾロゾロと引き連れて、ここが誰の事務所なのか分かってんのか!!」
倉吉組のある雑居ビルの階段を上がっていると、若い衆たちが階段を降りて出ていくようにいう。
しかし俺は若い衆の腹にパンチを喰らわして、階段から突き落とすと、何も無かったかのように階段を上がりきって事務所の扉を開く。
今日は倉吉組の幹部連中が集まって会合している日だったので、ちょうどよく重要人物が揃っていた。
「誰だっ!!今は幹部会中だど!! ちゃっちゃと出てけ!!」
「アンタが倉吉組の角田さんだよな? それに幹部連中が揃ってるなんて、ちょうど良いじゃねぇかよ」
「何言うてんだ? テメェらは、どこのだえよ!!」
「俺たちは百鬼会の華龍會じゃ!! 今からいう事は、会長の言葉だと思ってくれて構わないからな」
倉吉組の4代目組長である〈角田 力弥〉は、俺が入ってくるなり立ち上がって怒鳴ってくる。
しかし俺は比較的落ち着きながら幹部連中の顔を確認して、角田組長だけじゃなくて重要人物が集まってるのはラッキーだと言って笑う。
そんな俺に角田は、机を強く叩いて自分たちが誰なのかを名乗れと声を荒げていうのである。
それに対して俺は百鬼会の人間だというと、幹部連中も驚いて席を立ち上がる者もいた。それくらいの百鬼会が奈良にいるのは衝撃的らしい。
「わしらが百鬼会の人間に、何したっちゅうんや!! テメェらみたいな野蛮人が、極道を名乗ってる事に、わしらは反吐が出るんやさけな!!」
「野蛮人だと? それは俺たちの事を言ってるのか。そうかそうか、俺たちの事をそんな風に………じゃあカタギに手を出した人間に、肩入れしてる人間は野蛮人じゃないのか!! どうなんだよ!!」
「はぁ? カタギに手ぇ出した人間に肩入れするって、誰の何の事を言うてんだ?」
「テメェらは大和組を友好団体として公言してるよな? その大和組が、ウチの会長の知り合いであるカタギの人間に手を出したんだわ」
どうやら大和組と友好団体というのは確かだが、カタギに手を出した事は理解できずに疑問の顔をする。
大和組がカタギに手を出していた事を聞いて、自分たちの繋がりがある分、少し動揺する。
しかしそれでも別に盃を交わしているわけでも無いので、大和組と違って強気の姿勢を見せるのである。このくらいだったら、兄貴に言われていたので何も驚かず、フッと笑って次の手を打つ。
「そうか。大和組とは関係ないって言うんだな? まぁそんな事は予想してたから良いけどよ………まどろっこしいのは辞めだ。この倉吉組の選べる選択肢は、百鬼会の盃を貰って傘下に入るか、それとも俺たちと全面戦争をやって潰されるのかの2つだ」
「さっきから組長に、なんて口を聞いてんで!! ガキが粋がってんじゃねぇど!! 百鬼会の代紋なんて怖うはねえんやで!!」
「テメェこそオヤジに、なんで口を聞いてんだよ!!」
「和馬、落ち着けって。こんな奴らにムキになるだけ無駄だって………こうやった方が早いからな」
俺は倉吉組の生き残る方法を2つ伝えた。
すると患部の1人が、俺の口の聞き方に怒って胸ぐらを掴んできたのである。それに対して和馬が、幹部の手を俺の胸ぐらから放させて、逆に幹部の胸ぐらを掴む。
それを俺は落ち着くように促してから、幹部の後頭部を掴んで机に叩きつける。幹部の男は机に顔面がバウンドして地面に倒れた。
こんな事を敵対組織の事務所でやったもんだから、幹部たちは立ち上がって俺たちを取り囲む。
「ここで、おっ始めても良いけどよ。俺たちも喧嘩には自信があるんだぞ? 道具を出してこようが、間違いなく殺し切るからな」
「テメェら百鬼会の下に着くつもりはない!! それに百鬼会が戦争したいって言うんやったら、わしらは逃げる事のう真っ向から相手になっちゃるど」
「そうかそうか。お前たちの気持ちは分かったが、今は冷静じゃねぇ………3日待ってやるから幹部たちで、よく考えて結果を出してくれや。良いか拒否も無視も百鬼会に宣戦布告したと取るからな」
良い感じで圧力をかけられたところで、俺たちは囲まれた幹部たちに肩をぶつけて事務所を後にする。
このまま大阪に戻っても良いが、兄貴の事が気になるので電話をかけてみる。
「あっ兄貴すか? 倉吉組に良い感じで圧力かけてしましたけど、これからどうしますか?」
『おぉ思うとったよりも早よ終わったな。さすがは花菱やわ』
「そんな事ないっすよ。兄貴が、どうすれば良いかって教えてくれたからっすよ」
『いや、自分の力やな。なんしか奈良に構えた事務所まで顔を出してもらえるか? そこで奈良対策本部を作ろう思てるんやわ』
「そうなんすね!! 直ぐに車回して向かいます」
やっぱり兄貴に褒められるのは素直に嬉しいわ。
そんな事を思いながら兄貴に言われた通り、奈良県に構えた事務所に向かう
とりあえず和馬たちは、他に半グレとかの後始末をしてもらう為に帰らせる。こんな事の為に呼んだのは、申し訳なかったがやる気になっていたのでよかった。
俺は小野の運転する車で仮眠をとっている。
朝から半グレ連中に絡まれたり、会長や菅原親分と緊張しながら喋ったり、兄貴と一緒に大和組の事務所まで乗り込んだりとギュッと詰まったスケジュールだ。
そして何よりも、これから兄貴に頼まれて倉吉組の事務所に圧力をかけにいく。その為に、大阪から奈良に向かっている和馬たちを待つ。
「オヤジさん。兄貴たちが、そろそろ到着するみたいなので出発してもよろしいですか?」
「ん? あぁ頼むよ………それにしても今日のスケジュールは、色々と詰まってんな」
「えぇ確かにそうですね。これもオヤジさんが、百鬼会の中で戦力として信頼されているからじゃ無いですか」
「おぉそんな風に思ってくれてるなら嬉しいな。それじゃあ倉吉組にもビシッと筋を通しにいくとするか」
小野の言った通りに戦力として見られているのなら、それに応える為に全力で頑張ろうと思っている。
その為にもまずは、倉吉組のところに行ってビシッと百鬼会の意向を伝えに行こうと考える。
小野も俺がやる気になっているのを見て、自分も気合を入れようとコーヒーをゴクッと飲んで、倉吉組の近くまで運転するのである。
そして事務所近くまで来たところで、車を止めて和馬たちが来るのを待っていると、数分後に和馬の乗っている車と合流した。
「わざわざご苦労だったな。今から倉吉組に、ビシッと筋を通しにいくから気合を入れろよ!!」
「はいっ!! それでオヤジ。倉吉組には、どんな風に圧力をかけるんですか?」
「どんな風にだと? そんなの決まってんだろうがよ。百鬼会の傘下に入れ、それが出来ないなら潰すって言ってやるんだよ!!」
「ストレートに言って良いんすね!! それならオヤジの得意分野じゃないっすか!!」
「なんだと? 俺を暴れん坊のチンピラみたいに言うんじゃねぇよ!!」
合流したところで兄貴からの作戦を、和馬に伝えて華龍會の得意分野だと笑いながら事務所に向かう。
「おいっ!! テメェらは誰だ!! ゾロゾロと引き連れて、ここが誰の事務所なのか分かってんのか!!」
倉吉組のある雑居ビルの階段を上がっていると、若い衆たちが階段を降りて出ていくようにいう。
しかし俺は若い衆の腹にパンチを喰らわして、階段から突き落とすと、何も無かったかのように階段を上がりきって事務所の扉を開く。
今日は倉吉組の幹部連中が集まって会合している日だったので、ちょうどよく重要人物が揃っていた。
「誰だっ!!今は幹部会中だど!! ちゃっちゃと出てけ!!」
「アンタが倉吉組の角田さんだよな? それに幹部連中が揃ってるなんて、ちょうど良いじゃねぇかよ」
「何言うてんだ? テメェらは、どこのだえよ!!」
「俺たちは百鬼会の華龍會じゃ!! 今からいう事は、会長の言葉だと思ってくれて構わないからな」
倉吉組の4代目組長である〈角田 力弥〉は、俺が入ってくるなり立ち上がって怒鳴ってくる。
しかし俺は比較的落ち着きながら幹部連中の顔を確認して、角田組長だけじゃなくて重要人物が集まってるのはラッキーだと言って笑う。
そんな俺に角田は、机を強く叩いて自分たちが誰なのかを名乗れと声を荒げていうのである。
それに対して俺は百鬼会の人間だというと、幹部連中も驚いて席を立ち上がる者もいた。それくらいの百鬼会が奈良にいるのは衝撃的らしい。
「わしらが百鬼会の人間に、何したっちゅうんや!! テメェらみたいな野蛮人が、極道を名乗ってる事に、わしらは反吐が出るんやさけな!!」
「野蛮人だと? それは俺たちの事を言ってるのか。そうかそうか、俺たちの事をそんな風に………じゃあカタギに手を出した人間に、肩入れしてる人間は野蛮人じゃないのか!! どうなんだよ!!」
「はぁ? カタギに手ぇ出した人間に肩入れするって、誰の何の事を言うてんだ?」
「テメェらは大和組を友好団体として公言してるよな? その大和組が、ウチの会長の知り合いであるカタギの人間に手を出したんだわ」
どうやら大和組と友好団体というのは確かだが、カタギに手を出した事は理解できずに疑問の顔をする。
大和組がカタギに手を出していた事を聞いて、自分たちの繋がりがある分、少し動揺する。
しかしそれでも別に盃を交わしているわけでも無いので、大和組と違って強気の姿勢を見せるのである。このくらいだったら、兄貴に言われていたので何も驚かず、フッと笑って次の手を打つ。
「そうか。大和組とは関係ないって言うんだな? まぁそんな事は予想してたから良いけどよ………まどろっこしいのは辞めだ。この倉吉組の選べる選択肢は、百鬼会の盃を貰って傘下に入るか、それとも俺たちと全面戦争をやって潰されるのかの2つだ」
「さっきから組長に、なんて口を聞いてんで!! ガキが粋がってんじゃねぇど!! 百鬼会の代紋なんて怖うはねえんやで!!」
「テメェこそオヤジに、なんで口を聞いてんだよ!!」
「和馬、落ち着けって。こんな奴らにムキになるだけ無駄だって………こうやった方が早いからな」
俺は倉吉組の生き残る方法を2つ伝えた。
すると患部の1人が、俺の口の聞き方に怒って胸ぐらを掴んできたのである。それに対して和馬が、幹部の手を俺の胸ぐらから放させて、逆に幹部の胸ぐらを掴む。
それを俺は落ち着くように促してから、幹部の後頭部を掴んで机に叩きつける。幹部の男は机に顔面がバウンドして地面に倒れた。
こんな事を敵対組織の事務所でやったもんだから、幹部たちは立ち上がって俺たちを取り囲む。
「ここで、おっ始めても良いけどよ。俺たちも喧嘩には自信があるんだぞ? 道具を出してこようが、間違いなく殺し切るからな」
「テメェら百鬼会の下に着くつもりはない!! それに百鬼会が戦争したいって言うんやったら、わしらは逃げる事のう真っ向から相手になっちゃるど」
「そうかそうか。お前たちの気持ちは分かったが、今は冷静じゃねぇ………3日待ってやるから幹部たちで、よく考えて結果を出してくれや。良いか拒否も無視も百鬼会に宣戦布告したと取るからな」
良い感じで圧力をかけられたところで、俺たちは囲まれた幹部たちに肩をぶつけて事務所を後にする。
このまま大阪に戻っても良いが、兄貴の事が気になるので電話をかけてみる。
「あっ兄貴すか? 倉吉組に良い感じで圧力かけてしましたけど、これからどうしますか?」
『おぉ思うとったよりも早よ終わったな。さすがは花菱やわ』
「そんな事ないっすよ。兄貴が、どうすれば良いかって教えてくれたからっすよ」
『いや、自分の力やな。なんしか奈良に構えた事務所まで顔を出してもらえるか? そこで奈良対策本部を作ろう思てるんやわ』
「そうなんすね!! 直ぐに車回して向かいます」
やっぱり兄貴に褒められるのは素直に嬉しいわ。
そんな事を思いながら兄貴に言われた通り、奈良県に構えた事務所に向かう
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