転生したらどんな武器にも変化できる最強の本だった件。─幼女とのんびりゆるふわ紀行─

桜樹人(おきと)

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Ⅵ章 白銀の剣聖スズナ

page21 いざ、空へ飛び立つ件

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準備を整え荷物を全て船に運び込んだ俺達はレオハルトさんに事情を話し、ミーシャのシャルルを探す旅に付き合うのだった。
レオハルトさんは残念そうだったが応援してくれ、ペントハウスは戻ってきた時の為にギルドの方で管理しながら現状のままでおいてくれるそうだ。

「さてと、それじゃあ行くよ。」

ジェーンがそう言って操舵輪を握る。
普通の帆船と同じ様に操舵輪があり、基本的な操作は帆船とあまり変わらないらしい。
強いて言えば操舵輪の左右には幾つかレバーがついており普通の帆船より複雑な位だろう。

「それじゃあ、アルスマグナ号発進!」

「了解。
CPUオンライン。
チェックリスト1~15番、オールクリア。
全システム起動。
バルーン空気圧正常、エーテルタンクをエンジンに接続。
メインエンジン起動。
魔導スラスター展開。
バルーンエアポンプ起動。
循環開始。
両翼展開、バルーンプロペラ起動。
メインエンジンイグニッション。
Cleared for takeoff
アルスマグナ、ブラストオフ。」

ジェーンがそう良いながら操舵輪の横にある機械を操作するとゆっくりと船が浮き始め、浮き上がったと思うとぐんぐんと加速していく。
なんか、宇宙船とかの発進みたいで少し格好いいな。

「うわぁ、速い!」

「ほんとだ、地面がどんどん遠くになっていくよ。」

アリスとミーシャははしゃいでいる様子だ。

「高度10000m到達。
魔導スラスター格納。
空気圧調整完了。
ここから先は左右の翼とバルーン後部のプロペラで運行するよ。
魔導スラスターはエネルギー消費が大きいからね。
使いすぎると補給でいちいち降りないといけないから面倒でさ。」

ジェーンがそう言って操舵輪から手を離す。

「自動制御システムとオートパイロットシステムを起動したから問題ないよ。
目的地付近に着くまで自由時間だ。」

ジェーンがそう言って手をヒラヒラしながらラウンジへ向かっていく。
なんか、今の日本より高性能じゃないか?
やけに近未来だな。

「アリス、アリスはどうする?」

「うーん、折角だしちょっと外を見てみない?」

アリスがそう言って俺を抱えて甲板へと出る。

「風はあまり感じないね。」

「あぁ、どうやら甲板全体にバリアが張られているみたいだな。
それのお陰で寒くもないし風も気持ちいい程度なんだろう。」

俺が言うとアリスが甲板の端まで行って外を見る。
雲の上を飛んでいる飛空艇の影が雲に落ちており、雲の切れ目からは地上が見える。
飛行機とは違った景色で面白いな。 

「それにしても、この船といい、リリィといいジェーンさんって凄い錬金術師なんだねぇ。」

「ま、未だにジェーンを越す錬金術師はいないらしいしな。
確か100年は技術を進めたなんて話じゃ無かったか?」

俺が言った。
ジェーン・アルケミスト。
錬金術師であり、学者でもある彼女は様々な道具を作り出し、それらは今でも使われている。
物によってはジェーンの製作した物が改良されずに残っていたりもする。
街灯や時計は彼女の発明とされており、他にも魔導戦車や魔導列車、魔導船なんかもジェーンの発明だ。
様々な分野に置いて今までにない道具を作り上げたジェーンはこの国では三英雄に並ぶ有名人だ。
そんな人がまだ生きているなんて思わないよな。
それも、機械の体になってだなんて普通思い付かない。
SF映画かよって感じだ。

「アリスちゃん、お茶でもどうかな?」

ロロナが来て言った。

「うん、今行くね。」

俺達は甲板から戻りラウンジでゆっくりとティータイムを楽しむのだった。
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