転生したらどんな武器にも変化できる最強の本だった件。─幼女とのんびりゆるふわ紀行─

桜樹人(おきと)

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Ⅴ章 ネクロマンサーと飛空艇

page18 ギルドへ行く件

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俺達はギルドへ向かった。
レオハルトさんの呼び出しに答える為とミーシャの言う飛空艇が本当にあるのかを確かめる為だ。

「良く来たのである。
ティアとのクエストが終わったばかりなのに申し訳ないのである。」

「いえ、構いませんよ。
それで、ご用件って?」

アリスが聞いた。

「うむ、この街の北にある屋敷は知っているな?
現在は領主の屋敷となっているのであるが元はとある学者の家だったのである。
その学者と言うのがジェーン・アルケミスト。
錬金術の祖と言われる学者であるな。」

レオハルトさんが言った。
まさか昨日噂していた人物の名前が上がるとは思わなかったな。

「この街はジェーン・アルケミストの生まれ育った街であり、ジェーン・アルケミストの最期の地でもあるのだが・・・
実はここ数日そのジェーン・アルケミストらしき人物を見ると街で噂になっているのである。
ジェーン・アルケミストはもう100年も前の人間。
生きているはずが無い。
しかし、それでも実際に見たと言う者は多くてな。
最初はまやかしだと思っていたのであるが、この前ついに我輩も見たのである。
あれは紛れもなくジェーン・アルケミストであった。
我輩は本物こそ見たことは無いが写真は何度も見ておるからな。
あの顔を間違うはずが無いのである。
そこで、今回のクエストであるがそのジェーン・アルケミストと思われる謎の人物の正体を暴いて欲しいのである。
もし、これが悪戯なら許されざる行為なのである。
悪戯なのか、はたまた本人の霊なのか、はっきりさせて欲しいのである。」

レオハルトさんが言った。
ジェーン・アルケミストの霊ねぇ。
本当に霊って事は・・・
あってもおかしくないな。
ネクロマンサーがいるんだ。
霊は確かに存在すると言うことだろう。
だが、このクエストなら丁度良い。
ミーシャに手伝って貰おう。

「すみません。」

と、丁度良いところにミーシャが来た。

「ミーシャ、クエストがあるんだが手伝ってくれないか?
もしかしたら飛空艇の事が分かるかも知れないんだ。」

俺が言うとミーシャは目を輝かせて俺を両手で掴む。

「本当ですかっ!?」

「あぁ、この街にジェーン・アルケミストと思われる霊が出ているらしくてな。
その正体が本当のジェーン・アルケミストなら飛空艇の事を聞けるんじゃないか?
ほら、ミーシャはネクロマンサーだから霊と会話できるだろ?」

俺が言った。
すると、ミーシャはこくこくと頷いた。

「そう言うことなら任せて。
霊を探すのは得意なんだ。
まずはその人の墓地に連れてってくれるかな?
自分の墓地は霊が最も好む場所なんだ。」

ミーシャが言った。
ジェーン・アルケミストの墓地か。
どこにあるんだ?

「ふむ、墓地・・・で、あるか。
残念だがそれは無理なのである。」

レオハルトさんが言った。

「どうして?」

「うむ。ジェーン・アルケミストの墓地はこの街に無いのである。
確かに、最期を遂げたのはこの街であるが、ジェーン・アルケミストは墓地を作らなかったのである。
自らの死体は飛空艇の核として動力部と接続したと言う噂があってな。
死後どうやって自らの体を動力部と繋げたのかは不明なのであるが、ジェーン・アルケミストなら出来ない話では無いのである。。
故に、ジェーン・アルケミストの墓は無いのである。
強いて言えばその飛空艇が墓地の様な物なのである。」

レオハルトさんが言った。
飛空艇か。
どこにあるんだろうか。

「飛空艇はどこにあるんですか?」

いやいや、流石のレオハルトさんでも分からないんじゃないか?
ただ、ギルマスだしあてはあるかもだが・・・ 

「うむ。飛空艇ならジェーン・アルケミストのガレージにあるはずなのである。
まぁ、今も動くかは分からぬのであるが。
ガレージなら冒険者ギルドの地下からも繋がっているのである。
リラよ、来るのである。」

レオハルトさんがそう言って受付嬢の1人を呼ぶ。

「はい。なんでしょうか。」

そう言ってやってきたのはいつもアリスの受付をしてくれる受付嬢だ。
リラと呼ばれた受付嬢は黒髪ポニーテールを揺らし、丁寧にお辞儀をする。
白い肌に赤いアンダーリムの眼鏡が映えるとても顔立ちの整った女性だ。
スタイルも抜群でGはありそうな胸に括れた腰、スラッとした手足で身長は165cm程だろう。
おしとやかでどこか力強くもある女性だな。

「リラ、この者達をジェーン・アルケミストのガレージに案内するのである。
我輩がその許可を出すのである。」

「かしこまりました。
それでは皆様、どうぞこちらへ。」

そう言ってリラさんが俺達を冒険者ギルドの地下へと案内してくれた。
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