転生したらどんな武器にも変化できる最強の本だった件。─幼女とのんびりゆるふわ紀行─

桜樹人(おきと)

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Ⅲ章 黒い棺のオートマタ

page13 休憩する件

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*この話はpage12と同一の時間に起きた出来事です。

レオハルトさんに休むように言われた俺達はペントハウスに戻り、ベッドに倒れこんでいた。

「アリス、せめて着替えないとシワになるぞ。」

「んー。龍鱗変化~」

アリスが唱えると服が消えていきアリスが裸になる。

「今のなんだよっ!?」

「んあ?あー、龍鱗変化?鱗の性質を変えられる魔法だよ。
それで服にしてた龍鱗を元の龍の鱗に戻してから人の肌に戻したの。」

「と言うとお前のあれは服じゃないのか?」

「んー、服だよ?
龍鱗を服に変えてるから変えてる間は服と同じように濡れれば重くなるし、火で燃えるし、脱げるよ。
まぁ、普通の服よりは頑丈だけどね。」

アリスがそう言って微笑む。

「でも、それって服に変えてるだけで鱗なんだろ?
なら、それ裸と変わらなくね?」

「なっ!?ちゃ、ちゃんと服になってるでしょっ!」

アリスが顔を真っ赤にして言った。

「でも、鱗なんだろ?」

「う・・・うん。」

「龍の時は鱗って一番外側だし服着てないよな。」

「当たり前でしょ?龍が服着れる訳無いじゃん。」

アリスがそう言って自身の肩にある龍鱗に触れる。

「人の時は鱗を服に変化させていてそれってつまり外側は鱗なんだよな?」

「うぐっ・・・ま、まぁ、そう・・・かな?」

アリスがそう言いながら起き上がると鱗に触れながら体全身を鱗で包んで見せる。

「なら、それって裸と変わらなくないか?
アリスの鱗って肌の一部なんだろ?」

「だ、だって!服着ても龍になると破れちゃうもん!
それに、ケイさんも裸じゃん!」

アリスがそう言って俺を抱き寄せる。

「俺は本だし。
本は服を着ないだろ?」

「そうだけど・・・
あっ!ケイさんって人の姿にはなれないの?」

アリスがニヤリと笑って言った。
良からぬ事を考えていそうだ。

「ん?なれるぞ。
まぁ、滅茶苦茶魔力を消費するからなったことも無いしなりたくもないけどな。」

「じゃあさ、なってみてよ。
ケイさんの人の姿見てみたいな。」

アリスがニヤニヤとしながら言った。
まぁ、たまにはアリスのいたずらに乗ってやるか。

「しょうがないな。
我が魔を糧とし人を作り出せ。
作りし人は我が主たる力をもって、剣となりし我が手足とならん。」

俺が唱えると俺の体が本の姿から人の姿へと変わっていく。    
肩までの黒髪ウルフカットに左目を隠した前髪。
少し目付きの悪いキリッとした赤い瞳にしゅっとした顔立ち。
がっしりとした体型とまではいかないが腹筋は割れており最低限の筋肉はついている。
身長は183cm。
服装は上から2つボタンの外された黒いYシャツに緩く結ばれた赤いネクタイ、黒いくるぶし丈のカーゴパンツに銀色の四角いバックルのついた茶色いベルトで踝丈の茶色いブーツ。
左耳に銀色の8角形のピアスをしている。
肩から地に着く程長い黒いコートを羽織っており両肩には金色の肩章、胸ポケットと両腰部分にポケットがあり、前側と両袖には金色のボタンがついている。
おぉ、懐かしき生前の俺の姿。
服装は何か違うけど。

「な、なんで服着てるのっ!?」

アリスが起き上がって言った。
あぁ、本の俺も裸だから人の姿になれば裸。
そしたら俺も裸だと言いたかったのか。
俺も服を着ているのは意外だったが結果としては良かったな。
アリスに男の裸を見せずにすんだし。
アリスって男の裸見たこと無さそうだしな。
うぶな反応をしそうだ。

「そりゃ人は服を着るものだからな。
裸で人の姿になる奴なんていないだろ。」

俺がそう言ってニヤリと笑う。

「ケイさんのバカっ!もう知らないんだから!!」

アリスはそう言うと布団をかぶって籠ってしまった。
アリスを布団から出すのに3時間掛かったのはまた別のお話。
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