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Ⅲ章 黒い棺のオートマタ
page12 黒い棺のオートマタな件《リリィ視点》
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私は主人を守る為に作られた戦闘用のオートマタ。
しかし、私のミロードとなった方はその必要が無い位に強い。
現に、スカイドラゴンを空から落として尻尾を千切り食している。
あの黒い龍が、私のミロード。
私は主人を守る為に作られた戦闘用のオートマタ。
私の存在意義は主人を守る事。
でも、ミロードは守られる程弱くない。
では、私の存在意義は何?
私はミロードに何をすれば良いの?
私がミロードのお側に仕えて何の役に立つの?
私はメイドのようにミロードの食事を作ったり、着替えを手伝ったりなんて出来ない。
私が出来るのはこの体に格納された武器で敵を殲滅する事だけ。
けど。それはミロードでも出来る。
私は、何のために目覚めたの?
ミロードは、私に何を求めているの?
私には、それが分からない。
それは、きっと私が人でないから。
心を持たない無機物だから。
この感情だってプログラミングされた擬似的な物でしか無い。
私は、周りがこういう反応をしたら私はこう反応するとプログラムされた通りに動くだけ。
それを、感情と呼ぶのは間違いだ。
これは、感情じゃない。
他人なら見れば感情に見えるそれは、全てそうなるように作られているだけ。
それでも、ミロードに必要とされるなら私は構わない。
そう、思ってきた。
だが、ミロードは強く、私の様な戦闘用オートマタがいなくてもスカイドラゴンを倒せてしまう。
ミロードにとって、私は、不要?
わからない。
私には、ミロードの考えも、思いもわからない。
けど、ミロードは私に命令をくれた。
『地面に落ちたスカイドラゴンを倒せ』と。
なら、私はミロードに与えられた命令をこなすだけ。
それが、私の存在意義だから。
それが、『私』だから。
「バトルモードスタンバイ。
形態変化肆式 モード:デストロイ。
自由意思をロック。
全感情プログラムを遮断。
セカンドギアをギア3にギアチェンジ。
カーディナルギアを肆式にギアチェンジ。
システム正常に稼働。
アドミラルオーダーを設定。
『墜落したスカイドラゴンの討伐』
オーダーをセット。
状況開始。」
その言葉と共に私の感情は消えていき、私の意思は1つになる。
『スカイドラゴンを討伐する。』
ミロードから与えられた命令をこなす。
それが、私の存在意義。
「ウエポンズフリー。
巨斧ダンデライオン展開。」
私が呟くと私の右手に柄が緑色で金色の刃の全長2m越えの斧が現れる。
両刃の斧は刃の部分がギザギザしており円形に近く、タンポポの花のような形をしている。
「回転、開始。」
私の一言で刃が回り始め、丸ノコギリの様になる。
そして、私はその回る刃でスカイドラゴンを解体する様に切り刻んでいく。
骨も簡単に刃が通り、ガリガリと削りながら切断する。
スカイドラゴンには抵抗する気力も残っておらず、痛みに雄叫びこそあげるがそれ以外はなにもない。
しかし、そんな雄叫びもじきに聞こえなくなりスカイドラゴンは息耐えた。
私は武器に付いた血を払って仕舞う。
「ミッションコンプリート。
戦闘シークエンス終了。
自由意思ロック解除。
全感情プログラムを接続。
セカンドギアをギア1にギアチェンジ。
カーディナルギアを壱式にギアチェンジ。
システム正常に稼働。
通常形態への移行完了。」
私はそう言ってスカイドラゴンの死体から離れる。
服は真っ赤に染まり、びしょびしょになっており髪や肌にも血がべっとりと付いている。
人間なら嫌がるのだろうがオートマタである私に嫌だと言う感情は無い。
正確には、通常形態に戻るまで感情を閉ざしていたから何とも思わない。
確かに、動きづらくて不快ではあるがそれ以外は何ともない。
であればこのままで良いと思ってしまう。
周りからは奇異な目で見られるだろうが私は元々オートマタと言う時点で奇異な目で見られてしまう。
なら、変わらない。
そう、思ってしまうのだ。
私は、戦闘終了の報告をすべく休んでいるミロードの元へ向かった。
しかし、私のミロードとなった方はその必要が無い位に強い。
現に、スカイドラゴンを空から落として尻尾を千切り食している。
あの黒い龍が、私のミロード。
私は主人を守る為に作られた戦闘用のオートマタ。
私の存在意義は主人を守る事。
でも、ミロードは守られる程弱くない。
では、私の存在意義は何?
私はミロードに何をすれば良いの?
私がミロードのお側に仕えて何の役に立つの?
私はメイドのようにミロードの食事を作ったり、着替えを手伝ったりなんて出来ない。
私が出来るのはこの体に格納された武器で敵を殲滅する事だけ。
けど。それはミロードでも出来る。
私は、何のために目覚めたの?
ミロードは、私に何を求めているの?
私には、それが分からない。
それは、きっと私が人でないから。
心を持たない無機物だから。
この感情だってプログラミングされた擬似的な物でしか無い。
私は、周りがこういう反応をしたら私はこう反応するとプログラムされた通りに動くだけ。
それを、感情と呼ぶのは間違いだ。
これは、感情じゃない。
他人なら見れば感情に見えるそれは、全てそうなるように作られているだけ。
それでも、ミロードに必要とされるなら私は構わない。
そう、思ってきた。
だが、ミロードは強く、私の様な戦闘用オートマタがいなくてもスカイドラゴンを倒せてしまう。
ミロードにとって、私は、不要?
わからない。
私には、ミロードの考えも、思いもわからない。
けど、ミロードは私に命令をくれた。
『地面に落ちたスカイドラゴンを倒せ』と。
なら、私はミロードに与えられた命令をこなすだけ。
それが、私の存在意義だから。
それが、『私』だから。
「バトルモードスタンバイ。
形態変化肆式 モード:デストロイ。
自由意思をロック。
全感情プログラムを遮断。
セカンドギアをギア3にギアチェンジ。
カーディナルギアを肆式にギアチェンジ。
システム正常に稼働。
アドミラルオーダーを設定。
『墜落したスカイドラゴンの討伐』
オーダーをセット。
状況開始。」
その言葉と共に私の感情は消えていき、私の意思は1つになる。
『スカイドラゴンを討伐する。』
ミロードから与えられた命令をこなす。
それが、私の存在意義。
「ウエポンズフリー。
巨斧ダンデライオン展開。」
私が呟くと私の右手に柄が緑色で金色の刃の全長2m越えの斧が現れる。
両刃の斧は刃の部分がギザギザしており円形に近く、タンポポの花のような形をしている。
「回転、開始。」
私の一言で刃が回り始め、丸ノコギリの様になる。
そして、私はその回る刃でスカイドラゴンを解体する様に切り刻んでいく。
骨も簡単に刃が通り、ガリガリと削りながら切断する。
スカイドラゴンには抵抗する気力も残っておらず、痛みに雄叫びこそあげるがそれ以外はなにもない。
しかし、そんな雄叫びもじきに聞こえなくなりスカイドラゴンは息耐えた。
私は武器に付いた血を払って仕舞う。
「ミッションコンプリート。
戦闘シークエンス終了。
自由意思ロック解除。
全感情プログラムを接続。
セカンドギアをギア1にギアチェンジ。
カーディナルギアを壱式にギアチェンジ。
システム正常に稼働。
通常形態への移行完了。」
私はそう言ってスカイドラゴンの死体から離れる。
服は真っ赤に染まり、びしょびしょになっており髪や肌にも血がべっとりと付いている。
人間なら嫌がるのだろうがオートマタである私に嫌だと言う感情は無い。
正確には、通常形態に戻るまで感情を閉ざしていたから何とも思わない。
確かに、動きづらくて不快ではあるがそれ以外は何ともない。
であればこのままで良いと思ってしまう。
周りからは奇異な目で見られるだろうが私は元々オートマタと言う時点で奇異な目で見られてしまう。
なら、変わらない。
そう、思ってしまうのだ。
私は、戦闘終了の報告をすべく休んでいるミロードの元へ向かった。
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