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Ⅲ章 黒い棺のオートマタ
page8 棺が現れた件
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俺達はギルドに戻り報告を済ませると3日間の休暇をとった。
今回の森の調査でかなり報酬を得られたからな。
その1つに俺達が拠点として借りているペントハウスは5階建ての大きめの建物の最上階で森の調査の報酬の1つとしてこのペントハウスを貰った。
何でも前の持ち主が亡くなり、その人の意向で冒険者ギルドの管理になったらしいのだが掃除を頼むのも費用がかかるからと空き部屋をクエストの報酬として提供しているらしい。
そして、このペントハウスもその1つだったと言うわけだ。
俺達が準備を整え、出発しようと思っていたら突如屋根を突き破り真っ黒い棺が落ちてきた。
棺はただ黒いだけでなく、歯車が沢山付いており、どうやら機械仕掛けの棺らしい。
「なにこれ!?」
「棺、でしょうか?棺自体は木製ですが蓋には金属が沢山付いていますね。」
アリスが驚くとロロナが棺を見て言った。
にしてもなんたってこんな棺が空から落ちてくるんだ?
空の方を見てみるがそこには何もない。
不思議な事もあるものだ。
「開くのかな?」
アリスがそうっと棺の蓋に付いていた赤い宝石に触れると棺の歯車が回り出した。
「動きましたね。」
歯車が動いて棺がゆっくりと開き始める。
そして、その棺の中には女の子が眠っていた。
身長は166cm程で腰までの黒髪ロングストレートに赤い瞳で優しそうな目付きの少し幼さの残る小顔で童顔な顔立ち。
華奢ながら出るとこは出ており胸はD程度で括れた腰。
服装はえんじ色のエンパイアドレスでスカートの丈は膝上で裾と袖先にはピンク色のフリルが付いている。
靴はドレスと同じえんじ色のヒールの付いたベルトサンダル。
両手首と首に黒い枷とそれに繋がれた鎖の様なアクセサリーを付けていて左手首には包帯を巻いている。
頭には小さな王冠が付いたヘアピンを左耳の上側で留めている。
少女はゆっくりと眼を開けると静かに起き上がった。
「CPUオンライン、出力上昇。
起動前チェックリスト開始。
アイ・アナライザー・・・チェック。
セカンドギア・・・チェック。
疑似スキル機巧・・・チェック。
アラウンドサーチャー・・・チェック。
マジックサーチャー・・・チェック。
チェックリストオールグリーン。
全システムの起動を開始。
・・・起動完了。
システムの最適化を開始。
・・・最適化完了。
システムのダウンロード開始・・・最新システムダウンロード済み。
セカンドギアをギア1で起動。
・・・起動完了。
カーディナルギアを壱式で起動。
・・・起動完了。
マスター認証開始・・・マスター認証無し。マスターの認証を推奨します。
全起動シークエンス完了。
メインギアをコアに接続。
護衛戦闘用魔導機巧人間GDBD-01 PROTOTYPELILYα、起動。」
そう少女が言って起き上がる。
オートマタと言っていたし機械なのか。
だが、どこからどうみても普通の女の子にしか見えない。
これを作った人はかなり優秀な技師なんだろう。
まさかこの女の子がオートマタだなんて気付く人は居ないだろう。
それ程に、精巧な出来だ。
「あなたは・・・?」
「私はGDBD-01コードネーム、リリィ。
マスターを守る為に作られた戦闘用オートマタ。
現在、マスター登録モードで起動している。
問う、あなたが私のマスター?」
リリィと名乗ったオートマタはそう言ってアリスを見た。
アリスがあの宝石に触れて起動したからアリスをマスターと思ったのだろうか?
だとしたらあの棺自体もかなり高度なマシンナリになるが。
「えっと、私は・・・」
アリスが助けを求める様な目で俺を見た。
どうしたものか。
きっと、本来リリィのマスターになる人がいたはずだ。
しかし、何らかの事情で俺達の元へ来てしまった。
だとしたら、その持ち主に返した方が良い気もする。
しかし、持ち主を探すにも手掛かりは何もない。
空から落ちてきたと言うのも気になる所だ。
この周辺に空輸手段を持つ国は無い。
と言うより、空輸するとなれば飛空艇を使用する事になるのだが仮に飛空艇からこの棺が落ちてきたとして、すぐに真上を見たのに何も空に無いと言うのはおかしな話だ。
落ちてすぐに空を見たのだからまだ飛空艇が飛び去る程の時間では無い。
飛空艇にしては速すぎる。
謎は残るばかりだがアリスをマスターかと聞いているのだし、アリスが良いならマスター認証しても良い気もする。
もしかしたらマスター認証をすることでそれがトリガーとなって何かしら情報を得られるかも知れない。
「アリスの好きにすると良いさ。
アリスはマスターになりたいのか?」
「うーん・・・これも何かの縁・・・だよね。」
アリスが言うとリリィが立ち上がる。
「マスター認証の承諾を確認。
マスター認証を開始します。」
そう言ってリリィがアリスの左手を取ると人差し指を口に含む。
アリスも驚くがリリィはゆっくりと舌を絡ませながら舐めると指から口を放す。
「マスター認証完了。指紋の登録を確認。
R.A.オートマタシリーズ壱番機『忠実なる者』リリィ御身の前に。」
そう言ってリリィがアリスに跪く。
シリーズと言っていたし何機かあるのか。
壱番機ならリリィが1番最初に作られたオートマタっぽいな。
やはり、マスター認証する事で何個か分かったな。
それに、ロロナに続いてこんなにも早く仲間が増えたのは良い事だ。
今回の森の調査でかなり報酬を得られたからな。
その1つに俺達が拠点として借りているペントハウスは5階建ての大きめの建物の最上階で森の調査の報酬の1つとしてこのペントハウスを貰った。
何でも前の持ち主が亡くなり、その人の意向で冒険者ギルドの管理になったらしいのだが掃除を頼むのも費用がかかるからと空き部屋をクエストの報酬として提供しているらしい。
そして、このペントハウスもその1つだったと言うわけだ。
俺達が準備を整え、出発しようと思っていたら突如屋根を突き破り真っ黒い棺が落ちてきた。
棺はただ黒いだけでなく、歯車が沢山付いており、どうやら機械仕掛けの棺らしい。
「なにこれ!?」
「棺、でしょうか?棺自体は木製ですが蓋には金属が沢山付いていますね。」
アリスが驚くとロロナが棺を見て言った。
にしてもなんたってこんな棺が空から落ちてくるんだ?
空の方を見てみるがそこには何もない。
不思議な事もあるものだ。
「開くのかな?」
アリスがそうっと棺の蓋に付いていた赤い宝石に触れると棺の歯車が回り出した。
「動きましたね。」
歯車が動いて棺がゆっくりと開き始める。
そして、その棺の中には女の子が眠っていた。
身長は166cm程で腰までの黒髪ロングストレートに赤い瞳で優しそうな目付きの少し幼さの残る小顔で童顔な顔立ち。
華奢ながら出るとこは出ており胸はD程度で括れた腰。
服装はえんじ色のエンパイアドレスでスカートの丈は膝上で裾と袖先にはピンク色のフリルが付いている。
靴はドレスと同じえんじ色のヒールの付いたベルトサンダル。
両手首と首に黒い枷とそれに繋がれた鎖の様なアクセサリーを付けていて左手首には包帯を巻いている。
頭には小さな王冠が付いたヘアピンを左耳の上側で留めている。
少女はゆっくりと眼を開けると静かに起き上がった。
「CPUオンライン、出力上昇。
起動前チェックリスト開始。
アイ・アナライザー・・・チェック。
セカンドギア・・・チェック。
疑似スキル機巧・・・チェック。
アラウンドサーチャー・・・チェック。
マジックサーチャー・・・チェック。
チェックリストオールグリーン。
全システムの起動を開始。
・・・起動完了。
システムの最適化を開始。
・・・最適化完了。
システムのダウンロード開始・・・最新システムダウンロード済み。
セカンドギアをギア1で起動。
・・・起動完了。
カーディナルギアを壱式で起動。
・・・起動完了。
マスター認証開始・・・マスター認証無し。マスターの認証を推奨します。
全起動シークエンス完了。
メインギアをコアに接続。
護衛戦闘用魔導機巧人間GDBD-01 PROTOTYPELILYα、起動。」
そう少女が言って起き上がる。
オートマタと言っていたし機械なのか。
だが、どこからどうみても普通の女の子にしか見えない。
これを作った人はかなり優秀な技師なんだろう。
まさかこの女の子がオートマタだなんて気付く人は居ないだろう。
それ程に、精巧な出来だ。
「あなたは・・・?」
「私はGDBD-01コードネーム、リリィ。
マスターを守る為に作られた戦闘用オートマタ。
現在、マスター登録モードで起動している。
問う、あなたが私のマスター?」
リリィと名乗ったオートマタはそう言ってアリスを見た。
アリスがあの宝石に触れて起動したからアリスをマスターと思ったのだろうか?
だとしたらあの棺自体もかなり高度なマシンナリになるが。
「えっと、私は・・・」
アリスが助けを求める様な目で俺を見た。
どうしたものか。
きっと、本来リリィのマスターになる人がいたはずだ。
しかし、何らかの事情で俺達の元へ来てしまった。
だとしたら、その持ち主に返した方が良い気もする。
しかし、持ち主を探すにも手掛かりは何もない。
空から落ちてきたと言うのも気になる所だ。
この周辺に空輸手段を持つ国は無い。
と言うより、空輸するとなれば飛空艇を使用する事になるのだが仮に飛空艇からこの棺が落ちてきたとして、すぐに真上を見たのに何も空に無いと言うのはおかしな話だ。
落ちてすぐに空を見たのだからまだ飛空艇が飛び去る程の時間では無い。
飛空艇にしては速すぎる。
謎は残るばかりだがアリスをマスターかと聞いているのだし、アリスが良いならマスター認証しても良い気もする。
もしかしたらマスター認証をすることでそれがトリガーとなって何かしら情報を得られるかも知れない。
「アリスの好きにすると良いさ。
アリスはマスターになりたいのか?」
「うーん・・・これも何かの縁・・・だよね。」
アリスが言うとリリィが立ち上がる。
「マスター認証の承諾を確認。
マスター認証を開始します。」
そう言ってリリィがアリスの左手を取ると人差し指を口に含む。
アリスも驚くがリリィはゆっくりと舌を絡ませながら舐めると指から口を放す。
「マスター認証完了。指紋の登録を確認。
R.A.オートマタシリーズ壱番機『忠実なる者』リリィ御身の前に。」
そう言ってリリィがアリスに跪く。
シリーズと言っていたし何機かあるのか。
壱番機ならリリィが1番最初に作られたオートマタっぽいな。
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