転生したらどんな武器にも変化できる最強の本だった件。─幼女とのんびりゆるふわ紀行─

桜樹人(おきと)

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Ⅰ章 少女との出会い

page4 VSレッドワイバーンな件

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レッドワイバーンのいるロンシェ山脈はそこまで高くない山々が東西に貫いている山脈だ。
この山脈にはワイバーンやグリフォン等が生息しているのだがその中でもレッドワイバーンは気性が荒く、希に人里まで来てしまう事があるらしい。
今回討伐依頼の対象となったのは人里に降りてきて傷を負ったワイバーンの討伐。
レッドワイバーンは執念深く、傷を負うとやり返す為に必ず襲いに来るのだとか。
その為、それよりも先に討伐してしまおうと言う話だ。
今ならレッドワイバーンも傷を癒すために眠っているだろうからその間に倒してしまえれば楽に終わるクエストだ。
それに、こっちは空を飛べるアリスがいるからな。
仮に空へと逃げられてもアリスなら簡単に追い付けると言うわけだ。

「居ました!あの寝てるのがそうじゃないですか?
ほら、翼爪が折れてますよ。」

そう言って指差した先に居たのは体躯8m程のレッドワイバーンだった。
レッドワイバーンは眠っており、翼の中央にある黒い爪は折れている。
確かに、あのレッドワイバーンの様だな。

「私がお父さんから貰ったスキルは武芸百般だけじゃ無いですよ!
龍の魔法も教わりましたから!」

アリスはそう言うと得意気に寝ているレッドワイバーン目掛けて突っ込んでいく。

「行きますよ!龍翼爪りゅうよくそう!」

アリスがそう言いながら翼脚の爪でレッドワイバーンの背中を切り裂く。
レッドワイバーンの背中の鱗は剥がれ、そこには痛々しい引っ掻き傷が出来る。

龍の鱗と言うものはそんな簡単に剥がれる物じゃないはずだ。
それをこんなに簡単に剥がせるのだから龍の力と言うのは本当なのだろう。
背を切り裂かれたレッドワイバーンは起き上がるとこちらを見て雄叫びをあげる。
もちろん、そんなんで怯むアリスでは無い。

麻痺咆哮パラライズシャウト!」

アリスがそう叫ぶとレッドワイバーンの動きが鈍くなる。
麻痺状態だ。
アリスの声はレッドワイバーンにも劣らない大声だった。
確かに、咆哮と言える声だ。
これが龍の魔法か。

「このまま一方的に終わらせます!」

アリスはニヤリと笑って大きく息を吸う。

氷龍の息吹ひょうりゅうのブレス!」

アリスがそう言って口から冷たい冷気を放つ。
レッドワイバーンの体が段々と凍りついていく。
龍の魔法だけあってブレスもはけるのか。
そう俺が感心している間にレッドワイバーンは息絶え、その場にどしんと倒れる。
1人で倒すのは難しい相手と聞いていたがアリスの敵では無かったらしい。
まさかアリス単体でもこんなに強いなんてな。
アリスは嬉しそうに俺を見るとレッドワイバーンの元に着地する。

「ケイさん、素材売れますよね?
マジックストレージでこのまま持ち帰りますか。」

アリスがそう言ってレッドワイバーンをそのままストレージに仕舞う。

「解体はしないのか?」

「あはは、お恥ずかしい話、私解体苦手なんですよね。
だから、専門の解体士さんに頼んだ方が高く売れるんですよ。」

アリスがそう言って笑うと翼を広げ、空へと飛び立つ。

「なら、さっさと帰るか。」

「ですね。帰りましょう。」
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