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機械仕掛けの絆
機械仕掛けの絆-02
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ディアスが指差すカタログのページを見て、マルコはつまらなさそうに言った。
「これが欲しいのかい? ごく普通の義肢なんだけど……」
「普通ですか? カタログスペックを見る限りとても高性能に思えますが」
「そういう意味じゃなくてさ。腕からブレードが出るわけじゃないし、マシンガンを備えているわけじゃない。普通の腕の代用品でしかないんだよ」
「それでいいんですよ。義肢に期待することは体と同じように動くことですから」
珍しくふたりの意見は平行線をたどった。
意見が分かれたときは大抵ディアスが折れる。と、言うよりも彼は自分の意思を通すことにあまりこだわりがない。
そんな彼が妥協しないのはカーディルが絡んだときだけであり腕におかしなものを付けられるとなると、別にそれでいいです、では絶対に済まされない。
「聞いてくれ。こいつは僕の信念だが義手は人間の腕の模倣ではなく、それ以上のものであるべきだと考えている」
信念などと大袈裟な言葉を使い、マルコは珍しく真剣な表情をしている。
「僕はね、身体的障害という概念そのものを無くしたいんだ。腕が潰れた、足が動かない、そういうときに気落ちすることはない。いい機会だからもっと高性能な腕に替えようと気軽に言える世界が理想なんだ。どうだい、君ならわかってくれるのではないだろうか?」
四肢を失い、絶望的な日々のなか足掻いてきたディアスとカーディルである。肉体の欠損によって悩むことがなくなるならば、それはとても良いことなのだろう。
倫理的に怪しい部分を感じないわけではないが、マルコの語る夢には好感をもった。しかし、それとこれとは話は別だ。
「高性能、イコール、武器を仕込むこと、というのは短絡的すぎやしませんか」
「なんで!? いざというとき、腕がガシャーンと変形して、マシンガンになってガガガーッて撃つのは男のロマンじゃないか?」
彼らしからぬ貧相な語彙力で説得にかかるマルコ。心が本格的に少年寄りになっているようだ。
「カーディルは女の子です。男の子のロマンを押し付けるわけにはいかないでしょう。自分が義肢をつけることになっても遠慮しますが」
「なんでそんなに特殊義肢を拒むんだい」
「不便だからです」
たった一言で夢もロマンもばっさり否定されてしまった。
「そもそも博士は通常の義肢があまり好きではないようですが、それではなぜこのような高性能義肢を作ったのですか?」
カタログに載った女性用義肢は指の一本、一本にまでこだわって作られたようで色気さえ感じる。きっとカーディルに似合うだろう。白けた顔のマルコとは対照的に、ディアスは少しだけ浮かれた気分であった。
「なんで、って言われちゃうとなぁ……。君たちのおかげで義肢に関するデータは随分と集まって、僕と丸子製作所の技術もそれなりに成長したわけだよ」
何が問題なのだろうか、そう考えつつディアスは黙って先を聞くことにした。
「で、我ながら何をとち狂ったのか、最先端の技術で最高の義肢を作ってみようと思い立って、出来上がったのがこれ」
カタログを視界に入れたくもないのか、マルコは少し視線を外しながら語る。
「見た目は綺麗で、繊細な動きが可能な義肢。ただそれだけだよ。なあディアスくん、本当にこんなつまらないものが欲しいのかい?」
借金を背負わせて働かせようという当初の目的はどこへ行ったのか。同好の士を増やしたいという欲求が優先されているようだ。
「とても気に入りました。もちろん、購入するかしないかはカーディルにも相談して実物を見てからの話になりますが」
「日常生活用の義肢なら、もうあるじゃないか」
こういうところがマルコと話が合わない理由だな、とディアスはしみじみと考えていた。三本爪でコードが剥き出しの油臭いロボットアームを付けられて、年頃の女性が何も感じていないとでも思っているのだろうか。
外出するときは恥じるようにマントですっぽりと体を覆うカーディルの姿を間近で見てきただけに、マルコの無神経さが癇に障ることがある。
もっとも、あの義肢は実験に協力する対価としてもらったものであり、品質に文句が言えるような筋合いでもない。それは十分に理解していた。
「それとさ、部品は無駄に良いものを使っているから、高いよ? 値下げしてあげたいところだが、これでもギリギリの価格設定でね。こっちも足が出ちゃうんだ」
趣味の悪いジョークを無視して、ディアスはカタログの価格に目をやった。確かに高価だ、今使っているようなとりあえず動くものとは比べ物にならない。
だが自分たちも5年前とは違うのだ。中型のミュータントを安定して狩れるようになった今、頑張れば支払えない金額ではない。
「問題ありません。スペック通りなら妥当な価格設定かと」
「多分、君が今考えているだろう金額の四倍はかかるからね」
「え?」
覚悟を決めて乗り越えようとした壁に、さらなる巨大な壁が追加された。
慌ててカタログを手に取りじっくり見ると、これは腕一本の価格だ。四肢を揃えれば四倍近くになるのも道理であろう。一応、セット価格は用意されているがそれでも高い。
ああやっぱりな、そんな顔をしてマルコは続けた。
「騙すつもりじゃなかったんだ。義肢を買いに来る奴はだいたい腕一本、足一本という買い方をするわけで、手足全部失って全部買いに来る奴なんてそうはいない。写真は手足合わせて四本載っているが、まとめての金額じゃないんだ」
確かにその通りだが、左腕を切ったのはお前だろうと言いたくもなる。
(いや、その件で責めるのはお門違いだろう。納得した上でやったことなんだ。割りきれない部分があるのは仕方ないにしても、決して口にしてはいけないことだ……)
しばしの沈黙。己の中に渦巻く暗い感情を押し込め、落ち着いたところで口を開く。
「とりあえず今日はこれで失礼します。ええと、カタログをいただいても?」
「いいとも。できれば他のページもじっくり見て欲しいものだね」
未練がましいマルコの言葉を聞かなかったことにして、一礼し、ドアノブに手をかけた。
ふと、何かが気になって振り返る。その視線はマルコの脇にあるもうひとつの、正面に比べればやや小さめのドアに向けられていた。
「何かあったかい?」
「いえ、何も……」
改めてドアを開く。どこにでもある普通の兵器カタログを、ディアスは宝物でも扱うように丁寧に抱えて出ていった。
「これが欲しいのかい? ごく普通の義肢なんだけど……」
「普通ですか? カタログスペックを見る限りとても高性能に思えますが」
「そういう意味じゃなくてさ。腕からブレードが出るわけじゃないし、マシンガンを備えているわけじゃない。普通の腕の代用品でしかないんだよ」
「それでいいんですよ。義肢に期待することは体と同じように動くことですから」
珍しくふたりの意見は平行線をたどった。
意見が分かれたときは大抵ディアスが折れる。と、言うよりも彼は自分の意思を通すことにあまりこだわりがない。
そんな彼が妥協しないのはカーディルが絡んだときだけであり腕におかしなものを付けられるとなると、別にそれでいいです、では絶対に済まされない。
「聞いてくれ。こいつは僕の信念だが義手は人間の腕の模倣ではなく、それ以上のものであるべきだと考えている」
信念などと大袈裟な言葉を使い、マルコは珍しく真剣な表情をしている。
「僕はね、身体的障害という概念そのものを無くしたいんだ。腕が潰れた、足が動かない、そういうときに気落ちすることはない。いい機会だからもっと高性能な腕に替えようと気軽に言える世界が理想なんだ。どうだい、君ならわかってくれるのではないだろうか?」
四肢を失い、絶望的な日々のなか足掻いてきたディアスとカーディルである。肉体の欠損によって悩むことがなくなるならば、それはとても良いことなのだろう。
倫理的に怪しい部分を感じないわけではないが、マルコの語る夢には好感をもった。しかし、それとこれとは話は別だ。
「高性能、イコール、武器を仕込むこと、というのは短絡的すぎやしませんか」
「なんで!? いざというとき、腕がガシャーンと変形して、マシンガンになってガガガーッて撃つのは男のロマンじゃないか?」
彼らしからぬ貧相な語彙力で説得にかかるマルコ。心が本格的に少年寄りになっているようだ。
「カーディルは女の子です。男の子のロマンを押し付けるわけにはいかないでしょう。自分が義肢をつけることになっても遠慮しますが」
「なんでそんなに特殊義肢を拒むんだい」
「不便だからです」
たった一言で夢もロマンもばっさり否定されてしまった。
「そもそも博士は通常の義肢があまり好きではないようですが、それではなぜこのような高性能義肢を作ったのですか?」
カタログに載った女性用義肢は指の一本、一本にまでこだわって作られたようで色気さえ感じる。きっとカーディルに似合うだろう。白けた顔のマルコとは対照的に、ディアスは少しだけ浮かれた気分であった。
「なんで、って言われちゃうとなぁ……。君たちのおかげで義肢に関するデータは随分と集まって、僕と丸子製作所の技術もそれなりに成長したわけだよ」
何が問題なのだろうか、そう考えつつディアスは黙って先を聞くことにした。
「で、我ながら何をとち狂ったのか、最先端の技術で最高の義肢を作ってみようと思い立って、出来上がったのがこれ」
カタログを視界に入れたくもないのか、マルコは少し視線を外しながら語る。
「見た目は綺麗で、繊細な動きが可能な義肢。ただそれだけだよ。なあディアスくん、本当にこんなつまらないものが欲しいのかい?」
借金を背負わせて働かせようという当初の目的はどこへ行ったのか。同好の士を増やしたいという欲求が優先されているようだ。
「とても気に入りました。もちろん、購入するかしないかはカーディルにも相談して実物を見てからの話になりますが」
「日常生活用の義肢なら、もうあるじゃないか」
こういうところがマルコと話が合わない理由だな、とディアスはしみじみと考えていた。三本爪でコードが剥き出しの油臭いロボットアームを付けられて、年頃の女性が何も感じていないとでも思っているのだろうか。
外出するときは恥じるようにマントですっぽりと体を覆うカーディルの姿を間近で見てきただけに、マルコの無神経さが癇に障ることがある。
もっとも、あの義肢は実験に協力する対価としてもらったものであり、品質に文句が言えるような筋合いでもない。それは十分に理解していた。
「それとさ、部品は無駄に良いものを使っているから、高いよ? 値下げしてあげたいところだが、これでもギリギリの価格設定でね。こっちも足が出ちゃうんだ」
趣味の悪いジョークを無視して、ディアスはカタログの価格に目をやった。確かに高価だ、今使っているようなとりあえず動くものとは比べ物にならない。
だが自分たちも5年前とは違うのだ。中型のミュータントを安定して狩れるようになった今、頑張れば支払えない金額ではない。
「問題ありません。スペック通りなら妥当な価格設定かと」
「多分、君が今考えているだろう金額の四倍はかかるからね」
「え?」
覚悟を決めて乗り越えようとした壁に、さらなる巨大な壁が追加された。
慌ててカタログを手に取りじっくり見ると、これは腕一本の価格だ。四肢を揃えれば四倍近くになるのも道理であろう。一応、セット価格は用意されているがそれでも高い。
ああやっぱりな、そんな顔をしてマルコは続けた。
「騙すつもりじゃなかったんだ。義肢を買いに来る奴はだいたい腕一本、足一本という買い方をするわけで、手足全部失って全部買いに来る奴なんてそうはいない。写真は手足合わせて四本載っているが、まとめての金額じゃないんだ」
確かにその通りだが、左腕を切ったのはお前だろうと言いたくもなる。
(いや、その件で責めるのはお門違いだろう。納得した上でやったことなんだ。割りきれない部分があるのは仕方ないにしても、決して口にしてはいけないことだ……)
しばしの沈黙。己の中に渦巻く暗い感情を押し込め、落ち着いたところで口を開く。
「とりあえず今日はこれで失礼します。ええと、カタログをいただいても?」
「いいとも。できれば他のページもじっくり見て欲しいものだね」
未練がましいマルコの言葉を聞かなかったことにして、一礼し、ドアノブに手をかけた。
ふと、何かが気になって振り返る。その視線はマルコの脇にあるもうひとつの、正面に比べればやや小さめのドアに向けられていた。
「何かあったかい?」
「いえ、何も……」
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