1 / 4
男子中学生は、説教される
しおりを挟む
俺は今、両親の前に正座で座り、説教されている。
黒澤黒澤遊季15歳。金髪ロン毛で180センチの身長のある、男子中学生だ。
「遊季、お前ももうすぐ高校生だ。いつまでも不良みたいな見た目をしているんだ?」
目の前の父親、黒澤学が睨み付けながら話す。目付きの鋭い父親だが、職業は外科医で、『不殺の外科医』と呼ばれ雑誌に特集される程有名だ。
「いやいや、学校に真面目に行ってるだろ?成績だって上から数えた方が早い程には、自信があるぞ?」
俺は頭が良い。教科書は、丸暗記でき、数式などの応用もバッチリだ。
何が問題なんだ?
「そうだな。遊季は頭が良い。そこは認める。だが!その髪型だけは納得できん!」
「髪型?この金髪か!これはロックバンド『ジュエルグラス』のシュートを意識しているけど、似合っていないのか」
ジュエルグラスは、イギリスのロックバンドで世界的には、人気ではないが、俺が大好きなロックバンドだ。
「それは、分かる!格好良いからな。だが日本人には、似合わない!それは、人種によって似合う髪色があるだろ!」
父もジュエルグラスの歌が好きで、バンドメンバーも知っている。俺が中2の夏休みに金髪に染めた時も、良いじゃん!と言ってくれたが、今まで金髪でいるとは思わなかったのだ。
「格好良いって言ったじゃないか!」
「それは、一時の好奇心だろうと思ったが、受験間際までこの髪型だとは思わないだろ!それとなく言ってきたが、さすがに将来の為に元の黒髪に戻せ!」
「確かに受験くらいは真面目にするが、高校行ってから金髪にするからな!」
「もちろんかまわない。見た目で遊季が馬鹿になるわけ無いのは、俺たちは、知っている。担任からも、成績良いから強く言えないで、放置されているだろ?受験シーズンだけ黒髪に戻せ。」
「分かった。話は終わりか?」
「いや。高校は、どこを受験するんだ?」
「白薔薇高校だけど。推薦して貰うように、担任に言った。」
東京白薔薇高校。東京一の進学校で、有名企業の子供達が通うことで有名だ。
「だから担任から連絡が来たのか。推薦したいが、見た目が問題だからな。」
俺は成績優秀で、無遅刻無欠席の優等生と呼ばれてもおかしくない、学校生活を送ってきた。金髪ロン毛だけ問題だったみたいだ。
「分かった。黒髪に戻すよ。母さんも何か言う事ある?」
俺の母親、黒澤香里奈を見る。書道の先生をしていて、家でも着物を着ていて凛とした見た目が評判の女性だ。
今では大人しい母親だが、昔はヤンチャしていたらしい。人生どう変わるかわからないものだな。
「ユー君の見た目は、カッコイイけど、金髪は無いかな。黒髪の時の方が100倍カッコイイよ。だからやめろ。」
香里奈は、目を細め言い放つ。
「はい。」
「ユー君モテるのに、彼女もつくれないで、悲しい中坊生活を送っているのよ?黒髪にすれば彼女の1人や2人、5人や10人出来て、ハーレム状態も出来るのにその髪のせいで.....」
10分後。
「とにかくその髪型は、やめろ。ハゲるぞ。」
「はい。分かりました。二度と金髪にしません。ハゲたくありません。」
母さんは、よっぽど溜まってたのかな。ハゲるのは、嫌だからな。
「あと彼女は、一人にしなさいよ。浮気したら殺される覚悟をしなさい。わかったね。もちろん学さんもよ?」
香里奈が笑顔で、学を見る。父さんは、頷いている。俺も頷く。
「よろしい。それでは、床屋に行って来なさい。」
「はい。行ってきます。」
俺は財布を持って床屋へ、とぼとぼ歩いて行く。
黒澤黒澤遊季15歳。金髪ロン毛で180センチの身長のある、男子中学生だ。
「遊季、お前ももうすぐ高校生だ。いつまでも不良みたいな見た目をしているんだ?」
目の前の父親、黒澤学が睨み付けながら話す。目付きの鋭い父親だが、職業は外科医で、『不殺の外科医』と呼ばれ雑誌に特集される程有名だ。
「いやいや、学校に真面目に行ってるだろ?成績だって上から数えた方が早い程には、自信があるぞ?」
俺は頭が良い。教科書は、丸暗記でき、数式などの応用もバッチリだ。
何が問題なんだ?
「そうだな。遊季は頭が良い。そこは認める。だが!その髪型だけは納得できん!」
「髪型?この金髪か!これはロックバンド『ジュエルグラス』のシュートを意識しているけど、似合っていないのか」
ジュエルグラスは、イギリスのロックバンドで世界的には、人気ではないが、俺が大好きなロックバンドだ。
「それは、分かる!格好良いからな。だが日本人には、似合わない!それは、人種によって似合う髪色があるだろ!」
父もジュエルグラスの歌が好きで、バンドメンバーも知っている。俺が中2の夏休みに金髪に染めた時も、良いじゃん!と言ってくれたが、今まで金髪でいるとは思わなかったのだ。
「格好良いって言ったじゃないか!」
「それは、一時の好奇心だろうと思ったが、受験間際までこの髪型だとは思わないだろ!それとなく言ってきたが、さすがに将来の為に元の黒髪に戻せ!」
「確かに受験くらいは真面目にするが、高校行ってから金髪にするからな!」
「もちろんかまわない。見た目で遊季が馬鹿になるわけ無いのは、俺たちは、知っている。担任からも、成績良いから強く言えないで、放置されているだろ?受験シーズンだけ黒髪に戻せ。」
「分かった。話は終わりか?」
「いや。高校は、どこを受験するんだ?」
「白薔薇高校だけど。推薦して貰うように、担任に言った。」
東京白薔薇高校。東京一の進学校で、有名企業の子供達が通うことで有名だ。
「だから担任から連絡が来たのか。推薦したいが、見た目が問題だからな。」
俺は成績優秀で、無遅刻無欠席の優等生と呼ばれてもおかしくない、学校生活を送ってきた。金髪ロン毛だけ問題だったみたいだ。
「分かった。黒髪に戻すよ。母さんも何か言う事ある?」
俺の母親、黒澤香里奈を見る。書道の先生をしていて、家でも着物を着ていて凛とした見た目が評判の女性だ。
今では大人しい母親だが、昔はヤンチャしていたらしい。人生どう変わるかわからないものだな。
「ユー君の見た目は、カッコイイけど、金髪は無いかな。黒髪の時の方が100倍カッコイイよ。だからやめろ。」
香里奈は、目を細め言い放つ。
「はい。」
「ユー君モテるのに、彼女もつくれないで、悲しい中坊生活を送っているのよ?黒髪にすれば彼女の1人や2人、5人や10人出来て、ハーレム状態も出来るのにその髪のせいで.....」
10分後。
「とにかくその髪型は、やめろ。ハゲるぞ。」
「はい。分かりました。二度と金髪にしません。ハゲたくありません。」
母さんは、よっぽど溜まってたのかな。ハゲるのは、嫌だからな。
「あと彼女は、一人にしなさいよ。浮気したら殺される覚悟をしなさい。わかったね。もちろん学さんもよ?」
香里奈が笑顔で、学を見る。父さんは、頷いている。俺も頷く。
「よろしい。それでは、床屋に行って来なさい。」
「はい。行ってきます。」
俺は財布を持って床屋へ、とぼとぼ歩いて行く。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
流星の徒花
柴野日向
ライト文芸
若葉町に住む中学生の雨宮翔太は、通い詰めている食堂で転校生の榎本凛と出会った。
明るい少女に対し初めは興味を持たない翔太だったが、互いに重い運命を背負っていることを知り、次第に惹かれ合っていく。
残酷な境遇に抗いつつ懸命に咲き続ける徒花が、いつしか流星となるまでの物語。

神楽囃子の夜
紫音
ライト文芸
※第6回ライト文芸大賞にて奨励賞を受賞しました。応援してくださった皆様、ありがとうございました。
【あらすじ】
地元の夏祭りを訪れていた少年・狭野笙悟(さのしょうご)は、そこで見かけた幽霊の少女に一目惚れしてしまう。彼女が現れるのは年に一度、祭りの夜だけであり、その姿を見ることができるのは狭野ただ一人だけだった。
年を重ねるごとに想いを募らせていく狭野は、やがて彼女に秘められた意外な真実にたどり着く……。
四人の男女の半生を描く、時を越えた現代ファンタジー。
隣の家の幼馴染は学園一の美少女だが、ぼっちの僕が好きらしい
四乃森ゆいな
ライト文芸
『この感情は、幼馴染としての感情か。それとも……親友以上の感情だろうか──。』
孤独な読書家《凪宮晴斗》には、いわゆる『幼馴染』という者が存在する。それが、クラスは愚か学校中からも注目を集める才色兼備の美少女《一之瀬渚》である。
しかし、学校での直接的な接触は無く、あってもメッセージのやり取りのみ。せいぜい、誰もいなくなった教室で一緒に勉強するか読書をするぐらいだった。
ところが今年の春休み──晴斗は渚から……、
「──私、ハル君のことが好きなの!」と、告白をされてしまう。
この告白を機に、二人の関係性に変化が起き始めることとなる。
他愛のないメッセージのやり取り、部室でのお昼、放課後の教室。そして、お泊まり。今までにも送ってきた『いつもの日常』が、少しずつ〝特別〟なものへと変わっていく。
だが幼馴染からの僅かな関係の変化に、晴斗達は戸惑うばかり……。
更には過去のトラウマが引っかかり、相手には迷惑をかけまいと中々本音を言い出せず、悩みが生まれてしまい──。
親友以上恋人未満。
これはそんな曖昧な関係性の幼馴染たちが、本当の恋人となるまでの“一年間”を描く青春ラブコメである。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立
水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~
第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。
◇◇◇◇
飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。
仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。
退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。
他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。
おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる