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全盲のお嬢様 フォルブルク家の災難

新人天職者レベルアップキャンペーン パーティーメンバー

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 変わりない日々を過ごし、3日たった。

「それじゃ行ってくるよ。」
 僕は、鉄の盾と短剣を装備し、リュックサックとウエストポーチを着けて家をでる。

 街の入口に馬車が待っているのだ。

「おはようございます。」
 僕は、チケットを見せると馬車の中に案内される。

 馬車に教会の神父と女の子1人いた。天職の儀式にいた【回復術師】女の子だ。肩ほどの金髪で、丸眼鏡の華奢な女の子だ。

「おはようございます」
 僕は、馬車に乗り込む。
  
「おはようございます。今日は二人の参加になります。」
 神父が説明してくれた。
 他の子達は、来ないみたいだ。

 この新人天職者レベルアップキャンペーンは、1日では帰ってこれない。移動で半日かかるため、外泊しないといけないのだ。両親と離れた外泊なんてしたことないので、とても楽しみだ。

 時刻午前7時になり、馬車が動きだす。街の外には魔獣と呼ばれるモンスターがいる。ダンジョンのモンスターと同じだが、倒すと亡骸が残り素材が取れるのだ。
 どこかのダンジョンから、モンスターが溢れると、森などに生息して繁殖したのが魔獣と言われている。

 この馬車の外には、護衛として、冒険者が雇われているので安心だ。

 馬車の窓から外を眺めている。街の外に行く機会は、少ないので、新鮮な気持ちだな。

「あの、すみません。」

 ん?
 女の子が声をかけてきた。

「はい。どうしました。」

「私ミューラと言います。」

「僕は、エルジュです。」
 僕も名乗る。

「エルジュ君も、この前天職の儀式を一緒に受けたよね?」
 僕は、うなずく。

「同じ街だと、同じパーティーになるって聞いたので頑張りましょう。」

 同じ街だと、同じパーティーになる?

「そうですよ。恐らく二人は、同じパーティーでダンジョンに入るでしょうね。」
 神父さんが答えてくれた。

「なるほど。ミューラさんと一緒にダンジョンに行くのか。よろしくお願いします。」

「うん。私は、【回復術師】なの。まだレベル1だけど。回復魔法が使えるの。」

「へ~凄いね。何で今回ダンジョンに行くの?」

「私は、病院で見習い回復術師として、働いているの。でもレベルが上がらないと、回復術がレベルが上がらないから、今回ダンジョンに行くの。」

 レベルが上がれば、魔力が上がるからな。それだけ多くの回復術が使えるのだろう。

「エルジュ君は、何で今回ダンジョンに行くの?」
 ミューラが聞いてきた。

「面白そうなのと、街の外が見たかったからかな。」
 レベルは、40まで上がっているからどうでもいい。だだ外を見てみたいのだ。

「そうなんだ。それじゃいっぱい楽しまないとね!」
 ミューラが笑顔で微笑む。

 うん。ミューラは、絶対守ろう。僕は、心の中で覚悟する。


 馬車が進みついにゴブリンダンジョン近くの街に着いた。

 ダイゴンと呼ばれる街だ。特産品は、大根だ。農業が盛んな街だ。

 ここから徒歩で10分程歩くと、ゴブリンダンジョンが見えた。

「ハリソンの参加者だな。」
 ゴブリンダンジョン前に、大柄な男性がいた。シルバーの鎧を着ていて、胸元の槍の紋章がある。王国騎士だな。

 王国騎士がダンジョン前に5人並んでいる。

 大柄の男性が話だす。
「それでは説明をする。ダンジョンに4人で入り、ボスを倒すだけだ。ドロップアイテムや魔物石は、二人の物だ。」
 ダンジョンに僕と、ミューラ。騎士2人が付き添いで入るみたいだ。

「よし!誰がいい?」
 大柄の男性が言う。どの騎士がいいか、二人選ぶみたいだ。

 ミューラを見ると一人だけ女性の騎士がいたため、ミューラは、その女性騎士をえらんでいた。
 うわぁ。凄いこっちを見てるよ。先ほど話していた、大柄な男性がじっと僕を見ている。
 他の騎士を見ると眼を反らし、見ている騎士の前に、大柄の騎士が立ちはだかる。

 ずんずん大柄の騎士が近いてきて、手を出す。

 何?握手しろってか。
 他の騎士を見て助けを求めるも、首をふっている。

「よろしくお願いします。」
 僕は、大柄の男性にお願いする。

「はっはっは!任せたまえ!」
 大柄の男性は僕の手を握り、上機嫌に答えた。

 暑苦し!来なきゃ良かったと少し後悔する。

「俺はパリス!こいつは、ココミだ。」
 大柄の騎士がパリスで、女性騎士がココミさんか。可愛い名前だな。

 ミューラさんとココミさんは、楽しそうに話している。僕もそっちに交ざりたいが、パリスが暑苦しく話している。

「よし!さっさと行くか!」

 4人はダンジョンに入って行った。




  
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