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全盲のお嬢様 フォルブルク家の災難
フォルブルク家 屋敷
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夕方17時前になり、騎士達が家を訪ねてきた。1日中、家の前にいたけど。
持っている服で、一番のおしゃれを母さんにコーディネートしてもらった。僕のセンスは、動きやすかどうかで決まっている。
「それでは行きますか。」
騎士3人と、僕と父さん、母さんの6人で向かう。武器や防具は持っていない。ウエストポーチにキーホルダーが大量に入っているだけだ。
ハリソン街の中心街にフォルブルク家の屋敷はある。巨大な石造りの屋敷で門番までいる屋敷だ。
鉄の門を過ぎ、屋敷に入る。執事やメイドに案内される。
部屋に入ると、白いテーブルに食器が並んでいる。椅子に座り待っていると、フォルブルク家の人達が入ってきた。
僕達は、立ち上がる。
「本日は、ありがとう。私はサフマン・フォルブルクだ。気を楽にしてくれたまえ。」
赤髪の屈強な男性、現当主のサフマン・フォルブルクだ。元々武人として有名な貴族様だ。隣に腰まである金髪の美人の奥様アリス・フォルブルクが並んでいる。
サフマンが席につくと、みんな席に座る。子供は7人いる。男3人、女4人だ。長男長女は、二十歳を越えており、大人だ。この世界では、15歳で成人となる。
「今日は客人を招いた。楽しんでくれたまえ。」
サフマン様の挨拶で、食事が開始される。父さんと母さんに質問が飛ぶが、サフマン様は、僕に対して聞きたそうに、チラチラ見ている。
子供達は、気にする様子もなく、食事をしている。四女のサーシャ様は、綺麗な金髪が特徴の10歳の美少女だ。目元をぐるっと花柄の布で隠しているが。食事は、メイドが付き添い食べている。
デザートまで食べ、食事は終わりにさしかかる。
子供達は、長男、長女、四女のサーシャ様を残して、部屋から出て行った。そろそろ本題かな。
「料理には満足してくれたかな、エルジュ君?」
サフマン様に声をかけられた。
「はい。とても美味しい料理でした。」
「そうか。それは良かった。ところで君の天職の【アクセサリーショップ】に興味があるのだが、質問よろしいかな?」
サフマン様が笑顔だが、眼にはメラメラと熱気を滾らせてきいてくる。熱が入りすぎて、前傾姿勢でテーブルか軋んでいる。
怖いな。
「はい。もちろんです。」
「聞いていると思うが、サーシャは、眼を患っておるのだ。そこで、長年治す方法を探しているのだが、なかなか見つける事ができなかったのだ。だが!一週間前【預言者】に聞くと、街の教会の一般職で黒髪の男の子が見えると預言があったのだ!」
サフマン様は、声高らかに話す。
「それがエルジュ君!君なのだよ!」
うん。だろうね。くる前に聞いたからね。
サフマン様は、いかに前の【再生師】はダメだったかを語っている。私ならお嬢様の眼を治せると言ってみたが、誰一人として治す事ができなかったかを。再生師レベル4でもダメだと言ってたから、僕も難しいなと、心で思う。
「あなた。話は、その辺で止めましょう。」
アリス様が話を止めさせる。
「エルジュ君に先ずはサーシャの眼を見て欲しいのだ!」
メイドと手を繋ぎ、サーシャ様は、アリス様の隣の椅子に腰かける。
僕は、アリス様に呼ばれ、サーシャ様の前の椅子に座る。メイドが目元の布を外すと、綺麗な碧眼が見える。しかし、眼球には、靄がかかった様に、くすんでいる。
僕は、眼を視ると情報が浮かんできた。
強奪呪いの義眼
品質 高
効果 強奪Lv2
魔眼を代償に発動し、魔眼の能力を奪う。埋め込まれた義眼は、呪いの装備となり装備者の視力を奪う。
「うわぁ。強奪Lv2かぁ。」
僕は思わず口に出してしまった。
「強奪だと!おい!それはなんなのだ!」
サフマン様が立ち上がり、ドシドシと近づいてくる。
僕の肩をがっしり掴み揺すってくる。キーホルダーに触れて、剛力Lv3を念のため使っとくか。
「今から説明します。良いですか?」
サフマン様は、手を止めて、僕の隣に座る。
「この眼は、強奪呪いの義眼と呼ばれる、魔法道具だとおもいます。」
なんだと!
サフマン様の声が響く。
「効果は、強奪Lv2でサーシャ様の魔眼を代償に、視力を奪う義眼です。サーシャ様の魔眼で不利益のある人が、使ったと思われます。」
サーシャ様が3歳の頃には、見えなくなったなら、鑑定できる人が、サーシャ様の眼を見てこの強奪呪いの義眼を使ったのだろう。
サフマン様が今はいない、屋敷に遣えている人のリストを挙げる様に伝えている。
それよりも、これを僕が治せるかだな。
「魔法道具なので、壊して終わりなら、僕意外でも出来るでしょうが、僕が預言されたなら意味があるのでしょうね。」
普通なら魔法道具を壊して、再生すれば解決するが、他の人にはできなかったのかな。
「うむ。鑑定なら何度も試したのだ。だが、サーシャの眼球や碧眼としか鑑定出来なかったのだ。」
サフマン様が言うには、鑑定を試したがダメだったのだな。屋敷にも鑑定スキルLv3を持っている人がいたので、鑑定するが、サーシャの眼球としか鑑定できなかった。
「おそらく方法は、一つでしょうね。」
サーシャ様に灰色のキーホルダーを一つ渡す。合図を出したら、握ってもらうのだ。
魔鉱石
効果 一部再生Lv3
効果時間 30秒
これがあれば、大丈夫かな。それより問題は、強奪呪いの義眼だな。これが素材として鑑定出来るなら、キーホルダーにしてしまおう。
「今から始めますが、眼球に僕が触れますが、よろしいですね。」
サフマン様がもちろんだ、と答えるが、サーシャ様に聴いたのだが。
「はい。よろしくお願いいたします」
サーシャ様も答えてくれた。
さぁ。実験の始まりだ。僕は、不謹慎にも楽しくなってきたぞ。
「触れますよ」
僕は両人差し指で左右の眼球に触れる。素材なら分解してしまえ!
義眼に向けて魔力を込めると、義眼がブクブクと泡だち始めた。
「おい!大丈夫なのか!」
サフマン様が隣で騒いでいるが無視だ。僕に余裕がない。気を抜けば戻ってしまう。
義眼が泡だっていると、液体状態になり、目元から流れ落ちた。
よし!
「サーシャ様今です!早く握ってください!」
サーシャ様がキーホルダーを握ると、目元から眼球が再生されてくる。
みんなサーシャを見ている内に僕は、義眼をキーホルダーに変える。
縦長の四角い長方形の塊2つがキーホルダーになった。
強奪呪いの義眼(破損)
品質 高
効果 強奪Lv2
魔眼を代償に発動し、魔眼の能力を奪う。埋め込まれた義眼は、呪いの装備となり装備者の視力を奪う。
効果は、変わらないが、もう使い道のないゴミだな。
さて、サーシャ様はどうなったかな。
おお!
サフマン様の声が聞こえる。
サーシャ様の目元に綺麗な碧眼が見える。成功したのかな?
「お父様?お母様?」
サーシャ様は、二人を見ている。初めて目の前の両親をみたのだ。目元から涙が流れている。
「そうだぞ、お父様だぞ。」
サフマン様が答え、アリス様も答えている。
「見えます。これが見えるって事なのですね。」
サーシャ様は、アリス様に抱きついた。
「サーシャ様。目の調子は、どうですか?」
僕は、出来るだけの笑顔を作って話しかける。
「はい!エルジュ様のおかげです。ありがとうございます!」
サーシャ様が姿勢を正して話す。
「私は、一生眼が見えないと思って生きていました。だげど!エルジュ様のおがげでうぅぅありがどうございまずぅぅ!」
涙をポタポタ床に落とし、鼻水を垂らすぼど泣きじゃくっているお嬢様が僕に抱きついてきた。
うん。良かった、良かった。一件落着だな。だからそんな眼で見ないでくださいよ、サフマン様。武士が敵将を狙うがごとき眼光を僕に向けている。
サーシャ様が泣き止むまで僕は、サーシャの頭を撫でて落ち着かせた。
うん。サフマン様が、嬉しくも嫉妬の眼を向けているけど。そんなにサフマン様に抱きつかなかったのが許せ無いのか!
サーシャ様は、10分ほど、泣きじゃくっていた。
さて、そろそろ先の話をしようか。
持っている服で、一番のおしゃれを母さんにコーディネートしてもらった。僕のセンスは、動きやすかどうかで決まっている。
「それでは行きますか。」
騎士3人と、僕と父さん、母さんの6人で向かう。武器や防具は持っていない。ウエストポーチにキーホルダーが大量に入っているだけだ。
ハリソン街の中心街にフォルブルク家の屋敷はある。巨大な石造りの屋敷で門番までいる屋敷だ。
鉄の門を過ぎ、屋敷に入る。執事やメイドに案内される。
部屋に入ると、白いテーブルに食器が並んでいる。椅子に座り待っていると、フォルブルク家の人達が入ってきた。
僕達は、立ち上がる。
「本日は、ありがとう。私はサフマン・フォルブルクだ。気を楽にしてくれたまえ。」
赤髪の屈強な男性、現当主のサフマン・フォルブルクだ。元々武人として有名な貴族様だ。隣に腰まである金髪の美人の奥様アリス・フォルブルクが並んでいる。
サフマンが席につくと、みんな席に座る。子供は7人いる。男3人、女4人だ。長男長女は、二十歳を越えており、大人だ。この世界では、15歳で成人となる。
「今日は客人を招いた。楽しんでくれたまえ。」
サフマン様の挨拶で、食事が開始される。父さんと母さんに質問が飛ぶが、サフマン様は、僕に対して聞きたそうに、チラチラ見ている。
子供達は、気にする様子もなく、食事をしている。四女のサーシャ様は、綺麗な金髪が特徴の10歳の美少女だ。目元をぐるっと花柄の布で隠しているが。食事は、メイドが付き添い食べている。
デザートまで食べ、食事は終わりにさしかかる。
子供達は、長男、長女、四女のサーシャ様を残して、部屋から出て行った。そろそろ本題かな。
「料理には満足してくれたかな、エルジュ君?」
サフマン様に声をかけられた。
「はい。とても美味しい料理でした。」
「そうか。それは良かった。ところで君の天職の【アクセサリーショップ】に興味があるのだが、質問よろしいかな?」
サフマン様が笑顔だが、眼にはメラメラと熱気を滾らせてきいてくる。熱が入りすぎて、前傾姿勢でテーブルか軋んでいる。
怖いな。
「はい。もちろんです。」
「聞いていると思うが、サーシャは、眼を患っておるのだ。そこで、長年治す方法を探しているのだが、なかなか見つける事ができなかったのだ。だが!一週間前【預言者】に聞くと、街の教会の一般職で黒髪の男の子が見えると預言があったのだ!」
サフマン様は、声高らかに話す。
「それがエルジュ君!君なのだよ!」
うん。だろうね。くる前に聞いたからね。
サフマン様は、いかに前の【再生師】はダメだったかを語っている。私ならお嬢様の眼を治せると言ってみたが、誰一人として治す事ができなかったかを。再生師レベル4でもダメだと言ってたから、僕も難しいなと、心で思う。
「あなた。話は、その辺で止めましょう。」
アリス様が話を止めさせる。
「エルジュ君に先ずはサーシャの眼を見て欲しいのだ!」
メイドと手を繋ぎ、サーシャ様は、アリス様の隣の椅子に腰かける。
僕は、アリス様に呼ばれ、サーシャ様の前の椅子に座る。メイドが目元の布を外すと、綺麗な碧眼が見える。しかし、眼球には、靄がかかった様に、くすんでいる。
僕は、眼を視ると情報が浮かんできた。
強奪呪いの義眼
品質 高
効果 強奪Lv2
魔眼を代償に発動し、魔眼の能力を奪う。埋め込まれた義眼は、呪いの装備となり装備者の視力を奪う。
「うわぁ。強奪Lv2かぁ。」
僕は思わず口に出してしまった。
「強奪だと!おい!それはなんなのだ!」
サフマン様が立ち上がり、ドシドシと近づいてくる。
僕の肩をがっしり掴み揺すってくる。キーホルダーに触れて、剛力Lv3を念のため使っとくか。
「今から説明します。良いですか?」
サフマン様は、手を止めて、僕の隣に座る。
「この眼は、強奪呪いの義眼と呼ばれる、魔法道具だとおもいます。」
なんだと!
サフマン様の声が響く。
「効果は、強奪Lv2でサーシャ様の魔眼を代償に、視力を奪う義眼です。サーシャ様の魔眼で不利益のある人が、使ったと思われます。」
サーシャ様が3歳の頃には、見えなくなったなら、鑑定できる人が、サーシャ様の眼を見てこの強奪呪いの義眼を使ったのだろう。
サフマン様が今はいない、屋敷に遣えている人のリストを挙げる様に伝えている。
それよりも、これを僕が治せるかだな。
「魔法道具なので、壊して終わりなら、僕意外でも出来るでしょうが、僕が預言されたなら意味があるのでしょうね。」
普通なら魔法道具を壊して、再生すれば解決するが、他の人にはできなかったのかな。
「うむ。鑑定なら何度も試したのだ。だが、サーシャの眼球や碧眼としか鑑定出来なかったのだ。」
サフマン様が言うには、鑑定を試したがダメだったのだな。屋敷にも鑑定スキルLv3を持っている人がいたので、鑑定するが、サーシャの眼球としか鑑定できなかった。
「おそらく方法は、一つでしょうね。」
サーシャ様に灰色のキーホルダーを一つ渡す。合図を出したら、握ってもらうのだ。
魔鉱石
効果 一部再生Lv3
効果時間 30秒
これがあれば、大丈夫かな。それより問題は、強奪呪いの義眼だな。これが素材として鑑定出来るなら、キーホルダーにしてしまおう。
「今から始めますが、眼球に僕が触れますが、よろしいですね。」
サフマン様がもちろんだ、と答えるが、サーシャ様に聴いたのだが。
「はい。よろしくお願いいたします」
サーシャ様も答えてくれた。
さぁ。実験の始まりだ。僕は、不謹慎にも楽しくなってきたぞ。
「触れますよ」
僕は両人差し指で左右の眼球に触れる。素材なら分解してしまえ!
義眼に向けて魔力を込めると、義眼がブクブクと泡だち始めた。
「おい!大丈夫なのか!」
サフマン様が隣で騒いでいるが無視だ。僕に余裕がない。気を抜けば戻ってしまう。
義眼が泡だっていると、液体状態になり、目元から流れ落ちた。
よし!
「サーシャ様今です!早く握ってください!」
サーシャ様がキーホルダーを握ると、目元から眼球が再生されてくる。
みんなサーシャを見ている内に僕は、義眼をキーホルダーに変える。
縦長の四角い長方形の塊2つがキーホルダーになった。
強奪呪いの義眼(破損)
品質 高
効果 強奪Lv2
魔眼を代償に発動し、魔眼の能力を奪う。埋め込まれた義眼は、呪いの装備となり装備者の視力を奪う。
効果は、変わらないが、もう使い道のないゴミだな。
さて、サーシャ様はどうなったかな。
おお!
サフマン様の声が聞こえる。
サーシャ様の目元に綺麗な碧眼が見える。成功したのかな?
「お父様?お母様?」
サーシャ様は、二人を見ている。初めて目の前の両親をみたのだ。目元から涙が流れている。
「そうだぞ、お父様だぞ。」
サフマン様が答え、アリス様も答えている。
「見えます。これが見えるって事なのですね。」
サーシャ様は、アリス様に抱きついた。
「サーシャ様。目の調子は、どうですか?」
僕は、出来るだけの笑顔を作って話しかける。
「はい!エルジュ様のおかげです。ありがとうございます!」
サーシャ様が姿勢を正して話す。
「私は、一生眼が見えないと思って生きていました。だげど!エルジュ様のおがげでうぅぅありがどうございまずぅぅ!」
涙をポタポタ床に落とし、鼻水を垂らすぼど泣きじゃくっているお嬢様が僕に抱きついてきた。
うん。良かった、良かった。一件落着だな。だからそんな眼で見ないでくださいよ、サフマン様。武士が敵将を狙うがごとき眼光を僕に向けている。
サーシャ様が泣き止むまで僕は、サーシャの頭を撫でて落ち着かせた。
うん。サフマン様が、嬉しくも嫉妬の眼を向けているけど。そんなにサフマン様に抱きつかなかったのが許せ無いのか!
サーシャ様は、10分ほど、泣きじゃくっていた。
さて、そろそろ先の話をしようか。
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