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天職アクセサリーショップ
実験実証
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父が帰ってきた。丁度夕食の時間にぴったりだ。
夕食を食べた後、父に実験結果を伝える。
レベル2の効果が出たことに驚いたようだ。
「一部再生の魔鉱石か。どうしようかな」
父は考えこんでしまった。
「母さんと冒険者ギルドに行った時に、腕がない人と、足がない人がいたよ。その二人に使えないかな?」
父が所属しているマリームギルドにいた二人だ。
「ギュラルとアイントか?良いけど理由が必要だな。」
まさか息子の天職のスキルで治せるから使ってくれとは、いくら信用している仲間でもできないそうだ。
「なら父さんがダンジョンで、たまたま取れた事にしたらどうかな?」
キーホルダーにして、渡して使ってもらえばいいだろう。
「そうだな。明日は一緒に行ってみるか。」
明日は父と一緒に、ギルドに行くことになった。楽しみだな。
翌朝。
僕は一部再生レベル2の魔鉱石が付いた、キーホルダーを4つ持ってマリームギルドへ向かう。針金に灰色の魔鉱石が付いた簡単な作りだが、ちゃんと効果があるのは、腕力強化で試している。
「おはよう!」
父は元気良くギルドの扉を開ける。
中にいた人達が一斉に見て挨拶をしてくる。僕も頭を下げて挨拶をする。
中にギュラルさんとアイントさんもいた。
ギュラルさんは右腕が肘から先がない、鉄の鎧を着た大柄の30代男性だ。大剣を片手で振り回す程の力があるみたいだ。右腕はモンスターにやられてしまったらしい。
アイントさんは、左足が膝から先がない、細身の20歳男性だ。速さに自慢の冒険者だったが、左足をモンスターにやられたため、事務員としてギルドで働いている。今は杖を使って移動している。
まずギュラルさんに父は、声をかけている。
「ギュラル調子は、どうだ?」
「カイルか。久しぶりだな。坊主は息子か?」
僕も自己紹介をする。
「それより、ギュラルいい話があるんだがこいつを手に握って、見てくれないか?」
父は灰色の魔鉱石の付いたキーホルダーをわたす。効果は一部再生Lv2だ。
「なんだ?この石を握ればいいのか?」
ギュラルは、疑う様子もなくキーホルダーを握る。
「いいことが起こるぞ。魔力を込めるつもりで軽く握ってくれ。」
「ほう?そりゃよっぽどの事だろうな?」
ギュラルは、笑いながら左手で握る。
魔力を込めるつもりが起動の合図となり、キーホルダーは効果を発揮した。
「おっ、おい!右手が変だぞ!」
「大丈夫、大丈夫。ちょっとまて。」
20秒経過した。
キーホルダー
品質 低
効果 一部再生Lv2
効果時間 0秒
魔鉱石の効果はきれた。
「おいっ!嘘だろ!」
ギュラルは大声で叫ぶ。右手をみて唖然としている。
父は笑ってみている。僕は実験成功だ!と心の中で喜ぶ。
ギュラルは、再生した右手を何度も握っている。左手と比べると、筋肉の付きかたは、弱いが再生しただけで充分だろう。5秒では完全に再生できなかったから、レベル2で良かった良かった。
「おいっ!これはどう言う事だ!」
ギュラルは、我にかえった様に、父に詰め寄る。
「説明は後だ。アイントを呼んでこよう。」
ギュラルは、理解したのか受付に入り、アイントを右手で引っ張ってくる。近くの椅子に無理矢理座らせる。
「ちょっとギュラルさん、引っ張らないでくださいよ。」
アイントは、迷惑そうに話す。
冒険者の頃はもっと楽しそうに生活していたが、事務員になってからは、淡々と仕事だけをこなして、つまらなそうに生きているの青年だ。
「悪い悪い。それより気付いたか?」
ギュラルは何度も右手で、アイントの肩を激しく叩く。
「痛い痛い。何ですか。ギュラルさんが面倒くさいってことですか?」
「ちげーよバカ。」
ギュラルは、アイントの頭を右手で叩く。
「痛!」
うん。よっぽど右手があることが嬉しいんだな。右手しか使ってないし。
「ほら見てみろ!」
ギュラルは右手を見せる。
「ん?ただの手じゃな、あっ!右手!あれ?【再生師】に治してもらったんですか!」
「いや違うんだ。こいつだ。」
ギュラルは自慢気にキーホルダーを見せる。父はもう一つ、キーホルダーを見せる。アイントに手渡した。
「何ですか?この石は?」
「そんなのいいから握って魔力を込めろ!早く!」
ギュラルが興奮しながら急かす。
「分かりましたよ。それより何でいき、あれ?足が生えてきてる?」
アイントは、ズボンをまくり眺めている。
20秒経過した。
「な!スゲーだろ!」
なぜかギュラルが自慢気だ。
確かにスゲーと思うよ。僕の能力は。
「これヤバくね?え?普通2億エーン以上かかる再生の魔鉱石を俺に使ったのか!おいっ!カイルさん!」
アイントは、よろめきながら立ち上がり、父にしがみつく。目元は濡れている。
「詳しい話をしたい。個室は用意できるかな?アイント事務員?」
父は笑いながらアイントに伝える。
「待っててください!勝手に部屋の鍵持ってきますので、ついて来て下さい。」
アイントは、ゆっくり歩きだし、個室へ向かう。杖は床に転がしたままなので、僕が拾っておく。
個室は、テーブルと椅子があるだけの簡易な部屋だ。僕と父が隣に、正面にギュラルさんとアイントさんが座っている。
「で、これはなんだ?」
二人はテーブルにキーホルダーを置く。
さて、父はどんな説明をするのかな?
夕食を食べた後、父に実験結果を伝える。
レベル2の効果が出たことに驚いたようだ。
「一部再生の魔鉱石か。どうしようかな」
父は考えこんでしまった。
「母さんと冒険者ギルドに行った時に、腕がない人と、足がない人がいたよ。その二人に使えないかな?」
父が所属しているマリームギルドにいた二人だ。
「ギュラルとアイントか?良いけど理由が必要だな。」
まさか息子の天職のスキルで治せるから使ってくれとは、いくら信用している仲間でもできないそうだ。
「なら父さんがダンジョンで、たまたま取れた事にしたらどうかな?」
キーホルダーにして、渡して使ってもらえばいいだろう。
「そうだな。明日は一緒に行ってみるか。」
明日は父と一緒に、ギルドに行くことになった。楽しみだな。
翌朝。
僕は一部再生レベル2の魔鉱石が付いた、キーホルダーを4つ持ってマリームギルドへ向かう。針金に灰色の魔鉱石が付いた簡単な作りだが、ちゃんと効果があるのは、腕力強化で試している。
「おはよう!」
父は元気良くギルドの扉を開ける。
中にいた人達が一斉に見て挨拶をしてくる。僕も頭を下げて挨拶をする。
中にギュラルさんとアイントさんもいた。
ギュラルさんは右腕が肘から先がない、鉄の鎧を着た大柄の30代男性だ。大剣を片手で振り回す程の力があるみたいだ。右腕はモンスターにやられてしまったらしい。
アイントさんは、左足が膝から先がない、細身の20歳男性だ。速さに自慢の冒険者だったが、左足をモンスターにやられたため、事務員としてギルドで働いている。今は杖を使って移動している。
まずギュラルさんに父は、声をかけている。
「ギュラル調子は、どうだ?」
「カイルか。久しぶりだな。坊主は息子か?」
僕も自己紹介をする。
「それより、ギュラルいい話があるんだがこいつを手に握って、見てくれないか?」
父は灰色の魔鉱石の付いたキーホルダーをわたす。効果は一部再生Lv2だ。
「なんだ?この石を握ればいいのか?」
ギュラルは、疑う様子もなくキーホルダーを握る。
「いいことが起こるぞ。魔力を込めるつもりで軽く握ってくれ。」
「ほう?そりゃよっぽどの事だろうな?」
ギュラルは、笑いながら左手で握る。
魔力を込めるつもりが起動の合図となり、キーホルダーは効果を発揮した。
「おっ、おい!右手が変だぞ!」
「大丈夫、大丈夫。ちょっとまて。」
20秒経過した。
キーホルダー
品質 低
効果 一部再生Lv2
効果時間 0秒
魔鉱石の効果はきれた。
「おいっ!嘘だろ!」
ギュラルは大声で叫ぶ。右手をみて唖然としている。
父は笑ってみている。僕は実験成功だ!と心の中で喜ぶ。
ギュラルは、再生した右手を何度も握っている。左手と比べると、筋肉の付きかたは、弱いが再生しただけで充分だろう。5秒では完全に再生できなかったから、レベル2で良かった良かった。
「おいっ!これはどう言う事だ!」
ギュラルは、我にかえった様に、父に詰め寄る。
「説明は後だ。アイントを呼んでこよう。」
ギュラルは、理解したのか受付に入り、アイントを右手で引っ張ってくる。近くの椅子に無理矢理座らせる。
「ちょっとギュラルさん、引っ張らないでくださいよ。」
アイントは、迷惑そうに話す。
冒険者の頃はもっと楽しそうに生活していたが、事務員になってからは、淡々と仕事だけをこなして、つまらなそうに生きているの青年だ。
「悪い悪い。それより気付いたか?」
ギュラルは何度も右手で、アイントの肩を激しく叩く。
「痛い痛い。何ですか。ギュラルさんが面倒くさいってことですか?」
「ちげーよバカ。」
ギュラルは、アイントの頭を右手で叩く。
「痛!」
うん。よっぽど右手があることが嬉しいんだな。右手しか使ってないし。
「ほら見てみろ!」
ギュラルは右手を見せる。
「ん?ただの手じゃな、あっ!右手!あれ?【再生師】に治してもらったんですか!」
「いや違うんだ。こいつだ。」
ギュラルは自慢気にキーホルダーを見せる。父はもう一つ、キーホルダーを見せる。アイントに手渡した。
「何ですか?この石は?」
「そんなのいいから握って魔力を込めろ!早く!」
ギュラルが興奮しながら急かす。
「分かりましたよ。それより何でいき、あれ?足が生えてきてる?」
アイントは、ズボンをまくり眺めている。
20秒経過した。
「な!スゲーだろ!」
なぜかギュラルが自慢気だ。
確かにスゲーと思うよ。僕の能力は。
「これヤバくね?え?普通2億エーン以上かかる再生の魔鉱石を俺に使ったのか!おいっ!カイルさん!」
アイントは、よろめきながら立ち上がり、父にしがみつく。目元は濡れている。
「詳しい話をしたい。個室は用意できるかな?アイント事務員?」
父は笑いながらアイントに伝える。
「待っててください!勝手に部屋の鍵持ってきますので、ついて来て下さい。」
アイントは、ゆっくり歩きだし、個室へ向かう。杖は床に転がしたままなので、僕が拾っておく。
個室は、テーブルと椅子があるだけの簡易な部屋だ。僕と父が隣に、正面にギュラルさんとアイントさんが座っている。
「で、これはなんだ?」
二人はテーブルにキーホルダーを置く。
さて、父はどんな説明をするのかな?
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