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ダンジョンで実験

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 僕はダンジョンに潜っていた。父と一緒にダンジョンでレベル上げと魔物石の実験をするのだ。

「ほらゴブリンだぞ!」
 父はゴブリンを捕まえ連れてきた。ゴブリンは、暴れているが、身動きが取れない様に抑えこまれている。

 僕は短剣をゴブリンの首に突き刺す。血が流れるが、直ぐに絶命した。

 捕まえては、突き刺しを繰り返していく。もう10匹は倒しただろう。

「普通ならレベルが上がっただろうから、一人で倒してみるか!」
 父が一匹のゴブリンを連れてきて、離れた場所に投げる。

 ゴブリンは、武器もなく素手のみでギーギー騒いでいる。
 父は僕の後ろに下がり様子を見ている。

 僕は短剣を構えゴブリンに向かっていく。僕を見てゴブリンは、走って向かってきた。

「首か胸元を狙え!」
 父は後ろで叫ぶ。

「やあ!」
 短剣をゴブリンの首めがけ切りつける。首から血が流れだした。ゴブリンは、僕につかまり殴りつけるが、ゴブリンの腕を掴む。力は、僕の方が上みたいだ。再度首を切るとゴブリンは、絶命した。


「ふー」
 僕は息を吐き出す。


「うん。大丈夫そうだな。でも動きがぎこちないのは練習必要だな。」
 カイルが見たところ素人丸出しみたいだ。戦闘職ならスキルで剣術や槍術、護身術などのスキルがあり、体の使い方を覚える事ができるのだ。

 僕は、戦闘スキルが無いため自力で身に付けなければいけない。

「今日はもういいかな。」
 そろそろお昼になりそうだ。

「そうだね。最後に魔法を使ってみようと思うんだ。」

 父は嬉しそうにゴブリンがいないか、ダンジョンを進んでいく。歩いていると、ゴブリンが4匹まとまっていた。

「どうする?」

「風魔法を使って見るよ。」
 風魔法の初級技ウィンドカッターがある。風の刃を飛ばすことができる風魔法だ。

 父はうなずくきやるように、ゴブリンを指さす。

「ウィンドカッター!」
 僕はゴブリンに向かって風魔法を使う。風の刃が一つ向かっていき、一番手前にいたゴブリンの腹に直撃する。
 ゴブリンの腹から血が流れるが、ゴブリンは腹をさする程度で痛がる様子もない。

「まだ威力が弱いな。」
 父は残念そうに話す。

「そうだね。次はファイアを使うよ。」

 父は威力を抑える様に指示する。

「ファイア!」
 僕の手の平から、親指ほどの小さな火の玉が出てゴブリンに向かっていく。

 火の玉がウィンドカッターをぶつけたゴブリンの足に直撃すると、ゴブリンが火だるまになり燃え尽きた。

「凄いな。」
 僕と父は思う。

 他のゴブリンが気付き向かってきた。父が二匹を直ぐに仕留め、僕が一匹を倒す。

「うん。危なげなさそうだな。」
 レベル1のゴブリンなら倒せる力が付いた。

 僕は、ゴブリンの魔物石を集める。
「そうだね。次はこれの実験をするよ。」
 ゴブリンの魔物石を見せる。

「どんな効果があるんだ?」

 ゴブリンの魔物石
 レベル1
 効果 腕力強化Lv1

 ゴブリンの魔物石
 レベル1
 効果 脚力強化Lv1

 各2つ手元にある。

「これをどうすれば効果がでるんだろう。」
 この使い方がわからない。

 持ってきた紐にゴブリンの魔物石を結び首にかける。ネックレスだ。

 僕は腕に力を込める。腕力強化できるかな?

 全く効果が無さそうだ。

「エルジュ、素材合成か素材分解のスキルを使うんじゃ無いのか?」
 父が不思議そうに見ている。

「最初は、素材分解をしてみよう。素材分解!」
 僕は魔物石に触れて叫ぶ。

 うん。全く変化なしだ。

「はっはっはっ!全然変わらんな!」
 父は頭を撫でながら笑っている。

 素材分解のスキルで分解するんじゃないのか?でもどうやって分解するのだろうか。

 炎魔法か!

「父さん、離れてて。」
 父は離れて見守っている。

「素材分解!」
 僕は持っていた魔物石に向かって炎魔法を使う。すると、魔物石が液状に溶けだした。液状に溶けたがポタポタと垂れる事はなく、水滴の塊のようになっている。

「ほぉ~魔物石が溶けるのか。見たことないな。」
 父は、興味深くみている。

 炎魔法を止めると、魔物石は固まってしまった。平べったい水滴のようだ。

 魔鉱石
 効果 腕力強化Lv1

 ん?魔鉱石ってなんだ?



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