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山梨といえば、ほうとうでしょ

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 午後五時、閉店。

くっ………………………そ!疲れた!

午前十一時から約六時間。客が途切れることは稀で、さらに短かった。
バイト?もちろんしていましたよ。だって、じいちゃんの年金じゃ足りないもん。
でもさ、こんな重労働私初めてよ?表情筋つったよ?こんなシャレオツな見ためして、本性はブラックだよ。でもまあ、最初に提示された時給は千円。つまり、六千円が手に入るわけだ。
これだけあれば、富士樹海までの快適な旅プラス最後の晩餐まで付きそうだ。

「最後の晩餐にほうとう。やばっ、よだれが…。」
「おまえの最後の晩餐はうちの裏メニュー、兄貴の特製カレーだ。って、汚な!よだれ垂らすんじゃねぇ!」

えぇぇ、だってそんな胃袋刺激してくる裏メニュー出してくる方が悪いじゃん。

「よし、店も片付いたし、カレー作るか。曇ちゃん、待ってる間二階でくつろいでてくれる?冷蔵庫の中のもの適当に飲んで休んでてね。あ、アイスは食べちゃ駄目だよ。あと、プリンはナギのだから。」

随分とオープンなご家庭で。

「兄さん、五月蠅い。天宮さん、こっちです。」

渚ちゃん、お兄さん達の扱いは同列なんだね。でも、呼び方で差を付けてるのかな。たしかに、黙り込む兄貴に対して、兄さんはニコニコと余裕な笑み浮かべてるよ。これが、格の違いってやつか。天下の俺様も、仏様には勝てないってか。

「あー、曇。コーラは飲むな。俺のだ。」
「安心してください。私はドクペ派なんで。」

うん。ちっせーヤツだな。
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