飛び降りるつもりが、恋に落ちました

そういえば…

お昼休みが終わって、店に戻ろうとしたとき、ふとこんなことが頭を過りました。

ご両親はいないのかな。

今更かよって思うでしょ。でも仕方ないじゃないか。私のママ消えたし、パパも最後に会ったの十年前だし。いないのが当たり前だったんですよ。
うーん、でも聞いていいのかな。やっぱりタブーだったり…。ここはオブラートに包んで、
「ねえねえ、みんなのパパとママは、どこで働いてるの？」
ポカンとする同じ顔。
いやぁ、何聞いとんねん。

「えっとね、パパはしらないや。」

アカンやつやーーーーー。

「ママは、おそらのうえ。」

「……………………………。」
やらかした。これ、絶対やらかした。

「江、港、曇。もう降りてこい。」
ここでボスの召集。ナイスタイミング。あんた、やっぱ最高なボスだよ。

「いこ！くもりちゃん！」
「ハルにい、うるさいから。」

パパとママのこと思い出して辛いだろうに。こんな明るく振る舞ってくれて。本当、
「天使ぃ…。」

「ええっ！くもりちゃん！？」
「なんで、なく？」

ごめんね、おねえさんを許しておくれ。