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鍛原家のハル君は、ボスでした。

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 く、苦しい…
まるで私の上に子泣きじじいが乗っているような…
「おきろ、チビ」
あ、このぶっきらぼうなしゃべり方。俺様海パン野郎じゃあないですか。
はっ
「まさか、鍛原 波流人の正体は子泣きじじい」
それなら納得がいく。飛び降りスポットから飛び込みなんて、人の成せる業じゃないよね。石化してるんだ、きっと。

「ハルくんは、こなきじじいじゃないよ。」
「ハルくん、にんげん。」
なんと私の上に乗っていたのは、二人のリトル波流人君でした。

「誰が子泣きじじいだ。この恩知らずが。」
ひぃぃぃ。ボスはこっちだったぁぁ。
リトル波流人×2はボスのただならぬ殺気を感じたのか、いつの間にかカウンター席に移っていた。私は慌てて正座をした。
「申し訳ございませんでしたぁっ!オバ…俺様、いや、子泣きじぃゃなかった。ハル君さん!」
誠心誠意の土下座で謝罪する。
視界の縁でリトル波流人達が笑いを必死に堪えている。なんか、色々余計なこと言った気がするな。でも、きっと伝わったはず。
少し視線を持ち上げると、そこには仁王立ちに腕組みをしているボス。
うわぁ、睨んでるよ。ボスのスキル、絶対零度で空気凍ってるよ。リトル波流人 、真顔だよ。

「わかった。」

えっと…何が?

「おまえに接客は無理だな。天宮 曇。今日一日、おまえを家の雑用に採用する。」

拒否権は無いと無慈悲に言い放つボス。当然ながら、チキンどころかまだひよっ子の私が反論できるはずもなく、

「はい。」

私、天宮 曇は、日雇い労働者になりました。
雇い主は、ハーフパンツの代わりに海パンを穿かれる俺様子泣きじじいです。
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