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飛び込みたいオバQさん

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 私が大きな矛盾に気がついた瞬間、茂みの奥から声がしました、まる
「は?」
いや、まてまて。地縛霊とか受け付けないからね。オカルトNG。いやね、決してお化けが怖いとかじゃあないんだよ。本当だよ。
「だだだだ誰ですっか?」
声が震えるのはコミュ症のせいであって、断じて怖いからではない。
鬱蒼とした茂みが揺れて、オバQさんが正体を現した。締め付けられた喉からは変な悲鳴が上がった。
「は?あんたこそ何者だよ。」

私は唖然とした。多分、今すごく阿呆面してる。だってさ、仕方ないよね。オバQさん、超が付くイケメンなのだもの。多分年は二十歳くらいかな。日に焼けが似合う海のおとこって感じな。でもさ、私が驚いてるのは顔じゃなくてね、このイケメン、
パンツしか穿いてないのさ。

「何、自殺?だったら他でやってよ。ここさ、俺のお気にいりだから。警察だのなんだの来られると飛込みできなくなって迷惑なんだよね。」
「…あ、すいませんでした。私やっぱり高所恐怖症で飛べないみたいなのでこれから樹海に行こうと思っていたのでどうぞ。」

なんかもう頭が追い付かなくて、途中から何言ってるのか自分でもわからなくなった。
「いや、あんたの事情なんか興味ないから。とっとと樹海でもあの世でも行ってくんない?」
人がいると落ち着かない、とオバQさんは付け足した。
「はい、急ぎますね。」
…あれっ?おっかしーなぁー。足に力が入らないや。オバQさん見てるよ。てか、睨んでるよ。
「あはは、今立ちますからねぇ。よいしょっ!・・・。あっれれぇー、おっかしぃぞぉぉ…。」
痛い、痛いよ。オバQさんの視線が痛い。うわぁ、ため息ついてる。もう怖くて前が見れないんだけど。動け、私の足!

「本当…何者だよ。ほら、手貸してやるから。」

あら、オバQさん実はいい人だった。

「ありがとうございます、オバQさん。」
「…はあ?」
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