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第9話 愛人よ、何している?
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自分で決めた時間にエドアルドはやってきた。裁縫をしていたサキナはレインに離れから出るように告げた。
「ーーすぐに終わるからね」
「はーい。ごゆっくり~」
すぐ終わるって言ってんでしょ!
裁縫道具を片付ける間、エドアルドはサキナをじっと見つめる。一挙一動を伺うような目だ。
「何か?」
穴があきそうなぐらい見られて、サキナは眉をしかめた。
やだぁー、キモいー。
「いや。早く来い」
もうイッてたりして、意地の悪いことを考えながらサキナは寝室に入る。
入って目が点になる。
ベッドの上に赤いバラの花びらが散らされている。
レインーー!
すぐに誰の仕業かはわかったのだが、いまから花びらを掃除するのも面倒だ。
道理で部屋がバラ臭いと思ったわよーー。
「粋なはからいだ」
エドアルドがサキナの服を脱がせにかかる。そういえば裸は見せたことがない。用があるところだけめくって挿れてくれれば問題ないのに。
ベッドに横たえられると、サキナはエドアルドの顔を極力見ないようにそっぽ向いた。
「そう、恥ずかしがるな。とてもきれいだ……」
ポジティブ!呆れるぐらいポジティブだぁぁぁ!
首筋を舌が這う。
あー、ちょっと待って!キスは嫌!
サキナはキスだけは嫌だった。
下が結合しようが、口でアレを咥えようが、これだけは本当に好きな人のために、大事にとっておきたいのだ。あいつとキスするぐらいならセックスしたほうがまし、という名言も女子の間では有名だ。
なのに、エドアルドがサキナの唇を完全に狙っている。避けようにも身体を押さえつけられ、動けそうにない。ピクリともしないのは、軍人だからなのだろうか。
やだ、ほんとやだから、諦めてよー!
サキナの思いとは裏腹にエドアルドは頬にキスした後、サキナの美しい唇に吸い付いていく。
ひどいー!サキナの目から涙がこぼれていく。
「ーーサキナ…」
エドアルドが後ろの孔をいじりながら囁いた。彼のものはサキナの期待に答えて、もう発射しているようだった。
「うれしいのかーー」
興奮しながらエドアルドが言う。
違うわ!だれが随喜の涙を流しとんねん。
その後もエドアルドはキスをし続け、サキナの孔を心ゆくまで楽しんだ。そっちは早くて楽でよかったのだが、キスだけは苦痛が残りサキナは表情を暗くした。それが気になるエドアルドではないのだがーー。
「早く!お願いだから、早く妊娠してね!」
毎日お腹をさする。そう毎日だー。
「ノエル、何やってんのかしら?」
1週間に7日は面倒を見て欲しいわ、とサキナは思う。自分はあの日だけでいいんで。ただ、エドアルドにそう言ったところ、華麗に伝わらなかった。
「そう、照れるな」
と、あの男は言ったのだ。
軍人てみんなあんなに自意識過剰なのかしら?
町へ愛人をスカウトに来たサキナは、ローブのフードをしっかりと被り、通行人に目を凝らした。
「はあぁ」
わかっていたことだが、サキナにしろノエルにしろ、容姿が良すぎるのだ。顔が好みなら普通の町人では無理だろう。
「ノエルクラスがいればなぁ」
と、いうよりあの愛人は何を考えているのか。ただ飯くってないでやることはやってくれよー、サキナはむくれた。
「サキナ様ー、帰りますよ」
「うるさい!この裏切り者!」
バラの一件についてレインにねちねち言い続けるサキナである。
「しょうがないですよ。サキナ様がアザ花種を産んでしまったのですから。大公の期待もますます大きくなります。これで次もアザ花種だったら、永遠にエドアルド様の子を産まねばなりませんね」
「な、なんで?」
「可能性があるからです。人口がどれだけ減り続けていると思っているのですか?大公様はクローン魔法技術にも手を出そうとしています」
「それは、昔研究を禁止されたはずでしょ?」
「そうも言っていられないのが現人類ですよ」
レインがやれやれと肩を竦めた。
「せめて、女性が増えればー」
「そういえば、女性っているにはいるんでしょ?」
サキナが知っている知識にそれがある。
「ええ。秘密の島で、大切に研究されているらしいですよ」
大切に研究か、ろくな目にあってないだろうな。
おおかた美少年、美青年並べて、今日は誰にする?とかだろうなーー。口に出ていたのかレインが顔をしかめた。
「エドアルド様が無理だったら、サキナ様もそうなる可能性が……」
いいじゃない、女の夢だわー。
あっ、もう僕は男だったー。咲夜はがっかりした。
「ーーすぐに終わるからね」
「はーい。ごゆっくり~」
すぐ終わるって言ってんでしょ!
裁縫道具を片付ける間、エドアルドはサキナをじっと見つめる。一挙一動を伺うような目だ。
「何か?」
穴があきそうなぐらい見られて、サキナは眉をしかめた。
やだぁー、キモいー。
「いや。早く来い」
もうイッてたりして、意地の悪いことを考えながらサキナは寝室に入る。
入って目が点になる。
ベッドの上に赤いバラの花びらが散らされている。
レインーー!
すぐに誰の仕業かはわかったのだが、いまから花びらを掃除するのも面倒だ。
道理で部屋がバラ臭いと思ったわよーー。
「粋なはからいだ」
エドアルドがサキナの服を脱がせにかかる。そういえば裸は見せたことがない。用があるところだけめくって挿れてくれれば問題ないのに。
ベッドに横たえられると、サキナはエドアルドの顔を極力見ないようにそっぽ向いた。
「そう、恥ずかしがるな。とてもきれいだ……」
ポジティブ!呆れるぐらいポジティブだぁぁぁ!
首筋を舌が這う。
あー、ちょっと待って!キスは嫌!
サキナはキスだけは嫌だった。
下が結合しようが、口でアレを咥えようが、これだけは本当に好きな人のために、大事にとっておきたいのだ。あいつとキスするぐらいならセックスしたほうがまし、という名言も女子の間では有名だ。
なのに、エドアルドがサキナの唇を完全に狙っている。避けようにも身体を押さえつけられ、動けそうにない。ピクリともしないのは、軍人だからなのだろうか。
やだ、ほんとやだから、諦めてよー!
サキナの思いとは裏腹にエドアルドは頬にキスした後、サキナの美しい唇に吸い付いていく。
ひどいー!サキナの目から涙がこぼれていく。
「ーーサキナ…」
エドアルドが後ろの孔をいじりながら囁いた。彼のものはサキナの期待に答えて、もう発射しているようだった。
「うれしいのかーー」
興奮しながらエドアルドが言う。
違うわ!だれが随喜の涙を流しとんねん。
その後もエドアルドはキスをし続け、サキナの孔を心ゆくまで楽しんだ。そっちは早くて楽でよかったのだが、キスだけは苦痛が残りサキナは表情を暗くした。それが気になるエドアルドではないのだがーー。
「早く!お願いだから、早く妊娠してね!」
毎日お腹をさする。そう毎日だー。
「ノエル、何やってんのかしら?」
1週間に7日は面倒を見て欲しいわ、とサキナは思う。自分はあの日だけでいいんで。ただ、エドアルドにそう言ったところ、華麗に伝わらなかった。
「そう、照れるな」
と、あの男は言ったのだ。
軍人てみんなあんなに自意識過剰なのかしら?
町へ愛人をスカウトに来たサキナは、ローブのフードをしっかりと被り、通行人に目を凝らした。
「はあぁ」
わかっていたことだが、サキナにしろノエルにしろ、容姿が良すぎるのだ。顔が好みなら普通の町人では無理だろう。
「ノエルクラスがいればなぁ」
と、いうよりあの愛人は何を考えているのか。ただ飯くってないでやることはやってくれよー、サキナはむくれた。
「サキナ様ー、帰りますよ」
「うるさい!この裏切り者!」
バラの一件についてレインにねちねち言い続けるサキナである。
「しょうがないですよ。サキナ様がアザ花種を産んでしまったのですから。大公の期待もますます大きくなります。これで次もアザ花種だったら、永遠にエドアルド様の子を産まねばなりませんね」
「な、なんで?」
「可能性があるからです。人口がどれだけ減り続けていると思っているのですか?大公様はクローン魔法技術にも手を出そうとしています」
「それは、昔研究を禁止されたはずでしょ?」
「そうも言っていられないのが現人類ですよ」
レインがやれやれと肩を竦めた。
「せめて、女性が増えればー」
「そういえば、女性っているにはいるんでしょ?」
サキナが知っている知識にそれがある。
「ええ。秘密の島で、大切に研究されているらしいですよ」
大切に研究か、ろくな目にあってないだろうな。
おおかた美少年、美青年並べて、今日は誰にする?とかだろうなーー。口に出ていたのかレインが顔をしかめた。
「エドアルド様が無理だったら、サキナ様もそうなる可能性が……」
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