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東堂の恋わずらい編
第21話 あのふたり、目だけでもやってるぞ ☆
しおりを挟む「あっ、あぁ!もう、許してぇーーー!!!」
哀願するように彼を見るが、微塵も気にする気配はない。
ラルジュナの舌が、兵馬の乳首を舐めてはかじる。それだけでも感じるのに、右手は反対の乳首を弄り、左手の指が後孔をもて遊ぶ。指の動きに、何度も腰が浮く。
「あぅぅ~~!やめ、あんっ!やめぇ~~~ってぇ~~~!だめぇ~~~~~!」
無駄だとわかっているが、手で乳首への攻撃だけでもとめようとしてみる。
「ーー邪魔。首にまわして」
ひどいーー。
首に腕をまわしたりしたら、自分から強請ってるみたいじゃないかーー。
「ふっ、うぅ~~」
「アソコに指を入れると、自然に濡れてくるから潤滑油がいらないねー」
彼しか触れない場所から愛液が出てくる。もはや、自分の性別は何だったかーー、兵馬は自信がない。
「うんッ!」
「ほらーー、とろとろだよーー」
「し、知ら、ないーー!」
真っ赤になって抵抗するが、身体は嘘をつかない。その水音が快感とともに身体の中に響く。
「あんっ!」
指が抜かれたーー、快感で疼いているそこが、次を期待しているのかひくひくと動く。
「欲しがってるーー、カワイイーー」
熱をはらんだ声でラルジュナが囁く。
「ジュナーー、舐めたいーー」
ここで孔を休めておかなければイキっぱなしになるーー、兵馬はそれを阻止するべく彼のモノに触れる。
「いい」
あっさりと腕を押さえられ、彼の屹立を後孔にあてがわれる。
「あ……」
「気絶してもいいよーー」
よくない。何の配慮だーー。
「……ジュナは悪いひとだねーー」
「そうだねーー。嫌い?」
その瞬間、彼の目が悪戯好きの少年のような目になった。
「ーー大好き♡」
ずりっと挿れられたモノに奥が弾けそうになる。快感が身体を何度も駆け抜けた。
深い部分を責められ、兵馬は快楽に啼きっぱなしだ。
「ジュナぁーー!ちょっ!~ひんっ~~~!」
「何でもするんでしょ?」
ラルジュナが極上の囁きを耳に吹き込んでくる。それだけで、兵馬の腰は砕けてしまうというのにーー。
「だからって、ああ~~~~~~ん!!!」
正常位から足を高く持ちあげられ、結合部が深くなる。押さえ込まれた身体は逃げる事もできないが、彼のモノを挿す器の役目に喜びを感じ、何度も痙攣を繰り返す。
「ーーあっ、、、ーーいやぁーー…………」
恥ずかしさに首を振って抵抗する。
繋がった部位からグチョグチョと卑猥な音が聞こえてきた。耳を塞ぎたくなるほどやらしい音だ。
「ーーふふっ、あふれてきちゃってる」
少し抜くだけで、シーツに液が落ちていく。
「ドロドロのシーツの中に浸してあげたいーー」
ラルジュナが妖艶に微笑んだ。
「ふぅ~!ふぅ、ふぅん~~~!ああんっ~~~~!」
自分の喘ぎ声に赤面する余裕もない。最奥の気持ち良さに、ピリビリと脳が焼け、意識がすべてもっていかれるーー。
「カワイイーー!」
彼の汗と自分の汗が混ざり、身体に染みていくようだ。
兵馬はすがるような目でラルジュナを見つめる。もう、無理ーー、でも、やめないで欲しいーー。
「…………」
彼の瞳の中の自分はなんてまぬけなんだろう。恥ずかしくてしょうがない。
いつか自分は、このひとにふさわしい人間になれるだろうかーー。
違うな、なれるんじゃない。
なってやるんだーー。
「ーーイクよ」
「あんっ!ほしいっ!ほしい~~~!いっぱいほしいぃ~~~~~~~~!」
理性のタガがはずれたように兵馬は叫んだ。快感を得すぎた身体は、まともな判断ができなくなってしまう。
「だしてーー!!!ジュナのいっぱいだしてぇぇぇーー!!!」
その後も兵馬は気絶しそうになりながら、彼が満足するまで愛されたそうだーー。
次の日、何事もなかったかのように兵馬とラルジュナはあらわれた。ほっとした東堂だが、ふたりの醸し出す空気には目を背けるしかなかった。
異常に甘いーー。新婚とかそういうレベルじゃねえーー。目だけでもやってるぞ。
目で会話とかよく聞くが、いまのこのふたりは目でセックスだ。視線がヤバいヤバい。
兵馬ーー。学年首席で全国でもトップクラスの成績を誇っていたおまえが、そんな女の顔をする日がくるとはなーー。
赤飯を炊いてやりたい(しかし、もち米と小豆がない)、と東堂は真剣に思った。
「あのー、ラルさん……」
「何?」
兵馬とユーリの安全な場所を確保して、東堂達はドラゴンを探しはじめた。
「目がやらしすぎっす」
「ーーえっーー!わかるー?」
「ヤバいっす……」
「わかった!気をつけるー」
「兵馬のほうがもっとヤバいっす……」
「そうだよねー。もう、カワイすぎるよねー」
にこにこと嬉しそうな顔でラルジュナが言う。
「はあー。まあ、かわいい系っすよね」
小動物だな。
「メンタルの強いウサギみたいな」
「ーーうん。メンタル強いよねー」
実感がこもる声色に東堂は眉をあげた。
「ルートが気にしてましたけど、解決しました?」
「そうだねー。ルートにもお礼を言わなきゃ」
「?」
「自分からは言わないからねー」
ああ、そうだな。あいつは言いそうで言わないんだよなーー。『両親が離婚するかも』、ってときも、『これからどうしよう』とは言ってたけど、何でそうなったのかは言わなかったな(自分もそれどころじゃなかったから聞けなかったのもあるが)ーー。
その後、自分の告白を受けて教えてくれたが(※魔法騎士大演習)、兵馬は父親の事とか、解決がついたんだろうかーー。
「ラルさんーー」
「何ー?」
口ごもりながら東堂は尋ねる。
「ーーずっと好きでいられます?ユーリ抜きでも……」
「うん?当たり前だよー、子供の前にまずボクらでしょ?」
この自信はどこからくるのだろう。イケメンなんだから、自分が浮気するとかあるはずなのに(失礼だが)。
「はあ……」
「ーートードォ君は、アスラーンが子供が欲しいだけだと感じてるんだよね?」
グッと飲み込んだ言葉が自分に刺さりそうで我慢できなくなり、東堂は口を割った。
「ーー事実、そうでしょ?それ抜きにしたら俺なんかいらないっすよ」
「トードォ君ーー」
拗ねたような言い方をする東堂に、ラルジュナが目を細める。
「ーー子供の事情ありきでの結婚が嫌なんだね」
「えっ?」
「なら、子供のプレッシャーという精神的苦痛を理由に賠償金を取り下げさせるかーー」
「はい?」
何言いだしたんだ、このひとーー。
「アスラーンの事は遊びではなく真剣に考えてはいたが、子供の事を言われて自信がなくなった、よし、これでいこう」
「ふへ?」
美形に詰め寄られ、変な声しかでない。
「大丈夫ー。ヒョウマ!用意してほしい書類があるんだ!」
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「はぁ~い」
「いや、そんなこと……」
「トードォ君は、この先何があっても黙っててね♡うまくいけば、魔法騎士団に戻れるよー♡」
「は、はい……」
さらにヤバい状況にならないか、と東堂は口元を引きつらせた。
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