141 / 235
その日にむけて編
第131話 アレクセイは前を向く
しおりを挟む
「ラルジュナ、少しは食べろ」
アスラーンは塞ぐ友に声をかけた。
「……………」
返事もなく、このやりとりも何回目かわからない。
「ラルジュナ、ちょっとでいいから、ね?」
アスラーンの要望を聞き、バッカイア帝国からラルジュナの幼なじみのジュドーが来た。献身的に彼の世話を焼く。
「ーーヒョウマ、いた……?」
「ーーいないよ……」
このやり取りも何回目だろうか、アスラーンは頭をかいた。
哀れむ気持ちと、焦りが混じる。彼が立ちあがらなければ、ハオルが攻めてきたときの勝機がない。
ハオル以外の悪魔は、自分や諸外国の魔法騎士達を総動員すればなんとかなるだろう。だが、ハオルだけは、強さが未知数すぎる。
アレクセイひとりを戦わせるわけにはいかないーー、彼が倒れればハオルは聖女ルートを殺す。
それは何としてでも止めなければならない。そのためには、神殺しであり、魔法も無詠唱で使える彼が戦闘に加わるのは必須不可欠な事だ。
「ジュドー、後は頼んだ。もし、ーー」
「わかっております。ーーつらそうなら、薬を打ちますので……」
ため息をついてアスラーンは屋敷をでる。
いま、聖女ルートは必死の思いで魔蝕の浄化に向かっているそうだ。側にいるアレクセイの気持ちを思うと、アスラーンはラルジュナのいまが歯がゆくて仕方がない。
聖女が立っているのに、おまえはなぜ俯いているのだーー。聖女のほうがおまえよりもつらいはずなのにーー。
「アリョーシャ」
「ーーアスラーン。ラルジュナはどうだ?」
「さっぱりだ。この間は来てくれたのにすまないな」
「いや、ルートが行きたいと言ったのでな、無理をいってすまなかった」
アレクセイは顔を伏せた。
ラルジュナが陽気な顔以外を見せることは滅多にない。不機嫌な顔など、心配して欲しがってるみたいで嫌なんだよねー、と言ってきた男だ。
「ーールートは凄いな」
感心したようにアスラーンが息をつく。
「ーー無理はしているが、魔蝕は……」
「待ってはくれんかーー。ラルジュナもどうしても動かなければならない理由があればな……」
バッカイア帝国の王妃ジュリアムは、しつこくラルジュナを返すように言ってきている。どうせ自分達を守らせたいだけであろうがーー、アスラーンは馬鹿にしたような目で宙を見た。
「無理は強いたくはない。ーーハオルは私が……」
「魔法痕を見ただろう?とてもひとりで倒せるものではない。あいつ以上に魔法を使える奴がいればいいが、悪魔の磁場を展開されると、こちらは手が出せない」
「ーーマチコを鍛えるか……」
「いまから剣を覚えておまえにあわせて攻撃ができるのなら、やってみろ」
「…………」
「あれは、おまえの癖がよくわかっている。おまえもそうだろうが」
「ああーー」
「何をそんなに躊躇っている?」
眉を寄せてアスラーンはアレクセイを睨んだ。
「ーールートがそうなれば、私も同じようになる」
ため息を吐きながらアスラーンは言った。
「なら、そうならないようにしろ。そうだ、王都のはずれで捕まえた女は何か吐いたのか?」
「吐けばハオルに殺されるらしい」
アレクセイの答えに眉をあげる。
「それで拷問もしないとは。相変わらずめでたい国だな」
「ーーそうだな」
「それより、耳に入れておきたい事がある」
「何だ?」
「トードォの事だ」
「そちらに通っているそうだな」
「訓練も兼ねてだが、最近は夜が激しくてな」
「ーーそうか」
何と答えればいいのか、アレクセイには友の意図がわからない。
「死を意識すると、ああなる」
アレクセイは目を見張った。何かを理解したように、ゆっくりと息を吐く。
「ーールートもそうだ……」
「だろうな。平気なはずがないーー。ヒョウマの姉は無事か?」
「ファウラや、レノラ達のおかげで、何とか生きている。必ず誰かは隣りにいるようにしている」
「そうか……。何と影響力のある奴だったのかーー」
アスラーンが去る。
ーーもう、過去の者か。
それは仕方のない話だ。
明確な指針を示さないアダマスに代わり、彼が諸外国への説明と協力を要請している。返事はおもわしくないらしいが、その姿勢には自国の兵士達は万謝しかない。
アレクセイとしても、申し訳なさで一杯だ。
聖女召喚に巻き込まれただけの異世界人を死なせてしまうとは。
あってはならない事が起きた。
その上、不可侵の国を攻撃する者があらわれるなどーー。
アダマスはその事実をいつまでも受け入れられずにいるのだろう。
自分がしっかりせねばーー。
アレクセイは前だけを見据えた。
「アレクセイでも苦戦しそうとは、あの王子も恐ろしい男になったものですね」
ティンが王都結界学の書物に目を通している。
「はあ、なるほど……。それで、ラルジュナ殿はどうですか?」
「ーーいないことを想定している」
「アレクセイーー」
ため息をついてティンがアレクセイを見た。
「言うだけ無駄かもしれませんが、貴方はもっと他を頼りなさい」
「………………」
「まわりが頼りない大人ばかりで申し訳ないですね」
「室長は違いますよ~」
町子もいくつも本を広げている。
「国民は自由に通れるというのが凄いですね~」
「そうなのです」
「どうやってインプットしているのですか~?」
「血に反応します。生まれたときに神官が血を抜くのですよ。ーー機密事項なんで、言ってはだめですが」
「は~い~」
スズに似た女顔のティンが、町子を優しい眼差しで見ている。
幸せな光景に胸が休まる思いだ。
「そういえば、アレクセイ。呪いは大丈夫なのですか?」
「何だったのか、聞いてもいいですか~?」
「はい。一番大事なものの記憶を忘れる、でした」
「「えっ!?」」
ふたりは目を見開いた。
「えっ?、アレクセイ、まさか琉生斗の事がわからないのですか!」
「えっーー!見えないーーー!」
やはり誰もが琉生斗だと思うのだろう。
そうなのだがーー。
「いまは戻っています」
アレクセイは答えた。
「呪いが解けたんですか!」
ティンが愕然とした表情でアレクセイに詰め寄る。
「呪いは解けていませんが、ラルジュナが記憶を失う事を想定して記憶を複製し、記憶媒体なるものを脳内に差し込み、呪いを受けると上書きするように魔法をかけてくれました」
「なっ!」
そんな事が、とティンが目をむいた。
「何それ~!凄すぎ!メモリーカードみたい~!」
はしゃいで手を叩いた町子だが、次のアレクセイの言葉に身体を強張らせる。
「ーーヒョウマから、パソコンやメディアの知識を聞いていたらしいーー」
「ーーそう……」
町子から笑顔が消えた。
「さっ、がんばろう~」
本を閉じて町子は立ちあがる。
「結界チームに差し入れしてきます~」
「ーーはい……」
ティンの表情も暗い。
「ーー本当にどう考えればいいのか、私にもわかりませんね」
「はい。私もルートを支える事しかできません」
「ーー大変な事ですよ。父も苦労してましたから」
ティンが昔を懐かしむように破顔した。
アスラーンは塞ぐ友に声をかけた。
「……………」
返事もなく、このやりとりも何回目かわからない。
「ラルジュナ、ちょっとでいいから、ね?」
アスラーンの要望を聞き、バッカイア帝国からラルジュナの幼なじみのジュドーが来た。献身的に彼の世話を焼く。
「ーーヒョウマ、いた……?」
「ーーいないよ……」
このやり取りも何回目だろうか、アスラーンは頭をかいた。
哀れむ気持ちと、焦りが混じる。彼が立ちあがらなければ、ハオルが攻めてきたときの勝機がない。
ハオル以外の悪魔は、自分や諸外国の魔法騎士達を総動員すればなんとかなるだろう。だが、ハオルだけは、強さが未知数すぎる。
アレクセイひとりを戦わせるわけにはいかないーー、彼が倒れればハオルは聖女ルートを殺す。
それは何としてでも止めなければならない。そのためには、神殺しであり、魔法も無詠唱で使える彼が戦闘に加わるのは必須不可欠な事だ。
「ジュドー、後は頼んだ。もし、ーー」
「わかっております。ーーつらそうなら、薬を打ちますので……」
ため息をついてアスラーンは屋敷をでる。
いま、聖女ルートは必死の思いで魔蝕の浄化に向かっているそうだ。側にいるアレクセイの気持ちを思うと、アスラーンはラルジュナのいまが歯がゆくて仕方がない。
聖女が立っているのに、おまえはなぜ俯いているのだーー。聖女のほうがおまえよりもつらいはずなのにーー。
「アリョーシャ」
「ーーアスラーン。ラルジュナはどうだ?」
「さっぱりだ。この間は来てくれたのにすまないな」
「いや、ルートが行きたいと言ったのでな、無理をいってすまなかった」
アレクセイは顔を伏せた。
ラルジュナが陽気な顔以外を見せることは滅多にない。不機嫌な顔など、心配して欲しがってるみたいで嫌なんだよねー、と言ってきた男だ。
「ーールートは凄いな」
感心したようにアスラーンが息をつく。
「ーー無理はしているが、魔蝕は……」
「待ってはくれんかーー。ラルジュナもどうしても動かなければならない理由があればな……」
バッカイア帝国の王妃ジュリアムは、しつこくラルジュナを返すように言ってきている。どうせ自分達を守らせたいだけであろうがーー、アスラーンは馬鹿にしたような目で宙を見た。
「無理は強いたくはない。ーーハオルは私が……」
「魔法痕を見ただろう?とてもひとりで倒せるものではない。あいつ以上に魔法を使える奴がいればいいが、悪魔の磁場を展開されると、こちらは手が出せない」
「ーーマチコを鍛えるか……」
「いまから剣を覚えておまえにあわせて攻撃ができるのなら、やってみろ」
「…………」
「あれは、おまえの癖がよくわかっている。おまえもそうだろうが」
「ああーー」
「何をそんなに躊躇っている?」
眉を寄せてアスラーンはアレクセイを睨んだ。
「ーールートがそうなれば、私も同じようになる」
ため息を吐きながらアスラーンは言った。
「なら、そうならないようにしろ。そうだ、王都のはずれで捕まえた女は何か吐いたのか?」
「吐けばハオルに殺されるらしい」
アレクセイの答えに眉をあげる。
「それで拷問もしないとは。相変わらずめでたい国だな」
「ーーそうだな」
「それより、耳に入れておきたい事がある」
「何だ?」
「トードォの事だ」
「そちらに通っているそうだな」
「訓練も兼ねてだが、最近は夜が激しくてな」
「ーーそうか」
何と答えればいいのか、アレクセイには友の意図がわからない。
「死を意識すると、ああなる」
アレクセイは目を見張った。何かを理解したように、ゆっくりと息を吐く。
「ーールートもそうだ……」
「だろうな。平気なはずがないーー。ヒョウマの姉は無事か?」
「ファウラや、レノラ達のおかげで、何とか生きている。必ず誰かは隣りにいるようにしている」
「そうか……。何と影響力のある奴だったのかーー」
アスラーンが去る。
ーーもう、過去の者か。
それは仕方のない話だ。
明確な指針を示さないアダマスに代わり、彼が諸外国への説明と協力を要請している。返事はおもわしくないらしいが、その姿勢には自国の兵士達は万謝しかない。
アレクセイとしても、申し訳なさで一杯だ。
聖女召喚に巻き込まれただけの異世界人を死なせてしまうとは。
あってはならない事が起きた。
その上、不可侵の国を攻撃する者があらわれるなどーー。
アダマスはその事実をいつまでも受け入れられずにいるのだろう。
自分がしっかりせねばーー。
アレクセイは前だけを見据えた。
「アレクセイでも苦戦しそうとは、あの王子も恐ろしい男になったものですね」
ティンが王都結界学の書物に目を通している。
「はあ、なるほど……。それで、ラルジュナ殿はどうですか?」
「ーーいないことを想定している」
「アレクセイーー」
ため息をついてティンがアレクセイを見た。
「言うだけ無駄かもしれませんが、貴方はもっと他を頼りなさい」
「………………」
「まわりが頼りない大人ばかりで申し訳ないですね」
「室長は違いますよ~」
町子もいくつも本を広げている。
「国民は自由に通れるというのが凄いですね~」
「そうなのです」
「どうやってインプットしているのですか~?」
「血に反応します。生まれたときに神官が血を抜くのですよ。ーー機密事項なんで、言ってはだめですが」
「は~い~」
スズに似た女顔のティンが、町子を優しい眼差しで見ている。
幸せな光景に胸が休まる思いだ。
「そういえば、アレクセイ。呪いは大丈夫なのですか?」
「何だったのか、聞いてもいいですか~?」
「はい。一番大事なものの記憶を忘れる、でした」
「「えっ!?」」
ふたりは目を見開いた。
「えっ?、アレクセイ、まさか琉生斗の事がわからないのですか!」
「えっーー!見えないーーー!」
やはり誰もが琉生斗だと思うのだろう。
そうなのだがーー。
「いまは戻っています」
アレクセイは答えた。
「呪いが解けたんですか!」
ティンが愕然とした表情でアレクセイに詰め寄る。
「呪いは解けていませんが、ラルジュナが記憶を失う事を想定して記憶を複製し、記憶媒体なるものを脳内に差し込み、呪いを受けると上書きするように魔法をかけてくれました」
「なっ!」
そんな事が、とティンが目をむいた。
「何それ~!凄すぎ!メモリーカードみたい~!」
はしゃいで手を叩いた町子だが、次のアレクセイの言葉に身体を強張らせる。
「ーーヒョウマから、パソコンやメディアの知識を聞いていたらしいーー」
「ーーそう……」
町子から笑顔が消えた。
「さっ、がんばろう~」
本を閉じて町子は立ちあがる。
「結界チームに差し入れしてきます~」
「ーーはい……」
ティンの表情も暗い。
「ーー本当にどう考えればいいのか、私にもわかりませんね」
「はい。私もルートを支える事しかできません」
「ーー大変な事ですよ。父も苦労してましたから」
ティンが昔を懐かしむように破顔した。
64
お気に入りに追加
76
あなたにおすすめの小説
【完結】ここで会ったが、十年目。
N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化)
我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。
(追記5/14 : お互いぶん回してますね。)
Special thanks
illustration by おのつく 様
X(旧Twitter) @__oc_t
※ご都合主義です。あしからず。
※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。
※◎は視点が変わります。
悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
*
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、自らを反省しました。BLゲームの世界で推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)

繋がれた絆はどこまでも
mahiro
BL
生存率の低いベイリー家。
そんな家に生まれたライトは、次期当主はお前であるのだと父親である国王は言った。
ただし、それは公表せず表では双子の弟であるメイソンが次期当主であるのだと公表するのだという。
当主交代となるそのとき、正式にライトが当主であるのだと公表するのだとか。
それまでは国を離れ、当主となるべく教育を受けてくるようにと指示をされ、国を出ることになったライト。
次期当主が発表される数週間前、ライトはお忍びで国を訪れ、屋敷を訪れた。
そこは昔と大きく異なり、明るく温かな空気が流れていた。
その事に疑問を抱きつつも中へ中へと突き進めば、メイソンと従者であるイザヤが突然抱き合ったのだ。
それを見たライトは、ある決意をし……?

結婚式当日に「ちょっと待った」されたので、転生特典(執事)と旅に出たい
オオトリ
BL
とある教会で、今日一組の若い男女が結婚式を挙げようとしていた。
今、まさに新郎新婦が手を取り合おうとしたその時―――
「ちょっと待ったー!」
乱入者の声が響き渡った。
これは、とある事情で異世界転生した主人公が、結婚式当日に「ちょっと待った」されたので、
白米を求めて 俺TUEEEEせずに、執事TUEEEEな旅に出たい
そんなお話
※主人公は当初女性と婚約しています(タイトルの通り)
※主人公ではない部分で、男女の恋愛がお話に絡んでくることがあります
※BLは読むことも初心者の作者の初作品なので、タグ付けなど必要があれば教えてください
※完結しておりますが、今後番外編及び小話、続編をいずれ追加して参りたいと思っています
※小説家になろうさんでも同時公開中

実はαだった俺、逃げることにした。
るるらら
BL
俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!
実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。
一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!
前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。
!注意!
初のオメガバース作品。
ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。
バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。
!ごめんなさい!
幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に
復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!
僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました
楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。
ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。
喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。
「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」
契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。
エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
エルフの国の取り替えっ子は、運命に気づかない
コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26
BL
エルフの国の王子として生まれたマグノリアンは人間の種族。そんな取り替えっ子の彼は、満月の夜に水の向こうに人間の青年と出会う。満月の夜に会う様になった彼と、何処か満たされないものを感じていたマグノリアンは距離が近づいていく。
エルフの夜歩き(恋の時間※)で一足飛びに大人になるマグノリアンは青年に心を引っ張られつつも、自分の中のエルフの部分に抗えない。そんな矢先に怪我で記憶を一部失ったマグノリアンは青年の事を忘れてしまい、一方で前世の記憶を得てしまった。
18歳になった人間のマグノリアンは、父王の計らいで人間の国へ。青年と再開するも記憶を失ったマグノリアンは彼に気づかない。
人間の国の皇太子だった青年とマグノリアン、そして第二王子や幼馴染のエルフなど、彼らの思惑が入り乱れてマグノリアンの初恋の行方は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる