136 / 235
きみを忘れることなかれ 編
第126話 元カノ?
しおりを挟む
「ルート、おはよう」
「兵馬」
兵馬が離宮に顔をだした。表情も明るく、何の悩み事もなさそうだ。
「来てもらって悪いな」
「ううん。そろそろバレたのかなー、って思ってたよ」
「ああ。いまも公爵の嫌がらせは続いているのか?」
琉生斗の言葉に兵馬が目を瞬いた。
「ーーそっちか」
「ん?」
「うん!姉さんが名誉騎士になったし、ファウラさんにも話しておいたから、公爵も怒られたのか最近はおとなしいよ」
「そうなんだ。まじでやばいときは、ちゃんと頼ってくれよ」
ふぅー、と兵馬が緊張を解いた顔になる。
「ルートの悪い癖だね」
「うるさい。絶対に頼れよ」
「わかってるよ」
「完全にロードリンゲンからは……」
「続けたいものもあるから。まあ、相談しながらかなーー」
ラルさんとかーー。
違う道に行くことを納得しても、やはり寂しさがつきまとう。
「ラルさんには、ほんと感謝してる。あのひとが、いなかったらどうなってたかーー」
「ふふっ、そうだね」
「けど、神と悪魔の磁場内で魔法が使える、って、ラルさん悪魔と戦うのか?」
エクソシストみたいに。
容姿的にはあまり似合わないがーー。
「ーーハオルの事も想定していると思う」
琉生斗は動きをとめた。
「そうか、なるほど……」
ラルジュナはハオルが悪魔になっていると思っているのか。これには、琉生斗とアレクセイも同意見だがーー。
「あいつ、何かする気なのかな?」
「ーーアス王太子も調べてはいるみたいだけど、今のところ何もでてこないって」
首を振る兵馬を見て琉生斗は眉を寄せた。国をあげて警戒しているとは、あの変態キモ眼鏡も偉くなったものだ。
「そうかーー、おとなしくしていて欲しいな」
願望だがーー。
「そうだ!ねえ、ルート、ブドウ狩り行こうよ。アジャハンと農国ナルディアの食べ比べツアー」
「ーー楽しそうだな。アレクに聞いとく」
兵馬がうれしそうに笑う。
「うん。約束だよ……」
時間を気にするような親友の様子に、琉生斗は尋ねた。
「これから、どうするんだ?」
「ーーちょっと用事があって」
申し訳なさそうに目を伏せられる。
「ふうん。おれ、この後神殿に行くから、終わったらベルさんとお茶しようぜ」
「用事が終われば行くよ。ミハエルさんと約束もあるから」
「じいちゃん喜ぶな。おまえがいると機嫌がいいんだぜ。じゃあ、後でな!」
「うん。ルート、ありがと」
「何がだよ」
問いに、兵馬が目を細めた。
「いろいろだよ。ルートの理想の未来にするためにも、僕ももっとがんばらなきゃね」
「理想の未来ーー」
琉生斗は目をパチクリとさせる。
何だったっけ?アレクと楽しく子育てかなーー。
「子供が幸せに暮らせる未来でしょ?」
「ーーーーー」
「そりゃ、どうしようもなくて捨ててしまうひともいるだろうけど、それを見過ごさないのが大切だと思うんだよね。すぐに助けてあげられる、そういう社会になったらいいな」
「ああ……」
「泣かないの。まだ何にもできてないんだから」
兵馬が琉生斗の頭を撫でた。
「おれも、がんばるーー」
「君はもう世界を救ってるじゃない」
強引に涙を拭うと、笑いながら兵馬が離宮を出ていった。
「またな!」
「うん、またね」
兵馬が笑った。
「ヒョウマー!」
「ジュナ、今日はステラプルケリマ先生なんだ」
ラルジュナが眼鏡をかけた神経質そうな青年に姿を変えている。
「ちょっとこの国じゃねー。きっとアレクセイなんか問題が起きたら、すぐにボクのことバッカイアに引き渡すよー」
「ーーさすがに、しないんじゃ」
確証はないが、いくらなんでもである。
「するするー。あいつはかなり常識がないからねー」
「う~ん、たしかに常識はないね」
激しく同意する兵馬だ。
「アスラーンは甘やかされた長男で、アレクセイは放ったらかしにされた長男だからねー」
「ジュナは?」
「ボクは上がいるものー、また違うよー」
ホント、あのふたりは手がかかる、とラルジュナがぼやくので兵馬は笑ってしまう。
「そう言われてみると、ルートに似てるよね」
「ルートと?」
「ルート、上に兄弟いるしね。僕は、姉さんがいるけど双子だし」
「上がいると、下は絶対に苦労するよー。さて、フェレスは何の用事だってー?」
「用事があるとしか聞いてない」
兵馬はハーベスター公爵家の家令フェレスから呼び出しを受けた。話したい事があるらしい。
ひと目につかないダイヤモンド公園の裏の森で会う約束をしているのだがーー。
「ボクは早く教皇に会いたいんだけどー」
「ーージュナ、先に行っとく?」
赤くなりながら兵馬はラルジュナを見上げた。
「フェレスのところにひとりで行かすわけないでしょー!」
「ジュナも行って大丈夫かな?」
「ひとりで来いとは言われてないんでしょー?向こうも想定内だよー」
森の中を寄り添いながら歩く。
「涼しくなってきたね」
「そうー?兵馬の国は暑かったのー?」
「死ぬほど暑かったよ……、思い出したくもない」
体育の授業は地獄だった。テストで点はとれても実技で低い評価にしかならない。
体育祭は休めって言われてたし(ルートの見てないところで)、ーーほんと僕ってしょうもない人間だよね……。たしかに、自分のせいで負けは確実になってしまうけどーー。
ほんの少しだけでも、このひとに釣り合う人間になれないものかなーー。
「ラルジュナ様……」
名前を呼ばれても、ラルジュナは声の方を向かなかった。兵馬にも自然にするように、顔を動かさないよう、合図をだす。
「ーーラルジュナ様!変化をされているぐらい、わたしにはわかります!」
きれいな女性だった。
同じ歳ぐらいだろうか。長い金髪がなびく、澄んだ目をした人形みたいなひとだった。
「ーー何?」
表情もなくラルジュナが尋ねた。親しい知人ではなさそうだが……。
「あのときは生命を助けていただき、本当にありがとうございます!」
女性が深く頭を下げた。必死な姿に兵馬の心臓が早鐘を打つ。
どういう関係なんだろうーー。
「兵馬」
兵馬が離宮に顔をだした。表情も明るく、何の悩み事もなさそうだ。
「来てもらって悪いな」
「ううん。そろそろバレたのかなー、って思ってたよ」
「ああ。いまも公爵の嫌がらせは続いているのか?」
琉生斗の言葉に兵馬が目を瞬いた。
「ーーそっちか」
「ん?」
「うん!姉さんが名誉騎士になったし、ファウラさんにも話しておいたから、公爵も怒られたのか最近はおとなしいよ」
「そうなんだ。まじでやばいときは、ちゃんと頼ってくれよ」
ふぅー、と兵馬が緊張を解いた顔になる。
「ルートの悪い癖だね」
「うるさい。絶対に頼れよ」
「わかってるよ」
「完全にロードリンゲンからは……」
「続けたいものもあるから。まあ、相談しながらかなーー」
ラルさんとかーー。
違う道に行くことを納得しても、やはり寂しさがつきまとう。
「ラルさんには、ほんと感謝してる。あのひとが、いなかったらどうなってたかーー」
「ふふっ、そうだね」
「けど、神と悪魔の磁場内で魔法が使える、って、ラルさん悪魔と戦うのか?」
エクソシストみたいに。
容姿的にはあまり似合わないがーー。
「ーーハオルの事も想定していると思う」
琉生斗は動きをとめた。
「そうか、なるほど……」
ラルジュナはハオルが悪魔になっていると思っているのか。これには、琉生斗とアレクセイも同意見だがーー。
「あいつ、何かする気なのかな?」
「ーーアス王太子も調べてはいるみたいだけど、今のところ何もでてこないって」
首を振る兵馬を見て琉生斗は眉を寄せた。国をあげて警戒しているとは、あの変態キモ眼鏡も偉くなったものだ。
「そうかーー、おとなしくしていて欲しいな」
願望だがーー。
「そうだ!ねえ、ルート、ブドウ狩り行こうよ。アジャハンと農国ナルディアの食べ比べツアー」
「ーー楽しそうだな。アレクに聞いとく」
兵馬がうれしそうに笑う。
「うん。約束だよ……」
時間を気にするような親友の様子に、琉生斗は尋ねた。
「これから、どうするんだ?」
「ーーちょっと用事があって」
申し訳なさそうに目を伏せられる。
「ふうん。おれ、この後神殿に行くから、終わったらベルさんとお茶しようぜ」
「用事が終われば行くよ。ミハエルさんと約束もあるから」
「じいちゃん喜ぶな。おまえがいると機嫌がいいんだぜ。じゃあ、後でな!」
「うん。ルート、ありがと」
「何がだよ」
問いに、兵馬が目を細めた。
「いろいろだよ。ルートの理想の未来にするためにも、僕ももっとがんばらなきゃね」
「理想の未来ーー」
琉生斗は目をパチクリとさせる。
何だったっけ?アレクと楽しく子育てかなーー。
「子供が幸せに暮らせる未来でしょ?」
「ーーーーー」
「そりゃ、どうしようもなくて捨ててしまうひともいるだろうけど、それを見過ごさないのが大切だと思うんだよね。すぐに助けてあげられる、そういう社会になったらいいな」
「ああ……」
「泣かないの。まだ何にもできてないんだから」
兵馬が琉生斗の頭を撫でた。
「おれも、がんばるーー」
「君はもう世界を救ってるじゃない」
強引に涙を拭うと、笑いながら兵馬が離宮を出ていった。
「またな!」
「うん、またね」
兵馬が笑った。
「ヒョウマー!」
「ジュナ、今日はステラプルケリマ先生なんだ」
ラルジュナが眼鏡をかけた神経質そうな青年に姿を変えている。
「ちょっとこの国じゃねー。きっとアレクセイなんか問題が起きたら、すぐにボクのことバッカイアに引き渡すよー」
「ーーさすがに、しないんじゃ」
確証はないが、いくらなんでもである。
「するするー。あいつはかなり常識がないからねー」
「う~ん、たしかに常識はないね」
激しく同意する兵馬だ。
「アスラーンは甘やかされた長男で、アレクセイは放ったらかしにされた長男だからねー」
「ジュナは?」
「ボクは上がいるものー、また違うよー」
ホント、あのふたりは手がかかる、とラルジュナがぼやくので兵馬は笑ってしまう。
「そう言われてみると、ルートに似てるよね」
「ルートと?」
「ルート、上に兄弟いるしね。僕は、姉さんがいるけど双子だし」
「上がいると、下は絶対に苦労するよー。さて、フェレスは何の用事だってー?」
「用事があるとしか聞いてない」
兵馬はハーベスター公爵家の家令フェレスから呼び出しを受けた。話したい事があるらしい。
ひと目につかないダイヤモンド公園の裏の森で会う約束をしているのだがーー。
「ボクは早く教皇に会いたいんだけどー」
「ーージュナ、先に行っとく?」
赤くなりながら兵馬はラルジュナを見上げた。
「フェレスのところにひとりで行かすわけないでしょー!」
「ジュナも行って大丈夫かな?」
「ひとりで来いとは言われてないんでしょー?向こうも想定内だよー」
森の中を寄り添いながら歩く。
「涼しくなってきたね」
「そうー?兵馬の国は暑かったのー?」
「死ぬほど暑かったよ……、思い出したくもない」
体育の授業は地獄だった。テストで点はとれても実技で低い評価にしかならない。
体育祭は休めって言われてたし(ルートの見てないところで)、ーーほんと僕ってしょうもない人間だよね……。たしかに、自分のせいで負けは確実になってしまうけどーー。
ほんの少しだけでも、このひとに釣り合う人間になれないものかなーー。
「ラルジュナ様……」
名前を呼ばれても、ラルジュナは声の方を向かなかった。兵馬にも自然にするように、顔を動かさないよう、合図をだす。
「ーーラルジュナ様!変化をされているぐらい、わたしにはわかります!」
きれいな女性だった。
同じ歳ぐらいだろうか。長い金髪がなびく、澄んだ目をした人形みたいなひとだった。
「ーー何?」
表情もなくラルジュナが尋ねた。親しい知人ではなさそうだが……。
「あのときは生命を助けていただき、本当にありがとうございます!」
女性が深く頭を下げた。必死な姿に兵馬の心臓が早鐘を打つ。
どういう関係なんだろうーー。
42
お気に入りに追加
76
あなたにおすすめの小説
【完結】ここで会ったが、十年目。
N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化)
我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。
(追記5/14 : お互いぶん回してますね。)
Special thanks
illustration by おのつく 様
X(旧Twitter) @__oc_t
※ご都合主義です。あしからず。
※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。
※◎は視点が変わります。
悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
*
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、自らを反省しました。BLゲームの世界で推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)

繋がれた絆はどこまでも
mahiro
BL
生存率の低いベイリー家。
そんな家に生まれたライトは、次期当主はお前であるのだと父親である国王は言った。
ただし、それは公表せず表では双子の弟であるメイソンが次期当主であるのだと公表するのだという。
当主交代となるそのとき、正式にライトが当主であるのだと公表するのだとか。
それまでは国を離れ、当主となるべく教育を受けてくるようにと指示をされ、国を出ることになったライト。
次期当主が発表される数週間前、ライトはお忍びで国を訪れ、屋敷を訪れた。
そこは昔と大きく異なり、明るく温かな空気が流れていた。
その事に疑問を抱きつつも中へ中へと突き進めば、メイソンと従者であるイザヤが突然抱き合ったのだ。
それを見たライトは、ある決意をし……?

結婚式当日に「ちょっと待った」されたので、転生特典(執事)と旅に出たい
オオトリ
BL
とある教会で、今日一組の若い男女が結婚式を挙げようとしていた。
今、まさに新郎新婦が手を取り合おうとしたその時―――
「ちょっと待ったー!」
乱入者の声が響き渡った。
これは、とある事情で異世界転生した主人公が、結婚式当日に「ちょっと待った」されたので、
白米を求めて 俺TUEEEEせずに、執事TUEEEEな旅に出たい
そんなお話
※主人公は当初女性と婚約しています(タイトルの通り)
※主人公ではない部分で、男女の恋愛がお話に絡んでくることがあります
※BLは読むことも初心者の作者の初作品なので、タグ付けなど必要があれば教えてください
※完結しておりますが、今後番外編及び小話、続編をいずれ追加して参りたいと思っています
※小説家になろうさんでも同時公開中

実はαだった俺、逃げることにした。
るるらら
BL
俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!
実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。
一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!
前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。
!注意!
初のオメガバース作品。
ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。
バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。
!ごめんなさい!
幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に
復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!
僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました
楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。
ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。
喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。
「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」
契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。
エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
エルフの国の取り替えっ子は、運命に気づかない
コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26
BL
エルフの国の王子として生まれたマグノリアンは人間の種族。そんな取り替えっ子の彼は、満月の夜に水の向こうに人間の青年と出会う。満月の夜に会う様になった彼と、何処か満たされないものを感じていたマグノリアンは距離が近づいていく。
エルフの夜歩き(恋の時間※)で一足飛びに大人になるマグノリアンは青年に心を引っ張られつつも、自分の中のエルフの部分に抗えない。そんな矢先に怪我で記憶を一部失ったマグノリアンは青年の事を忘れてしまい、一方で前世の記憶を得てしまった。
18歳になった人間のマグノリアンは、父王の計らいで人間の国へ。青年と再開するも記憶を失ったマグノリアンは彼に気づかない。
人間の国の皇太子だった青年とマグノリアン、そして第二王子や幼馴染のエルフなど、彼らの思惑が入り乱れてマグノリアンの初恋の行方は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる