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魔法騎士大演習とそれぞれの思惑編(長編)
第106話 ルート、うるさい ♡
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「これは、これは。素晴らしいな、トードォは」
アスラーンが笑みを浮かべ手を叩いた。
「ーーそうだな」
「この分じゃうちが、逆転するよな?」
「そうですね」
琉生斗の言葉にアンダーソニーが頷いた。
夜中に終了するのなら、三体討伐して逆転が狙えるだろう。向こうの竜騎士達がどうでるかだがーー。
「そうだな、これはやられたな」
少しも悔しくなさそうなアスラーンだ。
「正攻法に負けるとはな」
アレクセイに言われてもアスラーンは笑っていた。
「へぇー、トードォ君すごいねー」
ラルジュナと兵馬が戻ってきた。
「おまえの戦い方をずいぶん真似ていたぞ」
「参考になって何よりだよー」
「ーー姉さん、元気そうだね」
安堵したように兵馬が息をついた。
「すごいよな、葛城」
「そうだよね……」
「うん?どうしたんだ、兵馬?」
兵馬が首を振る。
「なんでもないよーー」
「そういや、町子もティンさんも来ないんだな」
「クリステイル王太子の宮の施工が間に合わないらしくて、魔導室総出で手伝ってるみたい」
「そうなんだー。もうすぐ結婚式だな。花蓮は大丈夫か?」
「花蓮もだけど、ミハエルさん達が立ち直れないかも」
「あー、そう」
「ルートのときは誰も泣かなかったけど、花蓮のときは大洪水が起きるかもね」
「まあ、おれはいつでも行けるからな。花蓮はどうなるんだ?」
たぶん行かなくても泣かないよーー、とは兵馬は言わなかった。
「王妃様も神殿によくお参りに来てるからね。各施設の慰問はあるだろうけど、コンサートは難しいかな」
「ああ、やっぱりそうか」
「警備を増やさないといけないからね」
「王族は大変だな」
琉生斗はアレクセイに身を寄せる。
「そうだな」
「絶対にしなきゃならない仕事ってあるのか?」
「公務はあるが、カレンには振り分けられないだろう」
「何でだ?」
「花蓮はこっちの字が書けないからだよ」
「あー、そうか……。そこも自動翻訳されればいいのにな」
「あるの?」
兵馬がアレクセイの顔を見た。
「ーーいや……」
「翻字があるよー。言語が違っても表記しなおしてくれるのー」
琉生斗は眉をあげた。
「あるじゃん」
「…………」
「殿下は自分が必要ないことは覚えないもんね」
「これ習得しないと、古代魔法も使えないよー。古い文献なんかにも使えるから便利だしー」
「そうなんだ。やっぱり凄いひとだな」
琉生斗の目に尊敬の色が浮かぶ。
「ーーなんか、ルートに褒められると怖いな……」
不気味そうにラルジュナが肩をすくめた。
「おお!素晴らしい!さすがはロードリンゲンの師団長と大隊長だ。剣技の冴えが違うな」
アスラーンが唸る。
「亡霊王クラスといっても、誰も取り込んでない状態でしょー?あんなものじゃないー?」
ラルジュナが兵馬の膝に頭をのせた。
「ーーちょっと眠いー」
「うん……。休んで……」
「休息所はあっちですよ」
睨みつけながら琉生斗は言った。
「ルート、うるさい」
「えっ?兵馬、おれのことを言ってるのか?ほ、ほ、本当におれのことを?」
「殿下、聖女様と仮眠してきて」
「ああ、わかった」
「眠くないわぁ!」
兵馬がひどいよー、と琉生斗は泣きながら休息部屋に運ばれた。
「何か食べたいものは?」
「う~ん、まずはアレクかな」
琉生斗もなかなか言うものだ。
「ルート……」
髪を愛しげにすきながらアレクセイがキスをする。舌がじっとりと絡むキスを楽しみ、琉生斗の衣服を脱がしていく。
「愛している」
耳を愛撫してアレクセイが囁く。
「うん。おれも大好きだ……」
仮眠ではなくなるが、まあ、いいかーー。
琉生斗はアレクセイの首に腕をまわした。
アスラーンが笑みを浮かべ手を叩いた。
「ーーそうだな」
「この分じゃうちが、逆転するよな?」
「そうですね」
琉生斗の言葉にアンダーソニーが頷いた。
夜中に終了するのなら、三体討伐して逆転が狙えるだろう。向こうの竜騎士達がどうでるかだがーー。
「そうだな、これはやられたな」
少しも悔しくなさそうなアスラーンだ。
「正攻法に負けるとはな」
アレクセイに言われてもアスラーンは笑っていた。
「へぇー、トードォ君すごいねー」
ラルジュナと兵馬が戻ってきた。
「おまえの戦い方をずいぶん真似ていたぞ」
「参考になって何よりだよー」
「ーー姉さん、元気そうだね」
安堵したように兵馬が息をついた。
「すごいよな、葛城」
「そうだよね……」
「うん?どうしたんだ、兵馬?」
兵馬が首を振る。
「なんでもないよーー」
「そういや、町子もティンさんも来ないんだな」
「クリステイル王太子の宮の施工が間に合わないらしくて、魔導室総出で手伝ってるみたい」
「そうなんだー。もうすぐ結婚式だな。花蓮は大丈夫か?」
「花蓮もだけど、ミハエルさん達が立ち直れないかも」
「あー、そう」
「ルートのときは誰も泣かなかったけど、花蓮のときは大洪水が起きるかもね」
「まあ、おれはいつでも行けるからな。花蓮はどうなるんだ?」
たぶん行かなくても泣かないよーー、とは兵馬は言わなかった。
「王妃様も神殿によくお参りに来てるからね。各施設の慰問はあるだろうけど、コンサートは難しいかな」
「ああ、やっぱりそうか」
「警備を増やさないといけないからね」
「王族は大変だな」
琉生斗はアレクセイに身を寄せる。
「そうだな」
「絶対にしなきゃならない仕事ってあるのか?」
「公務はあるが、カレンには振り分けられないだろう」
「何でだ?」
「花蓮はこっちの字が書けないからだよ」
「あー、そうか……。そこも自動翻訳されればいいのにな」
「あるの?」
兵馬がアレクセイの顔を見た。
「ーーいや……」
「翻字があるよー。言語が違っても表記しなおしてくれるのー」
琉生斗は眉をあげた。
「あるじゃん」
「…………」
「殿下は自分が必要ないことは覚えないもんね」
「これ習得しないと、古代魔法も使えないよー。古い文献なんかにも使えるから便利だしー」
「そうなんだ。やっぱり凄いひとだな」
琉生斗の目に尊敬の色が浮かぶ。
「ーーなんか、ルートに褒められると怖いな……」
不気味そうにラルジュナが肩をすくめた。
「おお!素晴らしい!さすがはロードリンゲンの師団長と大隊長だ。剣技の冴えが違うな」
アスラーンが唸る。
「亡霊王クラスといっても、誰も取り込んでない状態でしょー?あんなものじゃないー?」
ラルジュナが兵馬の膝に頭をのせた。
「ーーちょっと眠いー」
「うん……。休んで……」
「休息所はあっちですよ」
睨みつけながら琉生斗は言った。
「ルート、うるさい」
「えっ?兵馬、おれのことを言ってるのか?ほ、ほ、本当におれのことを?」
「殿下、聖女様と仮眠してきて」
「ああ、わかった」
「眠くないわぁ!」
兵馬がひどいよー、と琉生斗は泣きながら休息部屋に運ばれた。
「何か食べたいものは?」
「う~ん、まずはアレクかな」
琉生斗もなかなか言うものだ。
「ルート……」
髪を愛しげにすきながらアレクセイがキスをする。舌がじっとりと絡むキスを楽しみ、琉生斗の衣服を脱がしていく。
「愛している」
耳を愛撫してアレクセイが囁く。
「うん。おれも大好きだ……」
仮眠ではなくなるが、まあ、いいかーー。
琉生斗はアレクセイの首に腕をまわした。
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