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魔法騎士大演習とそれぞれの思惑編(長編)
第101話 素直になる ♡
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「待てよ!ほんとに、おまえは!」
「ルート、愛している」
「おれも愛してるよ。変態なところも含めて」
あまりに変態すぎて、どうしたらいいのかわからないときもあるがーー。
琉生斗はアレクセイに抱きついた。
見つめ合ってキスをかわす。
「ルート……」
幸せそうな目の色に琉生斗も幸せを感じる。
「大好き」
「ああ、私もだーー」
ふたりは抱きしめ合いながらキスを重ねた。
「ーーラルジュナ様も物好きよねー」
「あの眼鏡の何がいいのかしら?」
「お金にしか興味がないんでしょ?ーー」
はなれたところから女性の話し声が聞こえてきた。琉生斗は眉をしかめて声の方向を見る。
メイド服を着た女性達が、眠そうな顔を隠そうともせずに歩いてきた。
「いじめてください、って顔してるわよね?」
「次、来たら後ろからコーヒーかけちゃう?」
「いいわね、それ!」
「ーーあんたら、何いってんだ!」
琉生斗は女性達の前に立った。
いきなりの出来事に女性達が悲鳴をあげる。
「大国のメイドにしては、教育がなってないな」
アレクセイの言葉に、みるみる顔が青ざめていく。
「も、申し訳ありません……」
「ただの世間話です!」
「お許しください」
「帰れ。アスラーンには私から説明しておく」
冷たい声にメイド達の腰がぬける。
「あっ……」
「そんなーー」
その場にへたり込み、何も言えなくなった。
「超!ムカつく!兵馬とおまえらだったら、兵馬のほうが美人だろうが!」
容姿に自信があったメイド達は、え?、という顔をしたが、琉生斗は自信満々に言い放った。
「なあ、アレク」
「ーーそうかもな」
アレクセイにとって、琉生斗以外の容姿はどうでもいい。
「あいつの良さがわからないなんて、あんたらは不幸だな。行こう、アレク」
「ああ」
「あー、むしゃくしゃする!」
「ルート」
「兵馬はあんなの相手にしないからな、ガツンと返せばいいのに」
「そうだな」
「ーーちょっと寝たい」
「休息所を用意してくれている」
「ーー防音だろうな」
琉生斗の視線にアレクセイは微笑んだ。
「もちろんだ」
アスラーンが仮眠に消え、テントの中には居眠り中のアンダーソニーと、兵馬達だけになった。
「デスビーストノーマル、強いね」
「こんなの作るなんてー、マチコちゃんは天才だよー」
「うん。町子、こっちに来てからほんと楽しそうにしてる」
千里眼鏡を見ながら普通に会話をしているが、ラルジュナが兵馬の手を撫でている。兵馬はラルジュナの肩にもたれているし、ふたりに距離感がない。
「ーーほしいなー」
「デスビースト?」
何に使うのだろう?
「ヒョウマの事だよ」
見つめ合ってキスをかわす。
「ーー演習中はだめだよ」
「えー!アレクセイ達だって、今頃がんばってるよー」
「それは、そうだけど……」
「あっちはよくてボクらはダメなんだー」
そういう問題ではないが。
「バッカイアの魔法騎士も参加するはずだったんでしょ?」
「うーん。でてもうちの魔法騎士じゃ、ロードリンゲンには勝てないし、アジャハンに通用するかも微妙だしー、アスラーンがドベになりたくなかっただけだよー」
「そんなに負けたくないんだね」
「絶対的王太子だからねー。あいつの地位を脅かす奴もいないしー」
「奥の手を使わないで欲しいけど……」
「ボクもそう思ってるよー、どんだけ勝ちたいんだかー」
髪の毛をすきながらラルジュナが言った。洗いたい、とつぶやく。
「負けず嫌いは悪いことじゃないけどね。向こうでも一流のアスリートなんかは、みんな負けず嫌いっていうしーー」
ラルジュナの目が細められる。
「ーーヒョウマ。アスラーンの事、好きー?」
「えっ?」
「ロードリンゲンをでて、すぐに頼ったでしょー?」
「殿下に連れて行かれたから。まわりにはいないタイプだけど、付き合いやすいよ」
「好きー?」
「人間的には好きだよ」
「ふうんー」
ラルジュナが兵馬の頭をポンポンと叩いた。
「妬けるねー。また、襲っちゃおうかなーー」
軽い口調の脅しに、兵馬は笑う。
「ーー僕、ジュナ以外のひとと恋はしないよ」
「……」
「事情が変わってあなたが国に帰るなら、ついてくから」
「ヒョウマーー」
「いらないって言われたら、バッカイアの経済、めちゃくちゃにしてやるからね」
にまにましていうと、ラルジュナが眉を寄せた。
「ーー怖いなー」
「ふふっ」
唇を求め、ラルジュナが兵馬を抱きしめる。深い口づけをかわし彼が熱いため息をついた。
「もう、だめ。抱きたい……」
彼の唇が耳に口づけをして、優しく首すじを舐める。兵馬も彼の背中に手をまわして、ギュッと力を込めた。
「ーーいい匂い……」
思わずつぶやいてしまう。
自分が気にするからと、前より香水を控えてくれている。その分、ラルジュナの匂いがはっきりと感じられ、兵馬はうれしい。
ーー大好き、ジュナ……。
野外でなんて、誰が見ているかわからないのにキスしちゃってるよ、僕ーー。アンダーソニーさん寝たフリじゃないよねーー。
ほんとに誰もいないよね?千里眼鏡はあっちからは見えないよね?
千里眼鏡ーー。
!?
「ーーあっ、ちょっと!ジュナ、これどういうこと!?」
兵馬はその光景に唖然となったーー。
「ルート、愛している」
「おれも愛してるよ。変態なところも含めて」
あまりに変態すぎて、どうしたらいいのかわからないときもあるがーー。
琉生斗はアレクセイに抱きついた。
見つめ合ってキスをかわす。
「ルート……」
幸せそうな目の色に琉生斗も幸せを感じる。
「大好き」
「ああ、私もだーー」
ふたりは抱きしめ合いながらキスを重ねた。
「ーーラルジュナ様も物好きよねー」
「あの眼鏡の何がいいのかしら?」
「お金にしか興味がないんでしょ?ーー」
はなれたところから女性の話し声が聞こえてきた。琉生斗は眉をしかめて声の方向を見る。
メイド服を着た女性達が、眠そうな顔を隠そうともせずに歩いてきた。
「いじめてください、って顔してるわよね?」
「次、来たら後ろからコーヒーかけちゃう?」
「いいわね、それ!」
「ーーあんたら、何いってんだ!」
琉生斗は女性達の前に立った。
いきなりの出来事に女性達が悲鳴をあげる。
「大国のメイドにしては、教育がなってないな」
アレクセイの言葉に、みるみる顔が青ざめていく。
「も、申し訳ありません……」
「ただの世間話です!」
「お許しください」
「帰れ。アスラーンには私から説明しておく」
冷たい声にメイド達の腰がぬける。
「あっ……」
「そんなーー」
その場にへたり込み、何も言えなくなった。
「超!ムカつく!兵馬とおまえらだったら、兵馬のほうが美人だろうが!」
容姿に自信があったメイド達は、え?、という顔をしたが、琉生斗は自信満々に言い放った。
「なあ、アレク」
「ーーそうかもな」
アレクセイにとって、琉生斗以外の容姿はどうでもいい。
「あいつの良さがわからないなんて、あんたらは不幸だな。行こう、アレク」
「ああ」
「あー、むしゃくしゃする!」
「ルート」
「兵馬はあんなの相手にしないからな、ガツンと返せばいいのに」
「そうだな」
「ーーちょっと寝たい」
「休息所を用意してくれている」
「ーー防音だろうな」
琉生斗の視線にアレクセイは微笑んだ。
「もちろんだ」
アスラーンが仮眠に消え、テントの中には居眠り中のアンダーソニーと、兵馬達だけになった。
「デスビーストノーマル、強いね」
「こんなの作るなんてー、マチコちゃんは天才だよー」
「うん。町子、こっちに来てからほんと楽しそうにしてる」
千里眼鏡を見ながら普通に会話をしているが、ラルジュナが兵馬の手を撫でている。兵馬はラルジュナの肩にもたれているし、ふたりに距離感がない。
「ーーほしいなー」
「デスビースト?」
何に使うのだろう?
「ヒョウマの事だよ」
見つめ合ってキスをかわす。
「ーー演習中はだめだよ」
「えー!アレクセイ達だって、今頃がんばってるよー」
「それは、そうだけど……」
「あっちはよくてボクらはダメなんだー」
そういう問題ではないが。
「バッカイアの魔法騎士も参加するはずだったんでしょ?」
「うーん。でてもうちの魔法騎士じゃ、ロードリンゲンには勝てないし、アジャハンに通用するかも微妙だしー、アスラーンがドベになりたくなかっただけだよー」
「そんなに負けたくないんだね」
「絶対的王太子だからねー。あいつの地位を脅かす奴もいないしー」
「奥の手を使わないで欲しいけど……」
「ボクもそう思ってるよー、どんだけ勝ちたいんだかー」
髪の毛をすきながらラルジュナが言った。洗いたい、とつぶやく。
「負けず嫌いは悪いことじゃないけどね。向こうでも一流のアスリートなんかは、みんな負けず嫌いっていうしーー」
ラルジュナの目が細められる。
「ーーヒョウマ。アスラーンの事、好きー?」
「えっ?」
「ロードリンゲンをでて、すぐに頼ったでしょー?」
「殿下に連れて行かれたから。まわりにはいないタイプだけど、付き合いやすいよ」
「好きー?」
「人間的には好きだよ」
「ふうんー」
ラルジュナが兵馬の頭をポンポンと叩いた。
「妬けるねー。また、襲っちゃおうかなーー」
軽い口調の脅しに、兵馬は笑う。
「ーー僕、ジュナ以外のひとと恋はしないよ」
「……」
「事情が変わってあなたが国に帰るなら、ついてくから」
「ヒョウマーー」
「いらないって言われたら、バッカイアの経済、めちゃくちゃにしてやるからね」
にまにましていうと、ラルジュナが眉を寄せた。
「ーー怖いなー」
「ふふっ」
唇を求め、ラルジュナが兵馬を抱きしめる。深い口づけをかわし彼が熱いため息をついた。
「もう、だめ。抱きたい……」
彼の唇が耳に口づけをして、優しく首すじを舐める。兵馬も彼の背中に手をまわして、ギュッと力を込めた。
「ーーいい匂い……」
思わずつぶやいてしまう。
自分が気にするからと、前より香水を控えてくれている。その分、ラルジュナの匂いがはっきりと感じられ、兵馬はうれしい。
ーー大好き、ジュナ……。
野外でなんて、誰が見ているかわからないのにキスしちゃってるよ、僕ーー。アンダーソニーさん寝たフリじゃないよねーー。
ほんとに誰もいないよね?千里眼鏡はあっちからは見えないよね?
千里眼鏡ーー。
!?
「ーーあっ、ちょっと!ジュナ、これどういうこと!?」
兵馬はその光景に唖然となったーー。
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