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アジャハン国の王太子とラッキースケベについて。編
番外編 ブラジャー革命 4
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「姉さん~!」
兵馬は美花に駆け寄った。
彼女はいま、演習場の落ち葉を掃除していた。風魔法を使って吹き飛ばすというーー。
「あー、兵馬」
姉の表情が曇っている。
「ーー何かあったの?」
「う~~~、うん……」
隠し事ができない美花はすぐに顔にでてしまう。
「ちょっといい?」
美花が中庭の広場を指差した。
「あのね、公爵様がね、いつまで魔法騎士をつづけるんだってーー」
「えっ?」
「結婚ぎりぎりでも温情だ、って」
兵馬は固まった。
温情、ってなんだよ。
「あたしーー、すごい家に入るのよね……」
「いや、姉さんはそれでいいの?結婚しても続けるんだって言ってたよね?」
「ーー続けたいならそれなりの結果をだせって……」
「ええっーー!」
「あっ、ルートには言わないでね。絶対!」
念を押される。
「ルートより、ファウラさんでしょ?相談したの?」
「ーー異世界の女なんか嫁にもらうなんて、ただでさえ好奇の目で見られてる可哀想な息子だって言われて、なにも言えなくてーー」
美花の目に滲んだ涙を見て、兵馬の脳内がカッとなった。
ハーベスター公爵、リーフ!
あいつ、また姉さんを傷つけたなーー!
もう、完全にへこましてやりたい!ほんとにぼこぼこにしてやりたいよ!
兵馬は固く握った拳をどこにもぶつけられず、ただ握った。
「ーー姉さん、姉さんのしたいようにって言いたいけど……」
「ありがとうーー、でもあたしの実力じゃ、いてもいなくても一緒だし……」
「魔導師になるのは!?姉さん魔力がすごいんだし、町子もいるし!子連れで出勤できそうじゃない!」
「ーーそれ、おもしろい……」
涙を拭いながら美花が笑った。
「ありがとうーー」
兵馬は項垂れた。
ごめんね、姉さん。何の力にもなれなくてーー。
僕はただの無力な異世界人だから……。
ベルガモットに頼んで、兵馬はハーベスター公爵家のリーフと面会できるようにしてもらった。
二日後に、会う、との返事がくる。ベルガモットが申し訳なさそうな表情をしていた。
王太子との面会より時間がかかるとはーー、笑える話だ。
「ーーこれはこれはようこそ、なんとお呼びいたそうか……」
上から見下すような目で兵馬を迎え入れる。豪華な椅子から立ちもしないのは予想通りだがーー。
「お忙しい中お時間をいただきありがとうございます」
リーフが公爵の仕事をすべて家令にまかせているのを知っていて、嫌味をかましてみる。
「あの方を後ろに据えて、アジャハンや、ナルディア、オランジー、果てはバッカイアの東の国、来来国にまで手をのばしているそうだな」
「たいした事はありません。あのひとがいるのに、情けない限りです」
リーフの後ろに控えるのがハーベスター家の家令だろうか。肌が白い美しい男性だ。長い灰色の髪の毛、同じ色の冷たい目。執事服を着て微動だにしない姿は、見事としか言えない。
「こちらはハーベスター公爵家のチーズで作ったチーズケーキです。よろしければ……」
兵馬の差しだした箱を、リーフが一瞥する。
「フェレス」
「はい」
家令が箱を受け取り、部屋の隅のゴミ箱に捨てた。
「ーー話は何だ?」
「率直にお伺い致しますが、姉におっしゃった魔法騎士を続ける条件、それなりの結果とは、なんですか?」
リーフが嘲るような表情になる。
「それなりはそれなりだ。そんなくだらない話をしに来たのか」
「ええ。どうせ、嫌がらせをやめて欲しいと言ったところでやめてくれないでしょうから、それだけです」
くくくっ、とリーフが楽しそうに笑う。
「なんの事かな?」
馬鹿にするような空気しか出せない主より、兵馬は隣りの家令が気になって仕方がない。
なんだろうこの人ーー、生気がないーー、フェレス、フェレスーー?
カチッと、兵馬の頭の中でパズルが組み上がるような音がした。
「ーーこれからまたある事業を展開しますが、国のご婦人のために必要な事なので、邪魔はしないようにお願い致します」
「ふんっ、フェレス」
「お時間でございます」
強引に席を追いやろうとする家令の手を、兵馬はわざと触れた。
フェレスが目を細める。
「すみません。椅子が深すぎてーー」
よっこいしょ、と立ちあがる。
「公爵閣下、今日はありがとうございました」
リーフの視線は外を向いていた。
「ーー何か収穫があったのか?」
「ええ」
兵馬の返事にリーフが驚きの目を向ける。
「フェレスさん」
兵馬は家令に話しかけた。
「はい?」
「公爵の死後、よければ僕に仕えてくださいませんか?」
「は?」
「退屈しのぎにはなると思いますよ」
無言のフェレスに軽く頭を下げ、兵馬は分厚い絨毯を歩く。
間違っているかもしれないーー。
だが、予想があたればーー。
「リーフ様の死後など、私もかなりの歳ですので……」
相手にしないような言い方に、兵馬は薄く笑う。
ーーそのとき、死を覚悟をして、兵馬は口を開いた。
「寿命、永遠なのに?」
「なっ!」
リーフが口を押さえた。
フェレスからの圧がきている。
残念ながら、兵馬にはこの殺意のような圧が効かない。だんだんと効かなくなってきているのだ。
「ーーなぜ?」
わかったのか……。
そんな顔のフェレスだ。
「僕は何も知りませんーー。では、公爵閣下、くれぐれもお願いしますね」
リーフが舌打ちした。
ーー僕は、だとーー?
まさか、殿下は知っているのかーーーー。
屋敷をでるときも、フェレスが意味ありげに兵馬を見てきた。視線を気にしないように兵馬は出ていく。
自分にしては早い速度で歩き、ずんずん歩いて、そっと後ろを振り返る。
誰もいなかった。
「はあー、黙ってたほうがよかったかな……」
ほっと息をつく。
リーフの焦った顔からして、兵馬の推測があたっている事は確実だろう。
兵馬は転移魔法で、自宅に戻った。
兵馬は美花に駆け寄った。
彼女はいま、演習場の落ち葉を掃除していた。風魔法を使って吹き飛ばすというーー。
「あー、兵馬」
姉の表情が曇っている。
「ーー何かあったの?」
「う~~~、うん……」
隠し事ができない美花はすぐに顔にでてしまう。
「ちょっといい?」
美花が中庭の広場を指差した。
「あのね、公爵様がね、いつまで魔法騎士をつづけるんだってーー」
「えっ?」
「結婚ぎりぎりでも温情だ、って」
兵馬は固まった。
温情、ってなんだよ。
「あたしーー、すごい家に入るのよね……」
「いや、姉さんはそれでいいの?結婚しても続けるんだって言ってたよね?」
「ーー続けたいならそれなりの結果をだせって……」
「ええっーー!」
「あっ、ルートには言わないでね。絶対!」
念を押される。
「ルートより、ファウラさんでしょ?相談したの?」
「ーー異世界の女なんか嫁にもらうなんて、ただでさえ好奇の目で見られてる可哀想な息子だって言われて、なにも言えなくてーー」
美花の目に滲んだ涙を見て、兵馬の脳内がカッとなった。
ハーベスター公爵、リーフ!
あいつ、また姉さんを傷つけたなーー!
もう、完全にへこましてやりたい!ほんとにぼこぼこにしてやりたいよ!
兵馬は固く握った拳をどこにもぶつけられず、ただ握った。
「ーー姉さん、姉さんのしたいようにって言いたいけど……」
「ありがとうーー、でもあたしの実力じゃ、いてもいなくても一緒だし……」
「魔導師になるのは!?姉さん魔力がすごいんだし、町子もいるし!子連れで出勤できそうじゃない!」
「ーーそれ、おもしろい……」
涙を拭いながら美花が笑った。
「ありがとうーー」
兵馬は項垂れた。
ごめんね、姉さん。何の力にもなれなくてーー。
僕はただの無力な異世界人だから……。
ベルガモットに頼んで、兵馬はハーベスター公爵家のリーフと面会できるようにしてもらった。
二日後に、会う、との返事がくる。ベルガモットが申し訳なさそうな表情をしていた。
王太子との面会より時間がかかるとはーー、笑える話だ。
「ーーこれはこれはようこそ、なんとお呼びいたそうか……」
上から見下すような目で兵馬を迎え入れる。豪華な椅子から立ちもしないのは予想通りだがーー。
「お忙しい中お時間をいただきありがとうございます」
リーフが公爵の仕事をすべて家令にまかせているのを知っていて、嫌味をかましてみる。
「あの方を後ろに据えて、アジャハンや、ナルディア、オランジー、果てはバッカイアの東の国、来来国にまで手をのばしているそうだな」
「たいした事はありません。あのひとがいるのに、情けない限りです」
リーフの後ろに控えるのがハーベスター家の家令だろうか。肌が白い美しい男性だ。長い灰色の髪の毛、同じ色の冷たい目。執事服を着て微動だにしない姿は、見事としか言えない。
「こちらはハーベスター公爵家のチーズで作ったチーズケーキです。よろしければ……」
兵馬の差しだした箱を、リーフが一瞥する。
「フェレス」
「はい」
家令が箱を受け取り、部屋の隅のゴミ箱に捨てた。
「ーー話は何だ?」
「率直にお伺い致しますが、姉におっしゃった魔法騎士を続ける条件、それなりの結果とは、なんですか?」
リーフが嘲るような表情になる。
「それなりはそれなりだ。そんなくだらない話をしに来たのか」
「ええ。どうせ、嫌がらせをやめて欲しいと言ったところでやめてくれないでしょうから、それだけです」
くくくっ、とリーフが楽しそうに笑う。
「なんの事かな?」
馬鹿にするような空気しか出せない主より、兵馬は隣りの家令が気になって仕方がない。
なんだろうこの人ーー、生気がないーー、フェレス、フェレスーー?
カチッと、兵馬の頭の中でパズルが組み上がるような音がした。
「ーーこれからまたある事業を展開しますが、国のご婦人のために必要な事なので、邪魔はしないようにお願い致します」
「ふんっ、フェレス」
「お時間でございます」
強引に席を追いやろうとする家令の手を、兵馬はわざと触れた。
フェレスが目を細める。
「すみません。椅子が深すぎてーー」
よっこいしょ、と立ちあがる。
「公爵閣下、今日はありがとうございました」
リーフの視線は外を向いていた。
「ーー何か収穫があったのか?」
「ええ」
兵馬の返事にリーフが驚きの目を向ける。
「フェレスさん」
兵馬は家令に話しかけた。
「はい?」
「公爵の死後、よければ僕に仕えてくださいませんか?」
「は?」
「退屈しのぎにはなると思いますよ」
無言のフェレスに軽く頭を下げ、兵馬は分厚い絨毯を歩く。
間違っているかもしれないーー。
だが、予想があたればーー。
「リーフ様の死後など、私もかなりの歳ですので……」
相手にしないような言い方に、兵馬は薄く笑う。
ーーそのとき、死を覚悟をして、兵馬は口を開いた。
「寿命、永遠なのに?」
「なっ!」
リーフが口を押さえた。
フェレスからの圧がきている。
残念ながら、兵馬にはこの殺意のような圧が効かない。だんだんと効かなくなってきているのだ。
「ーーなぜ?」
わかったのか……。
そんな顔のフェレスだ。
「僕は何も知りませんーー。では、公爵閣下、くれぐれもお願いしますね」
リーフが舌打ちした。
ーー僕は、だとーー?
まさか、殿下は知っているのかーーーー。
屋敷をでるときも、フェレスが意味ありげに兵馬を見てきた。視線を気にしないように兵馬は出ていく。
自分にしては早い速度で歩き、ずんずん歩いて、そっと後ろを振り返る。
誰もいなかった。
「はあー、黙ってたほうがよかったかな……」
ほっと息をつく。
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