10 / 235
海水浴に行きましょう。編
第9話 海水浴に行きました。終☆
しおりを挟む
「あー、カレン。聖女様を逃がしましたね!」
「あら、ごめんなさい。クリスくん」
「いやいや、いいんですよ。兄上が捕まえますから」
チョロいなー、王太子殿下。
近衛兵達は笑いを噛み殺した。
「そうだな」
アレクセイは溜め息をついた。
「痴話喧嘩ですか?」
クリステイルが尋ねた。
「あぁ。昨日のことでな……」
その後の行為も、怒りを倍増させることになったのだがーー。
「はははっ。仲が良すぎるのも喧嘩になるんですね」
弟の言葉に、アレクセイは頷いた。
「ああ」
噂で、『公開セックスしたらしい』、と聞いた近衛兵達は、仲が良すぎるどころではないだろう、と笑いをこらえるのに必死だ。
「アレクセイ、クリステイル。こんなところでどうしたのだ?」
二人の父親である国王アダマスが、近衛兵を統括するパボンと歩いてきた。
「カレンと一緒かー」
近衛兵達が一斉に跪いた。
「よい」
アダマスは近衛兵を立たせた。
「はい。御義父様、ごきげんよろしくて?」
「うん。すごくいい」
アダマスは花蓮にめろめろだ。
「セージはどうでしたか?」
クリステイルが苦笑いで尋ねる。
セージは昨日海水浴から帰って来ると、すぐにアジャハンに戻ると言い出した。
今日、アダマスとラズベリーで、あちらの宿舎に送るついでに、観光でもしてきたのだろう。パボンが袋をたくさん下げている。
ラズベリーがいないところを見ると、彼女だけ息子が心配で、どこかのホテルにでも泊まっているのかもしれない。
「すっかり拗ねておる。アレクセイ、本当におまえは大人気ないなぁ。セージの前で公開セックスとはー、何を考えているのだーー」
アダマスの呆れた声に近衛兵達が吹いた。
「父上ー、父上こそ、セージにお酒のこと言ったでしょう?」
「いやいや、あれはだなー。セージにアレクセイの弱点はないかと聞かれてな。弱点は知らないが、お酒だけは絶対に飲ませるな、と言ったんだ」
「まったく、よけいな事をいっちゃってーー」
「すまない、すまない」
アダマスは苦笑した。
「セージが持ち出すとはなー。美味かったか?私の大事なカルヴァドス……」
かなりがっかりした顔で、アダマスは尋ねた。
「美味しかったような気はします」
覚えていませんが。
「うん。おまえはもう絶対に飲むな。そうだ、クリステイル……」
アダマスはクリステイルの耳に口を寄せた。
「どうだった?ルートの反応は?見たんだろ?」
「ーー父上ー……」
クリステイルは力なく、項垂れた。
「兄上に聞こえてますよ」
アレクセイは剣身を軽く持ち上げていた。
「わかった!冗談だ!そりゃ、気にはなっている!おまえがそこまで入れ込んでるんだ!ちょっと、どんな具合かな~と」
アレクセイに足を踏まれ、アダマスは、絶叫した。パボンは頭を抱える。
「もう、殿下ったら……」
「父上ーー……」
お元気で何よりですね、とクリステイルは疲れた顔をした。
「クリスくん、大丈夫?」
「大丈夫ですよー。ねぇ、カレン、次はいつ会えます?」
「明日、ダンスの練習で来るけどー」
「お茶しましょう!」
季節は夏だが、人生は春だ。
クリステイルは春の女神様のような花蓮に、ドキドキしっぱなしであった。
「ここだ!こんな素晴らしい場所があるとは!」
琉生斗はダイアモンド公園内にある小高い丘にあがり、王都を一望できる場所にテントを張った。
ランタンに火をつけ、気分が盛り上がる。
「おっ、月が見えるねぇー。星はまだかいな~♪」
機嫌がなおった琉生斗は、スキレットを取り出し、火の準備をした。
ドボルザークの『家路』をハミングしながら、火を起こす。
兵馬も、東堂も、葛城にしろ町子だって、魔法で、ピット火がでるのになーー。
最近、兵馬は魔法の上達が目覚ましいようだ。先生がアレクセイでよくやってるよな、と琉生斗は感心するーー。絶対に教え方は下手くそだろう。
あまった豚の薄切り肉を塩コショウで炒めて、そこに卵を落とした。ゆっくりと弱火で焼く。
「あー、先にパン焼けばよかったなー」
琉生斗はスキレットを安全なところに置いて、パンをじかに火で炙ってみた。
「あっち!あっついなー!箸があったらなー。火を弱めるのも消えちゃうと嫌だしなー」
もう少し炙ろうと、琉生斗はパンを火の中にーー。
そのとき、風が吹いた。突風が火を連れさり、火はテントにぶつかる。
「あー!」
火がついたテントは、勢いよく燃えだした。
「えー!防火テントって書いてたのに!うわー!どうしよう!水!あー、危ないよな!もう!」
琉生斗は大声をあげた。
「アレクー!助けて!」
瞬間、アレクセイはあらわれ、テントを見て溜め息をつきながら、指を鳴らして火を結界に閉じ込めるように空気を遮断した。
すぐに火は消えた。
「あ、ありがとうー」
視線が泳ぐ。
「危険だな」
「いやー、風が吹いてさー」
「こんな美しい人がここで野宿とはー。危険でしかない」
アレクセイは琉生斗を抱き上げて、荷物ごと離宮に転移した。
「あっ!」
ソファの上に置かれるや、琉生斗は深いキスを受ける。強引に入ってきた舌に、ピクリと身が震えた。
首を振るが、がっちりと押さえ込まれていて、身動きができない。
「ルート……。ルートが足りないー」
アレクセイが、耳元で囁く。
「充分、だろ……」
真っ赤になったまま、琉生斗は目を閉じた。
耳を噛むアレクセイの息が、熱すぎてーー。
「やっぱりこうなるのか!」
翌日、ベッドの上で琉生斗は叫んだ。
「ルート……。もう一回…」
甘えるようにアレクセイに言われた琉生斗は、怒鳴ろうと思っていた牙を抜かれた。
「え、えっとー、あ、ああ、うん」
いいよー。
「けどさ、今日の夜は星がみたいな」
昨日もきっと綺麗だっただろうー。
ロマンチックに、ふたりで星を見ながら散歩したりーー、いいよなー。
「わかった。星が見えるところがいいんだな?」
「いや、わかってねえ。誰が星が見えるところで、したい、って言ってんだよー」
もう、泣くしかない。
「ルートだな」
はいはい、もうしばらくはそれでかまいませんよ。
琉生斗は諦めた。
「あら、ごめんなさい。クリスくん」
「いやいや、いいんですよ。兄上が捕まえますから」
チョロいなー、王太子殿下。
近衛兵達は笑いを噛み殺した。
「そうだな」
アレクセイは溜め息をついた。
「痴話喧嘩ですか?」
クリステイルが尋ねた。
「あぁ。昨日のことでな……」
その後の行為も、怒りを倍増させることになったのだがーー。
「はははっ。仲が良すぎるのも喧嘩になるんですね」
弟の言葉に、アレクセイは頷いた。
「ああ」
噂で、『公開セックスしたらしい』、と聞いた近衛兵達は、仲が良すぎるどころではないだろう、と笑いをこらえるのに必死だ。
「アレクセイ、クリステイル。こんなところでどうしたのだ?」
二人の父親である国王アダマスが、近衛兵を統括するパボンと歩いてきた。
「カレンと一緒かー」
近衛兵達が一斉に跪いた。
「よい」
アダマスは近衛兵を立たせた。
「はい。御義父様、ごきげんよろしくて?」
「うん。すごくいい」
アダマスは花蓮にめろめろだ。
「セージはどうでしたか?」
クリステイルが苦笑いで尋ねる。
セージは昨日海水浴から帰って来ると、すぐにアジャハンに戻ると言い出した。
今日、アダマスとラズベリーで、あちらの宿舎に送るついでに、観光でもしてきたのだろう。パボンが袋をたくさん下げている。
ラズベリーがいないところを見ると、彼女だけ息子が心配で、どこかのホテルにでも泊まっているのかもしれない。
「すっかり拗ねておる。アレクセイ、本当におまえは大人気ないなぁ。セージの前で公開セックスとはー、何を考えているのだーー」
アダマスの呆れた声に近衛兵達が吹いた。
「父上ー、父上こそ、セージにお酒のこと言ったでしょう?」
「いやいや、あれはだなー。セージにアレクセイの弱点はないかと聞かれてな。弱点は知らないが、お酒だけは絶対に飲ませるな、と言ったんだ」
「まったく、よけいな事をいっちゃってーー」
「すまない、すまない」
アダマスは苦笑した。
「セージが持ち出すとはなー。美味かったか?私の大事なカルヴァドス……」
かなりがっかりした顔で、アダマスは尋ねた。
「美味しかったような気はします」
覚えていませんが。
「うん。おまえはもう絶対に飲むな。そうだ、クリステイル……」
アダマスはクリステイルの耳に口を寄せた。
「どうだった?ルートの反応は?見たんだろ?」
「ーー父上ー……」
クリステイルは力なく、項垂れた。
「兄上に聞こえてますよ」
アレクセイは剣身を軽く持ち上げていた。
「わかった!冗談だ!そりゃ、気にはなっている!おまえがそこまで入れ込んでるんだ!ちょっと、どんな具合かな~と」
アレクセイに足を踏まれ、アダマスは、絶叫した。パボンは頭を抱える。
「もう、殿下ったら……」
「父上ーー……」
お元気で何よりですね、とクリステイルは疲れた顔をした。
「クリスくん、大丈夫?」
「大丈夫ですよー。ねぇ、カレン、次はいつ会えます?」
「明日、ダンスの練習で来るけどー」
「お茶しましょう!」
季節は夏だが、人生は春だ。
クリステイルは春の女神様のような花蓮に、ドキドキしっぱなしであった。
「ここだ!こんな素晴らしい場所があるとは!」
琉生斗はダイアモンド公園内にある小高い丘にあがり、王都を一望できる場所にテントを張った。
ランタンに火をつけ、気分が盛り上がる。
「おっ、月が見えるねぇー。星はまだかいな~♪」
機嫌がなおった琉生斗は、スキレットを取り出し、火の準備をした。
ドボルザークの『家路』をハミングしながら、火を起こす。
兵馬も、東堂も、葛城にしろ町子だって、魔法で、ピット火がでるのになーー。
最近、兵馬は魔法の上達が目覚ましいようだ。先生がアレクセイでよくやってるよな、と琉生斗は感心するーー。絶対に教え方は下手くそだろう。
あまった豚の薄切り肉を塩コショウで炒めて、そこに卵を落とした。ゆっくりと弱火で焼く。
「あー、先にパン焼けばよかったなー」
琉生斗はスキレットを安全なところに置いて、パンをじかに火で炙ってみた。
「あっち!あっついなー!箸があったらなー。火を弱めるのも消えちゃうと嫌だしなー」
もう少し炙ろうと、琉生斗はパンを火の中にーー。
そのとき、風が吹いた。突風が火を連れさり、火はテントにぶつかる。
「あー!」
火がついたテントは、勢いよく燃えだした。
「えー!防火テントって書いてたのに!うわー!どうしよう!水!あー、危ないよな!もう!」
琉生斗は大声をあげた。
「アレクー!助けて!」
瞬間、アレクセイはあらわれ、テントを見て溜め息をつきながら、指を鳴らして火を結界に閉じ込めるように空気を遮断した。
すぐに火は消えた。
「あ、ありがとうー」
視線が泳ぐ。
「危険だな」
「いやー、風が吹いてさー」
「こんな美しい人がここで野宿とはー。危険でしかない」
アレクセイは琉生斗を抱き上げて、荷物ごと離宮に転移した。
「あっ!」
ソファの上に置かれるや、琉生斗は深いキスを受ける。強引に入ってきた舌に、ピクリと身が震えた。
首を振るが、がっちりと押さえ込まれていて、身動きができない。
「ルート……。ルートが足りないー」
アレクセイが、耳元で囁く。
「充分、だろ……」
真っ赤になったまま、琉生斗は目を閉じた。
耳を噛むアレクセイの息が、熱すぎてーー。
「やっぱりこうなるのか!」
翌日、ベッドの上で琉生斗は叫んだ。
「ルート……。もう一回…」
甘えるようにアレクセイに言われた琉生斗は、怒鳴ろうと思っていた牙を抜かれた。
「え、えっとー、あ、ああ、うん」
いいよー。
「けどさ、今日の夜は星がみたいな」
昨日もきっと綺麗だっただろうー。
ロマンチックに、ふたりで星を見ながら散歩したりーー、いいよなー。
「わかった。星が見えるところがいいんだな?」
「いや、わかってねえ。誰が星が見えるところで、したい、って言ってんだよー」
もう、泣くしかない。
「ルートだな」
はいはい、もうしばらくはそれでかまいませんよ。
琉生斗は諦めた。
116
お気に入りに追加
76
あなたにおすすめの小説
【完結】ここで会ったが、十年目。
N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化)
我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。
(追記5/14 : お互いぶん回してますね。)
Special thanks
illustration by おのつく 様
X(旧Twitter) @__oc_t
※ご都合主義です。あしからず。
※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。
※◎は視点が変わります。
悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
*
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、自らを反省しました。BLゲームの世界で推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)

繋がれた絆はどこまでも
mahiro
BL
生存率の低いベイリー家。
そんな家に生まれたライトは、次期当主はお前であるのだと父親である国王は言った。
ただし、それは公表せず表では双子の弟であるメイソンが次期当主であるのだと公表するのだという。
当主交代となるそのとき、正式にライトが当主であるのだと公表するのだとか。
それまでは国を離れ、当主となるべく教育を受けてくるようにと指示をされ、国を出ることになったライト。
次期当主が発表される数週間前、ライトはお忍びで国を訪れ、屋敷を訪れた。
そこは昔と大きく異なり、明るく温かな空気が流れていた。
その事に疑問を抱きつつも中へ中へと突き進めば、メイソンと従者であるイザヤが突然抱き合ったのだ。
それを見たライトは、ある決意をし……?

結婚式当日に「ちょっと待った」されたので、転生特典(執事)と旅に出たい
オオトリ
BL
とある教会で、今日一組の若い男女が結婚式を挙げようとしていた。
今、まさに新郎新婦が手を取り合おうとしたその時―――
「ちょっと待ったー!」
乱入者の声が響き渡った。
これは、とある事情で異世界転生した主人公が、結婚式当日に「ちょっと待った」されたので、
白米を求めて 俺TUEEEEせずに、執事TUEEEEな旅に出たい
そんなお話
※主人公は当初女性と婚約しています(タイトルの通り)
※主人公ではない部分で、男女の恋愛がお話に絡んでくることがあります
※BLは読むことも初心者の作者の初作品なので、タグ付けなど必要があれば教えてください
※完結しておりますが、今後番外編及び小話、続編をいずれ追加して参りたいと思っています
※小説家になろうさんでも同時公開中

実はαだった俺、逃げることにした。
るるらら
BL
俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!
実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。
一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!
前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。
!注意!
初のオメガバース作品。
ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。
バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。
!ごめんなさい!
幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に
復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!
僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました
楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。
ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。
喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。
「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」
契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。
エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
エルフの国の取り替えっ子は、運命に気づかない
コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26
BL
エルフの国の王子として生まれたマグノリアンは人間の種族。そんな取り替えっ子の彼は、満月の夜に水の向こうに人間の青年と出会う。満月の夜に会う様になった彼と、何処か満たされないものを感じていたマグノリアンは距離が近づいていく。
エルフの夜歩き(恋の時間※)で一足飛びに大人になるマグノリアンは青年に心を引っ張られつつも、自分の中のエルフの部分に抗えない。そんな矢先に怪我で記憶を一部失ったマグノリアンは青年の事を忘れてしまい、一方で前世の記憶を得てしまった。
18歳になった人間のマグノリアンは、父王の計らいで人間の国へ。青年と再開するも記憶を失ったマグノリアンは彼に気づかない。
人間の国の皇太子だった青年とマグノリアン、そして第二王子や幼馴染のエルフなど、彼らの思惑が入り乱れてマグノリアンの初恋の行方は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる