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ラズベリー様のお茶会編

第64話 ラズベリー様のお茶会 最終話  ーアレクセイ王子のかわいいところー☆

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「失礼致します」
 お茶会に現れた二人の魔法騎士、ルッタマイヤとマリアの姿に、歓声が起こった。
 魔法騎士団の正装である、飾り紐がついた騎士服を着衣している。
 カッコイイーー、と琉生斗は胸がときめいた。
「王妃様、ご招待ありがとうございます。都合がつかず任務中にて、このような姿で申し訳ありません」
「よろしいのよ。来てくださるだけで、嬉しいわ」
「先程、サリイとマリイに会いましたが、どうかしましたか?」
 ラズベリーはちらりと琉生斗を見た。
「いえいえ、たいした事じゃありませんわ」
 ほほほっ、とラズベリーは笑った。
「聖女様、今日は一段と麗しい服装ですわね」
 ルッタマイヤが琉生斗を見て、目を細めた。
「うん。ミハエルじいちゃんが見たら大喜びするな」
 もっと女性らしく、と最近は怒られすぎて嫌になっている。
「殿下も心配なわけですわねーー」
「え?何を心配してんだ。てか仕事ちゃんとしてるか兵馬が心配してたぜー」
 琉生斗の問いに、マリアは首を振る。
「あまりはかどっておられないご様子なので、聖女様を呼びに来ました」 
「あぁ、ごめん。帰って手伝うわ。女子部隊の認可はおりた?」
「ええー。申し訳ありません、姪など役に立ちませんのに」
 いやいや、なかなかだってー。
 琉生斗はアンダーソニーに頼み込んで、魔法騎士団女子部隊を立ち上げてもらった。
 そこに、イリアやヒッタルナといった実力は足らないがやる気のある女子を入隊させる事にした。現魔法騎士でも実力は実践で磨いたほうが早いのは、東堂で立証済みなのだろう。
「本当にありがとうございます!」
「今から楽しみです!」
 イリアとヒッタルナが元気に答えた。



 自分が、いろんな人と繋がっていくのって、すごいなーー。
 琉生斗は思う。




「おい、すごい書類の山だな、なんだこれ?」
 ルッタマイヤ達に離宮前に転移してもらった琉生斗は、執務室の机の上の書類の量に、目を見開いた。
 アレクセイが琉生斗の姿を見て、目を丸くしている。 

 珍しい顔してんなーー。

 主催者側なのに、先引きするというとんでもない嫁だが、ラズベリーは気にする様子もなかった。
「おれでもわかる書類あるか?」
 と尋ねると、そのまま抱き締められてキスをされる。立襟を割るように唇が這っていき、ソファに横たえられ耳元で甘く囁かれる。
「ルートーー」
「あんなー、仕事しろ」
「後でーー」
 おいおい、どうせ着替えるから脱ぐけどよーー。この量、演習までに終わるのかーー。
「綺麗だー。とてもー」
 あらまー、旦那様もこういう格好して欲しいのかよーー。
「まぁ、おまえがいいならいいけどさ」
「ルートは嫌か?」
「嫌ですー」
 はっきり言ってやる。
「おれはそっちじゃないの、おまえだからいいだけ!おまえと別れたら絶対に女と付き合うの!」
「そうか、残念だな」
「何が?」
「そんな日は永久に来ない」
 下は脱がされたのに、上着は着たまま。
 アレクセイは琉生斗の黒いインナーを魔法で外した。
 上着は着たままで前ボタンを外した格好の妻を見て、アレクセイはうっとりとしている。
「ーー変態」
 上目遣いで睨んでやる。
「そうだなー。ずっと見ていていいか?」
「見られるだけなんか、嫌に決まってるだろ?きっちり抱けよ」
「わかっている」

 やれやれ、これで仕事がんばるなら、安いもんだなーー。

 琉生斗はルッタマイヤ達の意図を察した。お茶会が気になって、仕事にならなかったのだろう。

 おれがいじめられるわけないのに、心配性だわなーー。

 もちろんアレクセイはそんな事を心配してはいない。ミントをはじめ令嬢達が、琉生斗に近付かないか気になっただけである。
「あっ、あ、やだ、アレクー、そこー」
「ここ?」
 優しく触られて、喘ぐ。
「最高にいい……」
 深い愛撫に琉生斗は悶え、愛撫を返すようにアレクセイに抱きついた。
 手での快楽を終えると、琉生斗は床に膝をついて、アレクセイのそれを口に含んだ。
 そう、最近の旦那様は、フェラをしないと拗ねるのだ。
 
 本当、お互い遠くまで来ちまったなーー。

 抱きしめられてキスをするのにいっぱいいっぱいだったあの頃から比べると、自分があの頃の自分と同一人物なのか疑いたくなる。

 恥ずかしくないわけがない。

 ただ、アレクセイが喜ぶからするだけだ。自分も気持ちがいいのは、まぁついでみたいなもんだ、と琉生斗は思う。
 
 それにしてもーー。ハーベスター公爵夫人、目も合わせてくれないなんてーー。
 よっぽど怖いのかしらん、聖女様がーー。
 
 琉生斗はにひひっ、と笑った。
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