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交差する、最後の戦い編
230 いざ突入へ
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遥か向こうで、聳え立つのはルミネラ城、その周りに街が連なり、高い外壁がそれらを包んでいる。全て、オレンジ色に輝いている。それらが闇に包まれた時、響き渡るのは悲鳴か勝鬨か。私が覚悟を決めたその時、本部から通信が入った。
『ちょっとクラース、先程の発言は一体なんだったのかしら、説明しなさい!昨日の夜、私に言ってくれたのは何だったの?安心しろ、楽勝だ?何が良くて相殺よ!私に嘘をついたっていうの?クラース!』
ケイト先生の怒号だった。勿論ケイト先生もジェーン達のいる本部で待機しているので、先ほどの映像を見ていたに違いない。確かに嘘はよくないよクラースさん……しかし彼自身もそう思っているようで、あからさまにテンションが下がっている。
「そ、それはすまなかった。でもどうして今の会話を?」
『あなたね、キリーにカメラが付けられていると、LOZの訓練施設で説明を受けたでしょう?全く、機械の話題になると、すぐに意識を違う方に持っていってしまうんだから、いくら機械が苦手だからって、逃げてばかりだから、こういうことになるのよ!アリスにだって、濡れた靴下をピンチハンガーで干してるって、奇妙に思われてるじゃないの!』
『姉さん、落ち着いてよ!クラースさん、別にいいからね!』
そんな事があったんだ……私は、極めて冷静に笑いを堪えた。あくびをふりをしてね。だって隣の人、肩を窄めて、しょんぼりしている。これから大事な戦だというのに。騎士団長の経験を持ってしても、この状態の兵士にかける言葉が見つからない。私の力不足が悔やまれるところだ。
「そ、それはすまなかった、ケイト……。」
『すまなかったじゃないわよ!何が、君には嘘をつかない、俺は公明正大、ただ君を愛している男だ、なのよ!嘘ついてるじゃないの!』
本当に、かける言葉が見つからない。クラースさんはその場で何度も頭を下げて、「ごめん、ごめん」と繰り返している。するとジェーンの声が聞こえた。
『ケイト、落ち着きなさい。彼がこれ以上動揺してしまっては、前線の士気に影響しかねます。あなたのお気持ちはお察ししますが、どうか……。』
『ジェーン!あなたもなのよ?あなたもキリーに、無事に帰るから大丈夫だと、嘘をつかれていたのよ!?そうでしょう!?』
ケイト先生らしくない、あんなに怒っちゃって。それほどクラースさんのことが好きなのだろう。
そして私の隣にいる彼は、ペコペコしすぎて前のめりになり、もう既におでこを地面につけて謝り続けている。私がその姿を見ちゃっているので、放送されて本部でも確認出来ているはずだ……でも見ちゃう。ごめんねクラースさん。
『いえ、』ジェーンだ。『無事に帰ることは難しい、それでも彼女は絶対に私のもとへ帰ってくると宣言してくださいましたから、私はご心配には及びませんよ。』
うああ、フォローになってないよジェーン。
『えっ!?ちょっとクラース!何故私にはそう言ってくれなかったのよ!あなたの覚悟は、それっぽっちなの!?クラアアアアス!』
「ご、ごめんなさい、ケイト……。」
見たことないくらいに、彼はシュンとしている。それも、でっかいダンゴムシになりながら。
辺りを見ると、ゲイルとオーウェン、その他の兵士達が必死に笑いを堪えていた。戦前のいいほぐしにはなったのかもしれない。なんて、ダメか。
『もういいわ。はあ。キリーとハイタッチなんかして、弱気になっている場合なのかしら?無事に帰ったとしても、もう知りません!』
「は、はい。ケイト、本当にすまなかった……絶対に帰るから……許して……。」
クラースさんが明らかに別人のように衰弱し始めたところで、通信は切れた。クラースさんはまだ、おでこを地面につけて、じっとしている。私はやはり、励まそうとする気持ちを、言葉に出来なかった。
そして、その時は、訪れた。ジェーンの声がスピーカーから聞こえた。
『帝国研究所のシステムをハッキングしました。新光騎士団の位置情報を入手済みです。それらは全て、LOZポータルにリンクしてありますから、進軍する際は、ご確認を願います。彼らは我々の侵略に気付いており、南門周辺に重きを置いております。そうですね、攻めるなら、今でしょう。』
私は勢いよく立ち上がり、叫んだ。
「よし!今だ!東西の軍は、電磁パルスを放て!」
「オオッ!」
すると、待機していた兵達が電磁パルスの発射ボタンを押した。キィーンと、少しの間エネルギーを溜める音がして、それから凄まじい放出力の電磁塊が、門の隣に付いている自警システムに向かって、重々しく飛んで行った。
それはシステムに命中した。城壁の周りから砂埃が舞っている。それらが風で消えると、電磁波がまだ放出をしているのが見えた。しかし、自警システムはもうぐったりと、首が取れていた。ダウンしたようだ。
私と皆は、急いでブレイブホースに飛び乗った。クラースさんとゲイルは、装甲付きの輸送車に乗った。この輸送車の前方には、大型のドリルが付いている。それで門を破壊するのだ。
輸送車はモーター音をまき散らして、ルミネラ平原を突っ走った。私やオーウェンもブレイブホースでそれを追っていく。遠くの方で日が落ち始めて、暗闇が迫っている。しかし、晴れたいい夜になりそうだと感じた。
私はブレイブホースの速度を上げ、そして私の部隊に聞いた。
「みんな、付いて来ていますか?」
「はっ!ギルバート騎士団長!」
振り返れば、そこには偶然、私が師団を束ねていた頃の兵達が、そっくりそのまま存在した。皆、それを理解していたようで、騎士のポーズをするものもいた。私の隣には、あの時と同じように、オーウェンがいる。皆は笑顔だった。私だって、嬉しくなった。
『よし今だ!ミラー夫人のブースターを発射しろ!いけえええええ!』
クラースさんの叫ぶ声が、通信から聞こえた。
クラースさんの運転する装甲車は、門に突き刺さった。しかし、他の装甲車も門にドリルをぶつけ、更に背後のドリルなしの装甲車が、ドリル付き装甲車の背中をぐいぐい押すと、門に大きくヒビが入って、荘厳な彫刻の入った歴史遺産が、ボロンと崩れ去った。
中には懐かしい、住宅街の光景が広がっていた。煉瓦畳みの道路だが、特殊なコンクリート性のレンガで、極めて丈夫に出来ていると、いつか聞いたことを思い出した。
街頭や街の明かりはもう付いていて、通行人は驚いて尻餅をついている人もいて、ベランダからは何事かとこちらを見ている人ばかりだった。この住宅の多い場所で、荒々しく行動したくない。私は叫んだ。
「我らはLOZキルディア隊だ!暫し、この地を拝借する!住人の皆様は、どうか建物の中へ!オーウェン、続け!」
「はっ!」
装甲車は道路を通って、ルミネラ城方面へ向かった。私達は南下する為に、脇道へ入った。この辺りは通り以外は、狭く入り組んだ路地だが、ブレイブホースをうまく捌いて、何とか進んだ。その間にも、私はずっと叫び続けた。
「建物の中へ!建物の中へ!」
住人達は、驚きながらも家の中へと逃げていく。私の姿を見た人の中には、気のせいだろうか、笑顔になっている人がいた。
建物の曲がり角で、偶然、新光騎士団のブレイブホースとぶつかりそうになったが、私はこれを飛んで避けた。すると騎士達が驚いて怯み、バランスを崩して落馬してくれたおかげで、後続の兵達がぶつからずに済んだ。
「何故こんなところにLOZが!?やはり先程の爆音は貴様らか!待て!」
「待たぬ!」
私は速度を上げて、ブレイブホースで階段を飛び越えた。その時に、ヴァルガから通信が入った。
『東門も破壊成功!俺たちは今から城下に突入する!行くぞっ!』
するとジェーンが反応した。
『了解しました。順調です。』
はあ、その声を聞いただけで元気になれる。それは私にとって、極めておかしいことだが、ありがたいことには変わりなかった。公園前で、オーウェンや後続の部隊と分岐する為に、私は手で合図をした。するとオーウェンは頷いた。
「了解しました!皆の者、これ以降は私に続け!騎士たちを引き付けるのだ!」
「はっ!」
オーウェン達と別れてからすぐに、背後に新光騎士団のブレイブホースの駆ける音が聞こえた。もう少しで収容施設だ。そしてそこへは、迂回するなだらかなルートか、もしくは階段をかなり下まで一気に降りていく近道がある。私は一瞬迷ったが、階段を選んだ。
「いけっ!」
「な、何!?うわ、階段だ!止まれ止まれ!迂回するぞっ!」
後ろの騎士達はついて来られなかったようだ。私は階段の手すりを、ブレイブホースの前足だけで、タトンタトンと音を立てながら渡り切ると、そのまま着地して、予定通りに施設まで向かった。
途中、騎士の姿をした人間が剣を片手に立っていたが、私にかかって来ようとはしなかった。戦に慣れていない、まだ新人なのかと思った。そんな人間を切る趣味はない。
『全く、あなたはサーカスにでも行ったらどうでしょうか。』
ジェーンの声が聞こえた。何その皮肉、ちょっと笑いつつ、答えた。
「ふふ、騎士は帝都で真価を発揮するものです。」
わざとドヤ顔でそう言って、ブレイブホースで裏路地を通って、収容施設まで向かった。
『ちょっとクラース、先程の発言は一体なんだったのかしら、説明しなさい!昨日の夜、私に言ってくれたのは何だったの?安心しろ、楽勝だ?何が良くて相殺よ!私に嘘をついたっていうの?クラース!』
ケイト先生の怒号だった。勿論ケイト先生もジェーン達のいる本部で待機しているので、先ほどの映像を見ていたに違いない。確かに嘘はよくないよクラースさん……しかし彼自身もそう思っているようで、あからさまにテンションが下がっている。
「そ、それはすまなかった。でもどうして今の会話を?」
『あなたね、キリーにカメラが付けられていると、LOZの訓練施設で説明を受けたでしょう?全く、機械の話題になると、すぐに意識を違う方に持っていってしまうんだから、いくら機械が苦手だからって、逃げてばかりだから、こういうことになるのよ!アリスにだって、濡れた靴下をピンチハンガーで干してるって、奇妙に思われてるじゃないの!』
『姉さん、落ち着いてよ!クラースさん、別にいいからね!』
そんな事があったんだ……私は、極めて冷静に笑いを堪えた。あくびをふりをしてね。だって隣の人、肩を窄めて、しょんぼりしている。これから大事な戦だというのに。騎士団長の経験を持ってしても、この状態の兵士にかける言葉が見つからない。私の力不足が悔やまれるところだ。
「そ、それはすまなかった、ケイト……。」
『すまなかったじゃないわよ!何が、君には嘘をつかない、俺は公明正大、ただ君を愛している男だ、なのよ!嘘ついてるじゃないの!』
本当に、かける言葉が見つからない。クラースさんはその場で何度も頭を下げて、「ごめん、ごめん」と繰り返している。するとジェーンの声が聞こえた。
『ケイト、落ち着きなさい。彼がこれ以上動揺してしまっては、前線の士気に影響しかねます。あなたのお気持ちはお察ししますが、どうか……。』
『ジェーン!あなたもなのよ?あなたもキリーに、無事に帰るから大丈夫だと、嘘をつかれていたのよ!?そうでしょう!?』
ケイト先生らしくない、あんなに怒っちゃって。それほどクラースさんのことが好きなのだろう。
そして私の隣にいる彼は、ペコペコしすぎて前のめりになり、もう既におでこを地面につけて謝り続けている。私がその姿を見ちゃっているので、放送されて本部でも確認出来ているはずだ……でも見ちゃう。ごめんねクラースさん。
『いえ、』ジェーンだ。『無事に帰ることは難しい、それでも彼女は絶対に私のもとへ帰ってくると宣言してくださいましたから、私はご心配には及びませんよ。』
うああ、フォローになってないよジェーン。
『えっ!?ちょっとクラース!何故私にはそう言ってくれなかったのよ!あなたの覚悟は、それっぽっちなの!?クラアアアアス!』
「ご、ごめんなさい、ケイト……。」
見たことないくらいに、彼はシュンとしている。それも、でっかいダンゴムシになりながら。
辺りを見ると、ゲイルとオーウェン、その他の兵士達が必死に笑いを堪えていた。戦前のいいほぐしにはなったのかもしれない。なんて、ダメか。
『もういいわ。はあ。キリーとハイタッチなんかして、弱気になっている場合なのかしら?無事に帰ったとしても、もう知りません!』
「は、はい。ケイト、本当にすまなかった……絶対に帰るから……許して……。」
クラースさんが明らかに別人のように衰弱し始めたところで、通信は切れた。クラースさんはまだ、おでこを地面につけて、じっとしている。私はやはり、励まそうとする気持ちを、言葉に出来なかった。
そして、その時は、訪れた。ジェーンの声がスピーカーから聞こえた。
『帝国研究所のシステムをハッキングしました。新光騎士団の位置情報を入手済みです。それらは全て、LOZポータルにリンクしてありますから、進軍する際は、ご確認を願います。彼らは我々の侵略に気付いており、南門周辺に重きを置いております。そうですね、攻めるなら、今でしょう。』
私は勢いよく立ち上がり、叫んだ。
「よし!今だ!東西の軍は、電磁パルスを放て!」
「オオッ!」
すると、待機していた兵達が電磁パルスの発射ボタンを押した。キィーンと、少しの間エネルギーを溜める音がして、それから凄まじい放出力の電磁塊が、門の隣に付いている自警システムに向かって、重々しく飛んで行った。
それはシステムに命中した。城壁の周りから砂埃が舞っている。それらが風で消えると、電磁波がまだ放出をしているのが見えた。しかし、自警システムはもうぐったりと、首が取れていた。ダウンしたようだ。
私と皆は、急いでブレイブホースに飛び乗った。クラースさんとゲイルは、装甲付きの輸送車に乗った。この輸送車の前方には、大型のドリルが付いている。それで門を破壊するのだ。
輸送車はモーター音をまき散らして、ルミネラ平原を突っ走った。私やオーウェンもブレイブホースでそれを追っていく。遠くの方で日が落ち始めて、暗闇が迫っている。しかし、晴れたいい夜になりそうだと感じた。
私はブレイブホースの速度を上げ、そして私の部隊に聞いた。
「みんな、付いて来ていますか?」
「はっ!ギルバート騎士団長!」
振り返れば、そこには偶然、私が師団を束ねていた頃の兵達が、そっくりそのまま存在した。皆、それを理解していたようで、騎士のポーズをするものもいた。私の隣には、あの時と同じように、オーウェンがいる。皆は笑顔だった。私だって、嬉しくなった。
『よし今だ!ミラー夫人のブースターを発射しろ!いけえええええ!』
クラースさんの叫ぶ声が、通信から聞こえた。
クラースさんの運転する装甲車は、門に突き刺さった。しかし、他の装甲車も門にドリルをぶつけ、更に背後のドリルなしの装甲車が、ドリル付き装甲車の背中をぐいぐい押すと、門に大きくヒビが入って、荘厳な彫刻の入った歴史遺産が、ボロンと崩れ去った。
中には懐かしい、住宅街の光景が広がっていた。煉瓦畳みの道路だが、特殊なコンクリート性のレンガで、極めて丈夫に出来ていると、いつか聞いたことを思い出した。
街頭や街の明かりはもう付いていて、通行人は驚いて尻餅をついている人もいて、ベランダからは何事かとこちらを見ている人ばかりだった。この住宅の多い場所で、荒々しく行動したくない。私は叫んだ。
「我らはLOZキルディア隊だ!暫し、この地を拝借する!住人の皆様は、どうか建物の中へ!オーウェン、続け!」
「はっ!」
装甲車は道路を通って、ルミネラ城方面へ向かった。私達は南下する為に、脇道へ入った。この辺りは通り以外は、狭く入り組んだ路地だが、ブレイブホースをうまく捌いて、何とか進んだ。その間にも、私はずっと叫び続けた。
「建物の中へ!建物の中へ!」
住人達は、驚きながらも家の中へと逃げていく。私の姿を見た人の中には、気のせいだろうか、笑顔になっている人がいた。
建物の曲がり角で、偶然、新光騎士団のブレイブホースとぶつかりそうになったが、私はこれを飛んで避けた。すると騎士達が驚いて怯み、バランスを崩して落馬してくれたおかげで、後続の兵達がぶつからずに済んだ。
「何故こんなところにLOZが!?やはり先程の爆音は貴様らか!待て!」
「待たぬ!」
私は速度を上げて、ブレイブホースで階段を飛び越えた。その時に、ヴァルガから通信が入った。
『東門も破壊成功!俺たちは今から城下に突入する!行くぞっ!』
するとジェーンが反応した。
『了解しました。順調です。』
はあ、その声を聞いただけで元気になれる。それは私にとって、極めておかしいことだが、ありがたいことには変わりなかった。公園前で、オーウェンや後続の部隊と分岐する為に、私は手で合図をした。するとオーウェンは頷いた。
「了解しました!皆の者、これ以降は私に続け!騎士たちを引き付けるのだ!」
「はっ!」
オーウェン達と別れてからすぐに、背後に新光騎士団のブレイブホースの駆ける音が聞こえた。もう少しで収容施設だ。そしてそこへは、迂回するなだらかなルートか、もしくは階段をかなり下まで一気に降りていく近道がある。私は一瞬迷ったが、階段を選んだ。
「いけっ!」
「な、何!?うわ、階段だ!止まれ止まれ!迂回するぞっ!」
後ろの騎士達はついて来られなかったようだ。私は階段の手すりを、ブレイブホースの前足だけで、タトンタトンと音を立てながら渡り切ると、そのまま着地して、予定通りに施設まで向かった。
途中、騎士の姿をした人間が剣を片手に立っていたが、私にかかって来ようとはしなかった。戦に慣れていない、まだ新人なのかと思った。そんな人間を切る趣味はない。
『全く、あなたはサーカスにでも行ったらどうでしょうか。』
ジェーンの声が聞こえた。何その皮肉、ちょっと笑いつつ、答えた。
「ふふ、騎士は帝都で真価を発揮するものです。」
わざとドヤ顔でそう言って、ブレイブホースで裏路地を通って、収容施設まで向かった。
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