182 / 253
救え!夜明けの炎と光編
182 ヴィノクール湖のほとり
しおりを挟む
ユークアイランドから何日もかけて航海をし、タマラに到着し、そこからはブレイブホースを使って、水の都ヴィノクールへ赴いた。LOZの兵達は各地で次々に合流していき、ヴィノクール湖に着く頃には、大軍へと変貌を遂げた。
湖に着いた頃には、夜更けに近く、その日はそこで晩を明かすことに決めた。遠距離の移動で疲労も溜まっており、兵も、私も、まだ傷の残るキルディアも、休む必要があった。
LOZの本隊は明朝、このヴィノクール湖に繋がっている、ナディア川の上流に進み、ルミネラ山道とハウリバー山道の分岐点となる、キャンプ場に陣を置く予定だ。そこが私とマクレガーが待機する本陣になる。
そのキャンプ場から二手に分かれる山道を上がれば、途中で山道が合流する地点があり、それから上はイスレ山道に名前が変わる。そして更に、イスレ山道を登っていくと、イスレ山休憩地点の近くに、収容施設がある。狙いは其処だ。
早速今夜は、久々に目前に収めることの出来た、雄大な湖のそばで、我々はテントを張り、宿の支度を進めていた。途中からヴィノクールの民が手を貸してくれ、更にはご好意で海鮮料理をご馳走してくれた。折角用意してくれたものを、私は大きな岩に座りながら、美味しく頂いた。
食事の際、兵達は戦いを前にしているにも関わらず、楽しげな様子で語らいでいた。酒こそはやはり無いが、それだけ互いを信頼しているのだろう、いい雰囲気だ。その良い雰囲気は、士気の上昇に繋がるだろう。しかし私の心は、鬱々としていた。
原因はキルディアである。あの夜、何たる光栄な事か、私は彼女から口付けを与えられた。その後、彼女はすぐに眠ってしまい、確かに、ケイトから聞いていた事を思い出した。彼女は痛み止めを飲んでいて、その中に睡眠薬の成分も入っていたのだ。それできっと彼女は、すぐに眠ってしまった。
浮かれ気分の私は、眠る彼女に何度も口付けをした。其処でやめておけばいいものを、猛る我が身に逆らえず、何度も何度も、口づけをしているうちに、彼女の上に覆いかぶさる形になった。すると彼女は目を覚まし、私が口づけをしているのを知ると、
「過ちだと、話したはずだ。」と、言った。私は、
「あなたが、大好きです。」と、答えた。
するとキルディアは目を閉じて、「寝ている間はやめにょにょ」と、最後の方は寝ぼけながら言い、私のことを裏拳でぐいと推して、ベッドの端へと追いやり、私に背を向けて眠ってしまった。
その時の私は、ニヒルな笑みを浮かべた。そんなことを言いながらも、きっと彼女は私に、私と同じ気持ちを抱いているに違いないと、確信出来たからだ。これほど奇跡を感じる想いを得られるとは、この人生、素晴らしいものだと感じた。
しかしその翌日、朝起きると其処には彼女の姿は無く、私は彼女を探した。彼女は中庭で、素振りの鍛錬をしていた。微笑み、「おはようございます」と声を掛けると、彼女は無感情のまま「おはよう、では、診察を受けてくる。今日の予定はそれから聞かせてください。」と、他人行儀のように、よそよそしく返事したのだ。
昨晩のあの出来事は、夢であるはずがない。私は彼女の腕を掴んで、その真相を確かめようとしたが、動きを読まれてしまい、彼女に避けられてしまった。それから彼女は、私に対して、今までで一番、冷たくなった。
出航の日、私は彼女と違う船に乗せられた。エストリーの人間に聞けば、彼女の意志らしい。クラースに「何かあったのか?」と聞かれたが、私だって彼女に同じ質問をしたい。どうして私を避けるのか?
シロープ島では、一度も彼女に出会すことが出来なかった。此処にいるのに、どこにも彼女はいない。クラースもケイトも一緒に探してくれたが、彼女を見つけることは出来なかった。坂上の広場にある、展望所から、淡い灯で包まれる、空想的で甘美な夜の街並みを、私は一人でずっと眺めていた。
これほど、寂しさを感じた事はない。私の胸に、直視したくない不安要素が生まれた。それは、もしかしたら彼女は、私を嫌ったのではないか、という、仮説だった。それを検証する勇気は、私には無かった。
物悲しい夜景を胸に、私はユーク製のクルーズ船の船長室で、イスレ山の作戦を入念に考えていた。ユークを出てから、キルディアとは作戦会議や業務の会話はするものの、それ以外の、プライベートでは一切私に関わらなくなった。船がタマラに着けば、あとはブレイブホース。ならばその機械馬には彼女と一緒に乗りたかった。
やはり、それは叶わなかった。彼女は先頭を切って、私が探している間に、既に出発してしまったのだ。そうまで避けるとは、如何なものか。私は、ブレイブホースをクラースに運転させて、彼女にメールをした。「最近冷たいですね。」と、正直に伝える内容だった。
数分後送られてきた、待望の返事は「これぐらいが丁度いいのです。」という、気の重くなる内容だった。私はクラースの背中を、八つ当たりで軽く殴った。彼は「俺に当たるな」と呻いた。あの仮説が、更に現実味を帯びてきてしまった。
私はその後、クラースに何を言われても黙った。私が話をしたいのは、キルディアなのだ。どうしてクラースと話さなければならない?友人の存在は有り難いが、今、私の心の隙間を埋めてくれるのは、彼女だけだ。彼女の声が聞きたかった。もう一度、キスをしたい。
「今回の戦は、派手にやっちまいましょう!」「ジェーン様、俺らが着いていますって!何でも指示くださいね!」私に声を掛けてくれる兵達は皆、元気だ。私は彼らの気持ちを落とさないように、「ええ!頼りにしております!」と、芝居をするが、もう限界だった。
料理を食べ終わり、私は食器を持って、テントとテントの間を彷徨っていると、通りがかりの女性の兵士が、「ああジェーン様、それは私が持っていきます。」と、私の食器を持っていってくれた。私は彼女にお礼を言った。
探しても、どうせ逃げるなら、無駄足か。そうは思いつつも、私はキルディアの姿を探した。位置情報は、あの情熱的な夜の翌日から、彼女のものは確認出来なくなった。私を許可から外すとは、まあ頑張ればこちらから内緒で再接続出来るのだが、それで探し当てても、虚しいだけなので、しなかった。もう一度、彼女の手で許可を与えて欲しい。
意識を遣りながら、あたりを見回して散策していると、湖畔のテントの側、松明が立てられている箇所の傍に、黒く染まる湖を見つめて立っているクラースと、その隣には、キルディアの後ろ姿があった。
二人とも、上半身はLOZのコートを脱いで、黒いTシャツ姿で、下半身はLOZの制服だった。クラース、見つけたなら教えてくれても良かったではないか。私はひっそりと彼らに近付いた。すると、会話が聞こえた。
「キリー、明日から別行動だな。お前は援軍を迎えに行くんだろう?」
「うん、そうだね。ウォッフォン大量に持って、あの地へ行く。クラースさんも、前線で戦うんだから、気を付けてね。ふふ。」
彼女は、はにかんだような笑い方をした。今すぐにクラースの背中を突き飛ばして、湖に沈めたくなった。さすれば優秀な戦力を失うので、何とか思い止まった。
するとキルディアは、自分のTシャツをめくり、お腹を出して、その古傷をナイトアームの手で掻き始めた。人前でお腹を出すなんてと、私は飛び出しそうになったが、次にクラースまで彼のTシャツをめくって、同じ動作をし始めた。急に二人は何をしているんだと、私は首を傾げた。
「何だろうな、はは」クラースが笑った。「今日は痒いな。お前もか?」
「やっぱり?」キルディアも笑った。「私も痒いの……明日、もしかして雨なのかな?」
クラースがウォッフォンの天気予報欄を見て、言った。
「明日の予報は一応晴れだが、これも当てにならん時があるからな。しかし、こんなに痒いんだ、きっと明日は土砂降りだぞ。」
土砂降りですか。予報では明日は快晴ですが。と、私は少々苛つきながら、自身が割り込む機会を伺った。するとキルディアが天を見つめた。
「私も明日か明後日は土砂降りだと思うな……それにしても痒すぎる。軟膏塗ったほうがいいのかな。」
もう耐えられない。軟膏がどうとか、聞いておられん。私はテントの影から飛び出して、二人に近づきながら声を掛けた。
湖に着いた頃には、夜更けに近く、その日はそこで晩を明かすことに決めた。遠距離の移動で疲労も溜まっており、兵も、私も、まだ傷の残るキルディアも、休む必要があった。
LOZの本隊は明朝、このヴィノクール湖に繋がっている、ナディア川の上流に進み、ルミネラ山道とハウリバー山道の分岐点となる、キャンプ場に陣を置く予定だ。そこが私とマクレガーが待機する本陣になる。
そのキャンプ場から二手に分かれる山道を上がれば、途中で山道が合流する地点があり、それから上はイスレ山道に名前が変わる。そして更に、イスレ山道を登っていくと、イスレ山休憩地点の近くに、収容施設がある。狙いは其処だ。
早速今夜は、久々に目前に収めることの出来た、雄大な湖のそばで、我々はテントを張り、宿の支度を進めていた。途中からヴィノクールの民が手を貸してくれ、更にはご好意で海鮮料理をご馳走してくれた。折角用意してくれたものを、私は大きな岩に座りながら、美味しく頂いた。
食事の際、兵達は戦いを前にしているにも関わらず、楽しげな様子で語らいでいた。酒こそはやはり無いが、それだけ互いを信頼しているのだろう、いい雰囲気だ。その良い雰囲気は、士気の上昇に繋がるだろう。しかし私の心は、鬱々としていた。
原因はキルディアである。あの夜、何たる光栄な事か、私は彼女から口付けを与えられた。その後、彼女はすぐに眠ってしまい、確かに、ケイトから聞いていた事を思い出した。彼女は痛み止めを飲んでいて、その中に睡眠薬の成分も入っていたのだ。それできっと彼女は、すぐに眠ってしまった。
浮かれ気分の私は、眠る彼女に何度も口付けをした。其処でやめておけばいいものを、猛る我が身に逆らえず、何度も何度も、口づけをしているうちに、彼女の上に覆いかぶさる形になった。すると彼女は目を覚まし、私が口づけをしているのを知ると、
「過ちだと、話したはずだ。」と、言った。私は、
「あなたが、大好きです。」と、答えた。
するとキルディアは目を閉じて、「寝ている間はやめにょにょ」と、最後の方は寝ぼけながら言い、私のことを裏拳でぐいと推して、ベッドの端へと追いやり、私に背を向けて眠ってしまった。
その時の私は、ニヒルな笑みを浮かべた。そんなことを言いながらも、きっと彼女は私に、私と同じ気持ちを抱いているに違いないと、確信出来たからだ。これほど奇跡を感じる想いを得られるとは、この人生、素晴らしいものだと感じた。
しかしその翌日、朝起きると其処には彼女の姿は無く、私は彼女を探した。彼女は中庭で、素振りの鍛錬をしていた。微笑み、「おはようございます」と声を掛けると、彼女は無感情のまま「おはよう、では、診察を受けてくる。今日の予定はそれから聞かせてください。」と、他人行儀のように、よそよそしく返事したのだ。
昨晩のあの出来事は、夢であるはずがない。私は彼女の腕を掴んで、その真相を確かめようとしたが、動きを読まれてしまい、彼女に避けられてしまった。それから彼女は、私に対して、今までで一番、冷たくなった。
出航の日、私は彼女と違う船に乗せられた。エストリーの人間に聞けば、彼女の意志らしい。クラースに「何かあったのか?」と聞かれたが、私だって彼女に同じ質問をしたい。どうして私を避けるのか?
シロープ島では、一度も彼女に出会すことが出来なかった。此処にいるのに、どこにも彼女はいない。クラースもケイトも一緒に探してくれたが、彼女を見つけることは出来なかった。坂上の広場にある、展望所から、淡い灯で包まれる、空想的で甘美な夜の街並みを、私は一人でずっと眺めていた。
これほど、寂しさを感じた事はない。私の胸に、直視したくない不安要素が生まれた。それは、もしかしたら彼女は、私を嫌ったのではないか、という、仮説だった。それを検証する勇気は、私には無かった。
物悲しい夜景を胸に、私はユーク製のクルーズ船の船長室で、イスレ山の作戦を入念に考えていた。ユークを出てから、キルディアとは作戦会議や業務の会話はするものの、それ以外の、プライベートでは一切私に関わらなくなった。船がタマラに着けば、あとはブレイブホース。ならばその機械馬には彼女と一緒に乗りたかった。
やはり、それは叶わなかった。彼女は先頭を切って、私が探している間に、既に出発してしまったのだ。そうまで避けるとは、如何なものか。私は、ブレイブホースをクラースに運転させて、彼女にメールをした。「最近冷たいですね。」と、正直に伝える内容だった。
数分後送られてきた、待望の返事は「これぐらいが丁度いいのです。」という、気の重くなる内容だった。私はクラースの背中を、八つ当たりで軽く殴った。彼は「俺に当たるな」と呻いた。あの仮説が、更に現実味を帯びてきてしまった。
私はその後、クラースに何を言われても黙った。私が話をしたいのは、キルディアなのだ。どうしてクラースと話さなければならない?友人の存在は有り難いが、今、私の心の隙間を埋めてくれるのは、彼女だけだ。彼女の声が聞きたかった。もう一度、キスをしたい。
「今回の戦は、派手にやっちまいましょう!」「ジェーン様、俺らが着いていますって!何でも指示くださいね!」私に声を掛けてくれる兵達は皆、元気だ。私は彼らの気持ちを落とさないように、「ええ!頼りにしております!」と、芝居をするが、もう限界だった。
料理を食べ終わり、私は食器を持って、テントとテントの間を彷徨っていると、通りがかりの女性の兵士が、「ああジェーン様、それは私が持っていきます。」と、私の食器を持っていってくれた。私は彼女にお礼を言った。
探しても、どうせ逃げるなら、無駄足か。そうは思いつつも、私はキルディアの姿を探した。位置情報は、あの情熱的な夜の翌日から、彼女のものは確認出来なくなった。私を許可から外すとは、まあ頑張ればこちらから内緒で再接続出来るのだが、それで探し当てても、虚しいだけなので、しなかった。もう一度、彼女の手で許可を与えて欲しい。
意識を遣りながら、あたりを見回して散策していると、湖畔のテントの側、松明が立てられている箇所の傍に、黒く染まる湖を見つめて立っているクラースと、その隣には、キルディアの後ろ姿があった。
二人とも、上半身はLOZのコートを脱いで、黒いTシャツ姿で、下半身はLOZの制服だった。クラース、見つけたなら教えてくれても良かったではないか。私はひっそりと彼らに近付いた。すると、会話が聞こえた。
「キリー、明日から別行動だな。お前は援軍を迎えに行くんだろう?」
「うん、そうだね。ウォッフォン大量に持って、あの地へ行く。クラースさんも、前線で戦うんだから、気を付けてね。ふふ。」
彼女は、はにかんだような笑い方をした。今すぐにクラースの背中を突き飛ばして、湖に沈めたくなった。さすれば優秀な戦力を失うので、何とか思い止まった。
するとキルディアは、自分のTシャツをめくり、お腹を出して、その古傷をナイトアームの手で掻き始めた。人前でお腹を出すなんてと、私は飛び出しそうになったが、次にクラースまで彼のTシャツをめくって、同じ動作をし始めた。急に二人は何をしているんだと、私は首を傾げた。
「何だろうな、はは」クラースが笑った。「今日は痒いな。お前もか?」
「やっぱり?」キルディアも笑った。「私も痒いの……明日、もしかして雨なのかな?」
クラースがウォッフォンの天気予報欄を見て、言った。
「明日の予報は一応晴れだが、これも当てにならん時があるからな。しかし、こんなに痒いんだ、きっと明日は土砂降りだぞ。」
土砂降りですか。予報では明日は快晴ですが。と、私は少々苛つきながら、自身が割り込む機会を伺った。するとキルディアが天を見つめた。
「私も明日か明後日は土砂降りだと思うな……それにしても痒すぎる。軟膏塗ったほうがいいのかな。」
もう耐えられない。軟膏がどうとか、聞いておられん。私はテントの影から飛び出して、二人に近づきながら声を掛けた。
0
お気に入りに追加
62
あなたにおすすめの小説



家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
【完結】「幼馴染が皇子様になって迎えに来てくれた」
まほりろ
恋愛
腹違いの妹を長年に渡りいじめていた罪に問われた私は、第一王子に婚約破棄され、侯爵令嬢の身分を剥奪され、塔の最上階に閉じ込められていた。
私が腹違いの妹のマダリンをいじめたという事実はない。
私が断罪され兵士に取り押さえられたときマダリンは、第一王子のワルデマー殿下に抱きしめられにやにやと笑っていた。
私は妹にはめられたのだ。
牢屋の中で絶望していた私の前に現れたのは、幼い頃私に使えていた執事見習いのレイだった。
「迎えに来ましたよ、メリセントお嬢様」
そう言って、彼はニッコリとほほ笑んだ
※他のサイトにも投稿してます。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。

【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます
修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。
その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。
彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。
ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。
一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。
必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。
なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ──
そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。
これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。
※小説家になろうが先行公開です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる