173 / 253
囚われのパリピ編
173 ラブ博士の提案
しおりを挟む
私は兎に角、皆に聞いた。
「じゃあどうする。リン達を助けに行くLOZの人数を減らし、この地に待機させる?」
ジェーンが首を振った。
「助けに行くなら人数は揃えるべきです。人数を減らすことも勿論考えたのですが、逆手にとられて救出部隊の殲滅も考えられます。チェイス側からしたら、我々が二手に戦力を割くのは分かっているはずで、リン達の周りは敵だらけと考えた方がいい。やはり、イスレ山に向かう部隊の人数は確保すべきだ。それに懸念すべきは互いの陣の位置です。施設もありますから、イスレ山の上に新光騎士団は陣取るでしょう。山の上に相手がいるということは、その麓に、のこのこやって来た我々の陣が丸見えということですから、我々は劣勢の状態から戦闘に入る。やはり気が抜けません。なるほどチェイス、流石です。」
私は窓の向こうの、遠くの空を見つめた。褒めている場合なのか、ジェーンよ。それに何だこの状況は、チェイスめ、彼は本当にやりよる。そうだとは言っても、イスレ山に人数を割けば、アクロスブルーから新光騎士団の大軍が入ってきちゃうじゃないか。本当にどうすればいい?
私もジェーンもアリスも思案顔になって考えていると、ラブ博士が静かな声で言った。
「……ボス。」
「ん?」私はラブ博士を見た。真剣な瞳と目が合った。
「……ここは俺、いや、私共に、ユークの防衛を任せて頂けないだろうか?」
「それは、アクロスブルーラインに付けられている、自警システムを使って、戦うってこと?」
「その通りです。既にアクロスブルーは私が主導したプロジェクトで完成した、遠隔制御可能の自警システムがあります。それを使い、私を始めとした技術班のみで、ユークを防衛することを許可してください。そしてリン達の救助に参加する兵の数を、一人でも多く、用意して頂きたいのです。どうか、お願いします。あの海底トンネルで、見えない敵を相手にする恐怖を、たんと味わせてやりたいのです。ああ、彼らの底知れぬ畏怖、怯えた顔を想像すると、今から笑いさえこみ上げてくる。くっくっ……。」
ラブ博士は肩を震わせて笑いを堪えながら、深々と私に頭を下げていた。私は慌てて博士の肩を掴んで、頭を上げさせた。それにしても、一度に色々な感情の混ざった仕草だった。そのサイコパス的な思考も、さすがあの人に付いて行くことの出来る、数少ない人物である。
そしてよく思えば私は、ラブ博士が人に頭を下げる姿は見たことが無かった。きっとそれほどの自信なのだろうし、博士が言うように、技術班のみでアクロスブルーを守ることが出来るのなら、我々救出部隊にとって、それほどいいことは無い。ジェーンが言うように、我々は劣勢からスタートするからだ。人数は必要だった。
「分かりました。ラブ博士達に、アクロスブルーを任せます。それから、私たちというのは主に、誰のこと?」
私の問いに、ラブ博士は隣で立つアリスを指さした。アリスの顔が一気に引きつった。
「え!?私!?無理無理!」
「そうだ。お前、テストでいい動きをしていた。俺とお前がメインでコントロールをして、あとはタージュ博士やロケインにでも細かいサポートを頼んで、エストリーの技術部の力を借りれば事足りる。俺は組むならお前がいい。他に選択肢は無い。よって、お前にも拒否権は無い。」
「ええ~……」アリスは困った様子でため息をついた。「わ、分かりましたよ……博士もそう言ってくれているし、頑張ってみる。確かに、いつも皆が頑張っている姿を見ているだけだったから、今回はリンさんの為に、頑張る。」
私はアリスに微笑んだ。
「そうか、ありがとうアリス。それにラブ博士もありがとう。そうとなればLOZポータルで連絡をしなければならない。スコピオ博士達も連絡を待っているだろうし。連絡をとったら、態勢が整い次第、救出に向かおう。」
皆は頷いた。ラブ博士はPCを脇に抱えて部屋を後にした。アリスも付いていくのかと思いきや、彼女は私の方を振り返って、話しかけて来た。
「あ、そうだ。チェイスのことを聞いた?」
「何?分からない。何かあったの?」
私はアリスに聞いた。アリスは唇を曲げて、難しい表情をした。
「ほら~、この前さ、ネビリス皇帝がニュースで帝都民に対して、税率をあげたり徴兵したり、色々と噂があったでしょ?あれ、本当に実行されるらしいよ。」
私は驚いて絶句した。そしてジェーンも驚いた様子で、顎を撫でながら言った。
「そうでしたか……すっかり私は、チェイスによるフェイクニュースだったのかと想定していたのですが。それは実行される、と言うことは真実になったのですね。」
「うん。そして、その案を出したのはチェイスだし、その案を実行に移す決定を下したのもチェイスらしいよ。」
彼はそんなことをする人だったのだろうか?いやしかし、ジェーンを殺す寸前まで痛めつけたこともある。でも……。私はアリスに聞いた。
「それは本当?チェイスが?」
「本当だって!」アリスが頬を膨らまして答えた。「記事を見たら、チェイスが執行人になってたもん!だからあれは、ネビリス皇帝が勝手にして困っている風だったけど、本当は自分の案で、フェイクに見せかけて本当に実行するつもりだったんだよ!それ程に、お金も人も必要だったんじゃ無いの?全く、信じられないことするよね!」
「そ、そっか。」
人とは分からないものだ。優しそうに見えた人が、実は酷い性格の持ち主だったりする。あるいは、いつも挨拶を無視する人が、意外にも迷子を助けたりする。陽陰あるのが人の心なんだろうが、チェイスにもまた、影の部分があったのか。そしてその影は、ネビリスに呼応している。染まってしまったのだろうか。
無言になっていると、ガラッと病室のドアが開いた。ラブ博士だった。
「おいアリス!ちゃんとついてこい!時間が無いぞ!」
「あ!ごめんなさーい行きまーす!じゃあね、キリー、ジェーン。」
私とジェーンはアリスに手を振った。それから彼女がこの部屋からいなくなると、ジェーンはベッドのそばに置いてあった椅子に座った。私はジェーンに、今の自分の気持ちを素直に伝えた。
「チェイスが……まさか、そこまでする人だったとは。」
「彼の本意かどうかまでは分かりません。彼は果たして本当に、民の信頼を裏切るようなことをする人間なのか。一度こちらを裏切ってはいますが、そもそも我々は帝国にとって敵です。敵に嘘をつくのは帝国を守る為と言えます。しかし……これは民を裏切る行為です。そこまでしないと本当に帝国は守れないのか、いえ、チェイスならもっと違う方法を考えたのではと、私は思いますが……確か、ネビリス皇帝は、あなたに対しては兵の家族を使い、脅しをかけて来たとか?以前、レジスタンスのテントで私にそう言いましたね?」
私は頷いた。
「私が騎士団長の時はそうだった。彼は、目的の為なら手段を選ばない人間だ。手を回して、自己の目的を達成しようとする。チェイスもそれに巻き込まれているのかな。でも、もしこれが本当だったらと考えると、とても恐ろしい人が、とても恐ろしい人と、手を組んだだけの話だとも思える。」
「ふむ、あなたの意見にも一理あります。人の内面を完全に理解する者は、この世に存在しませんからね。まあ、考えても仕方ありません。今はユークのことはスローヴェンに任せるとして、我々はイスレ山の収容施設のことを考えましょう。」
「そうだね、LOZの皆とも話し合おう。」
私とジェーンは彼のPCを使って、LOZのポータルを起動して、オンラインの会議をすることになった。リン達を救わなければ。その為に、全力をかける。
「じゃあどうする。リン達を助けに行くLOZの人数を減らし、この地に待機させる?」
ジェーンが首を振った。
「助けに行くなら人数は揃えるべきです。人数を減らすことも勿論考えたのですが、逆手にとられて救出部隊の殲滅も考えられます。チェイス側からしたら、我々が二手に戦力を割くのは分かっているはずで、リン達の周りは敵だらけと考えた方がいい。やはり、イスレ山に向かう部隊の人数は確保すべきだ。それに懸念すべきは互いの陣の位置です。施設もありますから、イスレ山の上に新光騎士団は陣取るでしょう。山の上に相手がいるということは、その麓に、のこのこやって来た我々の陣が丸見えということですから、我々は劣勢の状態から戦闘に入る。やはり気が抜けません。なるほどチェイス、流石です。」
私は窓の向こうの、遠くの空を見つめた。褒めている場合なのか、ジェーンよ。それに何だこの状況は、チェイスめ、彼は本当にやりよる。そうだとは言っても、イスレ山に人数を割けば、アクロスブルーから新光騎士団の大軍が入ってきちゃうじゃないか。本当にどうすればいい?
私もジェーンもアリスも思案顔になって考えていると、ラブ博士が静かな声で言った。
「……ボス。」
「ん?」私はラブ博士を見た。真剣な瞳と目が合った。
「……ここは俺、いや、私共に、ユークの防衛を任せて頂けないだろうか?」
「それは、アクロスブルーラインに付けられている、自警システムを使って、戦うってこと?」
「その通りです。既にアクロスブルーは私が主導したプロジェクトで完成した、遠隔制御可能の自警システムがあります。それを使い、私を始めとした技術班のみで、ユークを防衛することを許可してください。そしてリン達の救助に参加する兵の数を、一人でも多く、用意して頂きたいのです。どうか、お願いします。あの海底トンネルで、見えない敵を相手にする恐怖を、たんと味わせてやりたいのです。ああ、彼らの底知れぬ畏怖、怯えた顔を想像すると、今から笑いさえこみ上げてくる。くっくっ……。」
ラブ博士は肩を震わせて笑いを堪えながら、深々と私に頭を下げていた。私は慌てて博士の肩を掴んで、頭を上げさせた。それにしても、一度に色々な感情の混ざった仕草だった。そのサイコパス的な思考も、さすがあの人に付いて行くことの出来る、数少ない人物である。
そしてよく思えば私は、ラブ博士が人に頭を下げる姿は見たことが無かった。きっとそれほどの自信なのだろうし、博士が言うように、技術班のみでアクロスブルーを守ることが出来るのなら、我々救出部隊にとって、それほどいいことは無い。ジェーンが言うように、我々は劣勢からスタートするからだ。人数は必要だった。
「分かりました。ラブ博士達に、アクロスブルーを任せます。それから、私たちというのは主に、誰のこと?」
私の問いに、ラブ博士は隣で立つアリスを指さした。アリスの顔が一気に引きつった。
「え!?私!?無理無理!」
「そうだ。お前、テストでいい動きをしていた。俺とお前がメインでコントロールをして、あとはタージュ博士やロケインにでも細かいサポートを頼んで、エストリーの技術部の力を借りれば事足りる。俺は組むならお前がいい。他に選択肢は無い。よって、お前にも拒否権は無い。」
「ええ~……」アリスは困った様子でため息をついた。「わ、分かりましたよ……博士もそう言ってくれているし、頑張ってみる。確かに、いつも皆が頑張っている姿を見ているだけだったから、今回はリンさんの為に、頑張る。」
私はアリスに微笑んだ。
「そうか、ありがとうアリス。それにラブ博士もありがとう。そうとなればLOZポータルで連絡をしなければならない。スコピオ博士達も連絡を待っているだろうし。連絡をとったら、態勢が整い次第、救出に向かおう。」
皆は頷いた。ラブ博士はPCを脇に抱えて部屋を後にした。アリスも付いていくのかと思いきや、彼女は私の方を振り返って、話しかけて来た。
「あ、そうだ。チェイスのことを聞いた?」
「何?分からない。何かあったの?」
私はアリスに聞いた。アリスは唇を曲げて、難しい表情をした。
「ほら~、この前さ、ネビリス皇帝がニュースで帝都民に対して、税率をあげたり徴兵したり、色々と噂があったでしょ?あれ、本当に実行されるらしいよ。」
私は驚いて絶句した。そしてジェーンも驚いた様子で、顎を撫でながら言った。
「そうでしたか……すっかり私は、チェイスによるフェイクニュースだったのかと想定していたのですが。それは実行される、と言うことは真実になったのですね。」
「うん。そして、その案を出したのはチェイスだし、その案を実行に移す決定を下したのもチェイスらしいよ。」
彼はそんなことをする人だったのだろうか?いやしかし、ジェーンを殺す寸前まで痛めつけたこともある。でも……。私はアリスに聞いた。
「それは本当?チェイスが?」
「本当だって!」アリスが頬を膨らまして答えた。「記事を見たら、チェイスが執行人になってたもん!だからあれは、ネビリス皇帝が勝手にして困っている風だったけど、本当は自分の案で、フェイクに見せかけて本当に実行するつもりだったんだよ!それ程に、お金も人も必要だったんじゃ無いの?全く、信じられないことするよね!」
「そ、そっか。」
人とは分からないものだ。優しそうに見えた人が、実は酷い性格の持ち主だったりする。あるいは、いつも挨拶を無視する人が、意外にも迷子を助けたりする。陽陰あるのが人の心なんだろうが、チェイスにもまた、影の部分があったのか。そしてその影は、ネビリスに呼応している。染まってしまったのだろうか。
無言になっていると、ガラッと病室のドアが開いた。ラブ博士だった。
「おいアリス!ちゃんとついてこい!時間が無いぞ!」
「あ!ごめんなさーい行きまーす!じゃあね、キリー、ジェーン。」
私とジェーンはアリスに手を振った。それから彼女がこの部屋からいなくなると、ジェーンはベッドのそばに置いてあった椅子に座った。私はジェーンに、今の自分の気持ちを素直に伝えた。
「チェイスが……まさか、そこまでする人だったとは。」
「彼の本意かどうかまでは分かりません。彼は果たして本当に、民の信頼を裏切るようなことをする人間なのか。一度こちらを裏切ってはいますが、そもそも我々は帝国にとって敵です。敵に嘘をつくのは帝国を守る為と言えます。しかし……これは民を裏切る行為です。そこまでしないと本当に帝国は守れないのか、いえ、チェイスならもっと違う方法を考えたのではと、私は思いますが……確か、ネビリス皇帝は、あなたに対しては兵の家族を使い、脅しをかけて来たとか?以前、レジスタンスのテントで私にそう言いましたね?」
私は頷いた。
「私が騎士団長の時はそうだった。彼は、目的の為なら手段を選ばない人間だ。手を回して、自己の目的を達成しようとする。チェイスもそれに巻き込まれているのかな。でも、もしこれが本当だったらと考えると、とても恐ろしい人が、とても恐ろしい人と、手を組んだだけの話だとも思える。」
「ふむ、あなたの意見にも一理あります。人の内面を完全に理解する者は、この世に存在しませんからね。まあ、考えても仕方ありません。今はユークのことはスローヴェンに任せるとして、我々はイスレ山の収容施設のことを考えましょう。」
「そうだね、LOZの皆とも話し合おう。」
私とジェーンは彼のPCを使って、LOZのポータルを起動して、オンラインの会議をすることになった。リン達を救わなければ。その為に、全力をかける。
0
お気に入りに追加
62
あなたにおすすめの小説


家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
【完結】「幼馴染が皇子様になって迎えに来てくれた」
まほりろ
恋愛
腹違いの妹を長年に渡りいじめていた罪に問われた私は、第一王子に婚約破棄され、侯爵令嬢の身分を剥奪され、塔の最上階に閉じ込められていた。
私が腹違いの妹のマダリンをいじめたという事実はない。
私が断罪され兵士に取り押さえられたときマダリンは、第一王子のワルデマー殿下に抱きしめられにやにやと笑っていた。
私は妹にはめられたのだ。
牢屋の中で絶望していた私の前に現れたのは、幼い頃私に使えていた執事見習いのレイだった。
「迎えに来ましたよ、メリセントお嬢様」
そう言って、彼はニッコリとほほ笑んだ
※他のサイトにも投稿してます。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。

【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます
修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。
その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。
彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。
ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。
一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。
必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。
なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ──
そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。
これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。
※小説家になろうが先行公開です

【完結80万pt感謝】不貞をしても婚約破棄されたくない美男子たちはどうするべきなのか?
宇水涼麻
恋愛
高位貴族令息である三人の美男子たちは学園内で一人の男爵令嬢に侍っている。
そんな彼らが卒業式の前日に家に戻ると父親から衝撃的な話をされた。
婚約者から婚約を破棄され、第一後継者から降ろされるというのだ。
彼らは慌てて学園へ戻り、学生寮の食堂内で各々の婚約者を探す。
婚約者を前に彼らはどうするのだろうか?
短編になる予定です。
たくさんのご感想をいただきましてありがとうございます!
【ネタバレ】マークをつけ忘れているものがあります。
ご感想をお読みになる時にはお気をつけください。すみません。

【改稿版・完結】その瞳に魅入られて
おもち。
恋愛
「——君を愛してる」
そう悲鳴にも似た心からの叫びは、婚約者である私に向けたものではない。私の従姉妹へ向けられたものだった——
幼い頃に交わした婚約だったけれど私は彼を愛してたし、彼に愛されていると思っていた。
あの日、二人の胸を引き裂くような思いを聞くまでは……
『最初から愛されていなかった』
その事実に心が悲鳴を上げ、目の前が真っ白になった。
私は愛し合っている二人を引き裂く『邪魔者』でしかないのだと、その光景を見ながらひたすら現実を受け入れるしかなかった。
『このまま婚姻を結んでも、私は一生愛されない』
『私も一度でいいから、あんな風に愛されたい』
でも貴族令嬢である立場が、父が、それを許してはくれない。
必死で気持ちに蓋をして、淡々と日々を過ごしていたある日。偶然見つけた一冊の本によって、私の運命は大きく変わっていくのだった。
私も、貴方達のように自分の幸せを求めても許されますか……?
※後半、壊れてる人が登場します。苦手な方はご注意下さい。
※このお話は私独自の設定もあります、ご了承ください。ご都合主義な場面も多々あるかと思います。
※『幸せは人それぞれ』と、いうような作品になっています。苦手な方はご注意下さい。
※こちらの作品は小説家になろう様でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる