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全員集合!レジスタンス編
126 サンドイッチの具
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レジスタンスと合流した日の翌朝、晴れ空の下、レジスタンスのベースキャンプでは兵達が忙しく働いている。本陣のテント前では、私とクラースさん、それからオーウェンやレジスタンスの幹部が集まって、作戦を考えていた。
昨日はあれから色々と考えてしまった。つい、ジェーンのことを抱きしめてしまったのは色々と良くなかった。あれで最後だと決めていたものが、あれを発端に、もっと彼とスキンシップを取りたいと思うようになってしまったのだ。中毒性があるなら、説明書に書いて欲しかった。
クラースさんの理論で言えば、我々は互いを親友以上に好意を寄せているかもしれない。でも、ジェーンが言った通り、双子の仲の良さだと思えば、未知レベルの仲の良さも存在するはずだ。彼が帰るその日まで、私は一日一日を大切にしながら、仲良くしていきたい。もう喧嘩は懲り懲りだ。
夜は中々寝付けなかったが、今は別に眠くない。寧ろ、不思議と何か訳の分からない力が、自分の中からどんどんと湧いてくるのだ。皆と仲直り出来たことで安心したのかもしれない。この謎の力で、この作戦を乗り切ろう。一人で意気込んで、私は簡易デスクの上のPCで、ニュース画面を開いた。
ふと視線を上にあげたときに、リンが歩いてこちらに向かってきたのが見えた。今朝は昨夜の露出狂のような姿ではなく、ちゃんとライダースーツと防具を装着して、ニコニコと満面の笑みを私に向けながら、こちらへやってきたが……何故か化粧が濃い。昨日話していたけど、本当に私を狙っているのだろうか。だとすればちょっと、今すぐにでもクラースさんに護衛を頼みたい。
リンは「おはよっ」と言いながら私に投げキッスをして、私にぴったりくっつくように立った。何とも言えない気まずさだ。苦笑していると、これまたこちらに歩いて向かってきたジェーンが、我々を発見した。
そして彼は、ぴったりくっつくリンと私の間に、無理矢理割り込んで入ってきたのだ。そんなあからさまに、割って入らなくても……とも思ったが、実際のところ、ジェーンには感謝した。
「もう、ジェーンったら、私とキリーが仲良いからって妬かないでよ!「誰が」そうそう、見てみて!このニュース読んだ?ほら!」
リンがPCの画面を慣れた様子で操作して、ある記事を見せてくれた。その記事のタイトルは「レジスタンス 連合と合流」と言うものだった。
しかし記事を読んでみると、タイトル通りの話をなんやかんや膨らまして長々と書かれているだけの内容だった。何処で何人と合流したのか、また私がギルバートだと言うことは書かれていない。
「そっか、リンありがとう。兎に角、この戦いで我々の望みは古代兵器に危害を加える新光騎士団を止めること、それから……ジェーンのパーツを捜索して、回収することだけど。」
すると話を聞いていたオーウェンが挙手をした。私は彼を指した。
「しかし、パーツがこの領域内のどこにあるのか分かりません。もし先に新光騎士団によって発見されて、敵の手に渡ってしまったら如何しましょう?」
今朝、改めてオーウェンや幹部の皆にジェーンの素性の話をしたら、彼らは少し驚いたが協力してくれると言ってくれた。いい人たちだ。
「それならそれで」ジェーンが眼鏡の位置を調節して言った。「敵の手に持たせておいて構いません。いずれ回収する機会はありますし、あれを分解するのは非常に困難で、例え彼らが入手しても猫に小判でしょう。しかし、問題なのはパーツが光の神殿、内部に存在している可能性です。帝国天文台の発表によると、光の位置から推測して、やはり神殿内にはありそうですが、いかんせんあの神殿に入ることは禁じられている。」
ううむ、と皆が唸りながら顎に手を当てて考え始めた。確かに、禁じられているのだが……。するとリンが言った。
「やっぱり、光の神殿内って入れないのかな?」
私は頷いた。
「条例でそうなっているし、例えそれを無視して入っても、中には古代兵器がうじゃうじゃいる。一度ギルドの依頼で、中庭の草花をちょこっと採取したことがあるけど、それでもあれは大変だった。古代兵器、普段は野鳥に好かれるほど温厚だけど、一度怒ると怖くてね。でも動きは遅いから、人一人ぐらいなら、神殿に潜入しても、バレないかもしれないけど……。」
と、言ったところで私は敢えて、クラースさんを見た。しかしクラースさんは、その真顔を私にじっと向けている。ついでに言うと、他の皆も、私をじっと見ていたのだ。え?え?
「ちょ、ちょっと待ってよ……私が行くの?話聞いてた?中庭で限界って言ったでしょ?」
クラースさんが頷いた。
「限界などお前にあるのか?そうだ、お前が行け。ギルド出身のギルバート騎士団長なんだろ?」
何だろう……これは新手のいじめだろうか。皆が頷いている。私は思いっきり首を振って、クラースさんを指差して叫んだ。
「なんで!何でよ!クラースさんだって強いじゃないの!それに……私は条例を破るなんてこと、そんな、出来ない。」
次の瞬間、クラースさんは見たことのない不気味な笑顔を浮かべたのだ。その顔、リンもジェーンもやるけど、今ソーライ研究所で流行ってるのかな……。私の引きつった顔をよそに、クラースさんはその状態のまま言った。
「大丈夫だ御大将。草花を大事にして、建物に傷一つもつけなきゃいいんだ。聞けばあのパーツは、いつ爆発するか分からないほどに危険らしいじゃないか。それを盗むんだ、古代兵器だって、いつかきっと感謝してくれるさ。大惨事を防ぐことの、それが何の罪になると言うんだ。お前が神殿内に入っている間、俺たちは後方の守りを固めてやる。なあに、ジェーンがいれば大丈夫だ、何も気にせず、行ってこい。それが俺たちの大将だ!」
彼のちょいダークな一面を見ることが出来た私は、苦笑いした。今のを動画で撮って、ケイト先生に送ってやりたかった。切実に、送りたかった……。
それに私は後方の守りを気にしていたとか、そう言うことではないのだ。しかし、オーウェン達はそれでいいと思ったのか、笑顔で頷いている。
「おおお!自然を傷つけず、更にいつ爆発してもおかしくない危険なパーツを、たった一人で神殿内から取り出すと言うのですね!流石でございますギルバート様!それでこそ我らのお導きの光、まるで虹を渡るクジラで御座います!」
これは昔からだが、たまにオーウェンの私への崇拝っぷりが辛い時があり、今はちょうどその瞬間である。
それに私は何一つ「うんいいよ」と承諾していないのに、皆の話は私が行くと言う前提で進み出している。私の存在とは何なのだろうか、本当にこいつらを束ねることが出来ているのか、苦笑するしかなかった。
何も気にしていない様子のジェーンが、皆に言った。
「そうなると……我々は本陣を光の神殿寄りに移す必要があります。しかし光の神殿の門の前には、新光騎士団が駐在していますね。真っ向勝負、はなるべく避けたいですが。」
「それなら、」オーウェンが一歩前に出て言った。「二手に別れ、我々が敵を引きつけましょう。その間にギルバート様の隊を、門の前まで移動させてみてはいかがでしょう?相手方もそれほど大人数ではないので、うまく行くと思います。」
急にリンが手を叩きまくって、ぴょんぴょこ跳ねて私の腕を振った。
「それがいい!そうしましょう、ね!ギルバート様!」
「ミドルで呼ばないでって……言ってるじゃないの。」
呆れた顔をリンに向けたが、リンはそんなの気にしないと言わんばかりに私の腕を抱いてきた。
神殿に潜入する代表に選ばれたことで、振り払う元気を無いので、そのままじっとしていると、それを見た反対側で立っていたジェーンが、負けじと私にピッタリと身体を寄せてくっついてきたのだ。彼の方を見たが、彼は先程のオーウェンの案を、頭で反芻して何度も頷いていて、何も言わなかった。
しかしその一方で、我々の近い距離を見ていたリンが、腕を抱くのをやめて、ジェーンのように私にピッタリとくっついて来たのだ。あっつい。秋とはいえ、まだ今日の気温は二十六度ある。夏ほど湿度が無いのが救いだが、これは暑かった。私は、彼らをそのままに、結論を出した。
「それじゃあ、その案の通りに、二手に分かれよう。オーウェン隊が新光騎士団を引き付けることが出来たら、私の隊で神殿の門の前に陣を置き……私一人が内部に潜入してパーツを回収する。先ずは、引きつけて敵を動かすことを考えよう。相手もパーツが目当てだろうから、もしかしたら中々陣は動かないだろうけど、その為にオーウェン、宜しくね。」
オーウェンと幹部は手を胸に当てる、騎士団のポーズをとった。
「承知仕りました!……あと、随分と仲がよろしいですね。」
私は今、ジェーンとリンのサンドイッチの具になっている。ジェーンはウォッフォンで地図を確認して、リンはPCでニュースを確認していて、腕で押し退けようとはするが両者とも踏ん張ってしまい、離れようとしてくれない。嫌われるよりはいいが、これもこれで辛い。
「はは……」苦笑いで答えた。「本当にね。」
昨日はあれから色々と考えてしまった。つい、ジェーンのことを抱きしめてしまったのは色々と良くなかった。あれで最後だと決めていたものが、あれを発端に、もっと彼とスキンシップを取りたいと思うようになってしまったのだ。中毒性があるなら、説明書に書いて欲しかった。
クラースさんの理論で言えば、我々は互いを親友以上に好意を寄せているかもしれない。でも、ジェーンが言った通り、双子の仲の良さだと思えば、未知レベルの仲の良さも存在するはずだ。彼が帰るその日まで、私は一日一日を大切にしながら、仲良くしていきたい。もう喧嘩は懲り懲りだ。
夜は中々寝付けなかったが、今は別に眠くない。寧ろ、不思議と何か訳の分からない力が、自分の中からどんどんと湧いてくるのだ。皆と仲直り出来たことで安心したのかもしれない。この謎の力で、この作戦を乗り切ろう。一人で意気込んで、私は簡易デスクの上のPCで、ニュース画面を開いた。
ふと視線を上にあげたときに、リンが歩いてこちらに向かってきたのが見えた。今朝は昨夜の露出狂のような姿ではなく、ちゃんとライダースーツと防具を装着して、ニコニコと満面の笑みを私に向けながら、こちらへやってきたが……何故か化粧が濃い。昨日話していたけど、本当に私を狙っているのだろうか。だとすればちょっと、今すぐにでもクラースさんに護衛を頼みたい。
リンは「おはよっ」と言いながら私に投げキッスをして、私にぴったりくっつくように立った。何とも言えない気まずさだ。苦笑していると、これまたこちらに歩いて向かってきたジェーンが、我々を発見した。
そして彼は、ぴったりくっつくリンと私の間に、無理矢理割り込んで入ってきたのだ。そんなあからさまに、割って入らなくても……とも思ったが、実際のところ、ジェーンには感謝した。
「もう、ジェーンったら、私とキリーが仲良いからって妬かないでよ!「誰が」そうそう、見てみて!このニュース読んだ?ほら!」
リンがPCの画面を慣れた様子で操作して、ある記事を見せてくれた。その記事のタイトルは「レジスタンス 連合と合流」と言うものだった。
しかし記事を読んでみると、タイトル通りの話をなんやかんや膨らまして長々と書かれているだけの内容だった。何処で何人と合流したのか、また私がギルバートだと言うことは書かれていない。
「そっか、リンありがとう。兎に角、この戦いで我々の望みは古代兵器に危害を加える新光騎士団を止めること、それから……ジェーンのパーツを捜索して、回収することだけど。」
すると話を聞いていたオーウェンが挙手をした。私は彼を指した。
「しかし、パーツがこの領域内のどこにあるのか分かりません。もし先に新光騎士団によって発見されて、敵の手に渡ってしまったら如何しましょう?」
今朝、改めてオーウェンや幹部の皆にジェーンの素性の話をしたら、彼らは少し驚いたが協力してくれると言ってくれた。いい人たちだ。
「それならそれで」ジェーンが眼鏡の位置を調節して言った。「敵の手に持たせておいて構いません。いずれ回収する機会はありますし、あれを分解するのは非常に困難で、例え彼らが入手しても猫に小判でしょう。しかし、問題なのはパーツが光の神殿、内部に存在している可能性です。帝国天文台の発表によると、光の位置から推測して、やはり神殿内にはありそうですが、いかんせんあの神殿に入ることは禁じられている。」
ううむ、と皆が唸りながら顎に手を当てて考え始めた。確かに、禁じられているのだが……。するとリンが言った。
「やっぱり、光の神殿内って入れないのかな?」
私は頷いた。
「条例でそうなっているし、例えそれを無視して入っても、中には古代兵器がうじゃうじゃいる。一度ギルドの依頼で、中庭の草花をちょこっと採取したことがあるけど、それでもあれは大変だった。古代兵器、普段は野鳥に好かれるほど温厚だけど、一度怒ると怖くてね。でも動きは遅いから、人一人ぐらいなら、神殿に潜入しても、バレないかもしれないけど……。」
と、言ったところで私は敢えて、クラースさんを見た。しかしクラースさんは、その真顔を私にじっと向けている。ついでに言うと、他の皆も、私をじっと見ていたのだ。え?え?
「ちょ、ちょっと待ってよ……私が行くの?話聞いてた?中庭で限界って言ったでしょ?」
クラースさんが頷いた。
「限界などお前にあるのか?そうだ、お前が行け。ギルド出身のギルバート騎士団長なんだろ?」
何だろう……これは新手のいじめだろうか。皆が頷いている。私は思いっきり首を振って、クラースさんを指差して叫んだ。
「なんで!何でよ!クラースさんだって強いじゃないの!それに……私は条例を破るなんてこと、そんな、出来ない。」
次の瞬間、クラースさんは見たことのない不気味な笑顔を浮かべたのだ。その顔、リンもジェーンもやるけど、今ソーライ研究所で流行ってるのかな……。私の引きつった顔をよそに、クラースさんはその状態のまま言った。
「大丈夫だ御大将。草花を大事にして、建物に傷一つもつけなきゃいいんだ。聞けばあのパーツは、いつ爆発するか分からないほどに危険らしいじゃないか。それを盗むんだ、古代兵器だって、いつかきっと感謝してくれるさ。大惨事を防ぐことの、それが何の罪になると言うんだ。お前が神殿内に入っている間、俺たちは後方の守りを固めてやる。なあに、ジェーンがいれば大丈夫だ、何も気にせず、行ってこい。それが俺たちの大将だ!」
彼のちょいダークな一面を見ることが出来た私は、苦笑いした。今のを動画で撮って、ケイト先生に送ってやりたかった。切実に、送りたかった……。
それに私は後方の守りを気にしていたとか、そう言うことではないのだ。しかし、オーウェン達はそれでいいと思ったのか、笑顔で頷いている。
「おおお!自然を傷つけず、更にいつ爆発してもおかしくない危険なパーツを、たった一人で神殿内から取り出すと言うのですね!流石でございますギルバート様!それでこそ我らのお導きの光、まるで虹を渡るクジラで御座います!」
これは昔からだが、たまにオーウェンの私への崇拝っぷりが辛い時があり、今はちょうどその瞬間である。
それに私は何一つ「うんいいよ」と承諾していないのに、皆の話は私が行くと言う前提で進み出している。私の存在とは何なのだろうか、本当にこいつらを束ねることが出来ているのか、苦笑するしかなかった。
何も気にしていない様子のジェーンが、皆に言った。
「そうなると……我々は本陣を光の神殿寄りに移す必要があります。しかし光の神殿の門の前には、新光騎士団が駐在していますね。真っ向勝負、はなるべく避けたいですが。」
「それなら、」オーウェンが一歩前に出て言った。「二手に別れ、我々が敵を引きつけましょう。その間にギルバート様の隊を、門の前まで移動させてみてはいかがでしょう?相手方もそれほど大人数ではないので、うまく行くと思います。」
急にリンが手を叩きまくって、ぴょんぴょこ跳ねて私の腕を振った。
「それがいい!そうしましょう、ね!ギルバート様!」
「ミドルで呼ばないでって……言ってるじゃないの。」
呆れた顔をリンに向けたが、リンはそんなの気にしないと言わんばかりに私の腕を抱いてきた。
神殿に潜入する代表に選ばれたことで、振り払う元気を無いので、そのままじっとしていると、それを見た反対側で立っていたジェーンが、負けじと私にピッタリと身体を寄せてくっついてきたのだ。彼の方を見たが、彼は先程のオーウェンの案を、頭で反芻して何度も頷いていて、何も言わなかった。
しかしその一方で、我々の近い距離を見ていたリンが、腕を抱くのをやめて、ジェーンのように私にピッタリとくっついて来たのだ。あっつい。秋とはいえ、まだ今日の気温は二十六度ある。夏ほど湿度が無いのが救いだが、これは暑かった。私は、彼らをそのままに、結論を出した。
「それじゃあ、その案の通りに、二手に分かれよう。オーウェン隊が新光騎士団を引き付けることが出来たら、私の隊で神殿の門の前に陣を置き……私一人が内部に潜入してパーツを回収する。先ずは、引きつけて敵を動かすことを考えよう。相手もパーツが目当てだろうから、もしかしたら中々陣は動かないだろうけど、その為にオーウェン、宜しくね。」
オーウェンと幹部は手を胸に当てる、騎士団のポーズをとった。
「承知仕りました!……あと、随分と仲がよろしいですね。」
私は今、ジェーンとリンのサンドイッチの具になっている。ジェーンはウォッフォンで地図を確認して、リンはPCでニュースを確認していて、腕で押し退けようとはするが両者とも踏ん張ってしまい、離れようとしてくれない。嫌われるよりはいいが、これもこれで辛い。
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