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まるでエンジェル火山測定装置編

63 火山の中へ

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 ボルダーハン火山の最奥部まで来ると、マグマが近い為に、かなり暑い。グレン研究所が開発した、着ると涼しくなる服を着ているが、それでもかなり暑い。

 私はどちらかというと寒がりな方で、暑さには強いが、これは耐えられない。更に火山の内部にある洞窟のような狭い場所を通ると、サウナ以上に熱気がこもっていて、喉の奥が暑さで痛んだ。手でパタパタ扇ぐが、熱気がこっちに来るだけなので、何の意味もなかった。

 スコピオ博士に続いて歩いていくと、岩がドーム状に天を包んでいる、大きな空間の広い場所に出た。辺りを見回すと、ここからは何方向へも、道が分かれていた。

 私達はそこで、取り敢えず水分を補給して、休むことにした。リンはへばった顔をしていて、ジェーンも顔が火照っていて、真っ赤になっている。クラースさんは割と平気なようで、地面の亀裂から遥か下方に存在する、マグマを観察していた。

 スコピオ博士が私のことを呼んだ気がしたので、彼の方を見ると手招いていた。私は彼のところへ向かい、それを見たスコピオ博士は、また歩き出した。何処かへと案内してくれるつもりのようだ。

 博士は更に奥の道を進み始めた。黒い岩にゴツゴツと囲まれた、狭いトンネルのような通路を通っていくと、一番奥に、例の火山測定装置が置いてあった。私はスコピオ博士と持ってきた道具箱を装置の近くに置いた。我々の後を付いてきたリン達が、装置を見つけて観察し始めた。

「ああ~はは、ここまで来ると、さすがに暑いだろ?」

 ここまで来なくても暑かったけど……。博士の一言に、我々は頷いた。私は自分の着ているヘロヘロした素材のTシャツを指で摘んで、ピロピロとさせながら言った。

「この……何でしたっけ?」

「スーパー冷気レーヨン。」

「そう、このスーパーってやつ……あまり効いていない気がするんですけど。どうなんですかね?」

 装置のそばでしゃがんでいた、同じくスーパー冷気レーヨンのTシャツを着たリンが、ボトルの水を飲みながら何度も頷いた。スコピオ博士は首を振って答えた。

「そんなことはない!これが無かったら、こんな火山の奥まで来れないよ!はは!これ結構冷たいんだぜ~?火山じゃなくても、この辺の地域は年中暑いから、いっつも着てるけど、研究所の中だと、逆に寒い時あるしな!」

 スコピオ博士は、その大きな古い装置を何回か撫でて、遅れてやって来たジェーンを笑顔で手招いた。ジェーンはもうそれは苦しそうに、眉間にしわを寄せて歩いている。

「何だ、ジェーンさん!暑さに弱いの~?」

「ええまあ……ここまで高温の場所に来ることは、人生で一度もありませんでした。」

 あれ?でも以前、て言っても約二千年前だけど、この装置をここに置いたんだよな……?私はそう思い、近づいて来たジェーンの背後に立って、彼の耳元で話しかけた。

「ねえ、その時代に、ここに来たんじゃ無かったの?」

 ジェーンは私の耳元に口を近づけて言った。

「当時は、こんなに温暖化が進んでおりませんでした。それに、この装置を火山のこんなところまで運んで来たのは、私ではなく私の部下です。……それに私自身が雪原出身なので、ユークアイランドの常夏具合でさえ、私にとっては「ジェーンさん!キルディア!どうかしたのか?」

 振り返れば、スコピオ博士がワクワクした表情で、道具を両手に持って、我々のことを待っていた。私は無表情でジェーンの背中をポンと押した。

「ほら……頼みましたよ、シードロヴァ博士。」

「はい……かしこまりました。」

 ジェーンは早速、装置を観察し始めた。当時よりも、かなり補完や改良の手が加わっているらしく、彼は度々、スコピオ博士に不明な箇所を聞きながら、作業を続けた。

 それを暫く続けていると、装置の全体像が掴めたようで、ジェーンが頬を染めたまま、作業に集中し始めた。私はオペ中の看護師さんの如く、持って来たタオルでジェーンの汗を拭いたり、時々水筒を渡したりして、サポートをした。リンも最初は作業を覗いていたが、そのうち飽きたのか、またしゃがんでしまった。

 少しするとリンとクラースさんの姿が見えなくなったので、私はジェーン達に探してくると伝えて、その場を後にした。通路を逆に戻り、先ほどの広いドーム状の空間のところまで戻ると、リンが岩に座りながら、ウォッフォンでアリス達と会話していた。

 近くにクラースさんも居て、彼はその辺で拾った石ころを、地面の亀裂下にあるマグマに向かって投げて遊んでいた……何してるんだろう。気持ちは分かるけど。

 二人が無事だということを確認出来たので、私は測定装置の場所まで戻ることにした。ジェーンがしゃがんで、装置の隙間を色々な角度から覗き込んでいる。彼の白い腕に汗が流れた。それを見た私は、彼のTシャツの袖を捲ってあげて、ノースリーブの様にしてあげた。

「どうも有難う、キルディア。ええ、ええ……色々と確認したところ、そうですね、直ることは直りますよ。」

「そうか!流石ジェーンさんだ!アハハッ!」

 スコピオ博士が怖いほどの笑顔で、パチパチと拍手喝采し始めた。一瞬ビクッとしてしまったのを知られなくて良かった。そんな明るい顔した博士に、ジェーンは続けた。

「補足です。直ることは直りますが、大体そうですね……一日三時間、ここで作業をするとして、大体二週間程、頂きたい。」

「えっ!?」

 真っ先に反応したのは私だった。だって、二週間!?そんな掛かるの!?その間、研究所だって……!ああ、でも彼がそう判断したのだから、それ程掛かるんだろうけど……!

 色々と頭が混乱してしまった。ジェーンが様子を見に来たリンとクラースさんにも説明すると、私と同様の反応をした。そうだよね。「うーん」と、少し考え込んだスコピオ博士が、ジェーンに聞いた。

「そうか、意外と時間が掛かるものだな……ということは、あと二週間はこの装置が使用出来ないのか。疑問なんだが、その一日三時間っていう作業時間は、どうしてなんだ?」

「私が持ちません。」

 彼は即答した。確かに、そう言い放ったジェーンは、視線がどこか遠くに行ったままで、危なそうな雰囲気だった。ウォッフォンを見れば、ここに来て二時間半ぐらい経つ。彼が三時間が限界だと言うのも頷ける……だけど。

「そっか。じゃあ二週間ここで作業するとして、何処か泊まるところは、どうしようか。これから毎日、タマラの村から片道六時間かけて行き来するのは辛いよね。」

「それだったら」と、スコピオ博士が答えた。「グレン研究所に隣接している寮があるから、そこを利用するといい。俺たちもそこで暮らしているから、何かあったら俺たちを呼んでくれればいいし、食堂も売店も全部あるからさ。」

 そっか、それはいい!スコピオ博士の言葉に我々は頷いた。その時、

 グオオオオォォォ……

「な、何!?」

 慌てるリンを守る様にして、クラースさんが構えて立っている。私は言った。

「この鳴き声からして多分、火山やイスレ山に生息している、ドラゴン系のモンスターだと思う。」

 スコピオ博士は声のする方を見もしないで、道具を片付けながら頷いた。きっと慣れっこなのだろう。

「そうなんだよ、なんかのドラゴン。この辺りはモンスターが少ないんだ。訳を聞くと、どうやらこの辺は、どでかいドラゴンが住んでるから、他のモンスターが寄り付かないんだとギルドの兵士が言ってたな。でもそのドラゴンは臆病な性格だから、こっちまで来たこと無いよ。」

 私は博士に聞いた。

「その時に、ギルドに駆除依頼は出さなかったんですか?」

「まあ、一度も襲ってきたこと無いしさ。ちょっと不安になって頼んだ時もあったけど、ギルドからイスレ山で手一杯だと言われちゃってさ……まあ、放っておけば大丈夫だよ。優しいドラゴンだから。」

 ルミネラ平原とハウリバー平原の北には、イスレ山と呼ばれる広大な山岳地帯があり、そこはモンスターの温床だ。確かにギルドの兵士達は、まるでそこがオフィスかの如く、駆除と言われたら毎回毎回イスレ山に向かっていた。私も何度あの地に派遣されたか分からない。それに比較すると、ここのドラゴンはまだ、温厚な性格ではあるのだろうけど……。

「でも、ジェーンがこれから毎日ここまで来ることを考えると、私は心配だなぁ。」

 ジェーンは私を見た。

「何を仰いますか?あなたも毎日同行するでしょう?」

「え?」

 私は苦笑いでスコピオ博士を見た。博士は少し考えてから言った。

「え……俺たちとしては、ジェーンさんさえ来てくれれば、それでいいんだけど。それにもし万が一ドラゴンが来ても、この魔銃で威嚇すれば、すぐに帰るし。」

 博士はカーゴパンツのポケットから、ハンドガン式の魔銃を取り出した。黒いボディに、グリップのところにスコピオと彫られている……何ともなデザインだった。リンがそれを見つけて、パッと笑顔になった。

「わあ!それって、魔力を消費して、自分の属性の銃弾が放てるやつですよね!?」

「そうそう!」博士が笑顔で答えた。「近接武器に比べたら威力が劣るけど、ちゃんと当てるとこに当たればモンスターも倒せる。ちょっと使うのには訓練がいるけどな!……って、みんな持ってないの?」

 スコピオ博士は我々を見た。そう言えば我々の誰一人として、銃は持っていない。クラースさんが答えた。

「俺とキリーはそのまま近接で戦うから銃は持っていないが、確かにここにいる間ぐらい、リンとジェーンの二人は、銃を持った方が良さそうだな。」

 リンがブンブンと頷いて、キラキラした瞳で私を見つめてきた。これはあれだ、経費で買ってくれと思っているに違いない。たまにオフィスで変な文房具をねだってくる時と同じ顔をしている。私が苦笑いでそれを流そうとしていると、博士が言った。

「じゃあさ、今日下山したら、余ってる銃をプレゼントするよ。二人分でいいんだな?」

 リンはぴょんぴょん子犬の様に跳ね上がって喜んだ。ジェーンはまだ考えている様子だ。

「やった!博士ありがとうございます!でも銃ってお高いんでしょ……?」

 リンのうやうやしげな質問に、スコピオ博士が笑って答えた。

「はっはっは!まあタダであげるよ。何を隠そう、実は俺は魔銃のコレクターでね……二つぐらいならあげるさ。その代わり、リンとジェーンさんに合いそうな銃を俺が選ばせてくれよな!銃があればさ、明日からもジェーンさん、安心して俺と行動出来るだろ?」

 ジェーンが真顔で眼鏡をくいっとした。

「まあ折角ですから銃は頂くとしましょう。しかし私がここで任務を遂行するにあたって、一つ、絶対的に譲れない条件があります。」

「え?」

 ジェーンが私を指差した。すっごく嫌な予感がする。

「彼女の同行が必須条件です。」

 私は脱力して反論した。

「何でよ……銃があるなら、私の護衛要らないでしょ?スコピオ博士だって居るのに。」

「いえ、ここまで来て、今してくれた様に手厚いサポートをして下さい。それも加味して、作業時間を三時間としたのです。もしあなたが来ないのなら、そうですね……」

 と、ジェーンが指を折って、数え始めた。皆が私を、お前付いていってやれよといった顔で見てきた。辛い。だが、彼の指折りは一向に止まらず、もう片方の手へと達してしまった。ああもう、私は決意した。

「分かった、私も毎日同行するよ……。」

 スコピオ博士が私の肩をポンと叩いた。

「そうこなくちゃ!よし、グレン研究所とソーライ研究所で、力を合わせて頑張るぞ!おー!」

 スコピオ博士が笑顔で、拳を天に突き上げた。私も苦笑いをしながら、少しだげ拳を上げた。
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