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一つ目のパーツが入手困難編
36 ヒューゴ村長の部屋
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漸くジェーンが起きてきたので、パンとお茶で朝食を済ました我々は、ミゲルの提案で、少しサウザンドリーフの村を案内してもらうことになった。この村の住人は、森の木をそのまま使用して住んでいる為、家と家の感覚がまばらで、大きさにも差がある。しかし皆何一つ不満も漏らさないのだろう、行き交う人々は朗らかな笑顔で、何気ない会話を楽しんでいるように見えた。
物置だと案内された部屋には、数十台のブレイブホースが置いてあったが、殆どが埃を被っていた。我々がレンタルショップで借りた物も、そこに停めてあった。そこから歩いて、すぐのところに私塾があり、部屋の中から子ども達が、興味津々な様子で我々のことを見ていたので、私は手を振った。
私の隣で歩いているジェーンは一瞬、子ども達を見ただけで、他に視線を移してしまった。子ども達が手を振っているのに、彼は何もしないで去ろうとしたので、私はジェーンの手を掴んで一緒に振ってあげた。ジェーンはされるがままに立ち止まり、笑顔で手を振り続けている子ども達のことを、いつもの真顔でじっと見つめていた。
一通り、村を案内されたところで、ミゲルが一際、大きな木の前で立ち止まった。木を削って作られた階段があり、その先にはシンプルな木製のドアがあった。ミゲルはそのドアを見ながら紹介してくれた。
「こちらが村長の部屋です。さあどうぞ。」
頷き、部屋に続く階段を上がった。部屋の扉をミゲルが開けてくれた。そこは広くも狭くもない、ソファにコーヒーテーブルが置いてあるだけの綺麗な部屋だった。村長と呼ばれている、灰色のローブをお召しになったおじいさんが杖を持ちながら、ソファに座っていて、傍にはサラサラした黒髪が美しい、綺麗な細身の女性が立っていた。
ダークグリーンのワンピースを着ている彼女の胸元を見て、私はハッとした。そこにはジェーンの探しているパーツが付けられていたのだ。機械なら機械らしく、ネジとか鉄の塊といった、武骨なデザインをしていればいいのに、あんなに紛らわしい見た目なのだから、彼女が胸に付けてしまうのも仕方ないのである。これについては後で、ジェーンに改善点を申し上げようと思った。
ブローチを付けた女性と握手をすると、彼女が笑顔で私達に話しかけてくれた。
「昨夜は大変でしたね、私はアーネル。隣に居るのは、村長のヒューゴです。私の父です。」
ヒューゴさんも立ち上がろうとしてくれたが、杖を使っても上手く立てず、バランスを崩してしまった。私は咄嗟に彼の腕を掴んで、彼の体を支えた。
「おお、身のこなしが良い娘さんだ。ありがとう。」
「いえ、痛くはありませんか?」
「大丈夫だ、ありがとう。これ、アーネル、お茶を。」
私は慌てて首を横に振った。
「いえ、大丈夫です。ありがとうございます。今朝、こちらのお方に、お茶とパンを頂いたのです。とても美味しかった。」
ドアのところに立っているミゲルが照れた様子で頭を掻いた。それを見て、ヒューゴさんとアーネルさんが笑っている。皆で優しく微笑みあっている、何とも優しい空間に私はいる。彼らの暖かさが移ったのか、私まで微笑んでしまっている。だが隣にいるあの男は、普段となんら変わらず、無表情のままだった。
ヒューゴさんは再びソファに座り、ご機嫌な様子で話し始めた。
「ほっほっほ!そうかそうか、パンやお茶を喜んでくれてよかった。それらはここの名産……といっても植物や木々のお陰だが。良い花粉が取れるんだ。それで我々は、よくクッキーやパンを焼く。我々の主食だよ。」
隣に突っ立っているジェーンが「なるほど」と、小声で納得してから、ヒューゴさんに聞いた。
「それは、この村の至る箇所でよく目にする、ロコベイの花の花粉でしょうか。それでパンを?私が今朝、食したのは花粉のパンですか?」
「そうじゃ!お兄さんはロコベイのことを、よく知っているようだ。あの黄色くて、大きな可愛らしい花の花粉は、栄養がたくさん詰まっているんだ。子ども達も皆、その花粉で作ったクッキーが好きで、よく食べているよ。」
ヒューゴさんは純粋な、屈託のない笑顔をジェーンに向けた。きっと彼のこういうところが村の皆に愛される秘訣なのかもしれないと思った。じっとヒューゴさんの笑顔を見つめていると、ふと彼と目が合った。
「そう言えば、ケイトやアリスは元気かな?」
私は答えた。
「はい、基本的には。でもニュースで森のことが報じられてから、やはり、ここの皆のことを心配していました。体調などは何も、大丈夫ですよ。」
ヒューゴとアーネルは顔を合わせて、黙ってしまった。彼女達は元気だと告げたのに、どうしてそんなに、何か悲しそうな表情をするのか、私は何か変なことを言ってしまったか自問した。私の顔色が変わったのを見たのか、アーネルさんが私の肩に手を置き、慰めるように言った。
「いえ、何でもないのよ。少し考えることがあったので、つい……それで、ケイトは森のことを心配してくれていたのね。」
「アーネルさんはケイト先生と仲がいいのですか?」
「ええ。私は彼女ほど頭が良くないから、たまに話についていけないところもあるけれど、それでも彼女の話を聞いたり、森の話をしている時は楽しくて。今はケイトも忙しいようだし、離れて暮らしているから、中々会えないけれど……うん。仕方のないことだけど、もう一度会いたかった。」
会いたかった?どうして、と私が聞く前に、ジェーンがアーネルさんに聞いた。
「会いたかった、とは一体どういうことでしょうか?また日にちを調整して、会えばよろしいのでは。」
ちらりとジェーンを見たアーネルさんが、何か話そうと思ったのか、少し口をパクパクさせてから、俯いて黙ってしまった。代わりに口を開いたのは、ヒューゴさんだった。
「……実は数日前、帝国から我々に対して、立ち退き勧告が出たんだ。無論、我々はこの森を出る訳にはいかない。我々にはこの森が必要で、この森もまた、我々を必要としているからだ。」
「そうだったのですか……。」
「ああ、この森には、何十種類もの木々が存在しているが、その中でも、この大きな体を持つサウザンドリーフの木は頻繁に水を必要としたり、受粉を他の生物に依存する木でな、大昔から我々の祖先が、その役割を担ってきたんだ。我々がここを離れれば、この子達はみるみる枯れてしまう。しかし、それを理解しているのか、していないのか知らないが、先日、新光騎士団の連中がここに来て、我々にここから出て行くように言ってきたんだ。」
新光騎士団、それはネビリスが発足した新たなる光の騎士団のことか。何と勝手な命令をするものだ、と私は呆れた。
「だが、私は断ったんだ。理由は今、君達に説明したことと……まあ、他にもあるが、こんな折り入った話は聞きたくは無いだろう。それにしても何故ここまで来たのか、そして私に会いたかったのか、理由を聞かせてはくれないか?」
何故か、つま先に鈍い痛みが走った。下を見れば、ジェーンが私の足を踏んでいた。一体彼に対して、何から注意すればいいんだろうと、私の脳内にあるタスク管理表が悲鳴を上げた。取り敢えず今は彼のことを睨んで、そしてヒューゴさんの問いに答えた。
「じ、実はその、先日ライネット博士とお会いしまして、その時にアーネルさんのブローチの写真を見まして……。」
「おお!ライネット君を知っているのか!」とヒューゴさんが身を乗り出した。
「はい、ソーライ研究所に依頼しに来てくれたのです。それでその時に、世にも珍しい輝きを放つブローチの写真を見せて頂いて……一体どのような素材なのか、我々は研究者なので、自分の目で確かめたくて、それで来たのです。」
「そうでしたか、どうぞ。」と、アーネルさんがブローチを胸元から外して渡してくれた。私はそれを受け取った。思ったよりも重くない、とても綺麗な、手のひらサイズの赤い宝石……のように見えるジェーンのパーツ。今その石には金色の装飾が付けられていて、裏を見ると、安全ピンを接着剤で付けた、簡易的な工作が施してあった。
「実はそれ、ミゲルが森で拾い、私にくれたのです。」
「え?ミゲルが?」
物置だと案内された部屋には、数十台のブレイブホースが置いてあったが、殆どが埃を被っていた。我々がレンタルショップで借りた物も、そこに停めてあった。そこから歩いて、すぐのところに私塾があり、部屋の中から子ども達が、興味津々な様子で我々のことを見ていたので、私は手を振った。
私の隣で歩いているジェーンは一瞬、子ども達を見ただけで、他に視線を移してしまった。子ども達が手を振っているのに、彼は何もしないで去ろうとしたので、私はジェーンの手を掴んで一緒に振ってあげた。ジェーンはされるがままに立ち止まり、笑顔で手を振り続けている子ども達のことを、いつもの真顔でじっと見つめていた。
一通り、村を案内されたところで、ミゲルが一際、大きな木の前で立ち止まった。木を削って作られた階段があり、その先にはシンプルな木製のドアがあった。ミゲルはそのドアを見ながら紹介してくれた。
「こちらが村長の部屋です。さあどうぞ。」
頷き、部屋に続く階段を上がった。部屋の扉をミゲルが開けてくれた。そこは広くも狭くもない、ソファにコーヒーテーブルが置いてあるだけの綺麗な部屋だった。村長と呼ばれている、灰色のローブをお召しになったおじいさんが杖を持ちながら、ソファに座っていて、傍にはサラサラした黒髪が美しい、綺麗な細身の女性が立っていた。
ダークグリーンのワンピースを着ている彼女の胸元を見て、私はハッとした。そこにはジェーンの探しているパーツが付けられていたのだ。機械なら機械らしく、ネジとか鉄の塊といった、武骨なデザインをしていればいいのに、あんなに紛らわしい見た目なのだから、彼女が胸に付けてしまうのも仕方ないのである。これについては後で、ジェーンに改善点を申し上げようと思った。
ブローチを付けた女性と握手をすると、彼女が笑顔で私達に話しかけてくれた。
「昨夜は大変でしたね、私はアーネル。隣に居るのは、村長のヒューゴです。私の父です。」
ヒューゴさんも立ち上がろうとしてくれたが、杖を使っても上手く立てず、バランスを崩してしまった。私は咄嗟に彼の腕を掴んで、彼の体を支えた。
「おお、身のこなしが良い娘さんだ。ありがとう。」
「いえ、痛くはありませんか?」
「大丈夫だ、ありがとう。これ、アーネル、お茶を。」
私は慌てて首を横に振った。
「いえ、大丈夫です。ありがとうございます。今朝、こちらのお方に、お茶とパンを頂いたのです。とても美味しかった。」
ドアのところに立っているミゲルが照れた様子で頭を掻いた。それを見て、ヒューゴさんとアーネルさんが笑っている。皆で優しく微笑みあっている、何とも優しい空間に私はいる。彼らの暖かさが移ったのか、私まで微笑んでしまっている。だが隣にいるあの男は、普段となんら変わらず、無表情のままだった。
ヒューゴさんは再びソファに座り、ご機嫌な様子で話し始めた。
「ほっほっほ!そうかそうか、パンやお茶を喜んでくれてよかった。それらはここの名産……といっても植物や木々のお陰だが。良い花粉が取れるんだ。それで我々は、よくクッキーやパンを焼く。我々の主食だよ。」
隣に突っ立っているジェーンが「なるほど」と、小声で納得してから、ヒューゴさんに聞いた。
「それは、この村の至る箇所でよく目にする、ロコベイの花の花粉でしょうか。それでパンを?私が今朝、食したのは花粉のパンですか?」
「そうじゃ!お兄さんはロコベイのことを、よく知っているようだ。あの黄色くて、大きな可愛らしい花の花粉は、栄養がたくさん詰まっているんだ。子ども達も皆、その花粉で作ったクッキーが好きで、よく食べているよ。」
ヒューゴさんは純粋な、屈託のない笑顔をジェーンに向けた。きっと彼のこういうところが村の皆に愛される秘訣なのかもしれないと思った。じっとヒューゴさんの笑顔を見つめていると、ふと彼と目が合った。
「そう言えば、ケイトやアリスは元気かな?」
私は答えた。
「はい、基本的には。でもニュースで森のことが報じられてから、やはり、ここの皆のことを心配していました。体調などは何も、大丈夫ですよ。」
ヒューゴとアーネルは顔を合わせて、黙ってしまった。彼女達は元気だと告げたのに、どうしてそんなに、何か悲しそうな表情をするのか、私は何か変なことを言ってしまったか自問した。私の顔色が変わったのを見たのか、アーネルさんが私の肩に手を置き、慰めるように言った。
「いえ、何でもないのよ。少し考えることがあったので、つい……それで、ケイトは森のことを心配してくれていたのね。」
「アーネルさんはケイト先生と仲がいいのですか?」
「ええ。私は彼女ほど頭が良くないから、たまに話についていけないところもあるけれど、それでも彼女の話を聞いたり、森の話をしている時は楽しくて。今はケイトも忙しいようだし、離れて暮らしているから、中々会えないけれど……うん。仕方のないことだけど、もう一度会いたかった。」
会いたかった?どうして、と私が聞く前に、ジェーンがアーネルさんに聞いた。
「会いたかった、とは一体どういうことでしょうか?また日にちを調整して、会えばよろしいのでは。」
ちらりとジェーンを見たアーネルさんが、何か話そうと思ったのか、少し口をパクパクさせてから、俯いて黙ってしまった。代わりに口を開いたのは、ヒューゴさんだった。
「……実は数日前、帝国から我々に対して、立ち退き勧告が出たんだ。無論、我々はこの森を出る訳にはいかない。我々にはこの森が必要で、この森もまた、我々を必要としているからだ。」
「そうだったのですか……。」
「ああ、この森には、何十種類もの木々が存在しているが、その中でも、この大きな体を持つサウザンドリーフの木は頻繁に水を必要としたり、受粉を他の生物に依存する木でな、大昔から我々の祖先が、その役割を担ってきたんだ。我々がここを離れれば、この子達はみるみる枯れてしまう。しかし、それを理解しているのか、していないのか知らないが、先日、新光騎士団の連中がここに来て、我々にここから出て行くように言ってきたんだ。」
新光騎士団、それはネビリスが発足した新たなる光の騎士団のことか。何と勝手な命令をするものだ、と私は呆れた。
「だが、私は断ったんだ。理由は今、君達に説明したことと……まあ、他にもあるが、こんな折り入った話は聞きたくは無いだろう。それにしても何故ここまで来たのか、そして私に会いたかったのか、理由を聞かせてはくれないか?」
何故か、つま先に鈍い痛みが走った。下を見れば、ジェーンが私の足を踏んでいた。一体彼に対して、何から注意すればいいんだろうと、私の脳内にあるタスク管理表が悲鳴を上げた。取り敢えず今は彼のことを睨んで、そしてヒューゴさんの問いに答えた。
「じ、実はその、先日ライネット博士とお会いしまして、その時にアーネルさんのブローチの写真を見まして……。」
「おお!ライネット君を知っているのか!」とヒューゴさんが身を乗り出した。
「はい、ソーライ研究所に依頼しに来てくれたのです。それでその時に、世にも珍しい輝きを放つブローチの写真を見せて頂いて……一体どのような素材なのか、我々は研究者なので、自分の目で確かめたくて、それで来たのです。」
「そうでしたか、どうぞ。」と、アーネルさんがブローチを胸元から外して渡してくれた。私はそれを受け取った。思ったよりも重くない、とても綺麗な、手のひらサイズの赤い宝石……のように見えるジェーンのパーツ。今その石には金色の装飾が付けられていて、裏を見ると、安全ピンを接着剤で付けた、簡易的な工作が施してあった。
「実はそれ、ミゲルが森で拾い、私にくれたのです。」
「え?ミゲルが?」
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