33 / 253
一つ目のパーツが入手困難編
33 夜の森
しおりを挟む
サウザンドリーフの森は、木漏れ日が光のカーテンのようになって、幻想的に木々を照らしていた。これを写真に収めるために、観光に来る人も居ると聞いたことがある。
しかし我々が到着した頃には、もう既に夜になっていた。残念なことに光のカーテンは見られなかったが、翌日晴れることを祈る。どのみち、この時間になってしまえば、夜の間にブローチを持つ娘さんと会って、それを頂くことは不可能だろう。
癒し系の昼間の風景とは正反対で、夜になると森は月明かりも落ちていない、真っ暗闇に包まれていた。ブレイブホースの頭部のライトだけを頼りに、木にぶつからないように、また木の根っこでつまづいて転ばないように、ホースを徐行させた。
『でもさ、ブローチを見せてもらうのは簡単そうだけど、それをくれるかなぁ。ジェーン、それってどうしても必要なの?』
『はい、あれが無いと時空間歪曲機が飛翔することが出来ませんし、私の時代でしか採掘出来なかった金属を使用しています。あれそのものを手に入れなければ、私は一生、あなたのお世話になることでしょう。どうにか頂く手を、今考えているところです。』
『そっか、それは絶対に入手しないとね、一生お世話はちょっと。』
ぬかるんでいる土道で、時々ブレイブホースのバランスが崩れるが、その度に上手くハンドルを微調整させた。因みにその度に、私のお腹に回された彼の腕がぎゅっと強くなる。奇妙なことに、そんなことで怯える彼のことが、鬱陶しい反面、守りたいと思えてしまう。私は自分の中に芽生えている変な感情を払拭するために話を続けた。
『私だったら、突然真夜中に現れた、怪しさ満点の奴らに自分のブローチをあげないよ。』
『そうですね、確かに夜に訪問することは失礼に値しますから、朝になるまで、村の近くで待機しましょうか。』
『でも、リーフの村の自警団に見つかりそう。あの村の自警団って知ってる?彼らは遠くの敵の頭も、的確に弓で射抜く凄腕のスナイパー集団だし、村の近くに潜んでいて誤解されたら、我々の命は無いよ。』
『ああ、リーフの村の自警団、聞いたことがあります。しかしバレても殺されはしないでしょう、彼らは温厚な性格だと聞きますし、むやみやたらに人命を奪うとも考えられない。この暗闇の中を狙われたら、あなたが大声で、我々はケイト先生の知り合いだとでも申せば、万事解決します。心配は無用ですよ。』
何も言う事が無くなったので黙ることにした。ブレイブホースが倒木の上を通った時に、ぱかっぱかっと音が森に響いたが、いとも簡単に暗闇に吸い込まれていった。その時に何故か、別にホースが揺れてもいないのに、ジェーンがぎゅうと私のことを締め付けてきた。背中いっぱいに、彼の温かい感触がある。おのれ。
『……ジェーン、奥さんいるんでしょう。この世界に居ないとはいえ、あまり私にくっついては、彼女が悲しむ。まあそれを言ったら昨日同じ部屋に泊まったのも、いけないことだろうけど……兎に角、ハーネスがちゃんとあるのだから、肩をつかむ程度にしてよ。ちょっと罪悪感あるから。』
『ああ、そのような気分にならずとも、宿泊もこの姿勢も、彼女は気にしないでしょう。宿屋は突然の大雨だったので、同じ部屋になるしかなかった、もしそこで部屋を取らなかったら、すぐに満室になってしまい、どの宿にも止まる事が出来ず、私達は大雨に打たれながら、路上で夜を超える事になっていたでしょう。それこそ、彼女は望みません。それにこの姿勢においても、何よりも安全が第一です。あなたが言うハーネスとは、この革製のベルトのことでしょうが、果たして私が落下した衝撃に、この素材、この細さのベルトが、私を支えきれるかと問われれば、はいとは言えません。この姿勢の方が安全だと思います、この姿勢の方が完璧に私を……魔工学の権威でもある私を、守ってくれるでしょう。』
私は再び何も言う事が無くなってしまった。そうまでして自分の命を守りたいと言うなら、もうこの姿勢も仕方ないかと思ってしまった。罪悪感は拭えないが、もう今起きていることは全て、魔工学の権威である彼の責任だと思う事にした。私はもう知らない、忠告をすることはしたんだ、もう私の責任では無いだろう……多分。
それから無言が続いた。ぬかるみの上を歩くブレイブホースの音と、虫の鳴く声、木々が風で揺れている音だけが聞こえている。それ以外は静寂だった。なんだか私達だけ、世界から切り離されているかのように、不思議な雰囲気に包まれた。暫く進んでいると、遠くの方で微かに松明のような暖色の灯りが見えた。
『あ、あれが村かな。』
ジェーンの返事が無い。私は独り言を放った訳では無い、スピーカに向かって話したのだ。こんな静かな場所で、私の声が聞こえなかった筈はないと思い、それでも彼が私のお腹に回した手が緩んでいないので、寝てることはないだろうと、もう一度話しかけた。
『ジェーン?』
返事が無い。ブレイブホースの歩みを止めて、後ろを振り返ってみようとするが、ジェーンに抱きつかれているために体が固定されていて、上手く後ろが向けない。両手を使って、やっとの事で彼の腕を自分の体から引き剥がして振り向くと、彼は目を閉じていて、眠っているようだった。
私と言う支えを失ったジェーンが、力無く崩れ落ちそうになったので、彼の腕を掴んで、引き止めた。私から離れてくれたのはいいが、寝ているのか。これはどうやって運んで行こうと、座ったまま眠っている、彼の寝顔を見ながら少し考えていると、薄眼を開けたジェーンが、また私のお腹へと手を回して、今度は私の肩に顎を乗せて、寝息を立ててしまった。
仕方あるまい、これが一番運べる姿勢か、と、その姿勢のままブレイブホースのアクセルを軽く踏んだ。なんだか子守をしているようだ。大きな子どもだこと。そう思うと少しだけ笑いが込み上げてきた。すやすやと耳元で聞こえる寝息が、何とも煩い。ああ、きっと奥方はジェーンのこの部分が好きなのだろう、慣れると、何処までも馴れ馴れしい彼が、きっと。
その時、前方に見えていた灯りが揺れた。気付いた私は、すぐにブレイブホースの歩みを止めた。すぐに大きな男の声が森に響いた。
「誰だ!誰か居るな!」
私はヘルメットを外し、ブレイブホースの耳の部分に引っ掛けて、灯りの方へと叫んだ。
「夜分遅くに申し訳ありません!ユークアイランドのソーライ研究所から来た、キルディアと申します!ケイト先生の友人です!」
「ケイトを知っているのか……」
そう聞こえた気がする。ボソボソと何人かの男の声が聞こえた。きっと我々が不審者でないか、話し合っているに違いない。念のため、私は情報を追加しておいた。
「ケイト先生は、ソーライ研究所の医務の先生で、ジャスミン茶を淹れるのが上手で、とっても電車を愛しています!」
これで通じただろうか、きっと彼らが考えているこの時間も、我々は他の自警団の人間によって、弓で狙われているに違いない。もう少し離れた場所で待機していれば良かったが、思ったよりも村が近くにあった。もっと村の灯りが出ていると予想していたが、今でさえ灯りがポツンと一つしか見えていない。そこに村があるのかも見えない状態だったが、いつの間にか村に接近していたらしい。
気が付けば、後ろのジェーンが起きているのか、私の肩から顎が浮いていた。しかし彼は無言で状況を悟ると、私の背後に自分の体が隠れるように、縮こまったのだ。私を盾にするとはやってくれると、一人また笑ってしまった。
「分かった!」先程の男性の声が響いた。「こちらに来てください!この灯りに向かってくれれば、村があります!」
先程とは態度が変わった。我々を迎えてくれたようだ。良かった、通じたんだ。
「それはそうと」
「わああ!」
ジェーンがいきなり私の耳元で話しかけてきたので、驚いてブレイブホースのバランスを崩しかけてしまった。ブレイブホースを一度止めて、彼の方を振り向くと、眠い目を擦りながら彼が言った。
「それはそうと、少し私は眠っていたのですが……その間に、新たなる光の騎士団には遭遇しましたか?」
「いや、会ってないけど。そう言えばそうだよね、この森へは通行規制が入るという情報があったから、どこかに居るかと思ってたけど、全然居ないね。」
と、私が首を振ると、ジェーンは首を傾げた。
しかし我々が到着した頃には、もう既に夜になっていた。残念なことに光のカーテンは見られなかったが、翌日晴れることを祈る。どのみち、この時間になってしまえば、夜の間にブローチを持つ娘さんと会って、それを頂くことは不可能だろう。
癒し系の昼間の風景とは正反対で、夜になると森は月明かりも落ちていない、真っ暗闇に包まれていた。ブレイブホースの頭部のライトだけを頼りに、木にぶつからないように、また木の根っこでつまづいて転ばないように、ホースを徐行させた。
『でもさ、ブローチを見せてもらうのは簡単そうだけど、それをくれるかなぁ。ジェーン、それってどうしても必要なの?』
『はい、あれが無いと時空間歪曲機が飛翔することが出来ませんし、私の時代でしか採掘出来なかった金属を使用しています。あれそのものを手に入れなければ、私は一生、あなたのお世話になることでしょう。どうにか頂く手を、今考えているところです。』
『そっか、それは絶対に入手しないとね、一生お世話はちょっと。』
ぬかるんでいる土道で、時々ブレイブホースのバランスが崩れるが、その度に上手くハンドルを微調整させた。因みにその度に、私のお腹に回された彼の腕がぎゅっと強くなる。奇妙なことに、そんなことで怯える彼のことが、鬱陶しい反面、守りたいと思えてしまう。私は自分の中に芽生えている変な感情を払拭するために話を続けた。
『私だったら、突然真夜中に現れた、怪しさ満点の奴らに自分のブローチをあげないよ。』
『そうですね、確かに夜に訪問することは失礼に値しますから、朝になるまで、村の近くで待機しましょうか。』
『でも、リーフの村の自警団に見つかりそう。あの村の自警団って知ってる?彼らは遠くの敵の頭も、的確に弓で射抜く凄腕のスナイパー集団だし、村の近くに潜んでいて誤解されたら、我々の命は無いよ。』
『ああ、リーフの村の自警団、聞いたことがあります。しかしバレても殺されはしないでしょう、彼らは温厚な性格だと聞きますし、むやみやたらに人命を奪うとも考えられない。この暗闇の中を狙われたら、あなたが大声で、我々はケイト先生の知り合いだとでも申せば、万事解決します。心配は無用ですよ。』
何も言う事が無くなったので黙ることにした。ブレイブホースが倒木の上を通った時に、ぱかっぱかっと音が森に響いたが、いとも簡単に暗闇に吸い込まれていった。その時に何故か、別にホースが揺れてもいないのに、ジェーンがぎゅうと私のことを締め付けてきた。背中いっぱいに、彼の温かい感触がある。おのれ。
『……ジェーン、奥さんいるんでしょう。この世界に居ないとはいえ、あまり私にくっついては、彼女が悲しむ。まあそれを言ったら昨日同じ部屋に泊まったのも、いけないことだろうけど……兎に角、ハーネスがちゃんとあるのだから、肩をつかむ程度にしてよ。ちょっと罪悪感あるから。』
『ああ、そのような気分にならずとも、宿泊もこの姿勢も、彼女は気にしないでしょう。宿屋は突然の大雨だったので、同じ部屋になるしかなかった、もしそこで部屋を取らなかったら、すぐに満室になってしまい、どの宿にも止まる事が出来ず、私達は大雨に打たれながら、路上で夜を超える事になっていたでしょう。それこそ、彼女は望みません。それにこの姿勢においても、何よりも安全が第一です。あなたが言うハーネスとは、この革製のベルトのことでしょうが、果たして私が落下した衝撃に、この素材、この細さのベルトが、私を支えきれるかと問われれば、はいとは言えません。この姿勢の方が安全だと思います、この姿勢の方が完璧に私を……魔工学の権威でもある私を、守ってくれるでしょう。』
私は再び何も言う事が無くなってしまった。そうまでして自分の命を守りたいと言うなら、もうこの姿勢も仕方ないかと思ってしまった。罪悪感は拭えないが、もう今起きていることは全て、魔工学の権威である彼の責任だと思う事にした。私はもう知らない、忠告をすることはしたんだ、もう私の責任では無いだろう……多分。
それから無言が続いた。ぬかるみの上を歩くブレイブホースの音と、虫の鳴く声、木々が風で揺れている音だけが聞こえている。それ以外は静寂だった。なんだか私達だけ、世界から切り離されているかのように、不思議な雰囲気に包まれた。暫く進んでいると、遠くの方で微かに松明のような暖色の灯りが見えた。
『あ、あれが村かな。』
ジェーンの返事が無い。私は独り言を放った訳では無い、スピーカに向かって話したのだ。こんな静かな場所で、私の声が聞こえなかった筈はないと思い、それでも彼が私のお腹に回した手が緩んでいないので、寝てることはないだろうと、もう一度話しかけた。
『ジェーン?』
返事が無い。ブレイブホースの歩みを止めて、後ろを振り返ってみようとするが、ジェーンに抱きつかれているために体が固定されていて、上手く後ろが向けない。両手を使って、やっとの事で彼の腕を自分の体から引き剥がして振り向くと、彼は目を閉じていて、眠っているようだった。
私と言う支えを失ったジェーンが、力無く崩れ落ちそうになったので、彼の腕を掴んで、引き止めた。私から離れてくれたのはいいが、寝ているのか。これはどうやって運んで行こうと、座ったまま眠っている、彼の寝顔を見ながら少し考えていると、薄眼を開けたジェーンが、また私のお腹へと手を回して、今度は私の肩に顎を乗せて、寝息を立ててしまった。
仕方あるまい、これが一番運べる姿勢か、と、その姿勢のままブレイブホースのアクセルを軽く踏んだ。なんだか子守をしているようだ。大きな子どもだこと。そう思うと少しだけ笑いが込み上げてきた。すやすやと耳元で聞こえる寝息が、何とも煩い。ああ、きっと奥方はジェーンのこの部分が好きなのだろう、慣れると、何処までも馴れ馴れしい彼が、きっと。
その時、前方に見えていた灯りが揺れた。気付いた私は、すぐにブレイブホースの歩みを止めた。すぐに大きな男の声が森に響いた。
「誰だ!誰か居るな!」
私はヘルメットを外し、ブレイブホースの耳の部分に引っ掛けて、灯りの方へと叫んだ。
「夜分遅くに申し訳ありません!ユークアイランドのソーライ研究所から来た、キルディアと申します!ケイト先生の友人です!」
「ケイトを知っているのか……」
そう聞こえた気がする。ボソボソと何人かの男の声が聞こえた。きっと我々が不審者でないか、話し合っているに違いない。念のため、私は情報を追加しておいた。
「ケイト先生は、ソーライ研究所の医務の先生で、ジャスミン茶を淹れるのが上手で、とっても電車を愛しています!」
これで通じただろうか、きっと彼らが考えているこの時間も、我々は他の自警団の人間によって、弓で狙われているに違いない。もう少し離れた場所で待機していれば良かったが、思ったよりも村が近くにあった。もっと村の灯りが出ていると予想していたが、今でさえ灯りがポツンと一つしか見えていない。そこに村があるのかも見えない状態だったが、いつの間にか村に接近していたらしい。
気が付けば、後ろのジェーンが起きているのか、私の肩から顎が浮いていた。しかし彼は無言で状況を悟ると、私の背後に自分の体が隠れるように、縮こまったのだ。私を盾にするとはやってくれると、一人また笑ってしまった。
「分かった!」先程の男性の声が響いた。「こちらに来てください!この灯りに向かってくれれば、村があります!」
先程とは態度が変わった。我々を迎えてくれたようだ。良かった、通じたんだ。
「それはそうと」
「わああ!」
ジェーンがいきなり私の耳元で話しかけてきたので、驚いてブレイブホースのバランスを崩しかけてしまった。ブレイブホースを一度止めて、彼の方を振り向くと、眠い目を擦りながら彼が言った。
「それはそうと、少し私は眠っていたのですが……その間に、新たなる光の騎士団には遭遇しましたか?」
「いや、会ってないけど。そう言えばそうだよね、この森へは通行規制が入るという情報があったから、どこかに居るかと思ってたけど、全然居ないね。」
と、私が首を振ると、ジェーンは首を傾げた。
0
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説
「殿下、人違いです」どうぞヒロインのところへ行って下さい
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームを元にした人気のライトノベルの世界でした。
しかも、定番の悪役令嬢。
いえ、別にざまあされるヒロインにはなりたくないですし、婚約者のいる相手にすり寄るビッチなヒロインにもなりたくないです。
ですから婚約者の王子様。
私はいつでも婚約破棄を受け入れますので、どうぞヒロインのところに行って下さい。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
転生した貴族令嬢は、辺境の森で魔女となる
椎名さえら
恋愛
「お前との婚約は今ここで破棄する!」
幼い頃からの婚約者だった公爵嫡男に舞踏会の最中に
婚約破棄された 私ーーユリアーナ。
彼の後ろには、か弱く震える貴族令嬢の姿が。
そしてその時に気づいてしまったのは、
「あ、これ、前世で読んでいた恋愛小説の一部分と同じだ」
前世で好んで読んでいた、転生もの恋愛小説と
まったく同じ導入部分と気づき、仕方なく婚約破棄に同意した。
その後、貴族のしきたりに絡めとられて辺境の森へ追放となった。
ついてきてくれたのは、幼馴染みの公爵三男テオドールのみ。
6年後、誰からも忘れ去られた存在の私は魔女となるーー
____________________________
魔女って書いてるけど、魔法は使いません(ゴメン)
長編と書いてるけど、たぶん短編(あいまい)
ざまあ、を書いてみたい。
テンプレあるあるになったらゴメンナサイ。
皆さま、脳内に「ご都合主義」の魔法処理を先に
済ませてからお読みください。
「誤字脱字」「矛盾点」のスルースキルを磨く
良い修行になると思われます…
✴︎不定期更新ですが、朝と夜2回更新したい✴︎
お堅い公爵様に求婚されたら、溺愛生活が始まりました
群青みどり
恋愛
国に死ぬまで搾取される聖女になるのが嫌で実力を隠していたアイリスは、周囲から無能だと虐げられてきた。
どれだけ酷い目に遭おうが強い精神力で乗り越えてきたアイリスの安らぎの時間は、若き公爵のセピアが神殿に訪れた時だった。
そんなある日、セピアが敵と対峙した時にたまたま近くにいたアイリスは巻き込まれて怪我を負い、気絶してしまう。目が覚めると、顔に傷痕が残ってしまったということで、セピアと婚約を結ばれていた!
「どうか怪我を負わせた責任をとって君と結婚させてほしい」
こんな怪我、聖女の力ですぐ治せるけれど……本物の聖女だとバレたくない!
このまま正体バレして国に搾取される人生を送るか、他の方法を探して婚約破棄をするか。
婚約破棄に向けて悩むアイリスだったが、罪悪感から求婚してきたはずのセピアの溺愛っぷりがすごくて⁉︎
「ずっと、どうやってこの神殿から君を攫おうかと考えていた」
麗しの公爵様は、今日も聖女にしか見せない笑顔を浮かべる──
※タイトル変更しました
ケダモノ王子との婚約を強制された令嬢の身代わりにされましたが、彼に溺愛されて私は幸せです。
ぽんぽこ@書籍発売中!!
恋愛
「ミーア=キャッツレイ。そなたを我が息子、シルヴィニアス王子の婚約者とする!」
王城で開かれたパーティに参加していたミーアは、国王によって婚約を一方的に決められてしまう。
その婚約者は神獣の血を引く者、シルヴィニアス。
彼は第二王子にもかかわらず、次期国王となる運命にあった。
一夜にして王妃候補となったミーアは、他の令嬢たちから羨望の眼差しを向けられる。
しかし当のミーアは、王太子との婚約を拒んでしまう。なぜならば、彼女にはすでに別の婚約者がいたのだ。
それでも国王はミーアの恋を許さず、婚約を破棄してしまう。
娘を嫁に出したくない侯爵。
幼馴染に想いを寄せる令嬢。
親に捨てられ、救われた少女。
家族の愛に飢えた、呪われた王子。
そして玉座を狙う者たち……。
それぞれの思いや企みが交錯する中で、神獣の力を持つ王子と身代わりの少女は真実の愛を見つけることができるのか――!?
表紙イラスト/イトノコ(@misokooekaki)様より
【完結】元悪役令嬢の劣化コピーは白銀の竜とひっそり静かに暮らしたい
豆田 ✿ 麦
恋愛
才色兼備の公爵令嬢は、幼き頃から王太子の婚約者。
才に溺れず、分け隔てなく、慈愛に満ちて臣民問わず慕われて。
奇抜に思える発想は公爵領のみならず、王国の経済を潤し民の生活を豊かにさせて。
―――今では押しも押されもせぬ王妃殿下。そんな王妃殿下を伯母にもつ私は、王妃殿下の模倣品(劣化コピー)。偉大な王妃殿下に倣えと、王太子の婚約者として日々切磋琢磨させられています。
ほら、本日もこのように……
「シャルロット・マクドゥエル公爵令嬢!身分を笠にきた所業の数々、もはや王太子たる私、エドワード・サザンランドの婚約者としてふさわしいものではない。今この時をもってこの婚約を破棄とする!」
……課題が与えられました。
■■■
本編全8話完結済み。番外編公開中。
乙女ゲームも悪役令嬢要素もちょっとだけ。花をそえる程度です。
小説家になろうにも掲載しています。
婚約破棄が私を笑顔にした
夜月翠雨
恋愛
「カトリーヌ・シャロン! 本日をもって婚約を破棄する!」
学園の教室で婚約者であるフランシスの滑稽な姿にカトリーヌは笑いをこらえるので必死だった。
そこに聖女であるアメリアがやってくる。
フランシスの瞳は彼女に釘付けだった。
彼女と出会ったことでカトリーヌの運命は大きく変わってしまう。
短編を小分けにして投稿しています。よろしくお願いします。
[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜
桐生桜月姫
恋愛
シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。
だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎
本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎
〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜
夕方6時に毎日予約更新です。
1話あたり超短いです。
毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる