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一つ目のパーツが入手困難編
28 オードブルの為に
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答えになっていない気もするけど……私はジェーンに従うことにした。一度、自分達の研究室で帰り支度をしてから、研究室を出て、ロックを掛けて、ジェーンと一緒に、通路奥の医務室へと向かった。
ドアを開けるなり、ジェーンは姉さんの机の上に置いてあったバッグを手にして、無言で、姉さんの腕を掴んで、歩き始めたのだ。いやいや!無理やり連れて行くなんて!一瞬、これは裏切られたのかと思ったが、彼を信じることにして、私も後を追った。姉さんだって訳も分からず、帰り支度をさせられて、連れられて行くのだから、かなり戸惑っている。
「ちょっとジェーン!?どこに連れて行くのよ!行き先くらい教えなさい!」
抵抗気味の姉さんの腕を掴んだまま、ジェーンはエントランスから外に出て、ユークアイランドの街へと向かって、足早に歩いている。その間に、姉さんから何度も「アリス、どう言うことなのか、説明しなさい!」と言われたが、私は首を傾げた。だって彼が何を考えているのか、多分キリーのところへ向かおうとしているんだろうけど、それが一体、どう言うつもりなのか、分からないもん。
街に着いても、ジェーンは姉さんの腕を引き続けた。姉さんはそのうち抵抗をやめて、ジェーンと共に歩き始めた。
「ジェーン、少しぐらい、話したらどうなの?どう言うつもりよ?」
「……。」
「アリス、どう言うつもりなの?何なのこれは。」
「だ、大丈夫だよ姉さん。よく分からないけど。」
青空が眩しい中、私達は、お店の立ち並ぶ大きな商店街を通って行き、サイクリングロードにもなっている、ゆるい坂道を降りると、サンセット海岸が目前に広がった。ジェーンが腕を掴むのをやめたが、この道順から、姉さんはどこに向かっているのか予想が出来たようで、取り敢えず、彼について歩いて行った。
海岸通りを歩く、二人の後ろ姿を見る。海風に、ジェーンの長い金色の髪と、姉さんの白いセミロングの癖っ毛が揺れた。思えば、姉さんとレストラン以外の場所に来るのは、久々のことだった。姉さんとは仲がいいけれど、友達のようにではない。こうして一緒に歩いているのが久しぶりなので、私は少し緊張してしまい、無口になった。
少し歩いたところで、海岸に人だかりが出来ているのが見えた。ワイワイと人々の声で賑わっていて、砂浜にはサメのようなモンスターが、鋭利な刃物で全身を切られて、ぐったりとしていた。人々はそれを眺めたり、足て突いたりしている。
あの群衆の中に、キリーがいるのかなと思った、その時に、人だかりから歓声とも、悲鳴とも取れる、どよめきが聞こえた。一瞬で、キリーに何かあったのだと思うと同時に、ジェーンが急いで道路から砂浜に下りて、人だかりの方へと走って行ってしまった。その後を私は続こうとして、道路を降りたが、後ろから姉さんが付いてこない。振り返ると彼女は、体を街灯に預けて、息を切らしていた。
「姉さん大丈夫?でも、ジェーンが行っちゃった。」
「はあ……私達は、ゆっくり行きましょう。急ぐことは、ないわ。あの人だかり、いつものアレでしょう?きっとジェーンは、キリーを心配したのよ……はあ。」
「ふふっ」と、声を出して笑ってしまった。姉さんは半分笑いながら、私を睨んだ。
「何よ、アリス。」
「だって、これじゃあ、騎士から逃げ切るなんて、無理だもん。」
姉さんは無言で下を向いた。姉さんの息が整うのを待ってから、私達は一緒に砂浜を歩いて、人だかりの方へと向かって行った。知っている風景だ。そのうち人の声が、鮮明に聞き取れるようになった。
「いやあ、やっぱキリちゃんに、頼んでよかったな!今回も楽しかった!」
「ああ、本当だな。これがあるから、逆にモンスター来ないかなって、期待しちゃうもんな!」
この人達は、この近辺の富裕層の住人で、戦闘を終えたキリーを取り囲んで立っていた。私はちょっとだけ小走りで、人をかき分けて、どんどん進んで行くと、汗だくで、砂浜に大の字に寝っ転がっているキリーが居た。彼女を見下ろすように、ジェーンが腰に手を当てて立ちながら、キリーに言った。
「しかし、この量のモンスター、よく一人で片付けましたね。」
確かに、この砂浜には、モンスターの死骸が、五、六匹転がっている。更にキリーに近づいた私は、思ったことを素直に言った。
「これだけ倒したならギルドだと……六十万だし、ハンターがもらえる金額は半分だから、三十万カペラはもらえるのに。」
私の声を聞いたキリーは、ジェーンを見るのをやめて、不思議そうな顔で私の方を見て、聞いた。
「あれ?アリスだ。何してるの?」
重そうにゆっくりと体を起こして、私に手を振ってくれたので、私も手を振り返してから、遠くに姉さんも居ることを伝えようと指をさした。それを見た彼女は、少し遠くでゆっくりと歩いている姉さんの姿を見つけると、姉さんに向かって、笑顔で手を振った。
その時に、キリーの腕に出来ていた大きな傷から、ポタポタと血が垂れて砂に落ちた。早く手当てをしなきゃいけないと、姉さんを呼ぼうと思ったが、そうするまでもなく姉さんは、今日一番の素早さで、こちらに向かって、砂の上を猛ダッシュして来ていた。見たことない姉さんの気迫に、私もそうだけど、キリーもビクッと体を震わせて驚いていた。人をドカドカ押して近づいて来た姉さんに、キリーがビビりながら言った。
「おおお!砂の上なのに、ケイト先生速い!しかもパワフル!」
「何言ってるのよ!怪我してるじゃないの!こんな傷の開いた状態で、砂の上になど寝っ転がらないでちょうだい!」と、怒鳴った姉さんは、手のひらでキリーの頭を叩いた。
「痛い!そっちの方が痛い!」
「そんな訳ないでしょう……ちょっとジェーン、きれいな水を、持って来てくれないかしら?」
「承知しました。」
キリーの家の一階に向かったジェーンが、暫くすると、バケツを両手に抱えて、外に出てきたのだった。彼がキリー宅の一階に住んでいるのは、リンさんの妄想じゃなくて事実だったんだと、その時、理解した。ジェーンが置いたバケツの水を利用して、キリーの傷口を洗った姉さんは、肩にかけていた小さいショルダーバッグから、携帯用の救急キットを取り出して、キリーの怪我の治療を始めた。
今もなお、住人達はキリーの方に時々目配せをしつつ、先程まで行われていた戦闘の様子を、興奮した様子で語り合っている。私は仁王立ちでキリーの前に立って、わざと大きい声で聞いた。
「キリー、なんで無料なの?説明して。」
しかしそれに答えたのは、住人の一人の、小柄なおじいさんだった。
「もし、キリちゃんがお金がいいって言うなら、喜んでお金を出すよ。最初は勿論、そのつもりだったんだ。ギルドに連絡しても、手続きにばかり時間がかかるわ、やっとの事で依頼しても、傭兵さん達は、もっと狩りやすくて収入のいい、陸上のモンスターの方を選んでしまう。困り果てて騎士に頼んだが、管轄外だと言われてしまってな……そこで我々、ここらの住人が話し合って出した結論は、ギルドにいた経験のあるキリちゃんに頼むと言うことだった。最初はキリちゃん、留守なことも多かったし、ちょっと忙しそうで無理かなと思ったけれど、ある日、砂浜に座っているキリちゃんを見かけて、頼んでみたら、いいよって言ってくれたんじゃ。」
おじいさんとキリーが笑顔で目を合わせた。
「勿論、モンスターとの戦闘で、キリちゃんに何かあっては大変だから、ミラーさんところの次男坊……彼はお医者さんなもんだから、彼女が戦う時は、ここに居てもらうようにしていたが、君も知っているだろう?見事な戦っぷりに、何も心配はいらないと、お思い知らされるばかりだ。それから我々は、キリちゃんの戦いの虜になった。彼女が戦う姿を思い出すと、仕事で心が折れそうな時も、勇気が湧く。そして彼女がヒラリと宙を舞いながら、蜂のようにモリで怪魚を刺す姿を見るのが、楽しみになったんじゃ。そんじょそこらの格闘技を見るのでは、物足りん。だから我々は、キリちゃんに頼むようになったんじゃ。だが、今回は珍しく怪我を負ってしまったと言うのに、ミラーさんところの次男が緊急で病院に行ってしまっていて、どうしようか困ったが、お姉さんが来てくれてよかった。ありがとう。」
突然、お礼を言われた姉さんは「い、いえ」と、戸惑いながら答えた。ちょっと面白くて笑ってしまった。でも、それでも腑に落ちなかった。だからって無利益で良いのかな、そう思って、私は言った。
「でも……キリーだけが。」
「いいんだよ、アリス。」キリーは首を振った。「みんなが娯楽のように喜んでくれるのは、私だって嬉しいし、お礼に、とびっきり美味しいオードブルをご馳走してくれるからいいの。ご近所づき合い、私にはこう言う形でしか、出来ないから。」
キリーの言葉に、私は姉さんとジェーンと同時に『なるほど』と、呟いた。
ドアを開けるなり、ジェーンは姉さんの机の上に置いてあったバッグを手にして、無言で、姉さんの腕を掴んで、歩き始めたのだ。いやいや!無理やり連れて行くなんて!一瞬、これは裏切られたのかと思ったが、彼を信じることにして、私も後を追った。姉さんだって訳も分からず、帰り支度をさせられて、連れられて行くのだから、かなり戸惑っている。
「ちょっとジェーン!?どこに連れて行くのよ!行き先くらい教えなさい!」
抵抗気味の姉さんの腕を掴んだまま、ジェーンはエントランスから外に出て、ユークアイランドの街へと向かって、足早に歩いている。その間に、姉さんから何度も「アリス、どう言うことなのか、説明しなさい!」と言われたが、私は首を傾げた。だって彼が何を考えているのか、多分キリーのところへ向かおうとしているんだろうけど、それが一体、どう言うつもりなのか、分からないもん。
街に着いても、ジェーンは姉さんの腕を引き続けた。姉さんはそのうち抵抗をやめて、ジェーンと共に歩き始めた。
「ジェーン、少しぐらい、話したらどうなの?どう言うつもりよ?」
「……。」
「アリス、どう言うつもりなの?何なのこれは。」
「だ、大丈夫だよ姉さん。よく分からないけど。」
青空が眩しい中、私達は、お店の立ち並ぶ大きな商店街を通って行き、サイクリングロードにもなっている、ゆるい坂道を降りると、サンセット海岸が目前に広がった。ジェーンが腕を掴むのをやめたが、この道順から、姉さんはどこに向かっているのか予想が出来たようで、取り敢えず、彼について歩いて行った。
海岸通りを歩く、二人の後ろ姿を見る。海風に、ジェーンの長い金色の髪と、姉さんの白いセミロングの癖っ毛が揺れた。思えば、姉さんとレストラン以外の場所に来るのは、久々のことだった。姉さんとは仲がいいけれど、友達のようにではない。こうして一緒に歩いているのが久しぶりなので、私は少し緊張してしまい、無口になった。
少し歩いたところで、海岸に人だかりが出来ているのが見えた。ワイワイと人々の声で賑わっていて、砂浜にはサメのようなモンスターが、鋭利な刃物で全身を切られて、ぐったりとしていた。人々はそれを眺めたり、足て突いたりしている。
あの群衆の中に、キリーがいるのかなと思った、その時に、人だかりから歓声とも、悲鳴とも取れる、どよめきが聞こえた。一瞬で、キリーに何かあったのだと思うと同時に、ジェーンが急いで道路から砂浜に下りて、人だかりの方へと走って行ってしまった。その後を私は続こうとして、道路を降りたが、後ろから姉さんが付いてこない。振り返ると彼女は、体を街灯に預けて、息を切らしていた。
「姉さん大丈夫?でも、ジェーンが行っちゃった。」
「はあ……私達は、ゆっくり行きましょう。急ぐことは、ないわ。あの人だかり、いつものアレでしょう?きっとジェーンは、キリーを心配したのよ……はあ。」
「ふふっ」と、声を出して笑ってしまった。姉さんは半分笑いながら、私を睨んだ。
「何よ、アリス。」
「だって、これじゃあ、騎士から逃げ切るなんて、無理だもん。」
姉さんは無言で下を向いた。姉さんの息が整うのを待ってから、私達は一緒に砂浜を歩いて、人だかりの方へと向かって行った。知っている風景だ。そのうち人の声が、鮮明に聞き取れるようになった。
「いやあ、やっぱキリちゃんに、頼んでよかったな!今回も楽しかった!」
「ああ、本当だな。これがあるから、逆にモンスター来ないかなって、期待しちゃうもんな!」
この人達は、この近辺の富裕層の住人で、戦闘を終えたキリーを取り囲んで立っていた。私はちょっとだけ小走りで、人をかき分けて、どんどん進んで行くと、汗だくで、砂浜に大の字に寝っ転がっているキリーが居た。彼女を見下ろすように、ジェーンが腰に手を当てて立ちながら、キリーに言った。
「しかし、この量のモンスター、よく一人で片付けましたね。」
確かに、この砂浜には、モンスターの死骸が、五、六匹転がっている。更にキリーに近づいた私は、思ったことを素直に言った。
「これだけ倒したならギルドだと……六十万だし、ハンターがもらえる金額は半分だから、三十万カペラはもらえるのに。」
私の声を聞いたキリーは、ジェーンを見るのをやめて、不思議そうな顔で私の方を見て、聞いた。
「あれ?アリスだ。何してるの?」
重そうにゆっくりと体を起こして、私に手を振ってくれたので、私も手を振り返してから、遠くに姉さんも居ることを伝えようと指をさした。それを見た彼女は、少し遠くでゆっくりと歩いている姉さんの姿を見つけると、姉さんに向かって、笑顔で手を振った。
その時に、キリーの腕に出来ていた大きな傷から、ポタポタと血が垂れて砂に落ちた。早く手当てをしなきゃいけないと、姉さんを呼ぼうと思ったが、そうするまでもなく姉さんは、今日一番の素早さで、こちらに向かって、砂の上を猛ダッシュして来ていた。見たことない姉さんの気迫に、私もそうだけど、キリーもビクッと体を震わせて驚いていた。人をドカドカ押して近づいて来た姉さんに、キリーがビビりながら言った。
「おおお!砂の上なのに、ケイト先生速い!しかもパワフル!」
「何言ってるのよ!怪我してるじゃないの!こんな傷の開いた状態で、砂の上になど寝っ転がらないでちょうだい!」と、怒鳴った姉さんは、手のひらでキリーの頭を叩いた。
「痛い!そっちの方が痛い!」
「そんな訳ないでしょう……ちょっとジェーン、きれいな水を、持って来てくれないかしら?」
「承知しました。」
キリーの家の一階に向かったジェーンが、暫くすると、バケツを両手に抱えて、外に出てきたのだった。彼がキリー宅の一階に住んでいるのは、リンさんの妄想じゃなくて事実だったんだと、その時、理解した。ジェーンが置いたバケツの水を利用して、キリーの傷口を洗った姉さんは、肩にかけていた小さいショルダーバッグから、携帯用の救急キットを取り出して、キリーの怪我の治療を始めた。
今もなお、住人達はキリーの方に時々目配せをしつつ、先程まで行われていた戦闘の様子を、興奮した様子で語り合っている。私は仁王立ちでキリーの前に立って、わざと大きい声で聞いた。
「キリー、なんで無料なの?説明して。」
しかしそれに答えたのは、住人の一人の、小柄なおじいさんだった。
「もし、キリちゃんがお金がいいって言うなら、喜んでお金を出すよ。最初は勿論、そのつもりだったんだ。ギルドに連絡しても、手続きにばかり時間がかかるわ、やっとの事で依頼しても、傭兵さん達は、もっと狩りやすくて収入のいい、陸上のモンスターの方を選んでしまう。困り果てて騎士に頼んだが、管轄外だと言われてしまってな……そこで我々、ここらの住人が話し合って出した結論は、ギルドにいた経験のあるキリちゃんに頼むと言うことだった。最初はキリちゃん、留守なことも多かったし、ちょっと忙しそうで無理かなと思ったけれど、ある日、砂浜に座っているキリちゃんを見かけて、頼んでみたら、いいよって言ってくれたんじゃ。」
おじいさんとキリーが笑顔で目を合わせた。
「勿論、モンスターとの戦闘で、キリちゃんに何かあっては大変だから、ミラーさんところの次男坊……彼はお医者さんなもんだから、彼女が戦う時は、ここに居てもらうようにしていたが、君も知っているだろう?見事な戦っぷりに、何も心配はいらないと、お思い知らされるばかりだ。それから我々は、キリちゃんの戦いの虜になった。彼女が戦う姿を思い出すと、仕事で心が折れそうな時も、勇気が湧く。そして彼女がヒラリと宙を舞いながら、蜂のようにモリで怪魚を刺す姿を見るのが、楽しみになったんじゃ。そんじょそこらの格闘技を見るのでは、物足りん。だから我々は、キリちゃんに頼むようになったんじゃ。だが、今回は珍しく怪我を負ってしまったと言うのに、ミラーさんところの次男が緊急で病院に行ってしまっていて、どうしようか困ったが、お姉さんが来てくれてよかった。ありがとう。」
突然、お礼を言われた姉さんは「い、いえ」と、戸惑いながら答えた。ちょっと面白くて笑ってしまった。でも、それでも腑に落ちなかった。だからって無利益で良いのかな、そう思って、私は言った。
「でも……キリーだけが。」
「いいんだよ、アリス。」キリーは首を振った。「みんなが娯楽のように喜んでくれるのは、私だって嬉しいし、お礼に、とびっきり美味しいオードブルをご馳走してくれるからいいの。ご近所づき合い、私にはこう言う形でしか、出来ないから。」
キリーの言葉に、私は姉さんとジェーンと同時に『なるほど』と、呟いた。
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