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初めましてシードロヴァ博士編
12 獰猛で可憐な人
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ジェーンは、昔から私を知っていた?一体、どう言う訳だ?謎が大きすぎて、私は唖然とした。
「……あなたはギルドで何ランクでしたか?」
ギルドで働いたのは三年間で、三年目になった時に、私は体力と根性でゴールドランクを取得していた。普通なら五年かけて漸く取れるらしい。そのおかげで周りからは妬まれて、私には友達が出来なかった。いつもそうだ、小学院だって、剣術道場だって、体術や剣術の授業で活躍しすぎて、逆に妬まれて友達が出来なかったのだ。だからこう言う話を聞かれた時に、出来るだけ自分を低めに言いたかった。
「ゴールドだった。正規の傭兵だったから、それもあって、たまたま……。」
「偶然ではないでしょう。あなたは努力家です。そうでしたか、私はブロンズランクでした。魔法を実戦で使用することは、過去にはあまり経験がありませんでした。その仕事を何度か経験しても、未だ慣れないままです。」
「そっか。それで……どこで私を知ったの?」
「ええ。ある日、ギルドのロビーで、一人の重装備の男がいたのを見ました。彼は、ギルドのゴールドランクのクエスト掲示板を見て、瞬時に複数のクエスト依頼表を手に取りました。その佇まいは、今までに見たことのない、何を話さずとも、身体中から覇気と威厳が溢れ出ている人間でした。人々もその人物を見ると、目を離さずには居られない様子で、彼がギルドのカウンターで受注しているときには、彼の大きな鎧や、背中にかけられた荘厳な大剣を、魂を奪われたように、じっと見つめていました。勿論、私もその一人でした。彼のように、全身から黒々しい殺気を漂わせている人間は、私の居た、比較的平和な世界では存在しません。まるで戦神、いや死神のようだった。さらに、彼が受付で受注完了して振り向いた時に、私は驚きました。彼は彼ではなく、彼女でした。あんなに重々しく、刺々しい鎧と兜の間に挟まっていたのは……綺麗な女性の顔でした……それも装備を見る限りは、背中の大剣を使用した近接戦闘がメインのようですし、あんなに大きな劔、男性でも扱うことが難しいであろうのにと、目を奪われました。お分かりでしょうが、それが私が、初めてあなたを見た瞬間です。」
見られていたのか、と恥ずかしくなって、顔が熱くなったのを両手で覆って誤魔化した。
「そっか、見てたんだ……そ、そんなに覇気あるかな、はは。それに綺麗な顔と言ってくれてありがとう、そうじゃ無いけど。あの時は、お金やランクアップのことしか頭に無くて、一つでも多くのクエストを受注してやろうと夢中だった。プラチナランクにもなりたかったし。だから評価の高いクエストなら、何でも受注した。」
「そうでしたか、因みに、ギルドの前は何を?士官学校を卒業してからギルドで働くまでに、ラグがあります。」
私は他の話題にしたかった。あまり過去のことは、思い出したくない。
「その前は……普通に、傭兵をしていた。色々と迷っていて。その辺のクラブのセキュリティだったり、会社の警備とか、現金輸送車の護衛とか、本当に雇われるままに仕事をしていた。」
「そうですか。」
私の手が微かに震えている感じがする。それを必死に彼に悟られまいと、太ももの間に挟んで隠した。ジェーンは気付いていないようだった。
「分かりました。先ほどの話の続きですが、強力そうなあなたを見かけた私は、その日帰宅しても、あなたのことを思い出しました。きっと彼女なら私を助けてくれる、そんな確証のない、ある種、自分の妄想を抱いてしまった……どうか嫌いにならないでくださいね。兎に角、あなたに協力を依頼したかった。しかし私はブロンズでしたし、ブロンズランクの人間は、あのギルドでは無下に扱われがちでしたから、このままでは、あなたが話を聞いてくれもしないだろうと勝手に予想しました。」
「別に言ってくれれば良かったのに。そんなの気にしなかったから。」
「ええ、あなたは人間の本質を見て接しようとしてくれる、素敵な人です。そう信じれば、近道だったのかもしれません。しかし、その時はそうは出来なかった。知らない土地、知らない世界で、誰かを信じることは、本当に難しいことです。それで、あなたと連携したいと願い、何か手段は無いものかと、取り敢えず帝国研究所の所長になり、その機会を伺おうと思いました。しかしその間に、あなたの姿はギルドから消えていました。当時の同僚に聞いても、彼女はどこへ言ったのか不明だと聞き、私はあの時、勇気を持って声をかければよかったと後悔しました。いくら調べても、あなたの所在が判明しません。ですから私は最終手段として、位置測定装置の開発に勤しみました。それも、あなたの痕跡がなければ意味がない。意味が無いのに、無駄なのに、私はその研究に没頭しました。無意味な行動をとることは、人生で初めてでした。明らかに、その時の私にとって、それだけが希望でした。ところがある日、帝国のニュースサイトの経済欄を見ていた時のことです。ユークアイランドのソーライ研究所の所長が、あなたになったことを発見しました。あなたはソーライ研究所にいるのだと、その時分かり、この機を逃してはならないと考え、隙あらばソーライ研究所に就職しようと思いました。居場所が分かっても、直接伺うまでの勇気は持ち合わせておらず、昔から私は自分から働きかけるということが、どうも苦手でしたので、あなたと親交を深めるために、外堀から埋めていきたかったのです。」
埋めていきたかったのです、じゃないよ……この人、私の居場所が知りたくて、位置測定装置を作成したのか。いや違う、本来既にあったものを、帝国研究所の所長が大幅に改良を進めたと、ニュースにもなっていたのを思い出した。そうまでして、私の居場所が知りたかったのか……でも私が所長になって、求人を出すのを待っていてくれたし、そうまでして私を選んでくれたのは嬉しいけど、一つ疑問がある。取り敢えず、という気持ちで帝国一の研究機関の所長になれるのか?ジェーンの場合は、それが可能だった訳だが、彼は技術的なスキルと、コミュニケーション能力の天秤が、傾きすぎな気がした。
「そ、そうだったんだね、分かったけど……でも、どうしてそこまでして、私に協力して欲しいって思ったの?さっきも言っていた通りに、私の見た目が強そうだったから?」
シナモン入りの紅茶を、ジェーンがゴクリと喉を鳴らしながら飲んだ後に、ことりとカップをテーブルに置いた。それから彼は、ちらっと私を恥ずかしそうに見てから、言った。
「ギルドであなたを見かけた時、自分でも説明することが難しい部分の話ですが……この人が協力してくれたら、きっと元の世界に帰れるという、謎の自信を持つことが出来ました。後から気づいたのは、それは私の直感だったのです。直感を信じることなど、思考を諦めた人間が行う非論理的な行いの愚の骨頂、以前の私はそう考えておりました。いかなる場合でも、論理的に考えることを重視し、物事を客観的に捉え、問題が起きた時には、最適なルートで素早く的確に対処出来る人間こそが、私の理想としている存在でしたが、その時は何度寝て起きても、その謎の自信が頭から取れなかったのです。こんな経験は今までに初めてで、言葉では説明が本当に難しい。そのうちに、こうも思いました。私はタイムスリップをして、この世界にやってきた。人々があれだけ信じてくれなかったものを、私は成し遂げました。事故に巻き込まれ、この地へとやって来たのは、ある意味、既定概念を破壊する、いい機会なのかもしれないと。こちらに来て間もない頃の私は、明瞭に窮地に陥っていました。そして心身ともに失意のどん底にある時ぐらい、勘に頼るのも有りかと考えました。折角、人間に備わっている機能ですから、使わなきゃ損だと思いませんか?ね。」
ジェーンは残っているお茶を一気に飲み干して、フーッと大きく息を吐いた。いろいろ難しいことを言っているが、勘で私と一緒にいることを決めたことは分かる。なんだか良い人なのか、そうでない人なのか分からない。でも多分良い人だと思う。彼は思考の壁を超えて、私を信じてくれて、こんな私を親友だっと言ってくれた。それだって嬉しい。それが例え、彼が元の世界に帰る手段の一つだったとしても、私はそんなこと気にならないぐらいに、ただ嬉しかった。だから自然に言葉が出てしまった。
「そっか、選んでくれてありがとう。」
「……。」
彼が黙ってしまった。何か変なことを言ってしまっただろうかと、ハッとして彼の方を見ると、意外にも彼の頬が赤らんでいる気がした。少し照れたのだろうか。多分、このことを言及すると、理屈攻撃を受けるだろうから辞めた。もう一度彼のことを見たが、更に頬が紅くなっていた。彼のそんな表情を見ていると、何だろう、胸がムカムカするような心地になった。締め付けられるような。
「キルディア、もう一つの質問をしても、よろしいでしょうか?」
「え?まだあるの?」
私は目を丸くして彼の方を向いた。彼は照れた表情から一変して、真剣な、鋭い目つきになっていた。
「はい、あります。私の着用している、この部屋着ですが、一体誰のものでしょうか?」
「え?そのジェーンが着てる部屋着?」
私が彼に貸した部屋着の服、それの何が変なのだろうか?それは紛れもなく、私のものなんだけど。至って普通の、白い上下のジャージだ。彼の質問が一体、どういう意味なのかがよく分からない。
「誰のって、私のですけど何で?」
ジェーンは「はっはっは」と、半ば呆れたような笑いを漏らした。何だろうかその笑いは。彼は腕を組んで、深く椅子に座り、疑う目を私に向けて、こう聞いた。
「別に、居ると仰って頂いても構いませんよ、彼氏。居るのでしょう?」
「え?何で?」
予想外の言葉に驚いて彼を凝視した。何をどうしたら、そういう思考になる?論理的に説明をしてくれ。
「……あなたはギルドで何ランクでしたか?」
ギルドで働いたのは三年間で、三年目になった時に、私は体力と根性でゴールドランクを取得していた。普通なら五年かけて漸く取れるらしい。そのおかげで周りからは妬まれて、私には友達が出来なかった。いつもそうだ、小学院だって、剣術道場だって、体術や剣術の授業で活躍しすぎて、逆に妬まれて友達が出来なかったのだ。だからこう言う話を聞かれた時に、出来るだけ自分を低めに言いたかった。
「ゴールドだった。正規の傭兵だったから、それもあって、たまたま……。」
「偶然ではないでしょう。あなたは努力家です。そうでしたか、私はブロンズランクでした。魔法を実戦で使用することは、過去にはあまり経験がありませんでした。その仕事を何度か経験しても、未だ慣れないままです。」
「そっか。それで……どこで私を知ったの?」
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見られていたのか、と恥ずかしくなって、顔が熱くなったのを両手で覆って誤魔化した。
「そっか、見てたんだ……そ、そんなに覇気あるかな、はは。それに綺麗な顔と言ってくれてありがとう、そうじゃ無いけど。あの時は、お金やランクアップのことしか頭に無くて、一つでも多くのクエストを受注してやろうと夢中だった。プラチナランクにもなりたかったし。だから評価の高いクエストなら、何でも受注した。」
「そうでしたか、因みに、ギルドの前は何を?士官学校を卒業してからギルドで働くまでに、ラグがあります。」
私は他の話題にしたかった。あまり過去のことは、思い出したくない。
「その前は……普通に、傭兵をしていた。色々と迷っていて。その辺のクラブのセキュリティだったり、会社の警備とか、現金輸送車の護衛とか、本当に雇われるままに仕事をしていた。」
「そうですか。」
私の手が微かに震えている感じがする。それを必死に彼に悟られまいと、太ももの間に挟んで隠した。ジェーンは気付いていないようだった。
「分かりました。先ほどの話の続きですが、強力そうなあなたを見かけた私は、その日帰宅しても、あなたのことを思い出しました。きっと彼女なら私を助けてくれる、そんな確証のない、ある種、自分の妄想を抱いてしまった……どうか嫌いにならないでくださいね。兎に角、あなたに協力を依頼したかった。しかし私はブロンズでしたし、ブロンズランクの人間は、あのギルドでは無下に扱われがちでしたから、このままでは、あなたが話を聞いてくれもしないだろうと勝手に予想しました。」
「別に言ってくれれば良かったのに。そんなの気にしなかったから。」
「ええ、あなたは人間の本質を見て接しようとしてくれる、素敵な人です。そう信じれば、近道だったのかもしれません。しかし、その時はそうは出来なかった。知らない土地、知らない世界で、誰かを信じることは、本当に難しいことです。それで、あなたと連携したいと願い、何か手段は無いものかと、取り敢えず帝国研究所の所長になり、その機会を伺おうと思いました。しかしその間に、あなたの姿はギルドから消えていました。当時の同僚に聞いても、彼女はどこへ言ったのか不明だと聞き、私はあの時、勇気を持って声をかければよかったと後悔しました。いくら調べても、あなたの所在が判明しません。ですから私は最終手段として、位置測定装置の開発に勤しみました。それも、あなたの痕跡がなければ意味がない。意味が無いのに、無駄なのに、私はその研究に没頭しました。無意味な行動をとることは、人生で初めてでした。明らかに、その時の私にとって、それだけが希望でした。ところがある日、帝国のニュースサイトの経済欄を見ていた時のことです。ユークアイランドのソーライ研究所の所長が、あなたになったことを発見しました。あなたはソーライ研究所にいるのだと、その時分かり、この機を逃してはならないと考え、隙あらばソーライ研究所に就職しようと思いました。居場所が分かっても、直接伺うまでの勇気は持ち合わせておらず、昔から私は自分から働きかけるということが、どうも苦手でしたので、あなたと親交を深めるために、外堀から埋めていきたかったのです。」
埋めていきたかったのです、じゃないよ……この人、私の居場所が知りたくて、位置測定装置を作成したのか。いや違う、本来既にあったものを、帝国研究所の所長が大幅に改良を進めたと、ニュースにもなっていたのを思い出した。そうまでして、私の居場所が知りたかったのか……でも私が所長になって、求人を出すのを待っていてくれたし、そうまでして私を選んでくれたのは嬉しいけど、一つ疑問がある。取り敢えず、という気持ちで帝国一の研究機関の所長になれるのか?ジェーンの場合は、それが可能だった訳だが、彼は技術的なスキルと、コミュニケーション能力の天秤が、傾きすぎな気がした。
「そ、そうだったんだね、分かったけど……でも、どうしてそこまでして、私に協力して欲しいって思ったの?さっきも言っていた通りに、私の見た目が強そうだったから?」
シナモン入りの紅茶を、ジェーンがゴクリと喉を鳴らしながら飲んだ後に、ことりとカップをテーブルに置いた。それから彼は、ちらっと私を恥ずかしそうに見てから、言った。
「ギルドであなたを見かけた時、自分でも説明することが難しい部分の話ですが……この人が協力してくれたら、きっと元の世界に帰れるという、謎の自信を持つことが出来ました。後から気づいたのは、それは私の直感だったのです。直感を信じることなど、思考を諦めた人間が行う非論理的な行いの愚の骨頂、以前の私はそう考えておりました。いかなる場合でも、論理的に考えることを重視し、物事を客観的に捉え、問題が起きた時には、最適なルートで素早く的確に対処出来る人間こそが、私の理想としている存在でしたが、その時は何度寝て起きても、その謎の自信が頭から取れなかったのです。こんな経験は今までに初めてで、言葉では説明が本当に難しい。そのうちに、こうも思いました。私はタイムスリップをして、この世界にやってきた。人々があれだけ信じてくれなかったものを、私は成し遂げました。事故に巻き込まれ、この地へとやって来たのは、ある意味、既定概念を破壊する、いい機会なのかもしれないと。こちらに来て間もない頃の私は、明瞭に窮地に陥っていました。そして心身ともに失意のどん底にある時ぐらい、勘に頼るのも有りかと考えました。折角、人間に備わっている機能ですから、使わなきゃ損だと思いませんか?ね。」
ジェーンは残っているお茶を一気に飲み干して、フーッと大きく息を吐いた。いろいろ難しいことを言っているが、勘で私と一緒にいることを決めたことは分かる。なんだか良い人なのか、そうでない人なのか分からない。でも多分良い人だと思う。彼は思考の壁を超えて、私を信じてくれて、こんな私を親友だっと言ってくれた。それだって嬉しい。それが例え、彼が元の世界に帰る手段の一つだったとしても、私はそんなこと気にならないぐらいに、ただ嬉しかった。だから自然に言葉が出てしまった。
「そっか、選んでくれてありがとう。」
「……。」
彼が黙ってしまった。何か変なことを言ってしまっただろうかと、ハッとして彼の方を見ると、意外にも彼の頬が赤らんでいる気がした。少し照れたのだろうか。多分、このことを言及すると、理屈攻撃を受けるだろうから辞めた。もう一度彼のことを見たが、更に頬が紅くなっていた。彼のそんな表情を見ていると、何だろう、胸がムカムカするような心地になった。締め付けられるような。
「キルディア、もう一つの質問をしても、よろしいでしょうか?」
「え?まだあるの?」
私は目を丸くして彼の方を向いた。彼は照れた表情から一変して、真剣な、鋭い目つきになっていた。
「はい、あります。私の着用している、この部屋着ですが、一体誰のものでしょうか?」
「え?そのジェーンが着てる部屋着?」
私が彼に貸した部屋着の服、それの何が変なのだろうか?それは紛れもなく、私のものなんだけど。至って普通の、白い上下のジャージだ。彼の質問が一体、どういう意味なのかがよく分からない。
「誰のって、私のですけど何で?」
ジェーンは「はっはっは」と、半ば呆れたような笑いを漏らした。何だろうかその笑いは。彼は腕を組んで、深く椅子に座り、疑う目を私に向けて、こう聞いた。
「別に、居ると仰って頂いても構いませんよ、彼氏。居るのでしょう?」
「え?何で?」
予想外の言葉に驚いて彼を凝視した。何をどうしたら、そういう思考になる?論理的に説明をしてくれ。
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