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店員の受難
ノス森洞窟ダンジョン、探索編
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そして二日後。
俺とサノテはノス森にいた。
俺は、動きやすい布の服に着替えている。背負っている木刀がなければ、散歩している農民と間違われるかもしれない。
サノテは、皮鎧に鉄の剣、そして金属製の盾まで持ってきている。他にもいくつか細々した物を。勇者時代から知っていたことだけど、こいつ、いろいろ気が利くからな。やはり同行者に選んで正解だった。
さて。ノス森は、どこにでもあるような、つまらない森だ。
木がたくさん生えていて、地面に草が生えている。そんな場所。
森の中を流れる細い川を上流へと辿っていくと、崖の下にたどり着く。
川は、崖に空いた穴から流れてきている。
人が通れるぐらいの穴だ。
ここがノス森洞窟か。
「なんか地味だな。もっと入り口から派手な感じを想像してたんだが……」
俺が言うと、サノテが笑う。
「おいおい。ここはダンジョンだぞ。誰が飾り立てるんだよ」
「飾るとかそう言うんじゃなくてさ、もっと禍々しいって言うか、邪気に溢れているというか……」
「魔王城じゃあるまいし……、町の近くの森にそんな物あったら人が住めないだろ。ほとんどのダンジョンはこんな感じさ」
「それもそうか」
勇者時代に回ったダンジョンは、どこも入り口からして禍々しかったが……。そう言えば、あれは人里から離れた場所だし、周囲も魔物だらけだった。
ここはそれほど危険じゃない、のかな?
俺たちは洞窟に入る。
松明を持ったサノテが先に立ち、俺はその後に続く。
足元は川。靴の中に、容赦なく水が入ってくる。
「気をつけろ、コウモリが……」
先を行くサノテがそう言い終わる前に、洞窟の天井がバサバサと羽ばたき音をたてた。
天井にぶら下がっていた無数のコウモリが、俺たちに驚いて、飛び回り始めたのだ。
「うわっ?」
俺は顔を両手で押さえて身をかがめる。
そうしないと、目や口にコウモリが飛び込んでくる。
「コウモリが多いのは入り口付近だけだ。先に進むぞ」
サノテが言い、俺たちはコウモリに耐えながらどうにか進んでいく。
50メートルも進むと、コウモリは殆どいなくなった。
それからしばらく進むと、広大な空間に出た。
「分かれ道だな」
サノテが警戒したように辺りを見回す。
「ただの広間に見えるけど?」
「そりゃあな。だが、何も考えずに歩いていると、どこから入って来たのかわからなくなって遭難する。こういう時は、右手を壁にだ」
俺たちはできるだけ、壁際を歩く。
だが、ところどころに鍾乳石みたいな石筍 (せきじゅん)が有って、壁に手を触れられるほど近く、というわけにはいかない。
そんな感じで、どれだけ歩いたか。
『キシシシ』
暗がりから出てきたのは、人間型の骨だった。
スケルトン。人間の半分ぐらいの身長しかないが、手の骨が鋭く尖っていて、槍の様に突き出してくる。防具をつけていない人間を刺し殺すぐらいの威力はある。
一般人にとっては、十分、危険な魔物だ。
ようやくダンジョンっぽくなってきたな。
「俺にやらせてくれ」
俺は木刀を構え、前に出る。
左下から右上へ、斜めに斬り上げる。
スケルトンの肋骨が砕け、頭蓋骨が吹っ飛んだ。
特にスキルは使わなかったが、この程度なら余裕だ。
サノテも感心したように頷く。
「ほう。店員なんかやってたわりに、腕は鈍ってないようだな」
「当然さ」
毎晩、店の裏でこっそり自主練していたからな。
だが喜んでいる暇はない。
『キシシシ』『クキキキ』『キキキキ』
変な声を立てて、あちらから、こちらから、数え切れないほどのスケルトンが姿を現してくる。前後左右。
いつの間にか囲まれていたようだ。
サノテは持っていた松明を乾いた地面に投げ出し、自らも剣と盾を構えた。
俺とサノテは、背中合わせに立つ。
「そっち側は任せていいか?」
「ああ、もちろんだ」
スケルトンも、じりじりと距離を詰めてきて、示し合わせたように同時に飛び掛かってくる。
無数の……いや、前から来るのは五体。
「波浪連斬閃 (はろうれんざんせん)!」
ガシ、ガシ、ガシ、ガシ、ガシッ
俺が横に振り抜いた木刀が、雲形定規のようなグニャグニャした軌道を描く。
微妙に高さと位置を変えて飛び掛かってきたスケルトンたちは、まとめて爆散した。
サノテの方も、何体かまとめて飛び掛かってきたスケルトンを難なく撃退していた。
「この調子なら、行けそうだな」
「ああ。先に進むぞ」
放り出していた松明を回収して、さらに先に進む。
数分ほど歩いたところで、急にサノテが足を止めた。
「おい、わかるか?」
「……ああ。近くに、何かいるんだな?」
この辺りだけ、石筍が片づけられて広場が作られている。
いた。
暗がりの中に佇(たたず)んでいたのは骨となってまだ動く怪物だった。
装甲のように、隙間ない肋骨で囲まれた胴体。
前後に長い顔、口に生えた二対の牙。
『オアアアアアアアアアッ!』
全てを呪うような咆哮が大地を震わす。
たぶん強敵だ。
俺は即座に方針を決める。
「左から回り込む、援護を頼む!」
「おう」
俺たちは左と右に分かれて、怪物に接近する。
『オアアアアアアアアアッ! オアッ! オアッ!』
骨の怪物は、ものすごい叫び声をあげながら、俺の方を追ってくる。
盾構えてるサノテの方に行って欲しかったんだが……まあいいや。
俺は怪物の鼻先に、木刀を突き出す。
ガァァァン
鉄板か何かを叩いたような音が響く。こいつ、さっきまでのスケルトンより硬いのか?
一方、怪物も、大口を開けて飛び掛かってくる。
俺は一度下がって避け、次に放つスキルを考える。
硬い物、硬い物を壊す時は……。
「破岩衝 (はがんしょう)」
振り下ろした木刀の先端が怪物の牙を捉える。
その状態で、俺はさらに剣をえぐるように押し込む。
追加の衝撃が一瞬遅れて伝わり、牙の付け根が内側から破裂した。
『オアアアアアッ? オアッ!』
怪物は驚いたのか、後ろによろける。
「そりゃっ!」
その隙をついて、サノテが怪物の左後ろ足を砕いた。怪物の動きが止まる。
俺はさらに回り込む、怪物の首筋に木刀を差し込み、頭と胴体を引きはがす。
『オアアアアアッ!』
硬い。無理か?
それなら……、俺はそこを足掛かりに怪物の胴体の上に乗り移り、首の骨を狙う。
「破岩衝 (はがんしょう)」
ガギイイイイン
怪物の首の骨が、砕けた。
頭部が胴体から外れ、地面に転がる。
もう咆哮はなかった。即死だ。
繋がっていた骨が崩壊し、ガラガラと崩れて山になる。
俺は骨の山から飛び降りた。
「倒せたのか?」
「みたいだな……」
サノテは辺りを見回し、何かを確認している。
「これが、ボーン・ドラゴンだったのか?」
こんな骨のどこを薬に使うんだ?
俺がそう思っていると、サノテは首を振る。
「違うな、これはボーン・ヒポポタマスだ。カバだよ」
カバ? これが?
ということは、ボーン・ドラゴンは、これより大きいのかな?
まあ、こんなのが出てくるぐらいなら、すぐ見つかるだろう。
俺とサノテはノス森にいた。
俺は、動きやすい布の服に着替えている。背負っている木刀がなければ、散歩している農民と間違われるかもしれない。
サノテは、皮鎧に鉄の剣、そして金属製の盾まで持ってきている。他にもいくつか細々した物を。勇者時代から知っていたことだけど、こいつ、いろいろ気が利くからな。やはり同行者に選んで正解だった。
さて。ノス森は、どこにでもあるような、つまらない森だ。
木がたくさん生えていて、地面に草が生えている。そんな場所。
森の中を流れる細い川を上流へと辿っていくと、崖の下にたどり着く。
川は、崖に空いた穴から流れてきている。
人が通れるぐらいの穴だ。
ここがノス森洞窟か。
「なんか地味だな。もっと入り口から派手な感じを想像してたんだが……」
俺が言うと、サノテが笑う。
「おいおい。ここはダンジョンだぞ。誰が飾り立てるんだよ」
「飾るとかそう言うんじゃなくてさ、もっと禍々しいって言うか、邪気に溢れているというか……」
「魔王城じゃあるまいし……、町の近くの森にそんな物あったら人が住めないだろ。ほとんどのダンジョンはこんな感じさ」
「それもそうか」
勇者時代に回ったダンジョンは、どこも入り口からして禍々しかったが……。そう言えば、あれは人里から離れた場所だし、周囲も魔物だらけだった。
ここはそれほど危険じゃない、のかな?
俺たちは洞窟に入る。
松明を持ったサノテが先に立ち、俺はその後に続く。
足元は川。靴の中に、容赦なく水が入ってくる。
「気をつけろ、コウモリが……」
先を行くサノテがそう言い終わる前に、洞窟の天井がバサバサと羽ばたき音をたてた。
天井にぶら下がっていた無数のコウモリが、俺たちに驚いて、飛び回り始めたのだ。
「うわっ?」
俺は顔を両手で押さえて身をかがめる。
そうしないと、目や口にコウモリが飛び込んでくる。
「コウモリが多いのは入り口付近だけだ。先に進むぞ」
サノテが言い、俺たちはコウモリに耐えながらどうにか進んでいく。
50メートルも進むと、コウモリは殆どいなくなった。
それからしばらく進むと、広大な空間に出た。
「分かれ道だな」
サノテが警戒したように辺りを見回す。
「ただの広間に見えるけど?」
「そりゃあな。だが、何も考えずに歩いていると、どこから入って来たのかわからなくなって遭難する。こういう時は、右手を壁にだ」
俺たちはできるだけ、壁際を歩く。
だが、ところどころに鍾乳石みたいな石筍 (せきじゅん)が有って、壁に手を触れられるほど近く、というわけにはいかない。
そんな感じで、どれだけ歩いたか。
『キシシシ』
暗がりから出てきたのは、人間型の骨だった。
スケルトン。人間の半分ぐらいの身長しかないが、手の骨が鋭く尖っていて、槍の様に突き出してくる。防具をつけていない人間を刺し殺すぐらいの威力はある。
一般人にとっては、十分、危険な魔物だ。
ようやくダンジョンっぽくなってきたな。
「俺にやらせてくれ」
俺は木刀を構え、前に出る。
左下から右上へ、斜めに斬り上げる。
スケルトンの肋骨が砕け、頭蓋骨が吹っ飛んだ。
特にスキルは使わなかったが、この程度なら余裕だ。
サノテも感心したように頷く。
「ほう。店員なんかやってたわりに、腕は鈍ってないようだな」
「当然さ」
毎晩、店の裏でこっそり自主練していたからな。
だが喜んでいる暇はない。
『キシシシ』『クキキキ』『キキキキ』
変な声を立てて、あちらから、こちらから、数え切れないほどのスケルトンが姿を現してくる。前後左右。
いつの間にか囲まれていたようだ。
サノテは持っていた松明を乾いた地面に投げ出し、自らも剣と盾を構えた。
俺とサノテは、背中合わせに立つ。
「そっち側は任せていいか?」
「ああ、もちろんだ」
スケルトンも、じりじりと距離を詰めてきて、示し合わせたように同時に飛び掛かってくる。
無数の……いや、前から来るのは五体。
「波浪連斬閃 (はろうれんざんせん)!」
ガシ、ガシ、ガシ、ガシ、ガシッ
俺が横に振り抜いた木刀が、雲形定規のようなグニャグニャした軌道を描く。
微妙に高さと位置を変えて飛び掛かってきたスケルトンたちは、まとめて爆散した。
サノテの方も、何体かまとめて飛び掛かってきたスケルトンを難なく撃退していた。
「この調子なら、行けそうだな」
「ああ。先に進むぞ」
放り出していた松明を回収して、さらに先に進む。
数分ほど歩いたところで、急にサノテが足を止めた。
「おい、わかるか?」
「……ああ。近くに、何かいるんだな?」
この辺りだけ、石筍が片づけられて広場が作られている。
いた。
暗がりの中に佇(たたず)んでいたのは骨となってまだ動く怪物だった。
装甲のように、隙間ない肋骨で囲まれた胴体。
前後に長い顔、口に生えた二対の牙。
『オアアアアアアアアアッ!』
全てを呪うような咆哮が大地を震わす。
たぶん強敵だ。
俺は即座に方針を決める。
「左から回り込む、援護を頼む!」
「おう」
俺たちは左と右に分かれて、怪物に接近する。
『オアアアアアアアアアッ! オアッ! オアッ!』
骨の怪物は、ものすごい叫び声をあげながら、俺の方を追ってくる。
盾構えてるサノテの方に行って欲しかったんだが……まあいいや。
俺は怪物の鼻先に、木刀を突き出す。
ガァァァン
鉄板か何かを叩いたような音が響く。こいつ、さっきまでのスケルトンより硬いのか?
一方、怪物も、大口を開けて飛び掛かってくる。
俺は一度下がって避け、次に放つスキルを考える。
硬い物、硬い物を壊す時は……。
「破岩衝 (はがんしょう)」
振り下ろした木刀の先端が怪物の牙を捉える。
その状態で、俺はさらに剣をえぐるように押し込む。
追加の衝撃が一瞬遅れて伝わり、牙の付け根が内側から破裂した。
『オアアアアアッ? オアッ!』
怪物は驚いたのか、後ろによろける。
「そりゃっ!」
その隙をついて、サノテが怪物の左後ろ足を砕いた。怪物の動きが止まる。
俺はさらに回り込む、怪物の首筋に木刀を差し込み、頭と胴体を引きはがす。
『オアアアアアッ!』
硬い。無理か?
それなら……、俺はそこを足掛かりに怪物の胴体の上に乗り移り、首の骨を狙う。
「破岩衝 (はがんしょう)」
ガギイイイイン
怪物の首の骨が、砕けた。
頭部が胴体から外れ、地面に転がる。
もう咆哮はなかった。即死だ。
繋がっていた骨が崩壊し、ガラガラと崩れて山になる。
俺は骨の山から飛び降りた。
「倒せたのか?」
「みたいだな……」
サノテは辺りを見回し、何かを確認している。
「これが、ボーン・ドラゴンだったのか?」
こんな骨のどこを薬に使うんだ?
俺がそう思っていると、サノテは首を振る。
「違うな、これはボーン・ヒポポタマスだ。カバだよ」
カバ? これが?
ということは、ボーン・ドラゴンは、これより大きいのかな?
まあ、こんなのが出てくるぐらいなら、すぐ見つかるだろう。
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