上 下
32 / 38
本編

貴方のとなりにいさせて下さい

しおりを挟む





「んっ、まぶしい。」

    カーテンの隙間から差し込む太陽の光で目が覚める。2度寝しようかとも考えたものの、昨日は早くから寝てしまったため出来そうにない。

あの後そのまま寝ちゃったのか……
大学行かなくていいかな… 


「起きよう。」

ベッドから上体を起こして伸びをする。


「んんっ」

ベッドから立ち上がって洗面台へ向かう。ヘアバンドを付けて髪の毛をあげ、蛇口を捻る。

パシャッパシャッ

洗顔をして歯を磨く。鏡で改めて自分の顔を見る。


「目はれちゃったな。ひどい顔。」

こんな顔じゃ大学なんて行けるはずがなかったわね。

クー

お腹がなる。 


「朝食作ろう。あ、食材がないんだっけ。そう言えば……」

   昨日散らかしたままだった写真を片付ける。
   ゴミ箱に捨ててゴミ捨ての日に他の人に見られても困るから箱に入れておこう。

そう考え、空いている箱に入れる。


「服も部屋着に変えなきゃ。」

昨日あのまま寝たせいで、服にシワがついてしまった。

  

「食材がないからご飯も作れないし、読書をする気にもなれないんだよな。」

   まさか、私が読書する気がないなんて。恵美達が知ったらおどろくだろうな。


「まさか、蓮と離れただけでこんなに参るなんて思はなかったな。」

   ずっと家にいるのは無理だから、そのうち外出しなきゃいけないけどまだ怖いからな。誰か友達に頼むにしたって心配掛けるから、頼みにくいんだよな……


「今日はよこになってるか。そうしたら寝られるかもしれないし。」

 蓮に夢の中だけでも会いたいな…




____________________________________________________________
    




「ん…れん……」

 彼の名前を呼ぶ。最初の頃は緊張していた名前、今では欠かせない人の名前。


「何?」

 言いたくないこんな言葉を紡ぎたくない。だけどあの頃のように誰かにいじめられることが怖い。また傷つくことが。ずっと守ってきた。弱虫な本当の自分。明るく振舞って自分の心に嘘をつき続けた。依存してしまうと裏切られた時が怖いから。


「…私と別れてくれる?」

「別れないよ。」

 彼は笑顔で言う。

「レミは僕のものだ。君を笑顔にさせるのも傷をつけることまで僕の特権だ。レミはいったい何が怖いの僕に教えて勝手に僕のレミに傷をつけたのは誰なの?」

「最初から私に蓮はもったいなかったんだよ。私にはみんなに関係をしられるのが恐いんだ。蓮には私以上にお似合いの人がいるよ。」

「じゃあレミは他の人のために僕を捨てるの?」

   夢の中なら、本当のこと言ってもいいかな。いいよね?他には誰も居ないんだから許してくれるかな……


「蓮とずっと一緒にいたいなぁ。」

   蓮が私の夢なんかに出てくれるなんて幸せだなぁ。夢から覚めたくないなぁ。


「じゃあ、僕の家に一緒に帰ろうか。」

蓮の家?私も一緒にいいの戻っても?

「う、ん。」







しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

【完結】前世の主人が離してくれません⁉︎

恋愛 / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:56

【完結】目覚めたら、疎まれ第三夫人として初夜を拒否されていました

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,278pt お気に入り:3,035

どうやら今夜、妻から離婚を切り出されてしまうようだ

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,640pt お気に入り:1,006

そろそろ浮気夫に見切りをつけさせていただきます

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:66,301pt お気に入り:3,662

結婚三年目、妊娠したのは私ではありませんでした

恋愛 / 完結 24h.ポイント:4,643pt お気に入り:1,147

巻き込まれモブは静かに学園を卒業したい【後日談追加】

恋愛 / 完結 24h.ポイント:220pt お気に入り:3,352

【完結】救済版:ずっと好きだった

恋愛 / 完結 24h.ポイント:369pt お気に入り:613

【完結】もう愛しくないです

恋愛 / 完結 24h.ポイント:702pt お気に入り:1,087

処理中です...