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本編
個室
しおりを挟むショップから出て入る前とは違った視線が集まる。
ま、当たり前だよね。頭のてっぺんから、足先まで高級ブランドコーデメイクも髪型も整えられていて入る前とはまったく違った格好。
痛いのは無くなったけど代わりに前より目立つ視線がすごいな。
「それじゃあ、服も買ったし次に行こうか。次行く所はここから近いんだ」
「そうなの?ここの近く何があったけ」
「うん、次は映画を見に行くよ。ちょうど、レミが読んでいた本が映画化したからそれを見に行こうかと思って」
「行きたい!!」
「よかった、喜んでくれて。あの作品は僕も好きだったからレミと一緒に行きたかったんだ」
この映画は、今とても人気で私も原作を読んでいてかなり面白く、役者も今人気の若手アイドルから大御所俳優も多く出演していて前に見に行こうとしたら満席で行けなっかたのだ。
「でも、映画館にこんな格好で行ったら目立つんじゃない?ただでさえ今も目立っているのに」
「大丈夫だよ。行けばわかるよ」
今私たちの目の前にはソファーが置かれていてその前にはテーブルがありその上にはケーキとウエルカムドリンクがおかれていた。立派な個室だ。
「えっと?」
「どうしたのレミ?おいで」
蓮はすでにソファーのに座っていた。まねかれて私も横に座った。
「蓮、私たち映画見に来たんじゃないの?」
「そうだよ?」
「じゃあどうして、ソファーに座ってケーキ食べてるの?」
「まだ上映まで時間があるからね」
「入ってくるときに通ったみち全然他の人いなかったけどどうして?」
「プラチナルームだからね。他とは違う専用の入り口だから他の人が少ないんだよ。あと、ケーキやウエルカムドリンクはサービスの一つだよ」
まさかの、カップルシートを飛ばしてプラチナルーム…
聞いたことはあったけどまさか自分が彼氏と来るとは思はなかった。確かにこれなら、服装が総ブランドでも大丈夫だな。
「そろそろ、上映時間だから行こうか」
「あ、うん」
手を引かれ、蓮について行く。
「ここのシートだよ」
そう言う蓮と私の前にはソファーと足置き小さめのテーブルが置かれ、横とは通路の邪魔にならない程度の壁があり、ソファーに座ると横のシートが見えなくなる。私たちの席は入り口から一番奥だった。
「映画楽しみだねレミ」
「うん、私はもう十分驚いたよ。蓮は前にもプラチナルームに来たことあるの?」
「あるよ、海斗が前に彼女と行きたいから、下見に付き合ってって言われて来たんだ。その彼女とは映画に行った後少しして別れたみたいだけど。その時はどうして僕が海斗と一緒に男二人でこんな所に来なきゃいけないのかと思ったけど、今日レミと来られたから良かったよ」
「海斗って、花宮君?」
花宮海斗、運動が得意、勉強もできる。爽やか男子。
父親が大企業のトップで、将来的にその後を継ぐ。お金持ち。そういえば蓮の幼馴染だって聞いたことあるな。
「うん」
「そうだったんだ」
「うん」
「ねぇ、そのエピソードはもうわっかたけど、私が蓮の足の間に座る必要ある?」
「せっかくのデートなんだしこれくらいいいでしょ?せっかくレミが僕の選らんだ服を着て靴を履いているんだから。抱っこくらいさせてよ」
そうなのだ、今の私は蓮の足の間座っている。そうすると自然と蓮と密着するわけで、背中から蓮の体温が伝わってくる。本当ならば今すぐ離れたいところだが劇場で騒ぐこともできず、後ろから蓮の腕が私のお腹に回り、抱きしめられる形で抑えられているため隙間を作ることすらできない。極めつけは、私の肩に蓮の顔が載っている!!蓮の綺麗な顔が私の顔の真横にあるわけで、蓮が話す度に私の耳に息がかかる。
く、くすぐったい!!
「どうかしたの、レミ?顔が赤いよ」
蓮は吐息交じりの声で話しかけてくる。
「んっ、な、なんでもないっ!」
「本当に?大丈夫?」
「大丈夫だよ。だから、耳の近くで話さないで!というか本当はわかってやってるよね⁉」
「ん?何が?レミ、映画館なんだからできるだけ静かにしなくちゃ」
心配してるみたいなこと言ってるけど、目がわらってるし。絶対わざとだ!!
やばい、映画どころじゃない。
私、生きていられるのかな。まだ3時間以上あるよ…
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