12 / 38
本編
彼氏の方が女子力高い
しおりを挟むカフェを出た私たちは二日後に大学で会う約束をして時間を少しずらして別々に帰った。二人で一緒にいるのがまずいという私の発案で。蓮は送るといったが私は断固拒否した。
そして2日後ー
今日のお昼は蓮との約束があるためレミは恵美達に断りを入れて急いで待ち合わせ場所に向かった。
いつもは私だけしかいない場所には既に来ていた蓮がシートの上に座ってスマホを操作していた。私に気が付いた様で彼は手を止めてスマホを鞄に戻した。
「蓮ごめん、待たせた?」
「大丈夫だよ。僕もさっき来たばかりだから。それに同じ授業だったからわかるでしょ?」
「そうだけど…」
「ほら、そんな事よりこっちにおいでレミ。お弁当作って来たから早く食べよう」
蓮はレミに向かってに手招きをする。
私は招かれるままに蓮の隣に座った。目の前にはそれぞれ蓋の閉まったお弁当が並んでいた。
蓮の手作りお弁当、つまり絶対に美味しい!だってあのluceの料理を再現出来る腕前なのだから!これが楽しみで頑張って講義を受けたんだから!
「開けてもいい?」
「もちろん。レミのために作ってきたんだから」
「それじゃぁ早速!」
パカッ
「うわぁ!!美味しそう!!」
お弁当の中身はクロワッサンサンドとキャロットラペ、デザートにフルーツ。クロワッサンサンドは小さめで2種類。片方はレタス、エビ、トマト、オニオンとアボカド。もう1つがレタス、トマト、ハムとスクランブルエッグが挟まれている。キャロットラペにはレーズンが入っている。デザートのフルーツにはいちご、ブルーベリー、ラズベリーとキウイがきれいに盛り付けられていた。フルーツについている動物のピックがかわいい。
蓮自分でこのピックかったのかな?
「そんなに喜んでくれるなら作ってよかったな。まぁ、簡単なやつばっかりだけどね」
「いやいや、十分凄いよ!ねぇ、食べていいよね?」
「いいよ、どうぞ」
「いただきます」
「いただきます」
まずはエビのクロワッサンサンドから!
サクッ
「ん~、美味しっ!!」
あ~、幸せだっ!エビがぷりっぷり!!やっぱり美味しいは正義だ!
「レミのその笑顔が見られるなら僕これからずっと作っていいけど?」
「本当!!あ、でも毎日こんなに美味しいの食べてたら太る。確実に、絶対……」
「大丈夫だよ。僕が献立から考えてあげるから、だから結婚しようレミ?」
「へ?」
あー、クロワッサンサンドは美味しいなぁ。
じゃなくてっ!!
「え、蓮今なんて言った?」
「え、だから献立から考えてあげるって」
「そこじゃなくてその後」
「結婚しようレミ?」
「……結婚?」
「そう。あれ?レミはいや?僕これでもお買い得だよ?文武両道、眉目秀麗、機械にも強いし株でお金稼いでるし」
「いやいやっ!嫌いもなにも付き合ったばっかりだよね私たち?何いきなりプロポーズ?してるの」
「レミ、プロポーズだから『?』はいらないよ?返事はまだいいからお昼食べよ?はい、あーん」
蓮はピックが刺さったいちごを私の口の前にもってきた。
いやいや、恥ずかしくてできないよ!!友達とはやったことあるけど男子に『あーん』なんてされたことないし!
しかもイケメンに!!
「レミやんないとキスしちゃうよ?僕としてはそれでもいいけど」
はい、します!やらせていただきます!やらせてください!
「あ、あーん?」
いちごの味はわからなっかた。
蓮は満足したようでお弁当を食べ進める。
……考えるだけ無駄だ。目の前には自分じゃ作らないおしゃれなお弁当があるんだから食べなきゃ損だ!食べなになんて勿体ない!どんどん食べよう!!やけ食いだ!
「「ごちそうさまでした」」
「あ~美味しかった。こんな美味しいご飯は毎日食べてたいなぁ」
え?女子として彼氏の胃袋捕まえろ?女子力負けてるけどいいのか?
そもそも、最初から蓮に勝てる気しなかったしな…
紳士で有名な上luceで昔バイトをしていて料理の腕前はプロレベルですよ?私も料理は小さなころから手伝いでやっていたし一人暮らしで自炊はしてるけどluceのレベルは無理だし、作ってもらう方が楽なんだよね。食べるなら美味しい方がいいに決まってる。
「じゃあ、結婚する?」
「いや、まだ無理です」
食事が終わり私たち二人はお茶を飲んで一息つくことにした。
「あ、僕レミに確認したいことがあったんだ」
「え?なに?」
0
お気に入りに追加
579
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる