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本編
美味しいは正義です
しおりを挟むノックの音がして入って来たのは注文品を持った和泉さんだった。
「失礼します。ご注文のランチセットを二つ、アイスティーを一つお持ちしました。ごゆっくりどうぞ」
そう言って和泉さんは戻って行った。
ランチセットはトロトロ卵のオムライスと、彩り豊かなサラダに
コンソメスープだった。ちなみにオムライスはオムレツを真ん中に切れ目を入れて開くタイプで、和泉さんがナイフで綺麗に開いてくれました。テレビでやっているように本当にトロトロの半熟です!
早速オムライスをスプーンで掬い口に入れる。
「お、美味しい。トロトロだぁ」
「お気に召したようで、ここに来たかいがあったね」
美味しいは正義です。サラダも、クルトンやナッツカリカリに焼いたベーコンがのっていて、最高です。コンソメスープも濃厚でオムライスのソースの味に負けません。
「蓮、ここのお店教えてくれてありがとう!」
「どういたしまして。僕もレミが幸せそうで嬉しいよ。ちなみに、ここのメニューなら僕も作れるから、僕と一緒に住んだらいつでも食べることができるよ?」
ほ、本当ですか!このトロトロ半熟オムライスがいつでも食べられるんですか!じゃなくて!
「…なんでここの料理作れるの?」
「言ったでしょ、僕は高校生の頃バイトしてたって言ったでしょ。此処のカフェで働いてたんだよ。此処のお店のオーナーだった和泉さんは、花宮のお父さんと同級生でその繋がりで、知り合ってバイトさせてもらったんだ」
「花宮君の?」
「そう、花宮の家はイベントを手掛けている会社を経営していてその関係で人脈も広くてね、おかげで僕も色々な方達と知り合えて将来の仕事先ももう決めてあるんだ」
…この人はどこまで完璧なんでしょうか。花宮君の家がお金持ちなのは知っていましたが、イベント関係の会社を経営していたんですか。
「ちなみに、就職先は何処なんですか?」
「海斗のお父さんのところ。今も海斗のお父さんに頼まれた仕事やってるし。起業してもいいけどそうすると忙しくてレミとの時間が減るからいやだしね。」
「花宮君のところってあの大企業の?幅広く展開してる?」
「そうだよ。小さなころから大きくなったら絶対就職してって言われたんだ。そう言うことで将来の就職咲も決まってるしお金には困ってないし、もう結婚出来る年だし」
そして、彼は最後に笑って言った。
「いつお嫁さんに来ても大丈夫だからね?」
難関大学からでも、中々就職できないので有名なあの会社に既に就職が決まっている大学二年生とは?しかも、料理も出来る。
あぁ、それじゃあ蓮は就活もう終わってるのか。
なんて羨ましい…じゃなくて、規格外なんだろうか。
結婚相手としては文句の付け所が一切無い。
なのに、なんでか此処で頷いたら色々終わるきがするのは何故なんだろうか。
「ごちそうさまでした」
手を合わせて、あいさつをした。
ランチも食べ終わりデザートが来るのを待つ。感想?とっても美味しかったです。本当に付き合おうかぐらいに。
蓮は食事の仕方もとても綺麗でした。彼は本当に一般家庭で育ってきたんでしょうか。謎が深まるばかりです。
コンコン
「失礼します。食後のデザートでございます」
先程と同じ様にノックをする音が聞こえ中に入って来たのは和泉さんで、手に持つトレーには注文したデザートが乗っていた。
「いちごのタルトとオペラでございます。ご注文は以上でよろしいでしょうか?」
和泉さんが持ってきてくれたケーキは輝いてみえた。いちごがふんだんに使われたタルトに、沢山テンパリングしたであろう艶やかなチョコレートを使用したオペラのなんと美しいことか。今日は色々あり過ぎて使われたが、このケーキを見ると元気が湧いてくる。
「えぇ、大丈夫です」
私がデザートのケーキに見とれている内に、和泉さんに彼が返事を返していた。
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