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本編
ランチ
しおりを挟む講義が終わり私たち三人は、大学の食堂に向かった。
「う~ん、和食のAセットか、洋食のBセットどっちにするべきか…」
「ほら、早くしなさい。まだ後ろにたくさん並んでるんだから」
「よし、今日はAセットにする!」
「食券も買ったことですし、もらいに行きましょうか」
私たち大学の食堂は安くて美味しいので有名なためお昼時はいつも混雑している。ちなみに恵美はオムライスで、雛はサンドウィッチセットだ。
なんとか、席も確保できて、三人は席に着く。
「「「いただきます」」」
「そういえば、レミ聞いた。風花の彼氏の話し?」
「あぁ、あの?」
「そうそう」
「風花さんと言うと、確かお二人の中学時代のお友達ですよね?」
風花、竹内風花は私と恵美の中学時代の友達で、大学進学した後もよく連絡を取り合い偶に三人で遊んだりしている。風花も、大学こそ違うものの、同じ県内ということもあり、なんだかんだと今でも交友関係が続いている。
「レミは風花の彼氏のことどう思う?」
「…ちょっと怖いかな」
「なんで怖いんですか?」
「束縛が凄いみたいなのよね」
風花の彼氏は彼女が進学してからできた彼氏で、少々愛情がおもたい。俗いう束縛タイプだったのだ。彼女が友達と遊ぶというのを知ると、そのメンバーのことまで聞き挙げ句の果てにはついて来ようとするそうだ。
本人から聞いた話によると付き合った当初は彼からのアプローチが強くて断りきれず付き合ったと聞いた。
「あらまぁ、それは…」
「風花も強く出られないタイプだから余計にストレスが溜まるみたいなのよね」
「別れられるといいけど」
「本当にそういう方がいらっしゃるんですね」
「風花のこと好きなら、彼女のこともしっかり考えなさいよ」
「私も愛情をくれるのは嬉しいですが、束縛は無理ですね。
友達や、一人でゆっくり遊べないのは私も息が詰まりますし」
「そうよね、レミもそう思うでしょ?」
「う、うん。もちろん」
「あ、私そろそろバイトの時間だから。帰るねそれじゃあまた明日話そうね!」
「バイト頑張ってね」
「頑張ってくださいね」
「ありがと、じゃあね!」
恵美は食べ終わったトレーと荷物を持ち立ち上がった。
恵美は週四日の飲食店のバイトをしている。
「恵美さんは、カフェのバイトはどうなんですか?」
「今週はあと、金曜日だけ」
かく言う私も、カフェ「木漏れ日」のバイトを週三日で入れている。
「雛こそ、そろそろピアノのレッスンの時間じゃないの?」
「あら、本当ですね。それでは私もそろそろお暇させて頂きます
ね。レミも気をつけて帰って下さいね」
「うん、ありがとう。ピアノ頑張ってね」
「ええ、それではまた明日」
そう言って雛はトレーと荷物を持ち席を立った。雛に手を振り終わり、私もトレーと荷物を持って立ち上がり、食堂を後にした。
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